名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.08.25ブログ

子どものチック症・トゥレット症——「やめなさい」と言ってはいけない理由と正しい対応・治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

子どものチック症・トゥレット症——「やめなさい」と言ってはいけない理由と正しい対応・治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「最近、まばたきが異常に多い」「咳払いや鼻を鳴らす音がずっと止まらない」「首を振る、肩をすくめる動きを繰り返している」「注意すると一瞬止まるが、またすぐに始まる」「学校で友達に指摘されないか心配」「私の育て方やストレスが原因なのでしょうか」——お子さまのこうした様子に気づき、不安を抱えて検索されている保護者の方は少なくありません。

これらはチック症の症状である可能性があります。チックは、学齢期のお子さまの**10〜20%**が一度は経験するとされる、非常にありふれた現象です。そして多くの場合、成長とともに自然に軽快していきます。

しかし一方で、周囲の対応を誤ると症状が悪化し、お子さまの自己肯定感を大きく損なうことがあるのもチック症の特徴です。特に「やめなさい」という善意の注意が、症状を長引かせる要因になり得ます。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、チック症の種類・診断分類・悪化させない関わり方・治療法まで、詳しく解説します。


目次

  1. チックとは——どのような症状か
  2. チックの種類【比較表】
  3. 診断上の分類——トゥレット症との違い【比較表】
  4. どのくらいの子どもにみられるのか
  5. 前駆衝動——「ムズムズする感じ」という重要なサイン
  6. なぜ「やめなさい」と言ってはいけないのか
  7. 原因——親の育て方やストレスのせいではありません
  8. 症状が強くなる場面・弱くなる場面
  9. 併存しやすい状態——ADHD・強迫症など
  10. 経過と見通し——多くは思春期以降に軽快します
  11. 治療①:心理教育と環境調整——最も重要な土台
  12. 治療②:行動療法(CBIT・ハビットリバーサル)
  13. 治療③:薬物療法【比較表】
  14. 学校との連携——お願いしたい配慮
  15. ご家庭での関わり方——してよいこと・避けたいこと
  16. よくある心配事Q&A
  17. 和光医院での診療について

1. チックとは——どのような症状か

チックとは、本人の意思とは関係なく、突発的・急速・反復的に起こる運動や発声を指します。

医学的には「不随意運動」の一種ですが、完全に制御不能というわけではなく、一時的には意識的に抑えられるという特徴があります。ただし、抑えた後にはより強く出やすくなります(後述)。

保護者の方が最初に気づくきっかけ

  • まばたきが極端に増えた
  • 顔をしかめる、口をゆがめる
  • 首を振る、肩をすくめる
  • 咳払いが続く(風邪ではないのに)
  • 鼻を鳴らす、「んっ」という音を出す

耳鼻科や眼科を受診したが異常がなかった——これは非常によくある経過です。チックは身体の疾患ではなく、脳の神経回路の働き方の特性によるものだからです。


2. チックの種類【比較表】

チックは、運動チック音声チックに分けられ、それぞれ単純性複雑性に分類されます。

単純性(短く、単一の動き・音) 複雑性(複数の動作が組み合わさる)
運動チック まばたき、顔しかめ、鼻をひくつかせる、首振り、肩すくめ、口をゆがめる、腹部に力を入れる 飛び跳ねる、物や人に触る、自分を叩く、においを嗅ぐ、他人の動作を真似る(反響動作)、卑猥な仕草(稀)
音声チック 咳払い、鼻すすり、「んっ」「あっ」という発声、うなり声、舌打ち、動物の鳴き声のような音 状況に合わない単語や句を発する、他人の言葉を繰り返す(反響言語)、自分の言葉を繰り返す(反復言語)、汚言(コプロラリア/稀)

「汚言症」についての誤解

メディアの影響で、トゥレット症=汚い言葉を叫ぶ病気、というイメージが広まっていますが、これは大きな誤解です。

汚言(コプロラリア)がみられるのはトゥレット症の方の一部にすぎません。大多数のお子さまには汚言はみられません。この誤解が、当事者やご家族を不必要に苦しめています。


3. 診断上の分類——トゥレット症との違い【比較表】

DSM-5-TR(現行の診断基準)では、チック症は症状の内容と持続期間によって次のように分類されます。

診断名 運動チック 音声チック 持続期間 頻度
暫定的チック症 あり/なし あり/なし 1年未満 最も多い
持続性(慢性)チック症 どちらか一方のみ どちらか一方のみ 1年以上 中程度
トゥレット症 多彩な運動チックあり 1つ以上の音声チック 1年以上 少ない

