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心身症とは?どんなときに疑うべきか——子どもの心身症の症状・原因・治療を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説
心身症とは?どんなときに疑うべきか——子どもの心身症の症状・原因・治療を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説
「検査しても異常がないのに頭痛が続く」「毎朝学校に行く前にお腹が痛くなる」「病院に行っても原因が見つからない体の症状が何ヶ月も続いている」——こうした状況に悩む保護者の方は少なくありません。これらは「心身症」と呼ばれる状態かもしれません。心身症は「気のせい」でも「仮病」でもなく、心理的なストレスが体の症状として現れる医学的な疾患です。名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、子どもの心身症の定義・症状・原因・どんなときに疑うべきか・治療について、保護者の方にわかりやすく詳しく解説します。
目次
- 心身症とは何か——定義と基本的な理解
- 心身症は「仮病」や「気のせい」ではない
- 心身症が起こるメカニズム——心と体のつながり
- 子どもの心身症の特徴——大人との違い
- 心身症が疑われる症状のパターン
- 【臓器別】子どもに多い心身症の症状
- こんなときに心身症を疑う——7つのチェックポイント
- 心身症と関連しやすい心理・環境的背景
- 心身症と間違えやすい疾患・鑑別が必要な状態
- 心身症の診断のプロセス
- 心身症の治療——心理療法・環境調整・薬物療法
- 家族ができるサポート
- 学校との連携
- よくある質問(FAQ)
- 和光医院での診療について
1. 心身症とは何か——定義と基本的な理解
**心身症(しんしんしょう:Psychosomatic Disorder)**とは、身体疾患のうち、その発症や経過に心理社会的因子(ストレス・心理的な問題・対人関係の困難・環境の変化など)が密接に関与している疾患の総称です。
日本心身医学会の定義によれば、「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態を言う。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する」とされています。
心身症の重要な3つのポイント
①体の症状が実際に存在する 心身症では体の症状(頭痛・腹痛・発熱・倦怠感など)が本物として存在します。「気のせい」「仮病」ではなく、実際に体に起きている変化です。
②心理的なストレスが症状の発症・悪化に関与している 体の症状の背景に、心理的なストレス・不安・対人関係の困難・環境の変化などが関与しています。
③検査では「異常なし」または「症状の程度と釣り合わない軽微な所見」が多い 内科・小児科での検査では明確な器質的異常が見つからないことが多く、「異常なし」と言われるケースが多いです。
2. 心身症は「仮病」や「気のせい」ではない
子どもの心身症において、最も重要で最も誤解されやすいポイントが「これは本物の症状なのか」という問題です。
「仮病」との違い
仮病は意識的に症状を作り出すものです。「学校を休みたいから嘘をついてお腹が痛いと言う」というのが仮病です。
心身症では症状は本物です。子ども自身も「本当に体が辛い」と感じています。「仮病なんじゃないの?」「気のせいでしょ」という言葉は、本当に苦しんでいる子どもをさらに傷つけます。
「気のせい」との違い
「気のせい」という表現は「心の問題は体に影響しない」という誤解を含んでいます。実際には、心理的なストレスは神経系・ホルモン系・免疫系を通じて**体に実際の変化(炎症・筋緊張・血流変化・消化管の運動異常など)をもたらします。**これは「気のせい」ではなく、科学的に証明された生理学的なメカニズムです。
