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抜毛症(ばつもうしょう)とは?診断と治療について
抜毛症(ばつもうしょう)とは?診断と治療について
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック
和光医院です。
「髪の毛を抜く癖がやめられない」
「気が付くと髪を触っている」
「一部分だけ髪が薄くなっている」
「叱ってもやめられない」
このような症状でご相談を受けることがあります。
抜毛症(トリコチロマニア)は、単なる癖やわがままではなく、精神医学的な治療対象となることがあります。
特に子どもや思春期では、
- ストレス
- 不安
- 発達特性
- 強迫症状
などが関係していることも少なくありません。
今回は抜毛症の診断と治療についてわかりやすく解説します。
抜毛症とは?
抜毛症とは、
自分の毛を繰り返し抜いてしまう状態
を指します。
精神医学では、
抜毛症
として診断されます。
どんな場所の毛を抜く?
最も多いのは、
- 頭髪
です。
その他、
- 眉毛
- まつ毛
- 腕や脚の毛
などを抜く場合もあります。
年齢は?
多くは、
- 小学校高学年
- 中学生
- 高校生
頃にみられます。
幼児期に一時的にみられることもあります。
抜毛症の症状
気が付くと抜いている
本人も無意識に行っていることがあります。
例えば、
- 勉強中
- テレビを見ている時
- ゲーム中
- 寝る前
など。
抜くのをやめられない
本人も、
「やめたい」
と思っていても繰り返してしまいます。
脱毛斑ができる
抜毛を繰り返すことで、
- 髪が薄くなる
- 一部分だけ短い毛が残る
- 不規則な脱毛
がみられます。
抜いた毛を触る
一部の方では、
- 毛根を観察する
- 毛を指で触る
- 口に入れる
などの行動を伴うことがあります。
なぜ抜毛症になるの?
原因は一つではありません。
ストレス
最も多い要因のひとつです。
- 学校生活
- 友人関係
- 家庭環境
などのストレスが関与することがあります。
不安
不安や緊張を和らげるために無意識に抜いている場合があります。
強迫症状との関連
「抜きたい衝動」
が強く、
抜くことで一時的に安心感を得ることがあります。
ASD・ADHDとの関連
発達特性を持つお子さんでは、
- 感覚刺激へのこだわり
- ストレス処理の苦手さ
などから抜毛がみられることがあります。
皮膚科との違い
脱毛を認めた場合、
まずは皮膚科的疾患を除外することが重要です。
鑑別疾患には、
- 円形脱毛症
- 頭部白癬
- 牽引性脱毛
などがあります。
抜毛症の診断
診断では、
- 抜毛の状況
- 頻度
- ストレス要因
- 学校生活
- 発達特性
などを総合的に評価します。
本人を責めないことが重要
抜毛症では、
「やめなさい」
と強く叱っても改善しないことがほとんどです。
むしろ、
- 罪悪感
- 自己否定感
を強めることがあります。
治療について
心理教育
まず、
本人や家族に
「病気について理解する」
ことが重要です。
ストレスへの対応
背景となるストレスを整理します。
例えば、
- 学校
- 友人関係
- 家族関係
など。
行動療法
現在もっとも有効性が期待されている治療です。
代表的には、
習慣逆転法(Habit Reversal Training:HRT)
があります。
習慣逆転法とは?
抜きそうになった時に、
別の行動へ置き換える方法です。
例えば、
- 手を握る
- ボールを握る
- 指先遊びをする
など。
カウンセリング
感情表現やストレス対処を学びます。
薬物療法
抜毛症そのものに対する特効薬はありません。
ただし、
- 不安症
- 強迫症
- うつ症状
- ADHD
などを合併している場合には薬物療法を行うことがあります。
家庭でできる対応
叱らない
最も大切です。
抜いていることを責めない
本人も困っている場合が多いです。
成功体験を増やす
できていることを評価し、
自己肯定感を高めることが重要です。
こんな場合は受診を
- 脱毛が目立つ
- 学校生活に影響がある
- 本人が困っている
- 不安やストレスが強い
- ASDやADHDがある
場合は相談をおすすめします。
まとめ
抜毛症は、
「癖だから仕方ない」
ではなく、治療対象となることがある疾患です。
背景には、
- 不安
- ストレス
- 発達特性
- 強迫症状
などが関与していることがあります。
早期に適切な支援を行うことで改善が期待できます。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック
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