名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.07.05

顔がぴくぴく動く・チック症とは?診断・種類・治療法を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説

顔がぴくぴく動く・チック症とは?診断・種類・治療法を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説

「急に目をパチパチするようになった」「顔の一部がぴくぴく動く」「鼻をクンクンしたり、肩をすくめたりを繰り返す」——お子さんにこのような症状が見られたら、チック症の可能性があります。チック症は子どもに非常に多い神経発達症のひとつですが、正しく理解されていないことも多く、叱責や誤った対応で症状が悪化してしまうケースも少なくありません。名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、顔のぴくぴく・チック症の原因・診断・種類・治療・家族の関わり方まで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. 顔がぴくぴく動く——チック症とは何か
  2. チック症はなぜ起こるのか(原因・メカニズム)
  3. チック症の種類と分類(DSM-5)
  4. チック症の具体的な症状一覧
  5. チック症の診断基準
  6. チック症と間違えやすい疾患・症状
  7. チック症に多い併存疾患
  8. チック症の重症度評価
  9. チック症は自然に治るのか(予後・経過)
  10. 【治療法①】心理教育・環境調整
  11. 【治療法②】行動療法(CBIT・HRT)
  12. 【治療法③】薬物療法
  13. 【治療法④】その他の治療・支援
  14. 家族・保護者ができるサポートと関わり方
  15. 学校・幼稚園・保育園での対応と連携
  16. よくある質問(FAQ)
  17. 和光医院での診療について

1. 顔がぴくぴく動く——チック症とは何か

**チック症(Tic Disorder)**とは、自分の意志とは関係なく、突然・急速・反復的・非律動的に体の一部が動いたり(運動チック)、声や音が出たり(音声チック)する症状を特徴とする神経発達症です。

「ぴくぴく動く」「まばたきが止まらない」「咳払いを繰り返す」「うーんという声が出る」——これらはすべてチック症の症状として現れることがあります。

チック症はどのくらい多いのか

チック症は子どもに非常に多い疾患です。学童期の子どもの**約10〜20%**が一過性のチック症状を経験するとされており、決して珍しい疾患ではありません。男児に多く、男女比は約3〜4:1とされています。

発症年齢は多くの場合4〜6歳頃から始まり、10〜12歳頃にピークを迎え、思春期以降に軽快・消失するケースが多いですが、一部は成人まで持続します。

チック症は「わざとやっている」のではない

チック症で最も重要な理解のポイントは、本人が意図的にやっているわけではないということです。「やめなさい」と言ってもやめられないのは、本人の意志の問題ではなく、脳の神経回路の問題です。叱責・注意・禁止は症状を悪化させることが多く、適切な理解と対応が非常に重要です。


2. チック症はなぜ起こるのか(原因・メカニズム)

脳の神経回路の問題

チック症の根本的な原因は、大脳基底核を中心とする皮質-線条体-視床-皮質ループ(CSTC回路)の機能異常にあります。この回路はドーパミンをはじめとする神経伝達物質によって制御されており、この調節が適切に機能しないことで、抑制されるべき運動・音声が「漏れ出てくる」状態がチックとして現れます。

遺伝的要因

チック症には強い遺伝的背景があります。一卵性双生児での一致率は約50〜70%とされており、家族歴がある場合にチック症の発症リスクが高まることが知られています。ただし遺伝だけで決まるわけではなく、環境要因との相互作用が重要です。

環境・心理的要因

  • ストレス・緊張・疲労:チックは心理的ストレスや疲労によって悪化しやすいです。新学期・試験・対人トラブルなどが引き金になることがあります
  • 興奮・集中:楽しいゲームや動画視聴中にチックが増えることがあります
  • 逆に集中した活動中:スポーツ・音楽演奏・特定の作業に没頭しているときはチックが減ることがあります
  • 睡眠不足:睡眠不足はチックを悪化させます