「ずる休み」との違い
「お腹が痛い」という子どもが登校すれば症状が軽快する場合があります。これを「やっぱり仮病だった」と判断するのは早合点です。「ストレス源(学校)から離れると体が楽になる」のは心身症の典型的なパターンであり、むしろ心身症の重要な特徴のひとつです。
3. 心身症が起こるメカニズム——心と体のつながり
ストレス→脳→体への伝達経路
心理的なストレスが体の症状を引き起こすメカニズムには、主に以下の経路があります。
①自律神経系(ANS)を介した経路 ストレスが大脳皮質→視床下部→自律神経系(交感神経・副交感神経)を経由して全身の臓器に影響します。例えば、緊張・不安が続くと交感神経が優位になり、消化管の運動が乱れて腹痛・下痢・便秘が生じます。
②視床下部—下垂体—副腎軸(HPA軸)を介した経路 慢性的なストレスにより、コルチゾール(ストレスホルモン)が持続的に分泌され、免疫系・炎症反応・睡眠・代謝に影響します。
③免疫系への影響 慢性ストレスはNK細胞活性の低下・炎症性サイトカインの増加をもたらし、感染への脆弱性増加・慢性的な炎症状態を引き起こすことがあります。
④神経可塑性・中枢感作(Central Sensitization) 慢性的なストレスにより、脳が痛みなどの感覚信号を過剰に評価するようになる「中枢感作」が生じ、実際の刺激よりも強い痛み・不快感を感じる状態になります。
子どもの脳は特にストレスの影響を受けやすい
子どもの脳、特に前頭前野(感情調節・判断を担う)は25歳頃まで発達途上にあります。このため、成人と比較してストレスの影響を受けやすく、感情的な苦しさが身体症状として出やすいという特徴があります。
4. 子どもの心身症の特徴——大人との違い
言語化できないストレスが体に出る
大人は「職場が辛い」「人間関係に疲れた」と言語化できることが多いですが、子どもは自分のストレス・不安を言葉で表現する力がまだ発達途上です。**言語化できないストレスが体の症状として表れる(身体化)**ことが子どもに特に多い理由のひとつです。
「どうして学校が嫌なの?」と聞いても「わからない」「ただ嫌なだけ」という答えしか返ってこない場合、その苦しさがお腹の痛みや頭痛という形で表れているかもしれません。
特定の状況・時間帯と連動している
子どもの心身症では、症状が特定の状況と連動していることが多いです。
- 月曜日の朝だけ腹痛・頭痛が起きる(週始めのストレス)
- 登校時間の直前だけ症状が現れる
- 学校の休みの日(土日・長期休暇)は症状がない
- 特定の行事(発表会・運動会・試験)の前後に悪化する
このパターンは心身症の重要な診断的手がかりです。
症状が移り変わる
心身症の子どもでは、**「先週は頭痛だったが今週は腹痛になった」「ある症状が改善したら別の症状が出てきた」**というように、症状が移り変わることがあります。これは「その都度の別の病気」ではなく、心理的な問題が体の別の部位で表現されているパターンです。
保護者が気づきにくい
子どもが「お腹が痛い」と言えば、保護者は当然「体の病気かもしれない」と考えます。複数の医療機関で検査を繰り返しても異常が見つからないという経緯を経てはじめて「心身症かも」という視点が生まれることが多く、診断まで時間がかかることがあります。
5. 心身症が疑われる症状のパターン
以下のいずれかのパターンがある場合、心身症の可能性を考慮する必要があります。
パターン①:検査で異常がないのに症状が続く 内科・小児科・整形外科などで検査しても明確な異常が見つからないのに、頭痛・腹痛・疲労感などが何週間・何ヶ月も続く。
パターン②:症状が特定の状況・時間帯に連動している 登校前・月曜日・試験前・特定の行事前後など、ストレスが高まる特定の状況と症状の出現が一致している。
パターン③:休日・楽しい場面では症状が軽減・消失する 学校に行くと症状がひどいが、家で好きなことをしているときや休日は比較的楽。登校すると回復する。
