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不登校に伴う身体症状がある場合、治療はどうする?薬は必要?心理療法だけでいい?
不登校に伴う身体症状がある場合、治療はどうする?薬は必要?心理療法だけでいい?
名古屋市千種区 児童精神科専門クリニック 和光医院
「学校へ行こうとするとお腹が痛くなる」
「朝になると頭痛や吐き気が出る」
「学校の日だけ熱っぽい」
「検査では異常がないのに体調が悪い」
このような症状は、不登校のお子さんによくみられます。
保護者の方からも、
「精神的な問題なら薬は使わない方がいいのでしょうか?」
「カウンセリングだけで治るのでしょうか?」
という相談をよく受けます。
結論から言うと、
不登校に伴う身体症状の治療は『心理療法だけ』『薬だけ』ではなく、お子さんの状態に合わせて組み合わせることが重要です。
今回は、不登校と身体症状の関係、そして実際の治療について詳しく解説します。
なぜ不登校で身体症状が出るのか?
子どもは大人よりもストレスを身体症状として表現しやすい特徴があります。
特に、
- 学校での人間関係
- いじめ
- 勉強のプレッシャー
- 発達特性による疲労
- 感覚過敏
- 家庭環境の変化
などが続くと、
脳が強いストレス状態となり、自律神経のバランスが崩れます。
その結果、
- 頭痛
- 腹痛
- 吐き気
- めまい
- 動悸
- 過呼吸
- 微熱
- 倦怠感
- 食欲不振
- 睡眠障害
などが出現します。
本人は決して「仮病」ではありません。
実際に身体がつらくなっている状態です。
まずは身体の病気がないか確認する
身体症状がある場合、
最初に大切なのは
「本当に身体の病気が隠れていないか確認すること」
です。
必要に応じて
- 血液検査
- 甲状腺検査
- 心電図
- 小児科受診
- 頭痛やめまいの評価
などを行います。
身体疾患が否定されたうえで、
不登校やストレスとの関連を検討します。
治療の基本は心理的な安心感を作ること
不登校の治療で最も重要なのは、
「学校へ行かせること」
ではありません。
まずは
安心して休める環境を作ること
が大切です。
無理に登校を促し続けると、
さらに症状が悪化することがあります。
心理療法では何をする?
① 子どもの話を整理する
- 何がつらいのか
- 学校のどこが苦しいのか
- いつから症状が出たのか
を一緒に整理します。
② 不安への対処法を学ぶ
不登校のお子さんの多くは
- 失敗への恐怖
- 人間関係への不安
- 将来への不安
を抱えています。
心理療法では
考え方のクセを整理し、
少しずつ不安に対処する方法を学びます。
③ 保護者支援
実は、
不登校治療で最も重要なのは保護者支援です。
保護者が
- どう接すればよいか
- 何を言わない方がよいか
- どのタイミングで背中を押すか
を理解することで改善が進みやすくなります。
薬は使わない方がいいの?
よくある誤解ですが、
薬を使うこと=甘えではありません。
身体症状が強い場合、
薬を上手に使うことで回復を早められることがあります。
どんな時に薬を使う?
強い不安がある場合
- 動悸
- 過呼吸
- 緊張
- 学校を考えるとパニックになる
場合には、
抗不安薬や自律神経調整薬を使用することがあります。
小児では比較的副作用の少ない薬を選択します。
睡眠障害がある場合
- 夜眠れない
- 朝起きられない
- 昼夜逆転
が続くと回復が遅れます。
睡眠リズムを整えるために
睡眠改善薬やメラトニン系治療を検討することがあります。
抑うつ状態がある場合
以下がみられる場合は注意が必要です。
- 楽しいことがない
- 元気がない
- 食欲低下
- 自傷行為
- 希死念慮
このような場合には、
うつ病の治療として薬物療法が必要になることがあります。
頭痛や腹痛が強い場合
身体症状が強く、
学校どころか日常生活にも支障が出ている場合には、
症状緩和のための薬を併用することがあります。
ASDやADHDが背景にある場合
不登校のお子さんの中には、
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD
が背景にあるケースも少なくありません。
この場合、
学校生活での疲労やストレスが強く、
身体症状として現れることがあります。
発達特性が原因の場合は、
特性に合わせた支援や必要に応じた薬物療法を併用することで改善することがあります。
心理療法だけでいいケース
- 症状が軽い
- 睡眠が保てている
- 日常生活は送れる
- 不安が比較的軽い
場合は、
まず心理療法中心で経過を見ることが多いです。
心理療法+薬が効果的なケース
以下の場合は併用が有効です。
- 強い不安
- パニック発作
- 睡眠障害
- 頭痛や腹痛が強い
- 自律神経症状が強い
- 抑うつ症状を伴う
- 長期間不登校が続いている
薬で症状を和らげながら、
心理療法で根本的な問題に取り組む方が改善しやすいことが少なくありません。
和光医院の考え方
和光医院では、
「薬だけ」
「カウンセリングだけ」
という極端な考え方ではなく、
お子さん一人ひとりに合わせて治療を組み立てています。
不安が強い時は薬を上手に利用し、
症状が落ち着いてきたら心理的サポートや環境調整を中心に行います。
薬はゴールではなく、
回復への橋渡しとして使うものです。
まとめ
不登校に伴う身体症状は、
単なる気のせいではなく、自律神経や脳のストレス反応として実際に起きています。
治療は
- 身体疾患の除外
- 心理療法
- 保護者支援
- 学校との連携
- 必要に応じた薬物療法
を組み合わせて行います。
不安や頭痛、腹痛、睡眠障害が強い場合には、薬を上手に使うことで症状が軽くなり、回復へのきっかけになることもあります。
「学校へ行けない」だけでなく、「身体がつらい」というサインを見逃さず、早めに専門医へ相談することが大切です。
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