名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.09.05ブログ

社交不安症(あがり症)——「性格だから」ではありません。人前が怖い、発表ができない。その仕組みと治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

社交不安症(あがり症)——「性格だから」ではありません。人前が怖い、発表ができない。その仕組みと治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「授業で当てられると、頭が真っ白になる」「発表の何日も前から眠れなくなる」「人前で手や声が震え、それを見られるのが怖い」「顔が赤くなるのを気づかれないか、そればかり考えてしまう」「みんなの前で食事ができない」「電話に出るのが怖くて、仕事に支障が出ている」「進路や就職を、人前に出ない仕事に絞ってしまった」——こうした悩みは、しばしば**「性格」「あがり症」「気にしすぎ」**として片づけられます。

しかし、これは治療できる状態です。

社交不安症は、他者から注目される場面や、評価される可能性のある場面に対して、強い恐怖と不安が生じる疾患です。

そして重要なのは、発症のピークが10代半ばにあるという点です。多くの方が、思春期に発症しています。

その時期に適切な対応がなされないまま、

  • 発表を避ける
  • 部活や委員会を避ける
  • 進路を狭める
  • 不登校になる
  • 就職や職種の選択を制限する

——という形で、人生の選択そのものが狭まっていきます。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、社交不安症の仕組み、「あがり症」との違い、そして治療まで、詳しく解説します。


目次

  1. 社交不安症とは
  2. 【最重要】「性格」ではなく、治療できる状態です
  3. 恐怖を感じやすい場面【比較表】
  4. 症状——「見られること」への恐怖【比較表】
  5. 【重要】「人見知り」「あがり症」との違い【比較表】
  6. 子ども・思春期での現れ方【比較表】
  7. 悪循環の構造
  8. 【最重要】「安全行動」が症状を維持します
  9. どのくらいの人にみられるのか
  10. 併存・鑑別を確認すべき状態【比較表】
  11. 【重要】ASD(自閉スペクトラム症)との違い
  12. 場面緘黙との関係
  13. 不登校・進路への影響
  14. 治療①:心理教育——仕組みを知ることから
  15. 治療②:認知行動療法【比較表】
  16. 【重要】注意の向きを変える練習
  17. 治療③:薬物療法【比較表】
  18. 学校・職場での配慮
  19. ご家族の関わり方【比較表】
  20. よくある心配事Q&A
  21. 和光医院での診療について

1. 社交不安症とは

社交不安症(社交不安障害)は、他者から注目される可能性のある場面で、強い恐怖や不安を感じる状態です。

中核にあるのは「否定的な評価への恐れ」

単に「緊張する」のではありません。

「変だと思われるのではないか」「恥ずかしい思いをするのではないか」「バカにされるのではないか」

——この評価への恐れが中核にあります。

診断において重視される点

  • その場面では、ほぼ毎回、強い不安が生じる
  • 場面を避ける、または強い苦痛に耐えている
  • 恐怖の程度が、実際の状況に不釣り合いなほど強い
  • 6か月以上続いている
  • 生活に明らかな支障が出ている

特定の場面だけのタイプもあります

発表や演奏など、人前でのパフォーマンス場面に限定されるタイプもあります。

日常会話は問題ないのに、発表だけがどうしてもできない——こうした方も、社交不安症に含まれます。


2. 【最重要】「性格」ではなく、治療できる状態です

この章が、この記事で最も伝えたい内容です。

「性格」として扱われてきました

  • 「内気だから」
  • 「あがり症なんです」
  • 「人見知りが激しくて」
  • 「気にしすぎ」
  • 「そのうち慣れる」

こうした言葉で説明され、治療につながらないまま何年も過ごす——これが、この疾患の最大の問題です。

診断されるまでの年数

社交不安症は、発症から適切な治療を受けるまでに、非常に長い年月がかかることが知られています。

なぜなら、「病気だと思っていない」からです。

そして皮肉なことに、**「相談すること自体が、人と話す場面である」**ため、受診のハードルも高くなります。

治療法が確立しています

社交不安症には、有効性の確立した治療法があります。

  • 認知行動療法
  • 薬物療法(社交不安症に保険適用のある薬剤があります)

