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2024.11.07ブログ

うつ病の原因の一つとして、慢性炎症があるが、抗炎症作用のあるエクソソーム点滴やNMN点滴は炎症を抑えることで、うつ症状を改善させる可能性はあるか?名古屋の児童精神科医が解説

うつ病の原因の一つとして、慢性炎症があるが、抗炎症作用のあるエクソソーム点滴やNMN点滴は炎症を抑えることで、うつ症状を改善させる可能性はあるか?名古屋の児童精神科医が解説

 

こんにちは、名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック、医療法人永朋会 和光医院、加藤晃司です。

 

うつ病の原因の一つとして「慢性炎症」が関与しているという研究が近年注目されています。この理論に基づいて、抗炎症作用を持つエクソソーム点滴やNMN点滴が、うつ症状を改善させる可能性があると考えられます。これらの治療法が炎症を抑制することで、うつ症状の緩和にどのように貢献できるかについて、以下に詳細に説明します。

 

  1. うつ病と慢性炎症の関係

従来のうつ病の原因としては、セロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の不足が重視されてきましたが、最近の研究では、慢性的な全身性炎症がうつ病の発症や進行に重要な役割を果たしていると考えられています。具体的には、以下のようなメカニズムが関連している可能性があります。

 

  1. 炎症性サイトカインの増加

慢性的な炎症が起こると、サイトカイン(IL-1β、IL-6、TNF-αなど)と呼ばれる炎症性物質が体内で増加します。これらのサイトカインは、脳内の神経伝達に悪影響を与え、セロトニンやドーパミンの分泌を抑制したり、神経細胞の機能に障害をもたらす可能性があります。

 

  1. 脳の神経細胞への影響

慢性炎症が続くと、脳内の神経細胞が炎症によってダメージを受け、**海馬や前頭前野の神経可塑性(神経細胞が適応・変化する能力)**が低下します。これにより、感情調節や思考に関与する脳の機能が損なわれ、うつ症状が悪化すると考えられています。

 

  1. 脳血管関門の破壊

炎症によって**脳血管関門(BBB: Blood-Brain Barrier)**が損傷し、通常は脳に到達しない免疫系の物質や毒素が脳に入り込む可能性が高まります。これが神経炎症を引き起こし、うつ病の原因となることが考えられています。

 

  1. エクソソーム点滴の抗炎症作用とうつ症状への影響

エクソソームは、細胞から分泌される微小な膜小胞で、細胞間の情報伝達に重要な役割を果たします。特に、エクソソームには、抗炎症作用を持つタンパク質やRNA、miRNAが含まれており、これが免疫調節や再生医療に利用されています。

 

  1. エクソソームの抗炎症メカニズム

エクソソームは、炎症性サイトカインの抑制や、免疫細胞の過剰な反応の抑制に働くことが知られています。これにより、炎症が引き起こす神経ダメージや神経機能障害を抑える可能性があります。

さらに、エクソソームは損傷した組織の修復を促進することが期待されており、脳の神経細胞の保護や再生に寄与する可能性があります。

 

  1. エクソソーム点滴とうつ症状改善の可能性

慢性炎症がうつ病の原因の一つであると考えられる場合、エクソソーム点滴はその炎症を直接的に抑制することで、神経伝達や脳機能に対する負担を軽減し、うつ症状を改善する可能性があります。

具体的には、エクソソームが炎症を抑え、神経の再生を促すことで、脳の神経可塑性が改善され、感情のコントロールや認知機能の回復につながる可能性があります。

 

  1. NMN点滴の抗炎症作用とうつ症状への影響

**NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)**は、NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という重要な補酵素の前駆体で、体内でエネルギー代謝や細胞修復に関与しています。近年、アンチエイジングや抗炎症効果が期待される治療法として注目されています。

 

  1. NMNの抗炎症作用

NMNは、細胞内のNAD+の濃度を増加させることで、細胞のエネルギー代謝や修復能力を向上させます。NAD+はまた、サーチュインと呼ばれるタンパク質を活性化し、これが抗酸化作用や抗炎症作用を発揮します。

サーチュインは、炎症を引き起こすNF-κB経路を抑制し、細胞のストレス応答を改善することが知られています。これにより、NMNが全身の慢性炎症を軽減し、細胞機能を正常化することが期待されます。

 

  1. NMN点滴とうつ症状改善の可能性

NMN点滴によって体内のNAD+が増加し、慢性炎症が抑えられることで、脳内の炎症も改善され、うつ病に対する効果が期待できます。

また、NMNはミトコンドリアの機能改善を通じて、細胞のエネルギー代謝を向上させます。脳内のエネルギー代謝が改善されると、神経細胞の活性が増し、うつ病に関連する神経機能の低下を回復させる可能性があります。

酸化ストレスや炎症による神経損傷の修復にも寄与し、全体的な精神状態や気分の安定を図ることができると考えられます。

 

  1. エクソソーム点滴とNMN点滴の相乗効果

エクソソーム点滴とNMN点滴は、いずれも抗炎症作用を通じて、慢性炎症が関与するうつ症状の改善に役立つ可能性がありますが、これらの治療法を併用することで、より強力な相乗効果が期待できます。

 

