名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

診療のご相談・ご予約はお気軽に 052-712-1777 【受付時間】9:00〜18:00 【休診日】火・日・祝日

ブログ

2023.12.19ブログ

共同注視とは何か、そしてそれが障害されるとどうなるか、名古屋の児童精神科医が解説

共同注視とは何か、そしてそれが障害されるとどうなるか

 

 

こんにちは、医療法人永朋会 和光医院、児童精神科医の加藤晃司です。

 

今回は、「共同注視とは何か、そしてそれが障害されるとどうなるか」について解説します。

 

 

共同注視という言葉、皆さんご存じでしょうか

 

英語ではJoint Attentionといいまして、結構、海外でも児童精神科領域において重要度が高いものと考えられています。

 

私も研修医終わって、東海大学の児童精神科に入った時、最初の方に教わったのですが単語の意味だけ教えてもらっても、よく分からなかったのを覚えています。

その後、実際に外来診察とか、入院治療がはじまって、共同注視がもともと苦手な子どもたちを見るようになって、こういうことかと理解していきます。

 

しかし定義はとりあえず大事なので、まずは難しく表現しますと以下のようになります。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

共同注視(Joint Attention)は、二人以上の人が同じ対象や出来事に注意を向け、その対象や出来事についての認識を共有する社会的な相互作用のプロセスを指します。共同注視は、言語能力、社会的認識、感情の共有など、多くの重要な発達領域と関連しています。

 

共同注視は通常、以下のような形で起こります:

 

相互注意(Mutual Attention): 二人の個体が互いに注意を向け合っている状態。

追視(Gaze Following): 一方の個体が他方の視線や指差しを追って、その対象に注意を向けること。

指差しや視線の共有(Sharing of Pointing or Gaze): 一方の個体が何かを指差しや視線で示し、他方がそれに応答して共有の注目ポイントを作り出す。

 

共同注視は特に幼児期において重要であり、子どもが社会的スキルとコミュニケーション能力を発達させる上での基礎を築きます。共同注視は、感情の共有、他者とのつながりの形成、共感の発達など、人間の社会的能力の基本となります。また、言語学習のプロセスにおいても非常に重要な役割を果たし、単語の意味を学ぶ上での文脈を提供することで、言語の習得を促進します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

簡単にいってしまうとですが、小さい子どもって、指差しをするじゃないですか。

自分の好きなものを指差しながら、「ブーブ」、「わんわん」とか言いつつ、こちらに目を合わせきたりします。

これが共同注視です。

 

自分の好きなものを、相手に伝えて、共有したい。共有したことを、うれしいと感じる、ことです。

自分が興味のある相手と、気持ちや、感情が共有して、うれしい、と思うことです。

 

これは大人になった時の、相手の気持ちを予測する力、心を想像する力、空気を読む力、などにつながってきます。

 

だから、ASDの診断の時には特に重要になります。

 

ここで共同注視が障害される疾患は何があるのか、あげていきます。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

共同注視が障害されることが知られている疾患には、主に発達障害や神経発達障害が含まれます。以下はその例です:

 

自閉症スペクトラム障害(ASD)

自閉症スペクトラム障害の子どもたちは、共同注視や社会的相互作用に困難を示すことが一般的です。

彼らは他者の視線を追ったり、指差しを理解したりするのが難しい場合があります。

これはコミュニケーションの遅れや社会的スキルの発達に影響を与える可能性があります。

 

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

ADHDのある個人は、注意を維持するのが難しく、共同注視を維持するのも難しい場合があります。

これにより、社会的相互作用やコミュニケーションのプロセスに影響が出ることがあります。

 

視覚障害

目の障害や視覚処理の障害がある場合、共同注視が困難になることがあります。

これは視線を追ったり、指差しのジェスチャーを理解したりする能力に影響を与えます。

 

その他の発達障害

言語発達障害やその他の神経発達障害でも、共同注視や社会的相互作用に困難が生じることがあります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

このあたりがメインです。

 

ですがやはり児童精神科では、ASDの中核障害である、対人相互性の障害が、存在するのか、その程度はどのくらいなのかを、生育歴上でみつけていくときのチェック項目の一つとして使われます。

 

アイコンタクトみたいなのも、この仲間です。

目くばせ、もそうですね。成人のASDの人たちは、アイコンタクト、目くばせ、をとらえたり、その意味を共有することが苦手なことが多いです。

 

まとめ

今回は、共同注視とは何か、そしてそれが障害されるとどうなるか、について解説しました。

共同注視という言葉は聞きなれないかもしれませんが、その意味を聞けば、理解していただけると思います。

アイコンタクトは最も分かりやすいかもしれません。

意志、感情、思考、を共有するという機能はうまれつき、得意、不得意があります。

重要なチェック項目となりますし、療育でのトレーニング項目ともなりますので、覚えておいてください。

 

 

医療法人永朋会 理事長

加藤晃司

 

 

当院ホームページはこちらより https://wako-psy-clinic.com/

 

医療法人永朋会  和光医院

児童精神科・精神科・心療内科

 

〒464-0092 愛知県名古屋市千種区茶屋が坂1丁目12番2号

電話 : 052-712-1777

地下鉄名城線「茶屋ヶ坂」駅 1番出口より徒歩3分

地下鉄名城線「砂田橋」駅 1番出口より徒歩10分

受診される方へ

初めて受診される方

当院は完全予約制をとっておりますが、初診の場合は若干のお時間をいただくこととなり、お待ちいただくことがあります。スムーズにご案内する為に、WEB問診のご利用をおすすめいたします。
WEB問診はこちら >

初診予約は電話にてお願いします。

再診される方

お電話もしくは予約システム(チェック・オン)から予約を取ることもできます。予約の変更や取り消しをご希望の場合には、診療時間内に受付にお電話いただくか、予約システムから変更・取り消しを行ってください。

パソコン・携帯から簡単にご予約できます。

和光医院 診療時間のご案内

診療時間のご案内

【診療時間】
午前 9:00〜13:00
 午後 15:00〜18:00 
土曜 9:00〜14:00

【休診日】 火・日・祝日

患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。