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うつ病の診断基準を満たしていない状態での薬物療法について、名古屋の児童精神科医が解説
うつ病の診断基準を満たしていない状態での薬物療法について、名古屋の児童精神科医が解説
こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。
今回は、うつ病の診断基準を満たしていない状態での薬物療法について解説します。
大うつ病性障害(Major Depressive Disorder, MDD)のDSM-5(『精神障害の診断と統計マニュアル第5版』)における診断基準は以下の通りです。
大うつ病エピソード(Major Depressive Episode)の診断基準:
以下の9つの症状のうち、少なくとも5つが2週間以上の間にほぼ毎日存在し、かつ以前の機能レベルからの変化を示すことが必要です。そのうち1つは①抑うつ気分か②興味または喜びの喪失である必要があります。
抑うつ気分:ほとんどの時間において憂鬱、悲しい、または空虚な気分を感じる。自分自身の報告や他者からの観察によって確認される。
興味または喜びの喪失:日常の活動や趣味に対する興味や喜びを感じなくなる。
体重変動または食欲の変化:意図していない体重の増減(1ヶ月間に5%以上)や食欲の変化が見られる。
睡眠の問題:不眠症(眠れない)または過眠症(過度に眠る)がある。
精神運動の変化:落ち着きのなさ(興奮状態)や、逆に動作や思考が遅くなる(精神運動遅滞)が見られる。他者からも観察される必要があります。
疲労感またはエネルギーの喪失:ほぼ毎日の疲労感やエネルギー不足がある。
無価値感または過剰な罪悪感:無価値だと感じたり、過度の罪悪感(現実に基づかないものも含む)がある。
集中力の低下:思考や集中が困難になる、または意思決定ができなくなる。
死への執着:繰り返し死について考える、自殺の計画を立てる、または自殺未遂をする。
その他の診断基準:
日常生活への支障:これらの症状が社会的、職業的、またはその他の重要な機能領域における障害を引き起こしている。
他の疾患や物質による影響ではない:症状が薬物や他の医学的疾患によるものではないこと。
除外条件:
うつ状態が統合失調症や他の精神病性障害の一部ではないこと。
双極性障害(躁病エピソードの存在)ではないこと。
この診断基準は、医師が患者の症状を評価し、大うつ病性障害の診断を下す際に用いられます。
となると、少しうつ症状があるだけでは、うつ病の診断基準を満たしません。
抗うつ薬は、臨床試験をへて有効性、安全性を検証して使用可能となっています。しかしこれはうつ病の診断基準を満たしている人のみをもちろん対象にしています。
うつ病の診断基準を満たしていない人への有効性、安全性は不明ということです。
精神科は、内服か心理療法を提供していますが、多くの病院、クリニックでは基本的に薬物療法がメインです。
となると、うつ病の診断基準を満たしていない方が、抗うつ薬を飲んでいることがよくおこります。
そういう方がどういうことになるかというと、多くの場合、抗うつ薬はあまり効果なく、副作用が目立つことになります。
なんだかだるい、という状態になります。
抗うつ薬は、セロトニン、ドパミン、ノルアドレナリンという神経伝達物質を調整している薬ばかりですが、少し調子が悪いだけの人はおそらく神経伝達物質に以上はほぼないのでしょう。だから効果はなく、変な副作用だけがでてしまいます。
それは子供も大人も同じです。
だからそういう場合は内服は使わず、もしくは使ってだめならすぐに中止して、違う治療を選択するべきでしょう。
心理療法をする元気や時間がある方はやってもいいと思います。
心理療法をやる元気もない、もしくは早く改善しないといけない人に、TMS治療や、エクソソームやNMN点滴などの再生医療から生まれた治療を提案しています。
細胞レベルでダメージを修復、再生する治療は、脳細胞にももちろん効果がありますし、全身の細胞が元気になると、多くの症状は改善してくるはずです。
児童精神科医を長年やってきて、通常の精神科医療だけではよくならないカテゴリーの方を治療するために、再生医療の治療を取り入れました。
これまでに多くの方の治療してきましたが私の仮説はあっていたと思っています。
TMS治療やエクソソーム治療は自費治療となりコストがかかりますが、一般的には2-3カ月で治療終結します。
そうなると、コストパフォーマンスという視点から考えても、長年精神科に通い効果がでない内服を使い続けることを考えれば、あらゆる面でメリットの方が上回るはずです。
ご興味のある方は、クリニックにお問い合わせください。
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子どものためのメンタルクリニック
医療法人永朋会 和光医院
児童精神科・精神科・心療内科
〒464-0092 愛知県名古屋市千種区茶屋が坂1丁目12番2号
電話 : 052-712-1777
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地下鉄名城線「砂田橋」駅 1番出口より徒歩10分
Explanation by a Child Psychiatrist in Nagoya: Medication Therapy for Depression When Diagnostic Criteria Are Not Met
Hello, this is Dr. Koji Kato, a child psychiatrist at Wako Clinic, Medical Corporation Eihoukai, located in Chikusa Ward, Nagoya City.