「性格だから変えられない」ではありません。


3. 恐怖を感じやすい場面【比較表】

分類 具体的な場面
人前での発表 授業での発表、音読、朝礼、スピーチ、プレゼン
注目される場面 教室で当てられる、名前を呼ばれる、視線を感じる
人と話す場面 初対面、雑談、電話、店員とのやりとり
見られながら行う動作 人前で字を書く、食べる、飲む、楽器の演奏
権威のある相手 先生、上司、面接官
雑談・世間話 休み時間、昼食、飲み会
異性との会話 思春期以降
その他 公衆トイレが使えない、人前で汗をかくのが怖い

「雑談」が最も苦手という方も多くいます

発表のように準備できる場面より、雑談のほうがつらい——こうおっしゃる方は少なくありません。

何を話せばよいか分からない、沈黙が怖い、間が持たない。

休み時間や昼食の時間が、一日で最もつらい時間になっているお子さまがいます。


4. 症状——「見られること」への恐怖【比較表】

分類 症状
精神症状 強い不安、恐怖、「変に思われる」という考え、頭が真っ白になる
身体症状 赤面、発汗、震え(手・声)、動悸、息苦しさ、めまい
消化器症状 腹痛、吐き気、下痢、頻尿
行動 その場面を避ける、逃げ出す、極端に無口になる
予期不安 何日も前から緊張し、眠れない
事後の反すう 終わった後も、「変じゃなかったか」と何度も思い返す

身体症状そのものが、恐怖の対象になります

社交不安症に特徴的な点です。

「赤くなるのを見られたらどうしよう」 「手が震えているのを気づかれたら」 「声が震えたら、緊張しているとバレる」

症状が出ること自体を恐れ、それがさらに症状を強めます。

「終わった後」もつらい

多くの疾患と異なり、社交不安症では場面が終わった後も苦しみが続きます。

  • 「あんなことを言わなければよかった」
  • 「変だと思われたに違いない」
  • 何日も、何年も、思い返す

この「事後の反すう」が、次の場面への恐怖をさらに強めます。


5. 【重要】「人見知り」「あがり症」との違い【比較表】

観点 人見知り・あがり症 社交不安症
程度 緊張するが、なんとかこなせる 強い恐怖。頭が真っ白になる
回避 少ない 場面を避ける、または欠席する
持続 慣れれば軽減する 6か月以上続く
生活への影響 大きくない 学業・仕事・進路に支障
事前 当日に緊張する程度 何日も前から不安で眠れない
事後 すぐ切り替えられる 繰り返し思い返し、苦しむ
本人の苦痛 一時的 持続的で強い

判断の軸

「緊張するかどうか」ではありません。

「その恐怖のために、行動が制限されているか」——これが基準です。

  • 発表がある日は学校を休む
  • 部活や委員会に入らない
  • 進路や職種を、人前に出ないものに絞る
  • 友人からの誘いを断り続ける

このように選択肢が狭まっているなら、治療の対象です。


6. 子ども・思春期での現れ方【比較表】

年齢 現れ方
幼児期 知らない人の前で凍りつく、泣く、しがみつく、話せなくなる
小学校低学年 発表ができない、音読を嫌がる、授業中に手を挙げられない、給食が食べられない
小学校高学年 「みんなに見られている」感覚、トイレに行けない、体育の着替えを嫌がる
中学生 発表の日は欠席する、部活で人前に出られない、休み時間がつらい、不登校
高校生以降 アルバイトの面接ができない、進路の制限、電話に出られない

