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2024.03.22ブログ

TMS治療のメカニズム、有効な症状、治療への取り入れ方、について名古屋の児童精神科医が解説

TMS治療のメカニズム、有効な症状、治療への取り入れ方、について名古屋の児童精神科医が解説

 

 

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

 

今回は、TMS治療のメカニズム、有効な症状、治療への取り入れ方、について解説します。

 

我々の法人は、子どもを専門としたメンタルクリニックを運営していますが、TMS治療が登場してかなり早い段階から治療法の一つとして導入しています。

 

それはTMS治療がどの治療よりも優れている、というわけではなく、治療選択肢は多い方がいい、と本気で思っているからです。

 

よくエビデンスレベルの高い治療を選択した方がいいと言われますが、大規模試験を行うには当たり前ですがかなり費用がかかります。

 

すべての治療法に対し、同等の研究費用をかけられるわけではありません。

 

試験の対象人数が少なかったり、プラセボ対象でなかったりすると、エビデンスレベルは低いという扱いになります。

 

それは精神療法にも同じことが言えます。薬に比べると、エビデンスレベルはかなり低いです。

しかし効果がある方がいることも事実だと思います。

 

TMS治療もそういう治療法の一つだと思います。

それだけですべてが解決することはないかもしれませんが、使っている薬を減らせたり、薬を使わないである程度の状態まで回復させたり、することができる可能性はあります。

 

子どもに対しても、TMS治療の研究は少ないですが、有効性の報告がでているものがあるのも事実です。

 

うつ症状以外にも、有効性の報告はあります。少ないですが、報告されているのは間違いありません。

 

薬は副作用でどうしても使えない、でも精神療法、心理療法をやるのは、もう少し回復しないとそれもできない。

そういう時、TMS治療で最初のきっかけを作れた人がいるのも、目の前で見てきました。

 

だからどの治療も使い方次第だと思っています。

 

そういう思いもあって、あらためて今回TMS治療について書きます。

 

①TMS治療とは

 

TMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)は、非侵襲的な脳刺激治療の一種で、特にうつ病やその他の精神神経学的状態の治療に用いられます。この治療法では、頭皮の上から磁気コイルを使用して脳の特定の領域に短い磁気パルスを送り、その領域の神経細胞の活動を刺激または抑制します。

 

(1)TMS治療の原理

TMS治療は、磁気パルスが脳内で電気的な変化を引き起こし、神経細胞の活動を調整することによって作用します。この治療法は、うつ病の患者において活動が低下していると考えられる脳の前頭前野などの領域をターゲットにすることが多いです。

 

(2)TMS治療の適応

TMS治療は主に、従来の治療法(薬物療法や心理療法)に十分な反応を示さない治療抵抗性のうつ病患者に推奨されます。また、強迫性障害(OCD)、不安障害、統合失調症、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの他の精神神経学的疾患に対する治療オプションとして研究が進められています。

 

(3)TMS治療のプロセス

TMS治療は通常、外来ベースで行われます。患者は治療中に目を開けたまま座った状態でリラックスしています。治療者は磁気コイルを患者の頭皮に置き、治療セッション中に磁気パルスを送信します。1つのセッションは約30分から1時間程度で、通常は週に数回、合計で4〜6週間の治療が行われます。

 

(4)TMS治療の効果と安全性

多くの研究でTMS治療はうつ病の症状を改善することが示されており、一般的には耐容性が高いとされています。しかし、頭痛、治療部位の不快感、稀にけいれんや聴覚障害などの副作用が報告されています。非常に低い確率ですが、発作を引き起こすリスクもあります。

 

 

②TMS治療のメカニズム、効果、有効な症状は何か?

 

TMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)は、非侵襲的な脳刺激技術であり、主にうつ病の治療に用いられていますが、他にもさまざまな神経精神医学的条件に対する潜在的な治療法として研究されています。

 

(1)TMS治療のメカニズム

TMS治療では、頭皮に直接触れることなく脳の特定領域に磁気パルスを送ることで、その領域の神経細胞を刺激します。磁気パルスは頭皮と頭蓋骨を通過して脳内で電流を誘導し、脳内のニューロンの活動を直接的に変化させます。このプロセスによって、うつ病などで低下した脳領域の活動を正常化し、神経回路の機能を改善することが目指されます。

 

(2)TMS治療の効果

うつ病: 多くの臨床試験で、TMS治療がうつ病の症状を軽減することが示されています。特に、従来の治療(薬物療法や心理療法)に反応しない治療抵抗性うつ病に対して有効であることが報告されています。

 

強迫性障害(OCD): 一部の研究で、OCDの症状に対してもTMS治療が効果を示す可能性があります。

不安障害: 不安障害を持つ患者においても、TMS治療が症状の緩和に寄与する可能性があります。

 

(3)TMS治療で有効な症状

TMS治療は以下のような症状に有効である可能性が示唆されています:

 

治療抵抗性うつ病の症状

強迫行動

一部の不安症状

ADHD(注意欠陥・多動性障害)における集中力の問題

統合失調症の特定の症状

 

 

まとめ

今回は、TMS治療のメカニズム、有効な症状、治療への取り入れ方、について解説しました。

 

札幌の分院にもやっとTMSを導入することができました。

 

TMS治療が必要かもしれない方に、情報が届き、役に立つことができればいいなと思っています。

 

 

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