心療内科・精神科のご案内(成人)

成人期に認める精神疾患の中で、以下のような疾患が頻度の高いものです。

  • うつ病
  • 躁うつ病
  • パニック障害
  • 強迫性障害
  • 統合失調症
  • 認知症
  • 適応障害
  • 社交不安障害
  • 全般性不安障害
  • 特定の恐怖症
  • 注意欠如多動性障害(ADHD)
  • 成人期の広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー)

うつ病、パニック障害、強迫性障害、総合失調症、認知症、大人のADHD、広汎性発達障害について簡単に説明しています。自分に当てはまっていたり、気になる症状がある場合には一度受診してご相談してください。

児童や思春期に認められやすい精神疾患については、【児童精神科のご案内】ページで説明しています。

うつ病(Major Depressive Disorder)

うつ病は頻度が高い疾患であり、子どもでも大人でも症状が出現する可能性があるため、疾患の特徴についてご説明します。不登校の原因となったり、体の症状(頭痛、腹痛、めまい、体の痛みなど)として出現する場合もあり、少しでも当てはまる場合には一度受診してください。

うつ病の中核症状は、「抑うつ気分」と「興味、喜びの喪失」があげられます。

「抑うつ気分」とは
→ 気分の落ち込みや、何をしても晴れない嫌な気分や、空虚感・悲しさなど
「興味、喜びの喪失」とは
→ 以前まで楽しめていたことにも楽しみを見いだせず、感情が麻痺した状態
1. うつ病の特徴
日内変動:朝のほうが症状が重い
睡眠障害:早朝覚醒が多い
高齢者のうつ病:思考制止、精神運動制止などの症状は認知症との鑑別が難しいことがあります。
小児のうつ病:抑うつ気分を積極的に口にすることは少なく、また表情や行動にも表れにくいです。頭痛や腹痛、いらいら等の症状、また不登校として表されている場合があります。
2. うつに伴う身体症状
全身倦怠感、易疲労感
食欲低下、体重減少
性欲減退
便秘、下痢
口渇
頭痛・頭重感、肩こり
動悸、胃痛、眼痛、めまい、耳鳴り、手足のしびれ

こうした症状は内科的な診察、検査を繰り返しても異常が見つからず、うつ病の診断がなされないまま、いわゆる不定愁訴として片づけられていることが多いので注意が必要です。内科治療で改善しない場合にはご相談ください。

治療
薬物療法、精神療法、認知行動療法などを組み合わせて行います。

パニック障害(Panic Disorder)

この疾患も思春期ころから認めることが多い疾患です。症状として、息苦しさ、動悸、めまい、ふるえ、ほてりなど体の症状であるため、 内科や小児科を受診することが多い疾患です。体の問題がないと診断された場合には、これらの症状はパニック症状である可能性があるため一度ご相談ください。

定型的なパニック障害は、突然生じる「パニック発作」によってはじまります。続いてその発作が再発するのではないかとおそれる「予期不安」とそれに伴う症状の慢性化が生じます。さらに長期化するにつれて、症状が生じた時に逃れられない場面を回避して、生活範囲を限定する「広場恐怖症」が生じてきます。

つまり、どこにいてもパニック発作がおきるために、すぐに逃げられない場所にはいけなくなってしまうのです。またいつ起きるかわからないため、つねに非常に不安が強い状態が続きます。パニック障害は、そのため非常に行動範囲をせばめ、社会機能を低下させてしまう病気なのです。

パニック障害には以下の三つの特徴があります。

  • パニック発作
  • 予期不安
  • 広場恐怖
1. パニック発作とは
心臓がドキドキする
冷や汗をかく
身体や手足のふるえ
呼吸が速くなる、息苦しい
息がつまる
胸の痛み
吐き気、腹部のいやな感じ
めまい、頭が軽くなる、ふらつき
非現実感、自分が自分でない感じ
常軌を逸する、狂うという心配
死ぬのではないかと恐れる
シビレやうずき感
寒け、又はほてり

