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2026.08.26ブログ

子どものゲーム依存(ゲーム障害)——「取り上げる」が逆効果になる理由と、背景にある本当の原因・正しい対応を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

子どものゲーム依存(ゲーム障害)——「取り上げる」が逆効果になる理由と、背景にある本当の原因・正しい対応を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「1日中ゲームばかりで、声をかけても返事もしない」「取り上げようとしたら暴れて、壁に穴を開けられた」「夜中までゲームをして朝起きられず、学校に行けなくなった」「ご飯も食べずに没頭している」「約束した時間を全く守らない」「このままゲーム依存になってしまうのでしょうか」——お子さまのゲームやスマートフォンとの向き合い方について、深刻に悩まれている保護者の方は年々増えています。

2019年、WHO(世界保健機関)は国際疾病分類ICD-11において、**「ゲーム行動症(ゲーム障害/Gaming Disorder)」**を正式な疾病として位置づけました。ゲームのやりすぎは、単なるしつけの問題ではなく、医療の対象となり得る状態として認識されるようになったのです。

一方で、ゲームをたくさんする子ども全員がゲーム障害というわけではありません。 そして最も重要なのは、多くのケースにおいて、ゲームは「原因」ではなく「結果」だという点です。ここを取り違えると、対応は必ず失敗します。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、ゲーム障害の診断基準、「熱中」との見分け方、背景にある発達特性や不登校との関係、そして絶対に避けるべき対応まで、詳しく解説します。


目次

  1. ゲーム障害(ゲーム行動症)とは——WHOが定めた正式な診断
  2. ICD-11の診断要件——4つのポイント【比較表】
  3. 「熱中しているだけ」と「ゲーム障害」の違い【比較表】
  4. どのくらいの子どもが該当するのか
  5. なぜゲームはやめられなくなるのか——脳の報酬系の仕組み
  6. 【最重要】ゲームは原因ではなく「結果」であることが多い
  7. 背景にある状態——見落とされやすい5つのパターン【比較表】
  8. 発達障害(ASD・ADHD)との関係
  9. 不登校とゲームの関係——どちらが先か
  10. なぜ「取り上げる」が逆効果なのか
  11. 避けるべき対応と、効果的な対応【比較表】
  12. 効果のあるルールの作り方——5つの原則
  13. 年齢別の関わり方【比較表】
  14. 身体への影響——睡眠・視力・栄養
  15. 家庭内暴力に発展している場合
  16. 医療機関でできること——治療の実際
  17. よくある心配事Q&A
  18. 和光医院での診療について

1. ゲーム障害(ゲーム行動症)とは——WHOが定めた正式な診断

ゲーム障害とは、ゲームをする時間や頻度を自分でコントロールできなくなり、他の生活上の活動よりゲームを優先し、その結果として明らかな支障が生じているにもかかわらず続けてしまう状態を指します。

診断としての歴史

  • 2019年:WHOがICD-11に「ゲーム行動症」を収載
  • 2022年:ICD-11が正式に発効
  • DSM-5-TR(米国精神医学会)では、「インターネットゲーム障害」が今後の研究のための病態として掲載されている段階

つまり、国際的には正式な疾病として認められた一方で、研究途上の領域でもあります。だからこそ、「依存症だ」と安易に決めつけることも、「ただの遊びすぎ」と軽視することも、どちらも適切ではありません。


2. ICD-11の診断要件——4つのポイント【比較表】

ICD-11では、次の要件を満たす場合にゲーム障害と診断されます。

要件 内容 具体例
① コントロール障害 ゲームの開始・頻度・時間・終了を制御できない 「あと5分」と言って何時間も続ける。やめようと思ってもやめられない
② 優先順位の逆転 他の生活上の関心事や日常活動よりゲームを優先する 食事、入浴、宿題、友人との約束、家族行事よりゲームを選ぶ
③ 問題があっても継続・エスカレート 明らかな支障が生じているのに続け、むしろ増える 成績低下、遅刻、体調不良、叱責があっても時間が増えていく
④ 重大な支障 個人・家族・学業・社会機能に重大な支障が生じている 不登校、昼夜逆転、家庭内での対立、健康被害