チックは「心の問題」ではない

チック症はかつて「心因性」「ストレスが原因」と誤解されることがありましたが、現在は**神経発達症(脳の発達・機能の問題)**として位置づけられています。ストレスがチックを悪化させることはありますが、ストレスがチック症の「根本原因」ではありません。


3. チック症の種類と分類(DSM-5)

チック症はDSM-5(米国精神医学会の診断基準)において以下のように分類されています。

暫定的チック症(Provisional Tic Disorder)

運動チックまたは音声チックが1年未満の期間存在するもの。最も多いタイプで、多くは自然軽快します。

持続性(慢性)運動または音声チック症

(Persistent Motor or Vocal Tic Disorder)

運動チックまたは音声チック(どちらか一方)が1年以上持続するもの。運動チックと音声チックが同時に存在する場合はトゥレット症に分類されます。

トゥレット症(Tourette Disorder)

複数の運動チックと少なくとも1つの音声チックが、1年以上にわたり存在するもの(同時に存在する必要はない)。チック症の中で最も重症な型です。

分類 チックの種類 持続期間
暫定的チック症 運動または音声 1年未満
持続性チック症 運動または音声(一方のみ) 1年以上
トゥレット症 複数の運動+1つ以上の音声 1年以上

4. チック症の具体的な症状一覧

チック症の症状は「運動チック」と「音声チック」に大別され、それぞれ「単純型」と「複雑型」があります。

運動チック

単純運動チック(Simple Motor Tics) 単一の筋肉群が関与する素早い動き。

  • 目をパチパチさせる(瞬目)
  • 目を白黒させる・上方を向く
  • 顔の一部がぴくぴく動く(鼻・口・頬・額)
  • 鼻をクンクンさせる
  • 口をすぼめる・舌を出す
  • 首を振る・傾ける
  • 肩をすくめる
  • 腕を突き出す

複雑運動チック(Complex Motor Tics) 複数の筋肉群が関与する、より複雑な動きのパターン。

  • 飛び跳ねる
  • 回転する
  • 自分を叩く・蹴る
  • 猥褻な身振り(コプロプラキシア)——まれ
  • 他者の動きをまねる(エコプラキシア)

音声チック

単純音声チック(Simple Vocal Tics) 意味のない音・声。

  • 咳払いを繰り返す
  • 鼻をすする・ズーズーと音を出す
  • うーん・あーという声を出す
  • 舌打ち
  • 喉をならす
  • 甲高い声・動物のような声

複雑音声チック(Complex Vocal Tics) より複雑な音声・言葉。

  • 意味のある言葉を繰り返す
  • 文脈に合わない言葉を突然言う
  • 汚言症(コプロラリア):猥褻な言葉・社会的に不適切な言葉が出る——まれ(トゥレット症の約10〜15%)
  • 反響言語(エコラリア):他者の言葉をまねる

チックの特徴的な性質

前駆衝動(premonitory urge) チックが出る直前に、「むずむずする感じ」「やらずにはいられない感覚」「圧迫感」などの前駆衝動を感じることがあります。チックを行うとこの不快感が一時的に和らぎます。この感覚は小学校高学年以降に自覚されることが多いです。

抑制可能性と抑制後の増悪 チックはある程度意志で一時的に抑えることができますが、長時間の抑制は非常に疲弊します。また、抑制した後(学校から帰宅後など)に反動でチックが増えることがあります。

症状の変動性 チックの種類・強さ・頻度は日々・週ごとに変動します。「治ったと思ったら別のチックが出てきた」「良い時期と悪い時期がある」というパターンは典型的です。


5. チック症の診断基準

診断はDSM-5またはICD-11の基準に基づいて行われます。

共通の診断基準(チック症全般):

  1. チックが存在する(運動チックまたは音声チックの定義を満たす)
  2. チックは発症から18歳未満で始まった
  3. チックは物質(薬物・医薬品)や他の医学的疾患(ハンチントン病・ウイルス性脳炎後など)によるものではない
  4. 症状が他の精神疾患(例:強迫症の強迫行為、トゥレット症など)ではうまく説明されない