ある限定した時間内に【激しい恐怖感】や【不安感】とともに、上記のような症状のうち、4つ以上が突然出現し、10分以内にピークに達する状態がパニック発作です。

2. 予期不安とは

パニック発作に非常に強烈な恐怖を感じるため、発作が発生した場面を非常に恐れ、またあの恐ろしい発作が起きるのではないかと、不安を募らせていく。

  ↓

そうすると「予期不安」(いつ発作が起きるのかと常に不安)が出現

  ↓

神経質となり、いつも身体の状態を観察するようになる。そして、持続的に自律神経症状が生じることとなり、パニック発作が繰り返し生じるようになっていく。
こうなると悪循環にはまっていきます。

3. 広場恐怖とは

パニック障害の患者さんは予期不安があるため、その7~8割は、広場恐怖症になると言われています。

パニック発作がいつ起こるか分からないことから、発作が起きたとき逃れることが困難な場所や、すぐに助けを求められない状況に1人でいることに強い恐怖感をもち、そのような場所に行くことを意識的に避けるようになります。

<広場恐怖の患者さんが恐れる場所や状況の例>

  • 電車やバスなどの交通機関
  • トンネルやエレベーター
  • 地下道
  • 窓のない部屋などの狭い閉鎖空間
  • 屋上やテレビ塔といった高所
  • 自動車の運転(特に高速道路や渋滞に巻き込まれたとき)
  • 会議に出席する
  • 自宅に1人でいること  など

パニック障害は保険適応の内服薬により症状が改善する可能性があります。子どもの場合にはどの疾患に対しても内服治療を行う場合には安全性が高いものを使用いたします。パニック障害の場合には認知行動療法も有効な場合があります。

強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder)

強迫性障害も思春期から青年期にかけて生じることがある疾患です。もちろん大人でもなります。強迫性障害は自分ではそのことが症状だとは気付きにくい疾患です。なぜなら気付いたときには自分の頭の中にあるものだから、当たり前のことだと思っていることが多いのです。しかし治療可能な疾患ですので、当てはまる場合にはご相談ください。

まずは強迫性障害を理解するために、強迫観念と強迫行為についてご説明いたします。非常に重要な概念となります。 強迫症状とは強迫性障害の症状であり、強迫観念と強迫行為の二つからなります。両方が存在しない場合は強迫性障害とは診断されません。強迫症状はストレスにより悪化する傾向にあります。

1. 強迫観念とは

「大丈夫と思っても繰り返し頭に浮かんでくるばかばかしい不快な考え」が強迫観念です。

  • 汚いものや汚染が気になる
  • 不幸な恐ろしいことが起こるのではないかとおびえる
  • 物事の左右対称性、順序、正確さが気になる
  • 良心に反することをしないか不安になる  など
2. 強迫行為とは

「強迫観念を取り除き不安を打ち消すための動作や行為」が強迫行為です。

  • 何度も手洗いする
  • 長時間入浴する
  • 鍵やガスの元栓、電気のスイッチを何度も確認する
  • 事物を何度も整頓したり、掃除したりする行為
  • 儀式的に繰り返される、不安・不幸を避けるための行為
  • 車の運転をしていて、気がつかないうちに人を轢いてしまたのではないかと不安になる
  • 不要物を家にためこんでしまう
  • 不吉な数やこだわりの数がある  など

これらの症状が継続して認められており、そのために学校、仕事、家庭、などの場所で困難が生じている場合には強迫性障害の診断がつく可能性があります。治療としては内服治療、認知行動療法が有効です。

統合失調症(Schizophrenic disorders)

統合失調症は頻度が約1%の疾患であり、頻度の高いため、疾患の特徴について説明いたします。この疾患は進行性の疾患であるため、非常に早期発見、早期治療の意味が大きい疾患です。少しでも当てはまることがある場合には、早めに医療機関を受診してください。診断基準を満たしている場合には内服治療を行います。

