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小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について、名古屋の児童精神科医が解説
小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について解説します。
統合失調症は通常は好発年齢は思春期とされています。
ですがまれにそれよりも前の年齢で発症するケースもあります。
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小児統合失調症は、成人に見られる統合失調症と同様の症状を、13歳未満の子どもたちに見られる状態です。これは比較的稀であり、子どもたちにおける精神疾患の中でも特に診断が難しいものの一つです。小児期に統合失調症を発症する場合、その症状はしばしば成人発症型とは異なる特徴を持ち、子どもの発達段階によって影響を受けるため、診断と治療には特に注意が必要です。
<特徴>
思考の障害: 子どもたちは支離滅裂な思考や話し方を示すことがあります。物事の脈絡を失ったり、一貫性のない言動が見られることがあります。
幻覚: 特に聴覚幻覚が一般的ですが、視覚幻覚やその他の感覚に関する幻覚を経験することもあります。これらの幻覚は非常にリアルであり、子どもにとって恐怖を感じる原因となることもあります。
妄想: 誰かに追われている、特別な力を持っている、あるいは他人が自分の考えを読んでいるといった、根拠のない強い信念を持つことがあります。
社会的撤退: 友達を作ることや社会的な活動に参加することに対する興味が低下します。自分の世界に閉じこもりがちになることもあります。
感情の鈍化: 感情の表出が乏しくなることがあり、顔に表情が出にくくなったり、感情の起伏が少なくなったりします。
学習と集中の問題: 学校の成績が急激に低下することがあり、集中力や注意力にも問題が生じることがあります。
<診断と治療>
小児統合失調症の診断は、包括的な医療評価、家族の医療歴のレビュー、行動の観察などに基づいて行われます。治療は、薬物療法、心理社会的介入、教育的サポートなど、多面的なアプローチが必要です。特に、子どもの年齢や発達段階に合わせた個別の治療計画の作成が重要です。
小児統合失調症は、子どもとその家族にとって大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期の診断と適切な治療・サポートが非常に重要です。
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幻覚、妄想を訴えることはかなり少ないです。
やはり統合失調症の中核症状である自我漏洩症状からスタートします。
まわりの世界や、他人と自分を分ける壁を自我ということにしましょう。
その自我障壁が崩れていくのが、自我漏洩症状です。
他人の思考や感情が自分の中にはいってきたり、逆に自分の思考、感情が外にもれていく感覚を覚えます。
これまでの感覚とはまったく異なるため、恐怖感をいだくようになることが多いです。
そうすると、常に不安、緊張があり、学校のような人がたくさん集まっている場所にはいけなくなります。
不登校の子どもの中に、少なからず統合失調症の前駆症状がでている子はこれまでもいました。
強迫症状が前駆症状となることも多いので、強迫の場合は注意が必要です。
内服も大人と違い、いきなりはじめるかどうかも慎重に考える必要があります。
基本は、自我漏洩症状がでたタイミングが内服開始でいいと思っています。
それまで強迫、不安、とかであれば、それに対する内服で粘ればいいです。
そのまま統合失調症は結果的に発症しないケースもかなりあるからです。
まとめ
今回は、小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について解説しました。
小児の場合、大人とは経過も治療も変わってきますので、注意が必要です。
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子どものためのメンタルクリニック
医療法人永朋会 和光医院
児童精神科・精神科・心療内科
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Characteristics of Childhood Schizophrenia Compared to Adult Schizophrenia
Hello, I am Dr. Koji Kato, a child psychiatrist at Wako Clinic in Chikusa-ku, Nagoya.
Today, I will explain the characteristics of childhood schizophrenia compared to adult schizophrenia.
Schizophrenia typically manifests during adolescence, but there are rare cases where it occurs at an earlier age. Childhood schizophrenia, seen in children under 13, presents similarly to adult schizophrenia but has unique features due to the developmental stage of the child. This makes diagnosis and treatment particularly challenging.
Characteristics
Disorganized Thinking:
Children may exhibit disorganized thoughts and speech, losing the thread of conversation or displaying inconsistent behavior.
Hallucinations:
Auditory hallucinations are common, but visual and other sensory hallucinations can also occur. These hallucinations are often very vivid and can be terrifying for the child.
Delusions:
Children may have strong, unfounded beliefs, such as thinking they are being followed, possessing special powers, or that others can read their thoughts.
Social Withdrawal:
There is often a noticeable decline in interest in making friends or participating in social activities, leading to isolation.
Blunted Affect:
A reduction in emotional expression, with a lack of facial expressions and diminished emotional responsiveness.
Learning and Concentration Problems:
There may be a sudden drop in academic performance, along with difficulties in concentration and attention.
Diagnosis and Treatment
Diagnosing childhood schizophrenia involves comprehensive medical evaluations, reviewing family medical history, and observing behavior. Treatment requires a multifaceted approach, including:
Medication: Tailored to the child’s age and developmental stage.
Psychosocial Interventions: To support social skills and cognitive development.
Educational Support: To address learning difficulties and provide academic accommodations.
Key Differences from Adult Schizophrenia
Early Onset:
Childhood schizophrenia starts before 13 years old, whereas adult schizophrenia typically begins in late adolescence or early adulthood.
Developmental Impact:
The symptoms and their impact are influenced by the child’s developmental stage, affecting social, academic, and cognitive development.
Initial Symptoms:
Children are less likely to report hallucinations and delusions initially. Instead, they often start with symptoms related to ego leakage, such as feeling their thoughts and emotions are leaking out or being invaded by others.
Progression:
Symptoms such as compulsions or anxiety may precede the full onset of schizophrenia. Early treatment targeting these symptoms can sometimes prevent the progression to full-blown schizophrenia.
Treatment Caution:
Medications used in adults must be carefully considered in children, with a gradual approach to starting medications.
Conclusion
This explanation of childhood schizophrenia highlights that it is distinct from adult schizophrenia in its onset, developmental impact, and symptomatology. Early and appropriate intervention is crucial in managing the condition and supporting the child’s development.
If there are any concerns or signs of childhood schizophrenia, early consultation with a specialist is essential.
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