いずれも18歳以前の発症であることが条件です。

ポイント

  • 多くのお子さまは「暫定的チック症」で、1年以内に自然に消失します
  • トゥレット症は、複数の運動チックと音声チックが両方とも1年以上続く場合の診断名です
  • 「トゥレット症」という診断名がついても、重症であることを意味するわけではありません。 症状の重さと診断名は別のものです

4. どのくらいの子どもにみられるのか

  • 一過性のチック:学齢期の子どもの**10〜20%**が経験(5〜10人に1人)
  • トゥレット症:人口の**0.3〜1%**程度
  • 発症のピークは4〜6歳
  • 症状が最も強くなるのは10〜12歳頃
  • 男児に女児の約3〜4倍多い

つまり、クラスに数人はチックを経験している子がいる計算になります。決して珍しいものではありません。


5. 前駆衝動——「ムズムズする感じ」という重要なサイン

チックを理解するうえで欠かせないのが、**前駆衝動(ぜんくしょうどう/premonitory urge)**という感覚です。

これは、チックが出る直前に感じる**「ムズムズする」「詰まった感じ」「そこが気になって仕方ない」**といった不快な身体感覚のことです。

前駆衝動があるとどうなるか

  1. ムズムズした不快感が生じる
  2. チックを出すと、その不快感が一時的に解消される
  3. しかしまた不快感が蓄積する
  4. 再びチックが出る

くしゃみをこらえている感覚に似ていると表現されることがあります。我慢することはできますが、我慢し続けるのは非常につらく、限界がくると強く出ます。

年齢による違い

前駆衝動を自覚できるようになるのは、おおむね10歳前後からです。それより幼いお子さまは、自分がチックをしていることにも気づいていないことが多くあります。

この違いは、治療法の選択に直結します。 前駆衝動を自覚できるお子さまには行動療法が有効ですが、自覚のない年少児には適用が難しいためです。


6. なぜ「やめなさい」と言ってはいけないのか

これは、この記事で最もお伝えしたい点です。

チックに対して「やめなさい」「またやってる」と注意することは、善意から出た言葉であっても、症状を悪化させます。 理由は3つあります。

理由①:抑制にはリバウンドがある

指摘されればお子さまは一時的にチックを抑えます。しかし前駆衝動は消えていないため、抑えた分だけ後で強く出ます。 家では激しく出る、というご相談をよく受けますが、これは学校で抑え続けた反動であることがほとんどです。

理由②:注目が症状を強化する

チックは「注目されること」で増える傾向があります。指摘するたびに意識が向き、頻度が上がるという悪循環が生じます。

理由③:自己肯定感が損なわれる

最も深刻な影響です。自分の意思では止められないことを繰り返し責められる経験は、「自分はダメな子だ」「自分は変だ」という感覚を強く植えつけます。

チックそのものよりも、この二次的な自己否定のほうが、長期的にお子さまを苦しめます。

原則:チックには気づいても、触れない。 見て見ぬふりをするのではなく、「気にしなくていいこと」として自然に扱ってください。


7. 原因——親の育て方やストレスのせいではありません

保護者の方が最も自分を責めやすいのが、この点です。はっきりお伝えします。チックは、育て方や愛情不足で起こるものではありません。

現在わかっている主な要因は次のとおりです。

神経学的な要因

脳の大脳基底核という、運動の調節に関わる部位と、その神経回路(皮質-線条体-視床-皮質回路)の働き方の違いが関与していると考えられています。ドパミンという神経伝達物質の調節も関係しています。

遺伝的な要因

家族内で発症しやすい傾向が知られています。ご両親やご親族に、幼少期のチックや強いこだわり、まばたきの癖があった方がいるケースは珍しくありません。

ストレスの位置づけ

ストレスはチックの「原因」ではなく、「増悪因子」です。 これは重要な区別です。

もともとチックが起こりやすい素因を持つお子さまにおいて、緊張や疲労が症状を強めることはあります。しかし、ストレスがなければチックが起きなかったわけではありません。

「入学のストレスで始まった」ように見えても、それはきっかけであって原因ではないのです。


8. 症状が強くなる場面・弱くなる場面

チックには波があります。この変動を理解しておくと、対応がしやすくなります。

強くなりやすい場面 弱くなりやすい場面
疲れているとき 何かに集中しているとき(読書、工作、演奏など)
緊張・不安が強いとき リラックスしているとき
逆に、興奮しているとき 適度な運動をしているとき
ゲーム・動画の視聴中 睡眠中(通常は消失または大幅に減少)
チックを指摘されたとき
環境が変わったとき(進級、転校など)

