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2024.02.02ブログ

腸内細菌と精神疾患の関係について、名古屋の児童精神科医が解説

腸内細菌と精神疾患の関係について

 

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

 

今回は、腸内細菌と精神疾患の関係について解説します。

 

 

私が東海大学病院精神科に所属している時、先輩が腸内細菌と精神疾患の関連性について研究していて、よくこの話を聞かされました。

 

最初、腸内細菌と精神疾患なんか関係ないだろうと、なんとなく聞いていたのですが、そのうち脳腸相関がちょっとブームになってほんとにそうなんだなと思ったのを覚えています。

 

「脳腸相関」、これが一つのキーワードです。

 

脳腸相関とは

 

脳腸相関(腸脳軸)とは、脳と腸の間の双方向のコミュニケーションシステムです。このシステムは神経系、免疫系、内分泌系などを介して相互に影響を及ぼします。

 

神経系による相互作用:

迷走神経:腸と脳を直接結ぶ主要な神経の一つで、情報を双方向に伝達します。

脳から腸へ:ストレスや感情は、腸の動き、分泌、免疫反応に影響を与えることがあります。

腸から脳へ:腸内の状況(栄養素の吸収、微生物の活動)は、脳の感情や痛みの処理に影響を与えることがあります。

 

免疫系の役割:

腸内細菌叢は免疫系に影響を及ぼし、それが脳の機能に影響を与える可能性があります。

炎症反応や感染は腸と脳の両方に影響を及ぼすことがあります。

 

内分泌系の関与:

腸内細菌は、ホルモンや神経伝達物質の生産に関与しています。

ストレスホルモン(コルチゾールなど)は腸の機能に影響を与え、その逆もまた真です。

 

マイクロバイオームの重要性:

腸内の細菌叢は、脳の健康と行動に影響を与えることが示されています。

例えば、腸内細菌はセロトニンのような神経伝達物質の生成に関与しており、これは気分や行動に重要な役割を果たします。

 

心理的健康への影響:

脳腸相関は、うつ病、不安障害、ストレス関連疾患などの心理的健康問題に関連していることが研究で明らかにされています。

 

脳腸相関に関する研究は、精神疾患や消化器疾患の新しい治療法の開発につながる可能性があります。また、腸の健康を改善することが精神的な健康にも良い影響を与えることを示唆しています。

 

 

というようなものです。

 

つまり脳と腸は相互関係があるというこです。

となると、確かに精神症状に影響があるのも理解できます。

 

 

腸内細菌群は、脳の健康と機能に大きく影響を与える可能性があります。

 

腸脳軸の相互作用:腸脳軸は、腸と脳を結ぶ神経系、免疫系、内分泌系のネットワークです。この軸を通じて、腸内細菌群は脳に信号を送り、影響を及ぼすことができます。

 

腸内細菌群と気分障害:特にうつ病や不安障害の患者では、腸内細菌群の不均衡が見られることがあります。一部の研究では、腸内細菌群の変化がこれらの精神疾患の発症や症状の重さに影響を与える可能性が指摘されています。

 

プロバイオティクスと精神健康:プロバイオティクス(健康に良いとされる細菌)の摂取が、精神健康に肯定的な影響を与える可能性が研究されています。これは、腸内細菌群のバランスを改善することで、脳の機能に良い影響を与えると考えられています。

 

炎症との関連:腸内細菌群の不均衡は、体内の炎症を引き起こす可能性があり、これが精神疾患の発症に関連すると考えられています。

 

 

となると、腸内環境を改善すれば、脳にもいい影響があるだとう、という発想になります。

 

ではどうやったら、腸内環境は改善するのか。

 

食生活の変更:

多様な食品を摂る:多様な食品を摂取することで、さまざまなタイプの細菌が育つことができます。

食物繊維の豊富な食品:全粒穀物、ナッツ、種子、果物、野菜など食物繊維が豊富な食品を食べることで、健康な腸内細菌の成長を促進できます。

発酵食品:ヨーグルト、キムチ、サワークラウト、味噌、テンペなどの発酵食品に含まれる生きた微生物が有益です。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクス:

プロバイオティクス:特定の健康に良い細菌を含む補助食品や食品。これらは腸内細菌叢のバランスを改善するのに役立つ可能性があります。

プレバイオティクス:細菌の栄養源となる非消化性の食品成分。これらは、健康な腸内細菌の成長を促進することができます。

 

適切な水分摂取:

水分補給:十分な水分摂取は消化を助け、腸の健康を維持します。

 

ストレス管理:

ストレス軽減:ストレスは腸内細菌叢に影響を及ぼすことが知られています。リラクゼーション技法、適度な運動、十分な睡眠などが有効です。

 

運動習慣:

定期的な運動:定期的な運動は腸の動きを良くし、腸内細菌叢の多様性を高める可能性があります。

 

まとめ

今回は、腸内細菌と精神疾患の関係について解説しました。

 

プロバイオティクスとプレバイオティクスとは、簡単にいえば、ヨーグルトと、乳酸菌の餌になるオリゴ糖を一緒にとると良い、ということです。

明日からでも実践できますので、ぜひトライしてみてください。

 

 

医療法人永朋会 理事長

加藤晃司

 

 

当院ホームページはこちらより https://wako-psy-clinic.com

 

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