期間の目安

これらが通常12か月以上持続していることが要件です。ただし、症状が重篤な場合は期間が短くても診断され得ます。

「1年」という期間の存在は重要です。 数か月ゲームに没頭している状態は、必ずしもゲーム障害ではありません。長期休暇中に急増した、新しいゲームが出て一時的に熱中している——こうした変動は、多くの子どもに起こる正常な現象です。


3. 「熱中しているだけ」と「ゲーム障害」の違い【比較表】

保護者の方が最も知りたいのは、「うちの子は依存なのか、ただ好きなだけなのか」という点だと思います。

観点 熱中している(正常範囲) ゲーム障害が疑われる
他の活動 部活、友人との遊び、家族行事などにも参加する ゲーム以外の活動をすべて放棄している
切り替え 声をかければ渋々でもやめられる 何時間声をかけてもやめられない、激しく抵抗する
生活 食事・睡眠・入浴は保たれている 食事を抜く、風呂に入らない、昼夜逆転
学校 通えている 遅刻・欠席が増える、不登校
本人の自覚 「やりすぎた」と自覚がある 問題を認めない、あるいは自覚があってもやめられない
中断時の反応 不機嫌になる程度 激しい怒り、暴力、パニック
経過 時期によって波がある 時間が一貫して増え続ける
人間関係 現実の友人関係が保たれている 現実の交流が消失し、ゲーム内のみになる

判断の軸は「時間」ではありません

「1日何時間なら依存か」という基準はありません。

同じ4時間でも、学校に通い、部活をして、家族と食事をしたうえで4時間なら問題は少ないでしょう。しかし、学校に行かず、食事も取らず、他のすべてを捨てて4時間なら、状況はまったく異なります。

時間の長さではなく、「生活の他の部分が保たれているか」で判断してください。


4. どのくらいの子どもが該当するのか

  • 厚生労働省研究班の2017年調査では、中高生の約93万人にネット依存の疑いがあると推計されました
  • ゲーム障害の有病率は、各国の調査で1〜10%程度と幅があります
  • 男子に多い傾向があります
  • 中学生〜高校生に多く、近年は低年齢化の傾向も指摘されています

数値には幅がありますが、決して特殊な問題ではなく、多くの家庭が直面している課題であることは確かです。


5. なぜゲームはやめられなくなるのか——脳の報酬系の仕組み

「意志が弱いから」ではありません。ゲームには、やめにくくなる仕組みが設計として組み込まれています。

即時報酬

ゲームでは、行動に対して即座に結果と報酬(レベルアップ、アイテム、勝利)が返ってきます。これは脳の報酬系(ドパミン系)を強く刺激します。

一方、勉強や部活の成果は数か月先にしか現れません。脳にとって、どちらが魅力的かは明らかです。

不確実な報酬(ガチャ・ランダム性)

「たまに当たる」という不確実な報酬は、確実な報酬よりも強く行動を持続させます。 これは行動科学で確立された原理で、ギャンブルと同じ構造です。

終わりがない設計

デイリーミッション、ログインボーナス、イベント、シーズン制——「今やめると損をする」と感じさせる仕組みが多数組み込まれています。

社会的つながり

オンラインで仲間と協力するゲームでは、**「自分が抜けると迷惑がかかる」**という責任感が生じます。「今やめられない」には、こうした現実的な理由があることもあります。

この仕組みを理解しておくことは重要です。 お子さまは、大人でも抗いがたい設計と向き合っているのであって、単に怠けているのではありません。


6. 【最重要】ゲームは原因ではなく「結果」であることが多い

この記事で最もお伝えしたいのが、この点です。

診察室でお話を伺うと、ゲームに没頭するようになった「前」に、必ずといってよいほど何かが起きています。

  • 学校でいじめや対人トラブルがあった
  • 授業についていけなくなった
  • 部活で挫折した
  • 発達特性のために集団生活が苦痛だった
  • 家庭内の変化(転居、離婚、きょうだいの誕生など)があった
  • 不安や抑うつが先にあった

