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チック障害(トゥレット障害)の診断と治療
臨床情報「チック障害(トゥレット障害)の診断と治療」
今回は「チック障害(トゥレット障害)の診断と治療」についてです。
チック障害とはチックという運動症状で定義される症候群です。頻度が10-20%程度とされますが、かなりの部分はチックの持続が1年以内の一過性チック障害です。チックの持続が一年以上になると慢性とされ、その中でも多様性の運動チックと1つ以上の音声チックを有する場合にトゥレット障害と診断されます。
つなり動作性チック(目をぱちぱち、首をまげる、目を回す、など)と音声チック(声をだす、喉をならす、咳ばらい、など)が同時にでる時期が続く場合には、長期化する可能性もあり早めに専門医へ相談した方がいいでしょう。
<チックがあることで学校・家で困ること?
・チックをでないように常に気をはっているため、疲れやすくなる。授業に集中できない。
・学校ででないようにしていると、家でのチックがひどくなり家族が心配になる。
・前駆症状、感覚の過敏
・チックに対する他人の視線を気にする。特に音声チックは授業中に指摘される可能性あり、症状による
同級生との関係性でのトラブル
・いけないものだと思うことで、自己評価が低下する
<治療>
・薬物療法
・心理療法
・環境調節
<薬物療法>
ハロペリドール、ピモジド、リスペリドン:有効性と安全性に関していくつかのエビデンスあり
チアプリド、フルフェナジン、オランザピン、クエチアピン、アリピプラゾール:オープン試験にて報告あり。
チック症状に対する根治的な治療はまだなく、上記の治療を組み合わせながらやっていくというのが現実的なアプローチとなります。
器質的な原因が強い場合には内服治療を早い段階で考慮することもありますが、さまざまな心的な要因の結果としてチック症状が出現している場合は、心理療法、環境調整からスタートしていく場合もあります。またチックは症状の一つにすぎず、主病態は異なる疾患となっている場合もありますので、慎重な鑑別が必要となります。
主病態が異なる疾患である場合、もしくはチック障害もあるが別の疾患も合併している場合は、治療方針も変わってきますので、専門医への相談が必要です。
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