発症年齢は男性18〜25歳、女性25〜35歳と言われていますが、統合失調症の前駆症状は思春期頃から出現することが多いです。ですので、以下のような前駆症状がでた場合にはその後の注意が必要です。

  • なんとなく恐い感じがする
  • 漠然とした不安がずっとつづく
  • 視線が気になる
  • 悪口を言われている気がする
  • 自分が自分じゃない感じがする
統合失調症の症状
誰もいないのに悪口が聞こえる
友だちからばかにされている
常に誰かに見張られている
誰かに追われている
自分の考えがみんなに伝わっている
他人の考えが自分に伝わってくる
頭の中を水がざーざー流れている
内蔵がとける感じがする
頭に電波が入ってくる

上記のような症状を認めており、ある一定の期間継続している場合には統合失調症の可能性があります。早期治療によりその後の経過が大きく変わる可能性があり、早期の相談をお願いいたします。

認知症(Dementia)

認知症とは、正常に発達した脳機能がなんらかの原因で持続的に低下し、複数の認知障害が生じ、そのために社会生活に支障をきたすようになった状態のことです。認知症治療は早期発見、早期治療が非常に重要です。以下のような症状が認められた場合には受診してご相談ください。

疾患としては、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症などがあげられます。

こんな症状がでてきたら注意が必要です。

  • 物忘れが目立つ
  • 今までできたことができなくなる
  • 人柄や性格がいつもと違う
  • 時間や場所で戸惑う

「老化によるもの忘れ」と、「認知症のもの忘れ」は異なります。

「老化によるもの忘れ」
体験の一部分を忘れる
新しい出来事は記憶できる
ヒントを与えられると思い出せる
時間や場所などの見当がつく
日常生活に支障はない
もの忘れに対して自覚がある
「認知症のもの忘れ」
体験全体を忘れる
新しい出来事を記憶できない
ヒントを与えられても思い出せない
時間や場所の見当がつかない
日常生活に支障がある
もの忘れに対して自覚がない

認知症の症状は中核症状と行動・心理症状に分けられます。

<中核症状>

  • 記憶障害
  • 判断力の障害
  • 実行機能障害
  • 問題解決能力の障害

<行動・心理症状>

  • 徘徊
  • うつ状態
  • 暴力・暴言
  • 不安
  • 睡眠障害
  • 介護への抵抗
  • 異食
  • 妄想
  • 幻覚
治療
認知症の中核症状、行動・心理症状に対する治療があります。治療は早いほど進行をおこえ、生活の質を維持することができる可能性があります。

成人期のADHD(注意欠如多動性障害)

ADHDとは子どもで注目されている疾患の一つですが、ADHDの症状の一部、特に不注意症状は大人になってもなくならないことが多く、この症状があると仕事で支障が出ることがあります。

不注意症状とは、うっかりミスが多い、一度に複数の指示をされると忘れてしまう、複数の仕事を同時に処理することが苦手、作業効率が悪い、スケジュール管理が苦手、1対1なら大丈夫だが複数の会話(会議など)になると話に集中できない、などなど。実際にこのような苦手さがある人の中にはADHDの症状である場合があります。