パターン④:複数の身体症状が同時または交互に存在する 頭痛・腹痛・倦怠感・めまい・吐き気など複数の症状が同時または交互に存在する。
パターン⑤:症状が環境の変化(転校・引越し・家族の変化)と一致して始まった 明らかなストレスイベントの後から症状が始まり、その後続いている。
パターン⑥:通院・検査・投薬を繰り返しているが改善しない 適切な医療的治療を繰り返しているが症状が改善しない。
6. 【臓器別】子どもに多い心身症の症状
消化器系(最も多い)
反復性腹痛(機能性腹痛) 特定の器質的原因がないのに繰り返す腹痛は、子どもの心身症で最も多い症状のひとつです。臍周囲(おへそのまわり)に多く、排便で改善しないことが多いです。
過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome) 腹痛+便通の変化(下痢・便秘・下痢と便秘の繰り返し)を特徴とします。試験・発表などのストレス下で悪化します。
機能性ディスペプシア 食後の胃もたれ・みぞおちの痛み・食欲不振が続きます。検査では異常なし。
嘔吐・悪心 周期性嘔吐症(自家中毒・アセトン血性嘔吐症)はストレス下で繰り返す嘔吐を特徴とし、心身症との関連が深い状態です。
神経系・頭部
機能性頭痛(緊張型頭痛・片頭痛) ストレス・睡眠不足・疲労と関連して繰り返す頭痛。子どもでは側頭部・前頭部の締め付け感・ズキズキとした痛みが多いです。
めまい・立ちくらみ(起立性調節障害:OD) 思春期に多い起立時の血圧調節不全で、朝起きられない・立つとめまい・頭痛・倦怠感が特徴です。自律神経の機能的な問題であり、心身症の要素を持ちます。精神的なストレスで悪化することが多いです。
失神・転倒(機能性神経症状症) 器質的な神経疾患がないのに麻痺・けいれん様発作・失声・歩行困難などが起こる状態(かつて「転換性障害」と呼ばれた)も広義の心身症に含まれます。
呼吸器系
機能性呼吸困難・過呼吸症候群(過換気症候群) 不安・パニックと関連して過呼吸(息が過剰に速くなる)が起こり、手足のしびれ・動悸・息苦しさが生じます。
心因性咳嗽 器質的原因のない繰り返す咳。緊張場面・学校でのみ出ることがある。
循環器系
機能性動悸 検査で異常がないのに動悸・胸の不快感が続く。不安・緊張と連動することが多い。
皮膚
ストレス性皮膚症状 蕁麻疹・湿疹・皮膚掻痒症がストレス下で悪化・出現するパターン。
泌尿器系
心因性頻尿 ストレス・不安時に頻尿が生じる(特に子どもに多い)。夜間は頻尿がなく、楽しい場面では改善する。
全身症状
慢性疲労・倦怠感 検査で異常がないのに数週間以上続く強い疲労感。学校に行けなくなることも多い。
発熱(機能性発熱・心因性発熱) ストレスと関連して体温が上昇する状態。感染症とは異なり、ウイルス・細菌が原因ではない。交感神経の亢進により体温調節が乱れます。
7. こんなときに心身症を疑う——7つのチェックポイント
以下の7つのうち複数に当てはまる場合、心身症の可能性を考慮して専門家に相談することをお勧めします。
✅ チェック①「検査で異常なし」が何度も続いている
複数の医療機関で検査を受けているが、明確な原因が見つからない体の症状が続いている。
✅ チェック②「月曜日・登校前・試験前」に症状が悪化する
症状の出るタイミングがストレスの高い特定の状況と一致している。
✅ チェック③「休日・楽しいとき」は症状が軽い
学校・習い事・特定の人間関係が症状の悪化因子になっていることが推測できる。
✅ チェック④「症状が複数・移り変わる」
頭痛→腹痛→倦怠感など、症状の種類が変化する・複数が同時に存在する。
✅ チェック⑤「環境の変化・ストレスイベントの後から始まった」
転校・進学・家族の変化・友人関係のトラブルなどの後から症状が始まった。
✅ チェック⑥「学校を休む日が増えてきた」
体の症状を訴えて学校を休む日が増え、不登校につながりつつある。
✅ チェック⑦「本人が自分の感情・ストレスを言葉にしにくい」
「なんでお腹が痛いの?」と聞いても「わからない」「ただ痛い」としか言えない。または「学校は普通だよ」と言いながら体の症状だけが続いている。