そして、ゲームだけが「安心できる場所」「自分が評価される場所」になっていく。

ゲームの中では、努力が確実に報われます。仲間から必要とされます。現実で失われた自己肯定感を、ゲームが埋めているのです。

だから「取り上げる」では解決しません

もし、つらい現実からの避難場所としてゲームがあるのなら、それを取り上げることは、避難場所を奪うだけです。背景にある問題は何も解決していません。

「なぜこの子はゲームにこれほど没頭しなければならないのか」——問うべきはこちらです。

もちろん、単純に楽しくて熱中しているだけのケースもあります。しかし、生活が壊れるほどの没頭がある場合、背景に何かがあると考えて評価するのが児童精神科の視点です。


7. 背景にある状態——見落とされやすい5つのパターン【比較表】

背景 特徴的なサイン 対応の方向性
ADHD 報酬への反応が強く、切り替えが極端に苦手。宿題は5分ももたないのにゲームは何時間でも ADHDの評価と治療。切り替えの支援
ASD 特定のゲームへの強いこだわり。対人関係の苦手さをオンラインで代替 特性の理解。現実での安心できる居場所づくり
不安症・社交不安 学校や対人場面を避け、ゲームに逃避。人前で緊張が強い 不安への治療。段階的な曝露
抑うつ状態 意欲低下、他に楽しめることがない。表情が乏しい うつ症状の評価と治療
いじめ・学校での不適応 ある時期を境に急にゲーム時間が増えた 学校での状況の確認。環境調整

「ある時期を境に急増した」というエピソードは、特に重要なサインです。 何がその時期に起きたのかを丁寧に確認する必要があります。


8. 発達障害(ASD・ADHD)との関係

ゲーム障害と発達特性の関連は、非常に強いことが知られています。

ADHDのある子どもがハマりやすい理由

  • 即時報酬への感受性が高い:待つことが苦手な一方、すぐ報酬が来るゲームは強く作用する
  • 切り替えの困難:一度始めたものを終える実行機能が弱い
  • 過集中:興味のあることには極端に集中する
  • 時間感覚のずれ:「30分」の見積もりが実際と大きくずれる

ASDのある子どもがハマりやすい理由

  • 強い興味とこだわり:特定の対象への没入
  • 予測可能性:ゲームはルールが明確で、人間関係のような曖昧さがない
  • 対人関係の代替:オンラインでは表情や空気を読む必要が少ない
  • 感覚的な心地よさ:特定の映像・音への親和性

重要な視点

発達特性への支援を行うと、ゲームの問題も改善することがあります。

ADHDの治療によって切り替えができるようになった、学校での困りごとが減って現実の楽しみが増えた——こうした変化を通じて、結果的にゲーム時間が減っていくケースは少なくありません。

ゲームだけを標的にするのではなく、その子の全体を評価する理由がここにあります。


9. 不登校とゲームの関係——どちらが先か

「ゲームばかりしているから学校に行かない」——多くの保護者がこう考えます。しかし実際には、順序が逆であることのほうが多いのです。

よくある実際の経過

  1. 学校で何かがつらくなる(対人関係、学業、発達特性による困難)
  2. 行きたくない気持ちが強まり、欠席が始まる
  3. 日中、家にいる時間が長くなる
  4. 時間を埋めるものがゲームしかない
  5. 昼夜逆転が進み、さらに登校が難しくなる
  6. 周囲には「ゲームのせいで不登校」に見える