「集中すると減る」という重要な事実

チックは、本当に没頭している活動中にはほとんど出ません。 楽器の演奏中、スポーツの試合中、好きな工作をしているときなどです。

一方で、ゲームや動画は「興奮」を伴うため、逆に増えることが多くあります。同じ「集中」でも質が違うのです。

この特性は、「本人が意図的にコントロールしている」という誤解を招きやすいのですが、そうではありません。神経の働き方の問題です。


9. 併存しやすい状態——ADHD・強迫症など

チック症、特にトゥレット症では、他の状態を併存する頻度が高いことが知られています。

併存状態 おおよその割合 特徴
ADHD(注意欠如多動症) 約50% 不注意・多動が先に目立ち、後からチックが出現することが多い
強迫症(OCD) 約30% 「ちょうどよい感じ」になるまで繰り返す、対称性へのこだわり
不安症 高頻度 分離不安、社交不安など
自閉スペクトラム症(ASD) 一定数 感覚過敏、こだわりとの区別が必要な場合がある
学習の困難 一定数 書字の困難など
易怒性・かんしゃく 一定数 突発的で激しい怒り(rage attack)がみられることがある

実際の診療では、チックそのものより併存状態のほうが生活に支障をきたしていることが少なくありません。

「チックの相談で受診したら、ADHDの困りごとのほうが大きかった」というケースは頻繁にあります。だからこそ、チックだけを切り取らず、全体を評価することが重要です。


10. 経過と見通し——多くは思春期以降に軽快します

保護者の方が最も知りたいのが、この点だと思います。

典型的な経過

  1. 4〜6歳頃:単純運動チック(まばたきなど)で発症
  2. 小学生の間:症状に波がありながら継続。部位や種類が変わることも多い
  3. 10〜12歳頃:最も症状が強くなる時期
  4. 思春期後半〜成人期:多くの方で軽快

トゥレット症の長期経過

成人期までの経過について、おおまかな目安として次のように報告されています。

  • 約3分の1:症状がほぼ消失する
  • 約3分の1:症状が軽くなり、日常生活への支障が少なくなる
  • 約3分の1:成人期にも症状が続く

つまり、約3分の2の方が成人までに大きく改善します。

「症状が移り変わる」ことについて

チックは、部位や種類が時期によって変わります。「まばたきが治ったと思ったら、今度は肩をすくめるようになった」というのは、悪化ではなく、チックの通常の経過です。新しい症状が出るたびに不安になる必要はありません。


11. 治療①:心理教育と環境調整——最も重要な土台

チック症の治療は、必ず心理教育から始まります。 そして多くのケースでは、これだけで十分です。

心理教育とは

本人・ご家族・学校が、次のことを正しく理解することです。

  • チックは意思では止められない神経学的な現象であること
  • 育て方やストレスが原因ではないこと
  • 指摘・注意は症状を悪化させること
  • 多くは成長とともに軽快すること
  • 波があるのは通常の経過であること

この理解が共有されるだけで、症状が軽くなるお子さまがいます。 周囲の視線と叱責というストレスが取り除かれるためです。

治療の必要性を判断する基準

チックがあること自体は、治療の対象ではありません。治療が検討されるのは、次のような場合です。

  • チックによって身体的な痛みや疲労が生じている(強い首振りによる頸部痛など)
  • 学業に明らかな支障が出ている(書字困難、集中の妨げ)
  • 対人関係でからかいやいじめの対象になっている
  • 本人が強く苦痛を感じている
  • 併存する状態(ADHD・強迫症など)の支障が大きい

「チックがあるから薬を使う」のではなく、「困りごとがあるから対応を検討する」という順序です。


12. 治療②:行動療法(CBIT・ハビットリバーサル)

チックに対して国際的に有効性が確立している非薬物療法が、**CBIT(Comprehensive Behavioral Intervention for Tics:チックに対する包括的行動的介入)です。その中核がハビットリバーサル(習慣逆転法)**です。

仕組み

  1. 気づきの訓練:どのような前駆衝動の後にチックが出るかを、自分で把握できるようにする
  2. 拮抗反応の練習:チックと同時にはできない、目立たない別の動作を身につける(例:首を振るチックに対して、首の筋肉に軽く力を入れて姿勢を保つ)
  3. 環境の調整:症状が強まる状況を特定し、対応を工夫する