8. 心身症と関連しやすい心理・環境的背景
子どもの心身症の背景には、以下のような心理的・環境的因子が関与していることが多いです。
学校に関連するストレス
- いじめ・友人関係のトラブル:最も多いストレス因のひとつ
- 学業プレッシャー:成績・受験への過度なプレッシャー
- 発表・音読・グループ活動への不安:社交不安症に近い状態
- 先生との関係:担任との相性問題・厳しすぎる指導
- 環境の変化:入学・進級・転校
家庭に関連するストレス
- 親の不和・離婚・再婚
- きょうだいとの競争・比較
- 親の過度な期待・完璧主義
- 家庭内暴力・虐待(身体的・心理的・ネグレクト)
- 親自身の精神的な問題(うつ・不安症など)
発達特性との関連
ASD(自閉スペクトラム症)・ADHD(注意欠如多動症)の子どもは、感覚過敏・環境適応の困難・感情調節の難しさから心身症を合併しやすいとされています。発達特性が適切に評価・支援されていないことが慢性的なストレスを生み、心身症につながるパターンが見られます。
完璧主義・高い自己要求
「失敗してはいけない」「みんなに認められなければ」という強い自己要求を持つ子どもは、心身症になりやすいとされています。自分の感情を「弱さ」として抑圧し、ストレスを感情で表現せずに体の症状として出す傾向があります。
気質・感受性
生まれつき感受性が高い・内向的・不安になりやすい気質を持つ子どもは、心身症になりやすい素因があります。これは性格の「弱さ」ではなく、脳神経的な特性です。
9. 心身症と間違えやすい疾患・鑑別が必要な状態
心身症の診断には、体の疾患との鑑別が最重要です。「検査で異常なし=心身症」という単純な判断は誤りです。
器質的疾患の除外が必要
| 症状 | 除外すべき疾患の例 |
|---|---|
| 反復性腹痛 | 腸重積・クローン病・過敏性腸症候群・炎症性腸疾患 |
| 頭痛 | 脳腫瘍・副鼻腔炎・眼科的問題・片頭痛 |
| めまい・倦怠感 | 貧血・甲状腺疾患・心疾患・起立性調節障害 |
| 発熱 | 感染症・自己免疫疾患・悪性腫瘍 |
| 咳嗽 | 気管支喘息・アレルギー・副鼻腔炎 |
うつ病・不安症との違い
DSM-5では心身症は「身体症状症」「機能性神経症状症」などのカテゴリで扱われることが多いです。うつ病・不安症も身体症状を引き起こしますが、それらは「精神疾患に伴う身体症状」として心身症とは区別されます。ただし実際の臨床ではこれらが重なり合うことが多く、包括的な評価が必要です。
起立性調節障害(OD)
思春期に多い自律神経機能障害で、心身症と重なる部分が多いです。起立時の血圧・心拍調節の障害という器質的な(機能的な)問題があるため、心身症とは概念的に別ですが、精神的ストレスで悪化することが多く、心理的なサポートが治療に含まれます。
10. 心身症の診断のプロセス
まずは体の病気を除外する
心身症の診断は「体の病気ではない」という確認(除外診断)から始まります。内科・小児科での身体的な評価が最初のステップです。
詳細な問診・生活歴の聴取
- 症状の始まり・経過・パターン(特定の状況と連動しているか)
- 学校・家庭・友人関係の状況
- 最近の生活の変化・ストレスイベント
- 睡眠・食欲・気分の変化
- 発達歴・家族歴
心理検査
- 不安・抑うつのスクリーニング(DSRS・SCARED等)
- ストレスの評価
- 発達特性の評価(必要な場合)
多職種連携のアセスメント
医師だけでなく、心理士・看護師・ソーシャルワーカー・学校の担任・スクールカウンセラーとの情報共有が診断に重要です。
11. 心身症の治療——心理療法・環境調整・薬物療法
心理療法
認知行動療法(CBT) ストレスの認識・感情の表現・対処スキルを身につける治療法で、小児心身症に広く有効性が示されています。
リラクゼーション技法 腹式呼吸・筋弛緩法・マインドフルネスなど、自律神経を落ち着かせる技法が症状の軽減に役立ちます。