Today, I would like to discuss the use of medication therapy for patients who do not meet the full diagnostic criteria for depression.
Diagnostic Criteria for Major Depressive Disorder (MDD) from DSM-5
To diagnose a major depressive episode, the following criteria must be met:
Five or more symptoms must be present almost every day for at least two weeks. These symptoms must represent a change from the individual’s previous functioning, and at least one of the symptoms must be either:
Depressed mood
Loss of interest or pleasure
Here are the nine potential symptoms:
Depressed mood most of the day, nearly every day.
Diminished interest or pleasure in most or all activities.
Significant weight change or changes in appetite.
Insomnia or excessive sleep.
Psychomotor agitation or retardation (observable by others).
Fatigue or loss of energy.
Feelings of worthlessness or excessive guilt.
Diminished ability to think or concentrate.
Recurrent thoughts of death or suicidal ideation.
Other Criteria
The symptoms must cause clinically significant distress or impairment in social, occupational, or other important areas of functioning.
The episode is not attributable to substance abuse or another medical condition.
Exclusions
The depressive episode is not part of a psychotic disorder or schizophrenia.
The individual is not experiencing a manic or hypomanic episode (ruling out bipolar disorder).
Medication for Sub-Clinical Depression
For those who show mild depressive symptoms but do not meet the full diagnostic criteria for major depressive disorder, the effectiveness and safety of antidepressants remain unproven. The clinical trials that verify the efficacy and safety of these medications only involve patients who meet the diagnostic criteria.
Despite this, medication therapy is often prescribed to individuals who do not fully meet the criteria. This is a common practice, but it can lead to situations where the medication is not very effective and side effects are more prominent.
In many cases, patients report feeling lethargic or experiencing other adverse effects without substantial improvement in their symptoms. Since antidepressants primarily act on neurotransmitters such as serotonin, dopamine, and norepinephrine, these medications may not work effectively if there is no significant imbalance in these chemicals.
Alternatives to Medication
For individuals who do not meet the diagnostic criteria for depression, it is advisable to discontinue medication if it proves ineffective and seek alternative treatments. Options include psychotherapy, but for those who lack the energy or time to engage in therapy, or for those who need rapid improvement, we recommend TMS therapy, exosome therapy, or NMN IV drip therapy, all of which are rooted in regenerative medicine.
These treatments work at the cellular level to repair and regenerate damaged cells, including brain cells. By boosting the overall health of the body’s cells, it is expected that various symptoms, including mood and motivation, will improve.
Integrating Regenerative Medicine into Psychiatry
After many years as a child psychiatrist, I have incorporated regenerative treatments like exosomes and TMS into my practice, as traditional psychiatric medicine alone often does not yield the desired results for some patients. I believe my approach is supported by the positive outcomes I’ve seen in my patients.
Though regenerative treatments like TMS or exosome therapy can be costly as they are not covered by insurance, they generally show significant improvement within 2-3 months. Compared to years of using psychiatric medications that may not work, these newer treatments can offer better results both financially and therapeutically.
If you are interested in learning more about these treatments, feel free to contact the clinic for further information.
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