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境界性パーソナリティ障害(BPD)のスプリットとは何か、について名古屋の児童精神科医が解説
境界性パーソナリティ障害(BPD)のスプリットとは何か
こんにちは、名古屋市千種区、医療法人永朋会 和光医院、児童精神科医の加藤晃司です。
今回は、境界性パーソナリティ障害(BPD)のスプリットとは何か、について解説します。
BPDの症状の中で、スプリットという言葉がよくでてきます。
分裂、解離、みたいな意味ですが、簡単に言うと、物事を0か100の極端な思考でとらえてしまう、ということです。
そしてそれが同じ対象、つまり同じ人に対して、0か100をいったりきたりしてしまうこともあります。
ですが実際には、本当にBPDの診断がつくような方は、我慢する、0がほとんどで、100の出し方がよく分かっていないため、自傷行為、希死念慮のような極端な形ででてしまう、ということが多いです。
BPDのスプリットとは一般的には
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境界性パーソナリティ障害(BPD)における「スプリット」とは、一つの対象や感情に対して極端な評価や感情の変動が見られる特徴を指します。この現象は、BPDの症状の一部としてしばしば観察されます。
スプリットは、以下のような特徴を持つことがあります:
ブラック・ホワイト思考: スプリットの際、BPDの人々は対象や感情を極端に「ブラック」または「ホワイト」に評価します。つまり、ある対象や感情を非常に良いものとみなす一方で、同じ対象や感情を非常に悪いものとみなすことがあります。中間的な評価や感情を持つことが難しい場合があります。
急激な感情変動: BPDの人々は、感情が急激に変動することがよくあります。一瞬で愛情から怒りや憎しみに切り替わることがあるため、周囲の人々にとって予測が難しいと感じることがあります。
対人関係への影響: スプリットの傾向が強いと、BPDの人々は対人関係において安定しないことがあり、友人や家族との間に摩擦や対立が生じやすくなります。対象の評価が急激に変わるため、信頼関係の構築が難しくなることがあります。
自己イメージの変動: BPDの人々は、自己評価においてもスプリットの傾向が見られることがあります。自分自身を非常に良い人間または非常に悪い人間と評価することがあり、自己イメージが安定しないことがあります。
スプリットはBPDの典型的な特徴であり、治療を通じて改善することができる場合があります。心理療法や薬物療法などの治療アプローチが、感情の安定と自己評価の改善に役立つことがあります。しかし、個々の症状や状況に応じて治療計画が調整されることが重要です。
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BPDは、とにかく折り合いをつけることが苦手です。
落としどころをみつける、それは現実的な解決策というだけでなく、自分の感情に対しても言えます。
ちょうどいいところで折り合いをつける、これを幼少期に練習できていないので、大人になった時に顕著になります。
だから治療としても、セラピストとの間でこの折り合いをつける作業を行っていくことになります。
治療中、そしてセラピーの間の日常生活の中で、対人関係での適当な距離感を築くことができるように、そしてできていたらほめていってあげるように、していきます。
基本的に自分の主張をすることが良くないこと、だと思っています。幼少期に適切にほめられてきていないせいで、自己評価は限りなく低くなっています。
自信がなければ、主張したり、交渉して折り合いをつけることはできません。できないと、少しずつネガティブなイメージは本人に蓄積し、それはあるところから死を近くに感じさせるはずです。
自我もある意味ではスプリットしてしまっているので、それを統合していく作業にもなります。
まとめ
今回は、境界性パーソナリティ障害(BPD)のスプリットとは何か、について解説しました。
BPDは生来の気質(易刺激性)と、不認証環境、の2つの因子がそろってはじめて成立する疾患です。
治療は、易刺激性のコントロール(場合によっては内服使用)、と、極端な思考、そこから派生する対人関係の取り方の修正、このあたりがメインとなります。
時間はかかるかもしれませんが、自分を知っていけば、それは必ず自分自身を変えていくきっかけになるはずです。
BPDは早い段階から治療に入ることができれば、予後はだいぶ違います。
少しでも気になることがあれば、児童精神科専門である当院へご相談ください。
医療法人永朋会 理事長
加藤晃司
当院ホームページはこちらより https://wako-psy-clinic.com
医療法人永朋会 和光医院
児童精神科・精神科・心療内科
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