診断のための詳細な評価

チック症の診断には以下のプロセスが重要です。

  • 詳細な問診(チックの種類・持続期間・発症年齢・増悪因子)
  • 発達歴・家族歴の聴取
  • 神経学的診察(チックと類似した神経疾患の除外)
  • 心理検査・行動評価(併存疾患の評価)
  • 必要に応じて脳波・画像検査(他の神経疾患除外)

6. チック症と間違えやすい疾患・症状

顔がぴくぴく動く症状には、チック症以外の原因が隠れている場合があります。正確な鑑別診断が治療の出発点です。

顔面痙攣(顔面けいれん)

顔の片側の筋肉が不随意にけいれんする疾患で、顔面神経の異常(血管による圧迫が多い)が原因です。チックと異なり、片側性で、睡眠中にも続くことが特徴です。成人に多く、子どもにはまれです。神経内科・脳神経外科での評価が必要です。

眼瞼ミオキミア(眼輪筋の収縮)

まぶたがぴくぴくする一般的な症状で、疲労・カフェイン・ストレスが原因のことが多く、一時的で自然に治まります。チックとは異なり、他の部位には広がりません。

てんかん(焦点性発作)

顔面の一部がぴくつく焦点性てんかん発作は、チックと外見上似ていることがあります。てんかんは意識の変化・一定のパターン・脳波異常を伴う点でチックと区別されます。脳波検査が鑑別に有用です。

強迫症(OCD)

強迫行為(繰り返しの確認・整頓・洗浄など)はチックと混同されることがありますが、強迫行為には「不安を和らげる目的があり、意図的に行われる」という点でチックと異なります。ただし、OCDはチック症に非常に高頻度で併存します。

常同運動症

ASD(自閉スペクトラム症)に見られる手をひらひらさせる・体を揺らすなどの常同運動は、チックと混同されることがあります。常同運動は一般的により律動的でパターンが固定的な点でチックと区別されます。

薬剤性不随意運動(遅発性ジスキネジア)

抗精神病薬などの薬剤によって生じる不随意運動で、服薬歴の確認が重要です。


7. チック症に多い併存疾患

チック症は単独で存在することよりも、他の精神疾患・神経発達症と併存するケースが非常に多いです。

併存疾患 トゥレット症での合併率
ADHD(注意欠如多動症) 約50〜60%
強迫症(OCD) 約25〜50%
不安症 約30〜40%
うつ病・気分障害 約15〜25%
ASD(自閉スペクトラム症) 約15〜25%
学習障害 約20〜30%
睡眠障害 約25〜30%

併存疾患の重要性

チック症を持つ子どもの日常生活・学校生活への影響は、チック症状そのものよりも併存するADHD・OCD・不安症のほうが大きいことが多いとされています。チックの治療だけでなく、併存疾患を包括的に評価・治療することが重要です。


8. チック症の重症度評価

チック症の重症度評価には**YGTSS(Yale Global Tic Severity Scale:エール総合チック重症度尺度)**が広く使用されます。運動チック・音声チックそれぞれについて、数・頻度・強度・複雑性・支障度を5段階で評価します。治療効果の判定・経過観察にも用います。


9. チック症は自然に治るのか(予後・経過)

多くは思春期以降に改善する

チック症の予後は比較的良好です。一過性チック症(1年未満)では多くが自然に軽快・消失します。持続性チック症・トゥレット症においても、約半数以上が思春期後半〜成人初期にかけて著明に改善または消失するとされています。

改善しやすい因子・しにくい因子

改善しやすい傾向:

  • チックの種類が少ない(単純運動チックのみなど)
  • 発症年齢が早い(5〜6歳)
  • 家族の理解・支援がある
  • 併存疾患が少ない

改善しにくい傾向:

  • 複雑な運動チック・音声チックが複数ある
  • 10歳前後での重症度が高い
  • ADHDやOCDが重篤に併存している

成人まで持続するケース

トゥレット症の約25〜30%は成人になっても症状が持続しますが、多くは小児期ほどの重症度ではなく、社会生活を営める程度に軽快します。


10. 【治療法①】心理教育・環境調整

最初のステップは正しい理解

チック症治療の最初のステップは心理教育です。チック症が意志でやめられない神経発達症であることを、本人・保護者・学校が正しく理解することが、すべての治療の土台となります。

環境調整

ストレス軽減 学校・家庭でのストレス源を整理し、可能な範囲で負荷を減らします。

睡眠の確保 睡眠不足はチックを著明に悪化させます。規則正しい就寝時間・十分な睡眠時間の確保が重要です。

「注目しない」関わりの重要性 チックが出るたびに「やめなさい」「また出てるよ」と注目・指摘することは、チックへの意識を高め症状を悪化させます。チックに過剰に反応しない・自然に接することが最も重要な環境調整のひとつです。

スクリーン時間の管理 ゲーム・動画視聴中にチックが増える場合は、適度な休憩を設けることが助けになります。


11. 【治療法②】行動療法(CBIT・HRT)

CBIT(Comprehensive Behavioral Intervention for Tics:包括的行動介入)

CBITはチック症に対して最もエビデンスが確立された行動療法で、現在チック症の第一選択治療として推奨されています。

CBITの主な要素:

①習慣逆転法(HRT:Habit Reversal Training) チックの「前駆衝動」に気づき、チックが出そうになったときに、チックとは相容れない別の行動(拮抗行動)を意図的に行うことで、チックを抑制する技法です。たとえば、首を振るチックに対して「首の筋肉をゆっくり引き締めて静止する」という拮抗行動を練習します。

②機能分析 どのような状況でチックが増えるか(授業中・緊張時・ゲーム中など)を分析し、チックを悪化させる状況を特定・修正します。

③リラクゼーション訓練 腹式呼吸・筋弛緩法などのリラクゼーション技法を習得し、ストレス・緊張時のチック悪化を防ぎます。

CBITの効果 複数のランダム化比較試験でCBITの有効性が確認されており、チックの頻度・重症度を有意に減少させる効果が示されています。薬物療法と同等またはそれ以上の効果を示すとする研究もあります。

ERP(曝露反応妨害法)

前駆衝動にあえて直面し(曝露)、チックを行わずに衝動が自然に下がるのを待つ(反応妨害)手法です。OCDの治療にも用いられ、チック症・OCDの両方を持つ場合に有効です。


12. 【治療法③】薬物療法

薬物療法は、チックの重症度が高く日常生活・学校生活への支障が著明な場合や、行動療法だけでは不十分な場合に検討します。

第一選択薬

アリピプラゾール(エビリファイ) 非定型抗精神病薬で、ドーパミン系への作用によりチックを抑制します。現在日本でチック症に対して保険適応のある薬剤で、副作用プロファイルが比較的良好なことから第一選択薬として広く用いられています。

ハロペリドール(セレネース) 定型抗精神病薬で、チック症への有効性は高いですが、錐体外路症状(動きのこわばり・静座不能)などの副作用に注意が必要です。

ピモジド 定型抗精神病薬で、チック症への有効性が示されていますが、QT延長リスクのため心電図モニタリングが必要です。

その他の選択肢

クロニジン・グアンファシン(インチュニブ) α2アドレナリン受容体作動薬で、ADHDを併存するチック症に特に有効です。チックへの効果は抗精神病薬より緩やかですが、副作用プロファイルが良好です。インチュニブ(グアンファシン徐放剤)はADHD治療薬として保険適応があります。

フルボキサミン・クロミプラミン(OCD併存例) OCD(強迫症)を併存するチック症では、SSRI・クロミプラミンが有用です。

薬物療法の注意点

  • チックを「完全になくす」ことを目標にするのではなく、「日常生活・学校生活に支障のないレベルに抑える」ことを目標とします
  • 薬の効果が出るまで数週間かかることがあります
  • 定期的な効果・副作用のモニタリングが必要です
  • 副作用(体重増加・傾眠・錐体外路症状・QT延長等)について事前に十分に説明します