適用の条件

  • 前駆衝動を自覚できること(おおむね10歳以上
  • 本人に取り組む意欲があること
  • 継続的な練習ができること

日本での現状

CBITは有効性が高い一方で、日本では実施できる施設が限られているのが現状です。当院では、その要素を取り入れた指導や、実施可能な機関との連携を行っています。


13. 治療③:薬物療法【比較表】

心理教育・環境調整・行動療法で改善が不十分で、生活への支障が大きい場合に、薬物療法を検討します。

薬剤(一般名) 主な商品名 位置づけ 主な注意点
アリピプラゾール エビリファイ® 日本で小児のトゥレット症に承認されている薬剤。 第一選択となることが多い 眠気、体重増加、アカシジア(そわそわ感)
リスペリドン リスパダール® 効果は確立しているが、チックへの使用は適応外 眠気、体重増加、高プロラクチン血症
グアンファシン インチュニブ® ADHDを併存する場合に有用。ADHDに対する適応 眠気、血圧低下・徐脈。急な中止は避ける
チアプリド グラマリール® チックに用いられることがあるが適応外 眠気、錐体外路症状
抑肝散(漢方) ツムラ抑肝散 いらいら・興奮を伴う場合に併用されることがある 低カリウム血症(長期使用時は確認)

薬物療法で知っておいていただきたいこと

① 完全に消すことが目標ではありません

薬でチックをゼロにしようとすると、副作用が強く出て生活に支障が生じます。目標は**「困りごとが許容できる程度まで減らすこと」**です。

② 少量から慎重に開始します

効果と副作用のバランスを見ながら、時間をかけて調整します。

③ 症状の波と薬の効果を区別する必要があります

チックはもともと波があるため、「薬を始めたら悪化した」ように見えても、自然な変動である場合があります。判断には一定の観察期間が必要です。

④ 中止のタイミングも重要です

症状が安定した時期を見て、医師の管理のもとで減量・中止を検討します。多くの場合、生涯にわたる服薬にはなりません。

⑤ 併存状態への治療が優先されることがあります

ADHDや強迫症の支障が大きい場合、そちらの治療を先に行うことで、結果としてチックも軽減することがあります。


14. 学校との連携——お願いしたい配慮

学校での過ごしやすさは、チックの経過に大きく影響します。

先生方にお願いしたい配慮

  • チックについて注意・指摘をしない
  • 他の児童生徒からのからかいがあれば、適切に介入する
  • 音声チックがある場合、テストや静かな場面での別室受験・別室利用を認める
  • チックを我慢し続けなくてよい環境を保証する(必要時に退室してよいなど)
  • 書字に影響がある場合、時間延長やタブレット等の代替手段を検討する
  • 疲労時に症状が強まるため、休息を取りやすくする
  • 「集中している活動中は減る」という特性を理解する

クラスへの説明について

本人と保護者の意向を尊重したうえで、クラスメイトに説明することが有効な場合があります。「わざとではない」「からかわない」という理解が広まることで、本人の緊張が下がり、症状が軽減することがあります。

ただし、これは本人が望む場合に限ります。説明されること自体を苦痛に感じるお子さまもいるため、必ず事前に相談が必要です。

当院では、必要に応じて学校向けの診断書・意見書を作成しています。


15. ご家庭での関わり方——してよいこと・避けたいこと

◎ 心がけたいこと

  • チックに気づいても、触れない
  • 症状の増減で一喜一憂しない(波があるのが通常です)
  • 十分な睡眠を確保する(疲労は最大の増悪因子です)
  • チック以外の話題で、たくさん関わる
  • 得意なこと・好きなことに没頭できる時間をつくる
  • 本人が話したいときには、じっくり聞く

× 避けたいこと

  • 「やめなさい」「また始まった」と指摘する
  • 症状を数える、記録をつけて本人に見せる
  • 「ストレスがあるの?」と繰り返し尋ねる(本人を追い詰めます)
  • きょうだいや他の子と比べる
  • チックが出たときだけ声をかける(注目による強化になります)
  • 本人の前で「この子はチックがあって」と説明する

