名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

診療のご相談・ご予約はお気軽に 052-712-1777 【受付時間】9:00〜18:00 【休診日】火・日・祝日

ブログ

2024.07.21ブログ

TMS治療のうつ病以外の疾患への有効性について、名古屋の児童精神科医が解説。

TMS治療のうつ病以外の疾患への有効性について、名古屋の児童精神科医が解説。

 

TMS治療のうつ病以外の疾患への有効性について解説します。

 

 

①ADHD

 

(1)TMS治療の原理

TMS治療では、コイルを通じて短い磁気パルスを頭皮上の特定の脳領域に送ることで、その領域の神経細胞の活動を刺激または抑制します。これにより、脳の神経回路の活動が調節され、さまざまな神経精神疾患の症状に影響を及ぼすことが期待されます。

 

(2)ADHDへのTMS治療の研究

有効性: ADHDに対するTMS治療の有効性に関する研究はまだ初期段階にありますが、いくつかの研究では、ADHDの症状に対して前向きな効果が報告されています。特に、注意力や衝動性、多動性の改善が観察されたケースがあります。

標的とする脳領域: ADHDの治療においては、前頭前野など、注意制御や行動調節に関わる脳の領域が標的とされることが多いです。

治療プロトコル: ADHDに対するTMS治療のプロトコルは、治療の頻度やセッション数、刺激の強さなど、研究によって異なる場合があります。最適な治療プロトコルについては、今後の研究でさらに明らかになることが期待されます。

 

②睡眠障害

 

睡眠障害に対するTMS(経頭蓋磁気刺激)治療の有効性に関しては、まだ充分には確立されていませんが、一部の研究では前向きな結果が報告されています。TMS治療は主にうつ病の治療に用いられますが、睡眠障害を伴ううつ病患者において、睡眠の質の改善が観察されたことから、睡眠障害そのものに対する潜在的な治療法としての可能性が探求されています。

 

(1)研究と結果

睡眠の質の改善: うつ病患者を対象としたTMS治療の研究では、睡眠の質が改善されたとの報告があります。これには、入眠困難、睡眠の中断、早朝覚醒などの症状の軽減が含まれます。

レム睡眠と非レム睡眠の影響: TMSがレム睡眠および非レム睡眠に与える影響に関する研究もあり、一部の研究では、TMS治療が睡眠サイクルにポジティブな影響を与える可能性が示唆されています。

 

(”)治療メカニズム

TMS治療が睡眠障害に対してどのように作用するかについては、完全には解明されていませんが、以下のメカニズムが考えられています:

 

神経回路の調節: TMSによる特定の脳領域への刺激が、睡眠に関わる神経回路の活動を調節し、睡眠パターンの正常化を促す可能性があります。

神経伝達物質の影響: TMS治療がセロトニンやメラトニンなど、睡眠に関係する神経伝達物質のバランスに影響を与えることで、睡眠の質を改善する可能性があります。

 

③不安障害

 

不安障害に対する経頭蓋磁気刺激(TMS)治療の有効性に関する研究は、近年注目を集めています。不安障害は、一般化不安障害(GAD)、パニック障害、社交不安障害など、様々なタイプがあり、それぞれに対してTMS治療の可能性が探求されています。TMSは主にうつ病の治療に使用されてきましたが、その神経生物学的な調節効果が不安症状にも有益であることが示唆されています。

 

(1)研究結果

不安障害に対するTMS治療の研究では、多くの場合、患者の不安症状が有意に減少したと報告されています。特に、うつ病を伴う不安症状に対して効果が見られることが多いです。

一部の研究では、TMS治療が不安障害の患者における神経回路の活動を正常化し、不安を引き起こす脳の領域に直接作用することで、症状の軽減につながることが示唆されています。

 

(2)作用機序

TMS治療は、特定の脳領域に対して磁気パルスを用いることで神経活動を刺激または抑制し、脳内の神経伝達物質のバランスを調整します。このプロセスが、不安障害における脳の機能不全を改善し、不安症状の緩和に寄与する可能性があります。

 

このような感じで、少しずつ臨床試験での有効性を示す報告がでてきています。

 

神経伝達物質への影響、神経回路の再構築などがTMSで起こることを考えれば、その他疾患に対して応用がきく可能性は十分にあると思います。

 

 

当院ホームページはこちらより

https://wako-psy-clinic.com

ご予約は公式ラインから可能です。

https://lin.ee/HorvYiv

当院インスタグラムはこちら

https://www.instagram.com/wako_iin/

 

子どものためのメンタルクリニック

医療法人永朋会  和光医院

児童精神科・精神科・心療内科

 

〒464-0092 愛知県名古屋市千種区茶屋が坂1丁目12番2号

電話 : 052-712-1777

地下鉄名城線「茶屋ヶ坂」駅 1番出口より徒歩3分

地下鉄名城線「砂田橋」駅 1番出口より徒歩10分

 

 

Effectiveness of TMS Therapy for Disorders Other Than Depression: Explained by a Child Psychiatrist in Nagoya

Introduction

Hello, I’m Dr. Koji Kato, Director of W Skin Clinic Nagoya.