子どもは「怖い」と言いません

代わりに、こう表現されます。

  • 「行きたくない」
  • 「お腹が痛い」
  • 「だるい」
  • 「疲れた」
  • 「めんどくさい」

「なぜ行きたくないのか」を説明できないことが多く、「わがまま」と受け取られてしまいます。

「発表の日だけ休む」に気づいてください

特定の行事や授業の日だけ欠席する——これは重要なサインです。

  • 音読、発表、実技テストの日
  • 授業参観
  • 運動会、学芸会
  • 席替えの直後

「その日だけ体調が悪くなる」パターンがあれば、ご相談ください。


7. 悪循環の構造

社交不安症は、次のループから抜け出せなくなります。

  1. 「うまくできないかもしれない」と予測する(予期不安)
  2. その場面を避ける、または安全行動をとる
  3. 一時的に不安が下がる
  4. 「避けたから助かった」と脳が学習する
  5. 次はもっと怖くなる
  6. 避ける場面が増えていく

回避が、恐怖を育てます

避けている限り、「実は大丈夫だった」という経験ができません。

そして、避けられる範囲がどんどん狭まっていきます。

発表 → 授業 → 学校 → 外出

このように拡大していくのが、この疾患の怖いところです。


8. 【最重要】「安全行動」が症状を維持します

この概念を知っていただきたいと思います。

安全行動とは

不安な場面を、なんとかやり過ごすために行っている工夫のことです。

安全行動の例 内容
目を合わせない 相手を見ない、下を向く
原稿を読み上げる 顔を上げずに、書いたものを読む
髪や手で顔を隠す 赤面を見られないように
極端に短く話す 早く終わらせる
前もって完璧に準備する 一言一句、暗記する
目立たない席に座る 端、後ろ
飲み物を持つ 手の震えをごまかす
誰かに付き添ってもらう 一人では行かない

なぜ問題なのか

一見、有効な工夫に見えます。実際、その場はやり過ごせます。

しかし、ここに落とし穴があります。

「うまくいったのは、安全行動をとったおかげだ」と学習してしまうのです。

つまり、「安全行動なしでは、破滅的なことが起きる」という信念が、かえって強化されます。

さらに

安全行動そのものが、不自然さを生むことがあります。

  • 目を合わせない → 相手に冷たい印象を与える
  • 極端に短く話す → 会話が続かない
  • 手で顔を隠す → かえって目立つ

そして「やはりうまくいかなかった」となり、恐怖が強まります。

治療では、これを手放していきます

「安全行動なしでも大丈夫だった」という経験を積むことが、治療の重要な要素です。

もちろん、いきなりすべてをやめるのではなく、段階的に進めます。


9. どのくらいの人にみられるのか

  • 発症のピークは10代半ば(中央値は13歳前後とされます)
  • 生涯にわたって、一定の割合の方が経験します
  • 男女ともにみられます

早期発症であることが重要です

思春期に発症するため、「もともとこういう性格」と本人も周囲も思い込みやすいのです。

そして、人格形成の重要な時期に、対人経験が制限されます。

だからこそ、早期に気づくことに大きな意味があります。


10. 併存・鑑別を確認すべき状態【比較表】

状態 関係
場面緘黙 高い頻度で併存。 社交不安症の一型とみなす考え方もあります
うつ状態 高頻度で二次的に生じる
パニック症 発作への恐怖と、対人場面への恐怖の区別が必要
ASD(自閉スペクトラム症) 区別が重要(次章)
ADHD 失敗経験の蓄積から二次的に生じることも
吃音 話すことへの不安が加わる
限局性学習症 音読・板書への不安
回避性の対人傾向 成人期に問題となることも
全般性不安症 心配の対象が広範囲

二次的なうつに注意が必要です

社交不安症が長期化すると、うつ状態を伴うことが多くなります。

  • 孤立
  • 自己評価の低下
  • 進路や就職の断念

これらが重なった結果です。

「うつの治療を受けているが改善しない」——その背景に、社交不安症があることがあります。


11. 【重要】ASD(自閉スペクトラム症)との違い

児童精神科において、極めて重要な鑑別です。

観点 社交不安症 ASD
対人スキル 持っているが、不安で発揮できない 対人的なやりとりそのものが苦手
本人の望み 人と関わりたいが、怖い 一人でいることを好むこともある
評価への懸念 強い(どう思われるかが最大の関心) 乏しいこともある
安心できる相手 家族や親しい友人とは普通に話せる 相手を問わず、やりとりの質が異なる
発症 思春期前後に明確化 幼少期から一貫している
場の空気 読みすぎて疲れる 読み取りが苦手