ADHDの診断がつく場合には、成人の人でも内服での治療が可能です。効果は人によりばらつきますが、現在困っていることの一部でも取り除くことができるかもしれません。

1. ADHDの特徴
長く単調な仕事に注意を集中し続けることが困難
些細な妨害が入ったり、新しい刺激があると重要な課題から逸れてしまう
金銭・旅行・買い物などを衝動的に実行してしまう
交通事故や負傷することが多い
2. ADHDの状態像の年齢による変化
多動性(11歳頃)や衝動性(13歳頃)は多くの場合軽減するが、不注意は持続することが多い。つまり、不注意は大人になっても残る場合が多い。これが原因で仕事で支障をきたすことがある。
3. 不注意、衝動性の問題
物事の順番がつけられない、整理整頓困難、時間の管理困難
忘れっぽさ、ミスの多さ、複数の案件を覚えておくことが困難
物事を予定通り始めたり終了できない
表現が下手、計画変更が困難、課題完遂不能
何をしようとしていたかを忘れてしまう
すぐに飽きてしまう、アイデアが豊富だが実行困難、本がすべて読みかけ
文字を書くとき思ってもいないことを書く、育児困難、荒っぽい車の運転
とりかかりが遅い、力はあるがコツコツやるのが苦手、本当に楽しいと思えない
のんびり屋、ぼんやりしている、周囲とテンポが合わない
周囲の状況をつかみにくい
感情の易変性、癇癪、無秩序、ストレス耐性欠如、衝動行為
低い自尊心、物質への依存、仕事が長く続かない
気分障害、不安障害に似た症状

成人期の広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー)

広汎性発達障害も子どもで注目されている疾患ですが、大人になってもその特徴は変わりません。大人になってから広汎性発達障害の特性で困ることは、働き出してから発生することが多いです。具体的には広汎性発達障害の疾患特性のために職場での人間関係や、仕事自体への困難さを生じることがあります。

なお、広汎性発達障害については【児童精神科のご案内】ページで詳しく説明しています。

1. 高機能広汎性発達障害と就労困難(高機能とは知的に問題がないという意味で使用)
場面に応じた言葉遣い
上司の指示を字義通りに理解
正論を押し通す
視覚と運動の協応
並列作業の困難
作業環境の騒音
同一の視覚パターンの反復
臨機応変の対応の要求
就労時間が長い
休憩の頻度が少ない
実現不能なノルマ設定

このようなことで職場で指摘されたり、自分で困難を感じたことはありますか?

2. 高機能広汎性発達障害の問題行動
対応能力を超えた、了解しがたく、見通しのもてない対人状況にさらされた時
状況の回避などの「適応的な」行動が妨げられた時
周囲からの障害特性に基づかない対応が繰り返され時

高機能広汎性発達障害の不適応行動は、上記のような場合に起こることがあります。

大人になってから広汎性発達障害の特性から乗り越えられない問題が生じたとき、それがなぜなのかわからないとき、診断がつくことで自分をより客観的に理解することができ、いままでとは異なる対応ができるようになったり、本当に苦手なものを効率的に回避することができるようになるかもしれません。

もしかしたら自分は広汎性発達障害の可能性があるのでは、と悩まれている方は一度ご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠中に呼吸が浅くなったり、止まる病気です。

寝ている時に呼吸が止まるため、脳で覚醒反応がそのつど起こり、睡眠の質が悪くなります。そのため、昼間の症状として、日中眠くなったり、注意散漫になったり、疲れが取れないなどの症状を伴います。

そのまま放っておくと、高血圧・心血管障害・脳梗塞・糖尿病などの生活習慣病のリスクが高くなります。

<症状>

  • 朝起きたときに頭痛がする
  • 体がだるい
  • 夜間によくトイレで目が覚める
  • 大きないびきをかく
  • 居眠り運転を起こしそうになる
  • 集中力が続かない
  • 昼食後の会議でいつも眠い
検査と診断
検査は、寝ている時の呼吸運動、酸素飽和度、睡眠体位、いびき音を記録する装置で診断します。
治療の方法
代表的な治療としては、専用マスクを使用して鼻から空気を送る、シーパップ療法(CPAP)を第一選択とし、減量、眠るときに口腔内装置(歯科装具)を装着します。

睡眠時無呼吸症候群の疑いのある方はご相談ください。

睡眠時無呼吸症候群の検査を自宅で行うことができます。検査結果解析し、治療について提案させていただきます。

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