13. 【治療法④】その他の治療・支援

ボツリヌス毒素注射

局所的な重症チックに対して、ボツリヌス毒素(ボトックス)の局所注射が有効なことがあります。顔面・頸部の特定の筋肉に限局した重症チックに用いられます。

脳深部刺激療法(DBS)

最重症のトゥレット症に対して、脳深部刺激療法(DBS)が一部で行われますが、侵襲的治療であり適応は非常に限定的です。

心理的サポート・カウンセリング

チック症に伴う自己否定感・いじめ・対人不安・抑うつに対する心理的サポートが重要です。特にトゥレット症では、社会的困難・自尊心の低下が大きな問題になります。


14. 家族・保護者ができるサポートと関わり方

やってはいけない関わり方

❌ 「やめなさい」「また出てるよ」と注意・指摘する チックへの注意・指摘は、チックへの意識を高め症状を悪化させます。チックが出るたびに言及することは禁物です。

❌ 無理に抑えさせようとする 「学校では絶対に出さないようにしなさい」という強制は、本人を疲弊させ、帰宅後のチックの爆発的増加につながります。

❌ チックのことをからかう・笑う 兄弟・家族からのからかいはチックへの羞恥心・自己否定感を深めます。

❌ 過剰に心配しすぎる・腫れ物に触るような扱いをする 過度の心配が本人の不安を高め、チックへの意識を強化してしまいます。

大切な関わり方

✅ チックに気づいてもスルーする チックが出ていても、会話・活動をそのまま続け、チックに反応しないことが最も重要です。

✅ 良いところを積極的に認め、自己肯定感を育てる チック症の子どもは叱責されやすく自己否定感が高まりやすいです。得意なこと・頑張っていることを積極的に認めてください。

✅ 本人が話したいときに話を聞く 「チックが出るとつらい」「学校でからかわれる」という気持ちを安心して話せる関係を作ることが重要です。

✅ 睡眠・生活リズムを整える 十分な睡眠・規則正しい生活が症状の安定につながります。

✅ チックが増える場面・時間を把握する 特定の状況(テスト前・ゲーム後など)でチックが増えやすい傾向を把握し、対応を工夫します。


15. 学校・幼稚園・保育園での対応と連携

学校への情報提供

チック症の症状・性質(意志ではコントロールできないこと・叱責で悪化すること)について、担任・養護教諭・スクールカウンセラーへ正確に伝えることが重要です。医療機関から連携文書・診断書の作成も対応できます。

学校でお願いしたいこと

  • チックが出ても注意・指摘をしない
  • クラスメートへの適切な説明(「からかわない」「病気のひとつ」という理解)
  • 試験・発表など緊張する場面での配慮
  • 保健室・相談室への避難場所の確保
  • いじめの早期発見・対応

学校への参加制限は原則不要

チック症は登校・授業参加・部活動を制限する疾患ではありません。ただし、症状が重篤で本人が強い苦痛を感じている場合は、個別の配慮・環境調整を医療機関と相談しながら行います。


16. よくある質問(FAQ)