決定的な違い

社交不安症の方は、「人とうまくやりたい」という強い願望を持っています。

だからこそ、失敗を恐れるのです。

一方、ASDの方は、他者からの評価そのものへの関心が乏しいことがあります。

ただし、併存することも多くあります

ASDのある方が、繰り返す失敗体験から社交不安を二次的に併発する——これは非常によくあるパターンです。

この場合、両方への対応が必要です。

「不安への治療」だけでも、「特性への支援」だけでも不十分になります。

発達特性については、当院ブログ「『発達障害かもしれない』と思ったら」もご覧ください。


12. 場面緘黙との関係

場面緘黙は、特定の状況で話せなくなる状態です。

社交不安症と非常に高い頻度で併存し、社交不安症の一つの表れとみなす考え方もあります。

見え方の違い

  • 場面緘黙:園や学校で声が出ない。家では話せる
  • 社交不安症:話せるが、強い恐怖と苦痛を伴う

年少で場面緘黙があった方が、成長とともに社交不安症の形をとることがあります。

詳しくは、当院ブログ「場面緘黙症(選択性緘黙)」もご覧ください。


13. 不登校・進路への影響

不登校の背景として

**「学校が嫌」ではなく、「特定の場面が怖い」**というケースがあります。

  • 発表、音読
  • 休み時間の雑談
  • 給食、着替え
  • 「みんなに見られている」という感覚

この場合、学校の環境調整と、不安そのものへの治療の両方が必要です。

進路が狭まります

この疾患の長期的な影響として、最も深刻な点です。

  • 人前に出ない仕事に絞る
  • 面接が怖くて、受験や就職を諦める
  • 進学先を「発表が少ない」基準で選ぶ
  • 能力があっても、それを活かせる場を選べない

「自分にはこれしかない」ではなく、「不安によって選択肢が奪われている」——その区別が重要です。

治療によって、選べる範囲は広がります。

不登校については、当院ブログ「不登校——『甘え』でも『親のせい』でもありません」もご覧ください。


14. 治療①:心理教育——仕組みを知ることから

まず、本人とご家族が仕組みを理解することから始まります。

共有する内容

  • これは性格ではなく、治療できる状態であること
  • 不安そのものは、誰にでもある自然な反応であること
  • 回避と安全行動が、症状を維持していること
  • 不安は、何もしなくても時間とともに下がること
  • 治療によって改善が期待できること

「自分だけではない」と知ること

多くの方が、「こんなに人前が怖いのは自分だけだ」と思っています。

一定の割合の人が同じ状態にあり、治療法があると知ることは、それ自体が大きな支えになります。


15. 治療②:認知行動療法【比較表】

社交不安症に対して、有効性が確立している心理療法です。

要素 内容
考え方の検討 「変だと思われる」という予測を、現実と照らし合わせる
段階的な曝露 不安の低い場面から、少しずつ挑戦する
安全行動を減らす 「安全行動なしでも大丈夫」を体験する
注意の焦点の切り替え 自分ではなく、外に注意を向ける(次章)
ビデオ・録音での確認 「実際にはそれほど変ではなかった」と確認する