支持的精神療法 安心できる関係の中で感情を表現することを支援する治療です。特に感情表現が苦手な子どもに有効です。
家族療法 家族関係・コミュニケーションパターンが症状の背景にある場合、家族全体へのアプローチが必要です。
環境調整
心身症の治療において最も重要な介入のひとつが**ストレス源の軽減(環境調整)**です。
- 学校でのいじめ・人間関係問題への介入
- 学業負荷の適切な調整
- 習い事・課外活動の見直し
- 家庭内ストレスの軽減
- 学校での個別配慮(保健室登校・時間差登校・試験配慮)
薬物療法
症状に応じて、以下の薬剤が補助的に使用されます。
- 頭痛: 鎮痛薬・片頭痛予防薬(シプロヘプタジン等)
- 腹痛: 整腸薬・機能性消化管疾患治療薬
- 不安・抑うつ: SSRI(フルボキサミン等)
- 睡眠障害: メラトニン・睡眠薬
- 起立性調節障害: ミドドリン・メトリジン等
薬物療法は症状の緩和を目的とした補助的なものであり、心理療法・環境調整との組み合わせが重要です。
段階的な学校復帰支援
心身症で不登校になった場合の学校復帰は段階的に行います。
- 家庭での安心と生活リズムの安定
- 放課後の登校・保健室登校
- 好きな授業・安心できる時間帯の登校
- 段階的に授業・活動への参加を増やす
- 通常登校への移行
急いで登校させることは逆効果になることが多く、「今日できたこと」を積み重ねながら段階的に進めることが重要です。
12. 家族ができるサポート
やってはいけない関わり方
❌「気のせいでしょ」「仮病じゃないの?」と言う 体の症状は本物です。否定されることで子どもは「理解されない」という孤立感を深めます。
❌「気合いで乗り越えなさい」と励ます 心身症の子どもに「頑張れ」と言うことは、すでに限界まで頑張っている子どもをさらに追い詰めます。
❌ 症状に過度に注目・心配する 「大丈夫?また痛い?」と繰り返し確認することで、症状が「注目されるための手段」として強化されることがあります。
❌ 学校に無理やり連れて行く 症状が強い状態での強制登校は、学校恐怖・不登校をさらに深刻化させます。
大切な関わり方
✅ 症状を否定せず受け止める 「お腹が痛いんだね。辛いね」とまず症状を受け止めることが最初のステップです。
✅ 体の症状ではなく「気持ち」に目を向ける 「最近何か心配なことがある?」「学校で何か嫌なことがあった?」と、体の症状の背後にある感情を探る対話を大切にします。ただし、캐어하는 나머지 追い詰めるような問い詰めは避けてください。
✅ 「今日も頑張れなかった」ではなく「今日も存在してくれた」 登校できなくても、家で過ごせたこと・ご飯が食べられたこと・笑えたことを小さな成長として認めましょう。
✅ 家族自身も専門家のサポートを受ける 心身症の子どもを支える保護者自身も精神的に消耗します。保護者のカウンセリング・家族支援を積極的に活用してください。
13. 学校との連携
担任・スクールカウンセラーへの相談
心身症が疑われる場合、学校の担任・スクールカウンセラーへの相談が早急に重要です。
学校への情報提供の内容(医療機関から連携文書として提供):
- 心身症の診断・症状の内容
- 学校生活での配慮が必要な点(授業中のトイレ・休憩・試験配慮等)
- 段階的な登校支援の計画
- 緊急時の対応(過呼吸・体調急変時)
「出席扱い」の活用
文部科学省の通達により、不登校の児童生徒が学校外の適切な機関(医療機関・フリースクール等)に通っている場合、学校長の判断により「出席扱い」にすることができます。主治医の診断書・意見書が活用できます(和光医院でも対応しています)。
14. よくある質問(FAQ)
Q. 心身症は児童精神科と小児科のどちらを受診すればいいですか?
A. まず小児科での体の病気の除外が重要です。「検査で異常なし」と言われた後も症状が続く場合・症状と学校/家庭のストレスの関連が明らかな場合・不登校につながっている場合は、児童精神科への相談が適切です。和光医院では、体の病気の除外後に心理的な評価・治療を行っています。