だから、ゲームを取り上げても登校しません

この経過をたどっている場合、ゲームを取り上げても学校には戻りません。空いた時間に何もすることがなくなり、状態が悪化するだけです。

必要なのは、なぜ学校がつらいのかを明らかにし、そこに対応することです。そのうえで、生活リズムを整え、現実の中に楽しめることを少しずつ増やしていきます。

ただし、昼夜逆転だけは早めに手を打つ必要があります。 これが固定化すると、復帰のハードルが大きく上がるためです。ここは例外的に、優先度の高い介入点です。


10. なぜ「取り上げる」が逆効果なのか

多くのご家庭で試され、そして失敗しているのが「強制的な取り上げ」です。理由を整理します。

理由①:激しい反発と暴力を招く

依存的な状態にある対象を、予告なく力ずくで奪われれば、強い反応が起こります。家庭内暴力の引き金として、ゲーム機の没収・回線遮断は非常に多く報告されています。

理由②:親子関係が破壊される

一度信頼が壊れると、その後の話し合いが成立しなくなります。支援に必要な関係そのものを失うことが、最大の損失です。

理由③:背景の問題が残る

前述のとおり、ゲームが結果である場合、取り上げても原因は残ります。別の対象に移るか、状態が悪化するだけです。

理由④:隠れて使うようになる

取り上げても、友人の家、学校のタブレット、隠し持った端末など、抜け道はいくらでもあります。把握できない状態になるほうが危険です。

原則:ゲームは「奪うもの」ではなく「一緒に管理していくもの」として扱う。


11. 避けるべき対応と、効果的な対応【比較表】

避けたい対応 なぜ問題か 代わりにできること
予告なくゲーム機を没収・破壊する 暴力・関係破綻を招く 事前に話し合い、本人が納得したルールを作る
Wi-Fiを勝手に切る 同上。オンラインの仲間への責任も無視される 「キリのいいところまで」と伝え、区切りを待つ
「ゲームばかりして」と繰り返し責める 自己否定を強め、対話を閉ざす ゲーム以外の話題で関わる時間を増やす
成績と結びつけて禁止する ゲームが「罰の道具」になり、意味が変質する ルールはゲーム自体の管理として設定する
一方的にルールを決める 守る動機が生まれない 本人と一緒に作り、書面にする
ゲームの内容を全否定する 本人の大切なものを否定される体験になる 何が面白いのか聞いてみる
他の子と比較する 自己肯定感を損なう その子自身の変化に目を向ける

「何が面白いのか聞く」ことの効果

意外に思われるかもしれませんが、保護者がゲームの内容に関心を示すと、対話が始まることがあります。

「そのキャラクター、どうやって強くするの?」「今日は勝てた?」——こうした声かけは、「あなたの世界を否定していない」というメッセージになります。否定されないと感じて初めて、子どもは本当の困りごとを話し始めます。


12. 効果のあるルールの作り方——5つの原則

原則①:本人と一緒に作る

一方的に決めたルールは、ほぼ確実に守られません。「何時間なら納得できるか」を本人に提案させるところから始めます。多少甘くても、まず合意することを優先してください。

原則②:時間ではなく「区切り」で設定する

オンライン対戦は、途中でやめると仲間に迷惑がかかります。「20時まで」より**「この試合が終わったら」**のほうが守られやすくなります。

原則③:具体的に、書面にする

「ほどほどに」は機能しません。曜日ごとの時間、場所、就寝時刻、守れなかったときの扱いまで決め、紙に書いて貼ります。

原則④:守れたときに評価する

守れなかったときだけ反応すると、「叱られること」が注目の獲得になってしまいます。守れた日を認めることのほうが、はるかに効果があります。

原則⑤:見直す前提で作る

一度決めたルールに固執しないでください。うまくいかなければ、責めるのではなく作り直す。 「守れなかった=本人が悪い」ではなく、「このルールは合わなかった」と捉えます。

特に重要:就寝時刻と寝室の端末

時間制限よりも優先すべきなのが、「寝室に端末を持ち込まない」というルールです。睡眠が確保されれば、多くの問題が連鎖的に改善します。逆に睡眠が崩れると、すべてが悪化します。