段階的な曝露の例

  1. 家族の前で音読する
  2. 親しい友人の前で話す
  3. 少人数のグループで発言する
  4. 授業で1回だけ発言する
  5. 発表を行う

本人が「これならできそう」と思える段階から始めます。

急がないことが、結果的に近道です。

ビデオでの確認は、非常に効果的です

社交不安症の方は、「自分は非常に不自然に見えている」と確信しています。

しかし、実際に録画を見ると、思っていたほどではないことがほとんどです。

このギャップに気づくことが、治療の転換点になります。


16. 【重要】注意の向きを変える練習

社交不安症の方には、共通する特徴があります。

注意が「自分」に向いています

不安な場面で、

  • 「今、顔が赤くなっている」
  • 「声が震えている」
  • 「変な顔をしていないか」
  • 「自分がどう見えているか」

——自分の内側と、自分の見え方に、注意が集中しています。

その結果、何が起きるか

  • 相手の反応が見えなくなる
  • 会話の内容が頭に入らない
  • 自分のイメージだけが膨らむ(実際より悪く)
  • ぎこちなくなる

練習:外に注意を向ける

治療では、注意の向きを意図的に外に向ける練習をします。

  • 相手の服の色を確認する
  • 話の内容そのものに集中する
  • 部屋にあるものを数える
  • 相手の話に質問を返すことに集中する

「自分がどう見えるか」から、「相手が何を話しているか」へ。

この切り替えだけで、不安が下がることがあります。


17. 治療③:薬物療法【比較表】

分類 位置づけ 注意点
SSRI 第一選択。 日本でも社交不安症に保険適用のある薬剤があります 効果まで2〜4週間。開始初期に不安が一時的に増すことがあるため少量から
β遮断薬 手や声の震え、動悸に対して用いられることがあります(適応外使用を含む) 発表など、限定された場面での使用
抗不安薬 即効性はあるが、短期・限定的に 依存性。漫然と使わない

SSRIについて

認知行動療法と並ぶ、有効性の確立した治療です。

  • 効果の実感まで2〜4週間
  • 少量から開始し、様子を見ながら調整
  • 特に若年者では、開始後の経過を注意深く確認します
  • 改善後も一定期間継続し、段階的に減量します

薬と心理療法の併用

多くの場合、両方を組み合わせることが効果的です。

薬で不安の水準を下げ、その状態で段階的な挑戦に取り組む——この組み合わせが現実的です。

小児への使用について

日本では、小児の社交不安症に保険適用のある薬剤は限られています。

年齢、症状の程度、生活への支障を総合的に判断し、必要性が高い場合に慎重に検討します。

「まず薬」ではありません。


18. 学校・職場での配慮

学校にお願いしたい配慮

  • 音読・発表の代替手段(少人数の場、録音、書面での提出)
  • 指名の方法の配慮(事前に予告する、順番を伝える)
  • 発表の順番を選べるようにする
  • 給食を食べる場所の配慮
  • 体育の着替え、更衣室の配慮
  • 保健室・別室の利用
  • 「頑張れ」と無理に前に出させない

「事前に分かる」だけで違います

「いつ当てられるか分からない」という状態が、最も不安を高めます。

「次の授業では、この問題を当てるね」と事前に伝えるだけで、参加できるようになることがあります。

職場での配慮

  • 電話対応の分担
  • 会議での発言の形式(事前に文書で提出するなど)
  • 段階的な業務範囲の拡大

当院では、必要に応じて学校・職場向けの診断書・意見書を作成しています。


19. ご家族の関わり方【比較表】

避けたい対応 なぜ問題か 代わりにできること
「気にしすぎ」と言う 苦しさが否定される 恐怖の強さを認める
「慣れれば大丈夫」 回避が続く限り慣れません 段階的な挑戦を一緒に計画する
無理に前に出させる 失敗体験になり、悪化します 本人が選べる形で挑戦する
すべて代わりにやってあげる 回避を強化します できる部分は本人に任せる
「性格だから」と諦める 治療の機会を失う 治療できる状態だと伝える
結果だけを評価する プレッシャーになる 挑戦したこと自体を認める