Q. 心身症の子どもに「学校に行きなさい」と言ってはいけませんか?
A. 症状が強い時期に「行きなさい」と言うことは逆効果になることが多いです。症状のメカニズムと背景のストレスを理解したうえで、段階的な復帰計画を医療機関と学校で共有しながら進めることが重要です。
Q. 発達障害(ASD・ADHD)と心身症は関係ありますか?
A. 深い関係があります。ASD・ADHDの子どもは、感覚過敏・環境適応の困難・感情調節の苦手さから、慢性的なストレスを抱えやすく心身症を合併しやすいとされています。発達特性の適切な評価・支援が、心身症の根本的な改善に重要なことがあります。
Q. 心身症はいつ頃治りますか?
A. 症状の重さ・背景のストレス・治療の開始時期によって個人差が大きいです。環境調整(ストレス源の軽減)が実現できた場合は比較的早期に改善することがあります。一方、慢性化・複雑化した場合は数ヶ月〜1年以上の治療が必要なことがあります。早期の発見・介入が経過を大きく左右します。
Q. 「心身症」と診断されることに抵抗があります。
A. 「心身症」という診断は「体ではなく心の問題」という意味ではありません。「心理的なストレスが実際に体に影響を与えている」という医学的な状態です。診断名より「子どもが今何に苦しんでいて、何が助けになるか」という視点で考えていただければと思います。
15. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある和光医院は、児童精神科を専門とするクリニックです。子どもの心身症・身体症状症・機能性身体症状に関する専門的な評価と治療を行っています。
当院が大切にしていること
「体が辛いのに原因がわからない」「検査で異常がないと言われたが、子どもは本当に苦しんでいる」——そのような状況に置かれた子どもと保護者の方の苦しさを、まず丁寧に受け止めることから始めます。
当院での対応内容
- 心身症・身体症状症・機能性身体症状の評価・診断
- 発達特性(ASD・ADHD)の評価・診断(合併の有無の確認)
- うつ病・不安症・PTSDなど精神疾患の評価・治療
- 認知行動療法(CBT)・リラクゼーション指導
- 薬物療法(SSRI・睡眠薬・対症療法)
- 保護者へのカウンセリング・心理教育
- 学校・支援機関との連携・情報提供文書の作成
- 不登校支援・段階的登校復帰計画の立案
こんな方はぜひご相談ください
- 検査で異常がないのに頭痛・腹痛が何ヶ月も続いている
- 毎朝登校前に体の不調を訴えて学校に行けない
- 特定の状況(月曜日・試験前・行事前)に症状が悪化する
- ASD・ADHDがあり身体症状も合わせて悩んでいる
- 「仮病ではないか」と言われてつらい思いをしている
- 不登校と体の症状が重なっている
- 心身症かどうか専門的に評価してほしい
「体の症状が続いているけど原因がわからない」——その状態を一緒に整理して、子どもに合ったサポートを探しましょう。本人が来られない場合でも、まず保護者だけの相談から始めることができます。
まとめ
- 心身症とは身体疾患の中で、その発症・経過に心理社会的因子が密接に関与しているものを指します
- 「仮病」「気のせい」ではなく、ストレスが神経・ホルモン・免疫系を通じて体に実際の変化をもたらします
- 子どもの心身症は「言語化できないストレスが体に出る」「特定の状況と連動する」「症状が移り変わる」という特徴があります
- 消化器・神経(頭痛・めまい)・呼吸器・皮膚・泌尿器など多様な臓器に症状が出ます
- 「検査で異常なし」「月曜日・登校前に悪化」「休日は楽」「症状が複数・移り変わる」がチェックポイントです
- ASD・ADHDなど発達特性のある子どもは心身症を合併しやすいです
- 治療は環境調整(ストレス源の軽減)が最重要で、CBT・薬物療法・学校連携を組み合わせます
- 「気合いで乗り越えなさい」ではなく、症状を受け止めながら段階的にサポートすることが回復への道です
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