13. 年齢別の関わり方【比較表】

年齢 特徴 関わり方の重点
小学校低学年 自己制御が未発達。親の管理が前提 時間・場所は親が管理。リビングで使用。ペアレンタルコントロールを活用
小学校高学年 友人関係とゲームが結びつき始める 一緒にルールを作る練習を始める。友人関係への配慮も必要
中学生 自律を求める時期。一方で最もリスクが高い 管理から交渉へ。押さえるのは就寝時刻と端末の置き場所
高校生 本人の自己決定を尊重すべき段階 一方的な制限は困難。健康・進路への影響を対話の軸にする

年齢が上がるほど、「管理」は機能しなくなり、「対話」の比重が増します。 中高生に小学生と同じ管理を試みると、必ず対立になります。


14. 身体への影響——睡眠・視力・栄養

睡眠——最も深刻な影響

  • 画面のブルーライトがメラトニン分泌を抑制し、入眠を妨げます
  • 興奮状態のまま就床するため、寝つきが悪くなります
  • 昼夜逆転が固定すると、登校復帰の最大の障壁になります

睡眠の乱れは、抑うつ・不安・イライラを直接悪化させます。 ゲームの問題に取り組む際、睡眠を最優先にする理由です。

その他の身体的影響

  • 視力低下・ドライアイ:長時間の近距離注視
  • 頭痛・肩こり・腰痛:同一姿勢の持続
  • 栄養の偏り・食事の欠食
  • 運動不足による体力低下
  • まれに深部静脈血栓症(極端な長時間の同一姿勢)

15. 家庭内暴力に発展している場合

ゲームをめぐる対立が、暴力に発展しているご家庭は少なくありません。

まず、安全の確保が最優先です

「話し合いで解決」の段階を超えている場合があります。

  • ご家族が身の危険を感じている
  • 物の破壊が繰り返されている
  • ご家族が萎縮し、要求を飲むしかなくなっている

このような状況では、保護者だけで抱え込まないでください。

ご相談いただきたいこと

児童相談所、警察、医療機関など、複数の窓口を確保することが必要です。当院では、暴力を伴うケースについて、ご家族のみでのご相談も承っています。本人が受診を拒否していても、ご家族が相談に来られること自体に大きな意味があります。

「家族の関わり方が変わることで、本人が変わる」——これは実際に起こることです。


16. 医療機関でできること——治療の実際

ゲーム障害そのものに対する承認薬はありません

まずこの点を明確にしておきます。「ゲーム依存を治す薬」は存在しません。

医療機関の役割は、次の点にあります。

① 背景にある状態の評価と治療

これが最も重要な役割です。

  • ADHD・ASDなどの発達特性の評価
  • 不安症・抑うつ状態の評価と治療
  • これらの治療によって、ゲームの問題が軽減することがあります

② 睡眠の調整

昼夜逆転に対する生活指導、必要に応じた薬物療法を行います。睡眠の改善が、状況全体を動かす起点になることがよくあります。

③ 心理教育とご家族への支援

なぜやめられないのか、どう関わればよいのかを、ご家族と共有します。関わり方が変わることが、最も現実的な変化の入口です。

④ 認知行動療法的アプローチ

本人に取り組む意欲がある場合、行動の記録、引き金の把握、代替行動の設定などを行います。

⑤ 学校・関係機関との連携

不登校を伴う場合、学校との調整、フリースクールや相談機関のご紹介を行います。

⑥ 専門的な治療プログラムへのご紹介

必要に応じて、依存症専門の治療プログラムを実施している医療機関をご紹介します。


17. よくある心配事Q&A

Q. 1日何時間からがゲーム依存ですか?

A. 時間による明確な基準はありません。同じ時間でも、学校に通い食事や睡眠が保たれているのか、それらをすべて犠牲にしているのかで意味がまったく異なります。判断の軸は「生活の他の部分が保たれているか」です。

Q. 取り上げないと、いつまでも続けるのではないですか?

A. ご心配はもっともです。ただし、強制的な没収は暴力や関係の破綻を招き、結果的に状況を悪化させることが多いのが実情です。おすすめするのは「取り上げない」ことではなく、**「予告なく力ずくで取り上げない」**ことです。本人と合意したうえで段階的に調整する方法であれば、機能します。