「代わりにやってあげる」に注意

電話をかけてあげる、店員に代わりに言ってあげる、先生に代わりに伝える——

善意からの行動ですが、回避を助けることになります。

とはいえ、いきなりすべてを本人にさせるのも無理があります。

「どこまでを本人が、どこからを家族が」を、治療の中で一緒に決めていきましょう。


20. よくある心配事Q&A

Q. ただの性格ではないでしょうか?

A. 判断の軸は、「その恐怖のために行動が制限されているか」です。 発表の日に休む、進路を狭める、誘いを断り続ける——こうした状態であれば、治療の対象です。性格として片づけると、選択肢が狭まったままになります。

Q. 慣れれば治りますか?

A. 避け続けている限り、慣れません。 回避によって「避けたから助かった」と学習し、恐怖はむしろ強まります。段階的に挑戦し、「大丈夫だった」という経験を積むことが必要です。

Q. 子どもが「発表の日だけ休む」と言います。

A. 重要なサインです。 特定の場面を避けるパターンがあれば、社交不安症の可能性を考えます。「ずる休み」と決めつけないでください。

Q. 人見知りとの違いが分かりません。

A. 程度、持続期間、生活への影響で判断します。人見知りは慣れれば軽減し、生活に大きな支障は出ません。社交不安症では、6か月以上続き、行動が明らかに制限されます。

Q. 発達障害とは違うのですか?

A. 異なりますが、併存することもあります。 社交不安症の方は「人とうまくやりたいが、怖い」という願望を持っています。一方ASDでは、対人的なやりとりそのものの困難が中心です。両方ある場合、それぞれへの対応が必要です。

Q. 薬を飲まないと治りませんか?

A. 軽症であれば、心理療法だけで改善することがあります。 症状の程度と生活への支障によって判断します。「まず薬」ではありません。

Q. 本人が受診を嫌がります。

A. この疾患では、「相談すること自体が対人場面である」ため、ハードルが高いのは当然です。 ご家族だけでのご相談も可能です。また、電話予約が難しい場合、ネット予約をご利用いただけます。

Q. 大人になってからでも治療できますか?

A. できます。 発症は思春期でも、受診が成人後になる方は多くいらっしゃいます。当院は成人の方の診療にも対応しています。

Q. 就職活動の面接が不安です。

A. 時期を見て、計画的に準備することが可能です。 段階的な練習、必要に応じた薬物療法など、時期を逆算した対応をご相談いただけます。早めのご相談をおすすめします。


21. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、社交不安症の診断と治療に対応しています。お子さまから成人の方まで診療しています。

当院での対応内容

  • 社交不安症の診断と重症度の評価
  • 「人見知り・性格」との区別
  • ASD・場面緘黙・吃音・限局性学習症など、関連する状態の評価
  • うつ状態・パニック症など併存状態の評価
  • 本人・ご家族への心理教育
  • 認知行動療法的アプローチ(段階的な曝露、安全行動の見直し、注意の切り替え)
  • SSRI等による薬物療法
  • 学校・職場提出用の診断書・意見書の作成
  • 学校・スクールカウンセラーとの連携
  • 不登校を伴う場合の対応
  • 進路・就職に向けた計画的な準備のご相談
  • ご家族のみでのご相談

こんな方はぜひご相談ください

  • 授業で当てられると、頭が真っ白になる
  • 発表の何日も前から眠れない
  • 発表や行事の日だけ学校を休む
  • 人前で手や声が震え、それを見られるのが怖い
  • 顔が赤くなることばかり気にしてしまう
  • 休み時間の雑談がつらい
  • 人前で食事ができない
  • 電話に出るのが怖い
  • 進路や職種を、人前に出ないものに絞ってしまっている
  • 「性格だから」と言われ続けてきた
  • うつの治療を受けているが、改善しない

「社交不安症は、『性格』として扱われてきた歴史があります。内気、あがり症、気にしすぎ——そう言われ続け、治療できるものだと知らないまま何年も過ごされる方が本当に多くいらっしゃいます。そして発症のピークは10代半ばです。人格が形づくられる大切な時期に、対人経験が制限されてしまう。発表を避け、部活を避け、やがて進路まで狭めていく。けれど、この疾患には有効な治療法があります。避けている限り慣れませんが、段階的に挑戦すれば、確実に変わります。相談すること自体が対人場面ですから、受診はハードルが高いと思います。ご家族だけでも構いません。まずはご連絡ください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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 午後 15:00〜18:00 
土曜 9:00〜14:00

【休診日】 日・祝日

患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。