Q. チック症は何科に相談すればよいですか?

A. 児童精神科・小児神経科・小児科が適切な相談先です。チック症に併存するADHD・OCD・不安症の評価・治療も同時に行える児童精神科が特に適しています。

Q. 「目をパチパチさせる」だけでもチック症ですか?

A. はい、単純な瞬目(まばたき)の反復もチックの症状として現れることがあります。ただし、ドライアイ・アレルギー性結膜炎など眼科的疾患との鑑別が必要なことがあります。眼症状が目立つ場合は眼科受診も検討してください。

Q. チックは叱れば治りますか?

A. 治りません。叱責・注意は一時的にチックを増悪させ、本人の自己否定感・不安を高め、症状の慢性化につながります。チックへの最善の対応は「スルーする(気にしない)」ことです。

Q. ゲームをやめさせた方がいいですか?

A. ゲーム中にチックが増えやすい場合は、適度な休憩を設けることが助けになります。ただし、ゲームを完全に禁止することは本人のストレスを高め逆効果になることがあります。時間のルールを一緒に決める形が望ましいです。

Q. トゥレット症と診断されました。将来は大丈夫ですか?

A. 多くの場合、思春期後半〜成人にかけてチックの重症度は改善します。適切な支援・治療を受けながら、多くの方が社会生活・就労・対人関係を問題なく営んでいます。早期に適切な診断・支援を受けることが将来の予後に大きく影響します。

Q. 汚い言葉が突然出てしまいます(汚言症)。どうすればよいですか?

A. 汚言症(コプロラリア)はトゥレット症の約10〜15%に見られる症状で、本人が意図して言っているわけではありません。学校・職場では「病気の症状のひとつ」として周囲の理解を求めることが重要です。行動療法・薬物療法で改善できるケースがあります。早めに専門機関に相談してください。

Q. 子どもが「チックが出そう」という感覚を訴えます。

A. それは「前駆衝動(premonitory urge)」と呼ばれるチックの典型的な感覚です。この感覚に気づいていることは、行動療法(CBIT)を行ううえで重要なスキルになります。ぜひ児童精神科に相談してください。


17. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある和光医院は、児童精神科を専門とするクリニックです。チック症・トゥレット症の診断・評価から、行動療法・薬物療法・学校連携まで、包括的な支援を行っています。

当院が大切にしていること

「顔がぴくぴく動く」「声が出てしまう」——そのような症状で悩んでいるお子さんとご家族が、安心して相談できる場所であることを大切にしています。チック症は適切な理解と支援で、多くの場合良好な経過をたどります。

当院での対応内容

  • チック症・トゥレット症の診断・重症度評価(YGTSS)
  • 発達特性(ASD・ADHD)・OCD・不安症の併存評価
  • 心理検査(知能・発達・行動評価)
  • 行動療法(CBIT・HRT・ERP)
  • 薬物療法(アリピプラゾール・グアンファシン・SSRI等)
  • 保護者への心理教育・カウンセリング
  • 学校・支援機関との連携文書の作成

こんな方はぜひご相談ください

  • 子どもの目のパチパチ・顔のぴくぴく・咳払いが続いている
  • 「やめなさい」と言ってもやめられない繰り返しの動きがある
  • チックと診断されたが治療方針がわからない
  • ADHDやOCDも一緒にあるかもしれない
  • 学校でいじめ・からかいを受けている
  • 汚言症(汚い言葉が出る)があって困っている
  • トゥレット症と診断されたが今後のことが不安

「これってチック?」と思ったら、まずはご相談ください。早期の正確な診断と適切な支援が、お子さんの将来を大きく助けます。


まとめ

  • チック症は子どもの約10〜20%が経験する非常に多い神経発達症で、意志でやめられない症状です
  • 原因は大脳基底核を中心とする神経回路の機能異常で、遺伝的背景が強いです
  • DSM-5では暫定的チック症・持続性チック症・トゥレット症に分類されます
  • 症状には運動チック(顔のぴくぴく・まばたき・肩すくめなど)と音声チック(咳払い・うーんなどの声)があります
  • ADHD・OCD・不安症など複数の疾患が併存することが非常に多いです
  • 多くは思春期以降に改善しますが、適切な支援・治療が経過に大きく影響します
  • 治療の第一選択は行動療法(CBIT)で、重症例には薬物療法(アリピプラゾール等)を用います
  • 最も重要な家族の関わりは「チックに注目・指摘しない」ことです
  • 「顔がぴくぴく動く」と気づいたら、早めに児童精神科に相談しましょう

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  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。