 

Today, I will discuss the effectiveness of Transcranial Magnetic Stimulation (TMS) therapy for disorders other than depression. While TMS is well-known for its use in treating depression, research shows it may also be effective for various other neuropsychiatric conditions.

 

  1. ADHD

Principle of TMS Therapy

TMS therapy involves sending short magnetic pulses through a coil placed on the scalp to stimulate or inhibit neuronal activity in specific brain regions. This modulation of brain activity can potentially improve symptoms of various neuropsychiatric disorders.

 

Research on TMS for ADHD

Effectiveness: Studies on the use of TMS for ADHD are still in the early stages. However, some research has reported positive effects on ADHD symptoms, including improvements in attention, impulsivity, and hyperactivity.

 

Target Brain Regions: For ADHD treatment, TMS often targets the prefrontal cortex, which is involved in attention control and behavioral regulation.

 

Treatment Protocols: The protocols for TMS treatment in ADHD vary in terms of frequency, number of sessions, and intensity of stimulation. Future research is expected to refine these protocols for optimal results.

 

  1. Sleep Disorders

Research and Results

Improvement in Sleep Quality: Studies involving TMS treatment for depression have noted improvements in sleep quality. Patients reported reduced symptoms of insomnia, sleep interruptions, and early morning awakenings.

 

Impact on REM and Non-REM Sleep: Research also explores the effects of TMS on REM and non-REM sleep, suggesting that TMS could positively influence sleep cycles.

 

Mechanisms of Action

Regulation of Neural Circuits: TMS may regulate the activity of neural circuits involved in sleep, promoting the normalization of sleep patterns.

 

Influence on Neurotransmitters: TMS might affect the balance of neurotransmitters like serotonin and melatonin, which are crucial for sleep regulation.

 

  1. Anxiety Disorders

Research Findings

Reduction in Anxiety Symptoms: Studies have shown that TMS therapy can significantly reduce anxiety symptoms in patients with various types of anxiety disorders, including Generalized Anxiety Disorder (GAD), panic disorder, and social anxiety disorder. TMS appears particularly effective for anxiety symptoms accompanying depression.

 

Normalization of Neural Circuit Activity: TMS may help normalize the activity of neural circuits involved in anxiety, directly impacting brain regions responsible for generating anxiety.

 

Mechanisms of Action

Modulation of Neural Activity: TMS uses magnetic pulses to stimulate or inhibit neural activity in specific brain regions, helping to balance neurotransmitter levels. This process can improve dysfunctional brain function associated with anxiety, thereby reducing symptoms.

 

Conclusion

While TMS therapy is primarily known for its effectiveness in treating depression, emerging clinical trials and research suggest it may also be beneficial for other disorders like ADHD, sleep disorders, and anxiety disorders. TMS impacts neurotransmitter levels and reconstructs neural circuits, offering a promising treatment avenue for various neuropsychiatric conditions.

 

Ongoing research continues to explore and validate these findings, potentially expanding the applications of TMS therapy. For those looking for alternatives to medication, especially in the field of psychiatry, TMS offers a valuable option.

受診される方へ

初めて受診される方

当院は完全予約制をとっておりますが、初診の場合は若干のお時間をいただくこととなり、お待ちいただくことがあります。スムーズにご案内する為に、WEB問診のご利用をおすすめいたします。
WEB問診はこちら >

初診予約は電話にてお願いします。

再診される方

お電話もしくは予約システム(チェック・オン)から予約を取ることもできます。予約の変更や取り消しをご希望の場合には、診療時間内に受付にお電話いただくか、予約システムから変更・取り消しを行ってください。

パソコン・携帯から簡単にご予約できます。

和光医院 診療時間のご案内

診療時間のご案内

【診療時間】
午前 9:00〜13:00
 午後 15:00〜18:00 
土曜 9:00〜14:00

【休診日】 火・日・祝日

患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。