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小児統合失調症(児童,思春期)の診断と治療について
小児統合失調症(児童,思春期)の診断と治療について エビデンスと私見から
今回は小児統合失調症についてのお話しです。
統合失調症は報告によりばらつきはありますが,有病率は約1%前後の疾患です。
発症年齢は18歳以後から20歳代にかけて急増する曲線を描くといわれています。
診断基準を満たす具体的な症状は,陽性症状(幻覚や妄想など),陰性症状(感情の平板化,思考の貧困,意欲の欠如など)であり,診断にはこれらの症状が一定期間以上ほとんどいつも存在することが必要です。
発症以前の前駆症状に関しては多くの研究がなされています。それはいくつもの論文や著書に書かれています。
ここから先は私自身の私見を述べますので,エビエンスはありません。
前駆症状として疑う可能性がある所見
・漠然とした恐怖感 「なんとなくこわい」 , 孤独感
・自我漏洩感 「自分と他人の関係があいまいになる」「人の考えがわかったり,自分の考えが周りに伝わる感じがする(確信ではない)」
→これらの所見があると,社会への自発性の低下(不登校,ひきこもりなど)が出現する可能性が高くなる
だから子どもの社会機能の低下(学校にいけない,自宅からでれない)の時には鑑別の必要がある重要な疾患である。
生育歴上の特徴
・手がかからない子どもが多い。
エネルギーの少なさ。自分からの要求は少ない。あきらめている。
時に生育歴上にあきらめの連続を認める。
診断
必ず横断的に行う。つまり現在であればDSMにそって行う。
生育歴,前駆症状から発症を疑いながらも,薬物療法開始はDSMで診断がついた時点が原則である。
期間についても満たす必要あり(受診時の段階からさかのぼれればそれも期間に加える)
頭部MRIは必ず一度はとる必要がある。
治療
薬物療法はエビデンスに従う。
早期介入に関しては海外においてもエビデンスは少なく,日本ではほとんどない。
診断前の治療は非常に慎重に行う必要がある。
小児の場合には長期的な副作用を成人以上に考慮する必要がある。
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