Q. うちの子は学校には行っています。それでも問題でしょうか?

A. 学校に通えており、睡眠と食事が保たれているのであれば、緊急性は高くありません。ただし、時間が一貫して増え続けている、成績が急落した、以前楽しんでいたことをしなくなった——こうした変化があれば、一度ご相談ください。早い段階のほうが、対応の選択肢は多くあります。

Q. ゲームを完全にやめさせるべきですか?

A. 多くの場合、完全な断絶は目標になりません。現実的な目標は、**「生活の他の部分を取り戻したうえで、ゲームと共存できる状態」**です。ゲームは現代の子どもにとって重要な社会的つながりでもあり、一律に排除することは別の孤立を生みます。

Q. 課金が止まりません。どうすればよいですか?

A. まず、決済手段の管理(クレジットカード情報の削除、ペアレンタルコントロールの設定、プリペイド方式への変更)という構造的な対策を優先してください。意志の力に頼る対応では止まりません。高額課金が続く場合、背景に衝動制御の問題がある可能性もあり、評価をおすすめします。

Q. 発達障害があると、ゲーム依存になりやすいのですか?

A. 関連は指摘されています。ADHDでは即時報酬への反応の強さと切り替えの困難、ASDでは強い興味と対人関係の代替という背景があります。ただし、「発達障害だから仕方ない」ではなく、特性に応じた支援を行うことで改善が期待できます。

Q. 本人が受診を拒否しています。どうすればよいですか?

A. ご家族だけでのご相談が可能です。 実際、ご家族のみの来院から始まるケースは多くあります。関わり方が変わることで本人の状態が変化し、後になって本人が受診に至ることも少なくありません。まずご家族が一人で抱え込まないことが大切です。

Q. 叱ってしまったことを後悔しています。手遅れでしょうか?

A. 手遅れではありません。多くの保護者の方が同じ経験をされています。「これまでの対応がうまくいかなかったから、やり方を変えよう」と伝えること自体が、関係を修復する一歩になります。お子さまは、その変化を敏感に感じ取ります。


18. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、ゲーム・スマートフォンの使用に関するご相談に対応しています。

当院での対応内容

  • ゲーム使用状況と生活への影響の評価
  • 背景にある発達特性(ASD・ADHD)の評価
  • 不安症・抑うつ状態・不登校の評価と治療
  • 睡眠・生活リズムの調整(昼夜逆転への対応)
  • ご家族への心理教育と関わり方の具体的指導
  • ルール作りのサポート
  • 認知行動療法的アプローチ
  • ご家族のみでのご相談(本人が受診を拒否している場合)
  • 家庭内暴力を伴うケースへの対応と関係機関との連携
  • 学校・スクールカウンセラーとの連携、診断書の作成
  • 専門治療プログラム実施機関へのご紹介

こんな方はぜひご相談ください

  • ゲームの時間が増え続け、生活が崩れている
  • 取り上げようとしたら暴れる、暴力がある
  • 昼夜逆転し、学校に行けなくなっている
  • ゲーム以外に楽しめることがなくなった
  • 食事や入浴をしなくなった
  • 課金が止められない
  • 発達特性があり、切り替えが極端に苦手
  • 不登校とゲームのどちらから手をつけるべきか分からない
  • 本人が受診を拒否しており、家族だけで相談したい
  • これまでの対応がうまくいかず、どうすればよいか分からない

「ゲームの相談で来院されるご家族の多くが、『取り上げようとして失敗した』経験を抱えておられます。しかし私たちが最初に確認するのは、ゲームの時間ではなく、『この子は何から逃れるためにゲームを必要としているのか』です。背景にある困りごとに手が届いたとき、ゲームは自然に元の位置に戻っていくことが少なくありません。責めることでも、諦めることでもない道が必ずあります。ご家族だけでも構いませんので、まずはご相談ください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。