保護者の方ご自身のケアも大切です

チックのあるお子さまを育てるご家族は、周囲の視線に日々さらされ、疲弊しやすい立場にあります。「しつけができていない」と誤解されることもあります。

保護者の方が抱える不安やつらさも、診察の中でお話しいただいて構いません。 ご家族が安心できることが、結果としてお子さまの症状の安定につながります。


16. よくある心配事Q&A

Q. 私の育て方やストレスが原因なのでしょうか?

A. 違います。チックは脳の神経回路の働き方に関連する現象で、育て方や愛情不足で生じるものではありません。ストレスは症状を強める要因にはなりますが、原因ではありません。保護者の方がご自身を責める必要はまったくありません。

Q. 放っておいても大丈夫ですか?受診は必要ですか?

A. 多くのチックは経過観察で問題ありません。ただし、①症状が強く生活に支障がある、②本人がつらさを訴えている、③ADHDや強迫症など他の困りごとがある、④保護者の不安が強い——いずれかに当てはまる場合は、一度ご相談いただくことをおすすめします。「診断がつくこと」より「正しい理解を持てること」に意味があります。

Q. 一時的に止められるということは、意図的にやっているのでは?

A. いいえ。くしゃみを一時的にこらえられるのと同じで、抑制できることと意図的であることは別です。抑え続けることは強い不快感を伴い、後で反動が出ます。「止められる」ことは「わざと」の証明にはなりません。

Q. 家では激しいのに、学校ではほとんど出ないと言われます。なぜですか?

A. 学校で緊張して抑え込んでいる反動が、安心できる家庭で出ているためです。これは家庭が安全な場所である証拠でもあります。学校で出ないことを「やはりわざとだ」と解釈しないでください。

Q. ゲームや動画を見せると悪化しますか?

A. 視聴中に増える傾向はあります。ただし、これは「禁止すべき」という意味ではなく、時間や内容を調整するという話です。過度な制限はかえってストレスとなり、逆効果になることがあります。バランスを一緒に考えましょう。

Q. 薬を飲むと性格が変わりませんか?

A. 適切な用量であれば、性格や個性が変わることはありません。用量が多すぎる場合に眠気や表情の乏しさが出ることがあるため、保護者の方の観察と、医師との細かい調整が重要です。気になる変化があれば、遠慮なくお伝えください。

Q. トゥレット症と診断されたら、将来はどうなりますか?

A. 診断名は重症度を意味しません。多くの方が思春期以降に軽快し、就学・就労・結婚など、通常の社会生活を送っておられます。診断がつくことは「見通しが立つこと」であり、悲観する材料ではありません。

Q. きょうだいにも遺伝しますか?

A. 家族内での発症しやすさは知られていますが、必ず遺伝するわけではありません。また、仮にチックが出たとしても、多くは一過性です。過度に心配せず、もし症状が出たときに正しく対応できる知識を持っておくことのほうが有益です。


17. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、チック症・トゥレット症の診断と治療に対応しています。

当院での対応内容

  • チック症の診断と分類(暫定的/持続性/トゥレット症)
  • 他の不随意運動・神経疾患との鑑別
  • ADHD・強迫症・不安症・自閉スペクトラム症など併存状態の評価
  • 本人・ご家族への心理教育
  • 環境調整と関わり方の具体的な指導
  • 行動療法的アプローチ(ハビットリバーサルの要素を含む)の指導
  • アリピプラゾール等による薬物療法と用量調整
  • 漢方薬による治療
  • 学校提出用の診断書・意見書の作成
  • 学校・スクールカウンセラーとの連携
  • 保護者の方の心理的サポート
  • 必要に応じた専門医療機関へのご紹介

こんな方はぜひご相談ください

  • まばたき・咳払い・首振りなどが数か月以上続いている
  • 耳鼻科や眼科で「異常なし」と言われたが症状が続く
  • 学校でからかわれていないか心配
  • 「やめなさい」と言ってしまい、対応が正しいのか不安
  • チックに加えて、落ち着きのなさや強いこだわりもある
  • トゥレット症と診断されたが、今後の見通しを知りたい
  • 現在の治療で効果が乏しい、副作用が気になる
  • 学校にどう説明・依頼すればよいかわからない

「チックの診察で私たちが最初にお伝えするのは、『これはお子さまのせいでも、ご家族のせいでもありません』ということです。多くのご家族が、周囲の視線と、良かれと思って注意してしまったことへの後悔を抱えて来院されます。正しく理解し、そっと見守る環境が整うだけで、お子さまの症状も表情も変わっていきます。チックそのものより、それを取り巻く関係のほうが、本人の育ちを左右します。どうぞ一人で抱えず、ご相談ください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。