  1. 炎症の多面的な抑制

エクソソーム点滴は、サイトカインの抑制と組織修復に特化した抗炎症作用を発揮します。一方で、NMN点滴は、細胞レベルでのエネルギー代謝の向上や炎症経路の抑制に働きかけます。このため、両方の治療を併用することで、全身の炎症を多面的に抑え、脳内の神経機能や神経伝達の改善をより強力に促進できます。

 

  1. 神経機能と代謝の強化

NMNが細胞のエネルギー代謝やミトコンドリア機能を強化する一方で、エクソソームが神経細胞の修復や再生を促進することで、神経機能の回復が期待できます。これにより、うつ症状の改善がさらに早まる可能性があります。

 

 

まとめ

エクソソーム点滴やNMN点滴は、慢性炎症を抑制することで、うつ病の症状を改善する可能性があります。慢性炎症がうつ病の発症や進行に関与するという理論に基づき、これらの治療法は、炎症による神経損傷や神経機能の低下を改善し、神経伝達の正常化を促進することが期待されています。

 

特に、エクソソームは抗炎症作用と組織修復、NMNはエネルギー代謝の向上と炎症抑制を通じて、うつ病の治療に新たなアプローチを提供できる可能性があります。

 

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Can Exosome and NMN IV Therapy Improve Depression by Reducing Chronic Inflammation? Explained by a Child Psychiatrist in Nagoya

 

Hello, I’m Dr. Koji Kato, a child psychiatrist at Wako Clinic in Chikusa Ward, Nagoya.

 

Today, I’ll explore whether anti-inflammatory exosome and NMN IV therapies might improve depressive symptoms by reducing inflammation.

 

Recent research has identified “chronic inflammation” as a contributing factor to depression. This theory suggests that anti-inflammatory treatments, like exosome and NMN IV therapies, might alleviate depressive symptoms by reducing inflammation. Here’s a detailed look at how these treatments could contribute to symptom relief in depression:

 

  1. Relationship Between Depression and Chronic Inflammation

Traditional views on depression have centered around deficiencies in neurotransmitters like serotonin and dopamine. However, new findings indicate that chronic systemic inflammation plays a significant role in both the onset and progression of depression. This connection may be explained by several mechanisms:

 

Increased Pro-inflammatory Cytokines: Chronic inflammation elevates cytokines (e.g., IL-1β, IL-6, TNF-α) which can disrupt neurotransmission, suppressing serotonin and dopamine production and impairing brain cell function.

Neuronal Impact: Prolonged inflammation damages brain cells, particularly in areas like the hippocampus and prefrontal cortex, which are involved in emotional regulation and cognition. This damage impairs neuroplasticity, potentially worsening depressive symptoms.

Blood-Brain Barrier Disruption: Inflammation may weaken the blood-brain barrier (BBB), allowing immune molecules and toxins to penetrate the brain, leading to neuroinflammation and contributing to depression.

  1. Exosome IV Therapy’s Anti-inflammatory Effects and Potential in Depression

Exosomes are small membrane-bound vesicles released by cells, playing an important role in intercellular communication. Exosomes used in therapy often contain anti-inflammatory proteins, RNA, and microRNA, providing immune modulation and regeneration benefits.

 

Mechanism of Action: Exosomes suppress inflammatory cytokines and regulate excessive immune responses, which may reduce the neural damage and dysfunction associated with inflammation.

Potential for Alleviating Depression: By directly targeting inflammation, exosome therapy may reduce neurological strain from inflammatory cytokines, thereby improving neurotransmission and brain function. This could enhance neuroplasticity, contributing to emotional stability and cognitive recovery.

  1. NMN IV Therapy’s Anti-inflammatory Role and Impact on Depression

NMN (Nicotinamide Mononucleotide) is a precursor to NAD+ (Nicotinamide Adenine Dinucleotide), essential for energy metabolism and cellular repair. Recently, it has gained attention for its anti-aging and anti-inflammatory properties.

 

Anti-inflammatory Mechanism: NMN raises NAD+ levels, which supports energy production and cell repair. NAD+ also activates sirtuins, proteins with anti-inflammatory and antioxidant effects, helping inhibit pathways like NF-κB that drive inflammation. This can reduce systemic inflammation and normalize cell functions.

Implications for Depression: NMN therapy may increase energy metabolism and reduce inflammation in the brain, potentially alleviating depression symptoms. Improved mitochondrial function and neural repair could stabilize mood and promote cognitive function, helping mitigate depressive symptoms.

  1. Synergistic Potential of Exosome and NMN IV Therapies

Combining exosome and NMN IV therapies may amplify their benefits, as both target inflammation and support brain health in complementary ways:

 

Multi-faceted Inflammation Reduction: Exosomes offer direct cytokine suppression and tissue repair, while NMN improves energy metabolism and inhibits inflammation at the cellular level. This dual approach could more comprehensively address systemic and brain inflammation.

Enhanced Neural and Metabolic Function: NMN’s enhancement of mitochondrial and cellular health, combined with exosomes’ regenerative properties, may foster faster neurocognitive improvements and greater symptom relief.

Summary

Exosome and NMN IV therapies offer promising anti-inflammatory effects that may improve depressive symptoms, particularly where chronic inflammation is a contributing factor. By reducing inflammation-related neural damage and supporting neurotransmitter balance, these treatments could help restore brain health and alleviate depressive symptoms.

 

With exosomes focusing on immune modulation and tissue repair, and NMN enhancing cellular energy and inflammation control, these therapies represent a novel approach to managing depression through inflammation reduction.

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