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強迫症による「こだわり」とは? ~学校生活でみられる症状と周囲の対応について~
強迫症による「こだわり」とは?
~学校生活でみられる症状と周囲の対応について~
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院
「何度も確認しないと気が済まない」
「授業に遅れてしまうほど手洗いを繰り返す」
「宿題を完璧にしないと提出できない」
「学校の準備に何時間もかかる」
このような症状が続いている場合、単なる性格やこだわりではなく、強迫症(強迫性障害:OCD)が関係している可能性があります。
強迫症は子どもにもみられる病気であり、学校生活や家庭生活に大きな影響を与えることがあります。
今回は、強迫症によるこだわりや学校での対応について詳しく解説します。
強迫症(OCD)とは?
強迫症とは、
「不安になる考え(強迫観念)」が繰り返し浮かび、その不安を打ち消すための行動(強迫行為)を繰り返してしまう病気
です。
本人も
- おかしいと分かっている
- やりすぎだと思っている
ことが多いですが、
不安が強く、やめることができません。
強迫観念とは?
頭の中に繰り返し浮かぶ不安や考えです。
例
- 菌がついているかもしれない
- 忘れ物をしたかもしれない
- 誰かに迷惑をかけるかもしれない
- 間違っているかもしれない
など
本人の意思とは関係なく浮かんできます。
強迫行為とは?
不安を減らすために行う行動です。
例
- 手洗いを繰り返す
- 戸締まり確認を何度もする
- ノートを書き直す
- 数字や順番にこだわる
- 同じ言葉を心の中で繰り返す
一時的に安心しますが、時間が経つと再び不安が強くなります。
学校でみられる強迫症の症状
① 忘れ物確認が止まらない
登校前に
- ランドセル確認
- 宿題確認
- 筆箱確認
を何度も繰り返します。
その結果、
- 登校が遅れる
- 朝の準備が進まない
ことがあります。
② 手洗いが長い
感染への不安から、
何度も手を洗います。
例
- トイレ後
- 給食前
- 友達に触れた後
など
皮膚が荒れるほど洗ってしまうこともあります。
③ 完璧主義
宿題やテストで
- 字が少し曲がった
- 消し跡が残った
だけで最初からやり直すことがあります。
そのため、
宿題が終わらないこともあります。
④ 授業に集中できない
強迫観念が頭から離れず、
授業内容に集中できなくなります。
⑤ 特定の順番やルールへのこだわり
- 同じ席に座りたい
- 決まった順番で行動したい
- 特定の数字を避ける
などがみられます。
ADHDやASDとの違い
強迫症は
ADHDやASDと間違われることがあります。
ADHD
- 不注意
- 忘れ物
- 衝動性
が中心
ASD
- 強い興味やこだわり
- パターン化された行動
が中心
強迫症
- 不安を減らすための行動
が中心
という違いがあります。
ただし、これらが合併することも少なくありません。
学校での対応
① 無理にやめさせない
最も大切なポイントです。
NG対応
- 気にしすぎ
- やめなさい
- 考えないようにしなさい
これらはかえって不安を強めることがあります。
② 病気として理解する
強迫症はわがままではありません。
本人も苦しんでいます。
まずは
「病気による症状」
と理解することが重要です。
③ 過度な保証を繰り返さない
例えば
「大丈夫?」
「忘れ物してない?」
と何度も聞く場合、
毎回確認に付き合うと強迫症状が強化されることがあります。
適切なバランスが重要です。
④ 学校と情報共有する
必要に応じて
- 担任
- 養護教諭
- スクールカウンセラー
と情報共有します。
学校側の理解が得られることで、
お子さまの負担が軽減されることがあります。
強迫症の治療
認知行動療法(CBT)
最も有効な治療法の一つです。
特に
曝露反応妨害法(ERP)
という方法が用いられます。
不安に少しずつ慣れながら、
強迫行為を減らしていきます。
薬物療法
症状が強い場合は
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
を使用することがあります。
家族支援
保護者の対応も非常に重要です。
家庭での接し方を調整することで症状改善につながります。
こんな場合は相談を
✔ 手洗いが止まらない
✔ 確認に長時間かかる
✔ 学校に遅刻する
✔ 宿題が終わらない
✔ 不安が強い
✔ 学校生活に支障が出ている
場合は児童精神科への相談をおすすめします。
まとめ
強迫症は、
不安を減らすために確認や手洗いなどを繰り返してしまう病気です。
学校では
- 忘れ物確認
- 手洗い
- 完璧主義
- 順番へのこだわり
として現れることがあります。
「気にしすぎ」「やめなさい」と言うだけでは改善しません。
適切な理解と治療によって改善が期待できます。
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