TMS治療は脳機能を改善させる可能性はあるか？

 

こんにちは、名古屋市千種区　児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会　和光医院、加藤晃司です。

 

今回は、TMS治療は脳機能を改善させる可能性はあるか？、について解説します。

 

TMS（経頭蓋磁気刺激）治療は、脳機能を改善させる可能性があります。TMSは非侵襲的な脳刺激技術であり、特定の脳領域に磁気パルスを用いて神経細胞の活動を刺激または抑制します。この治療法は、主にうつ病の治療に用いられていますが、さまざまな神経精神疾患や脳機能障害に対する潜在的な治療オプションとして研究されています。

 

①脳機能への影響

TMS治療が脳機能に及ぼす影響には以下のようなものがあります：

 

（１）神経活動の調節: TMSによる刺激は、目標とする脳領域の神経細胞の活動を直接的に増加させるか抑制することができ、特定の脳機能の改善に寄与する可能性があります。

（２）神経プラスチシティの促進: TMSは神経プラスチシティ、つまり脳が新しい経験に応じてその構造や機能を変化させる能力を促進することが示されています。これは、学習、記憶、および脳損傷の回復に役立つ可能性があります。

（３）神経伝達物質のバランスの調整: TMS治療は、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスを調整し、気分、注意、認知機能などの改善に寄与する可能性があります。

 

 

②有効性

（１）うつ病: TMS治療は、特に従来の治療法に反応しないうつ病患者において、症状の改善に有効であることが広く認められています。

（２）認知機能の改善: 認知障害や軽度認知障害（MCI）に対するTMS治療の効果についての研究も行われており、記憶や実行機能の一部の改善が報告されています。

（３）その他の疾患: ADHD、不安障害、統合失調症など、他の精神神経学的疾患に対するTMSの有効性についても研究が進められています

 

TMS治療は、脳の機能の一部を改善しているのは臨床試験の結果からも明らかです。

 

脳細胞は連動しあっています。

一部でも神経細胞が再活性することがあれば、それにつられて周りの細胞が活性化、正常化してくる可能性はあると思います。

 

うつ病に限らず、精神症状を改善させるきっかけになる可能性はあるので、精神科での治療選択肢の一つにいれることは悪くないことだと思います。

 

 

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子どものためのメンタルクリニック

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