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2026.06.19ブログ

大きくなってからおねしょが再発したら? ~学童期・思春期にみられる「二次性夜尿症」の対応について~

大きくなってからおねしょが再発したら?

~学童期・思春期にみられる「二次性夜尿症」の対応について~

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院

「小学校に入ってからは治っていたのに、最近またおねしょをするようになった」

「何年もおねしょをしていなかったのに突然再発した」

「ストレスが原因なのでしょうか?」

このような相談は児童精神科でも少なくありません。

おねしょ(夜尿症)は幼児期によくみられる症状ですが、一度改善していたおねしょが再び始まった場合には、その背景にさまざまな要因が隠れている可能性があります。

特に学童期や思春期に再発する夜尿は、単なる排尿の問題だけではなく、ストレスや不安、発達特性、睡眠の問題などが関係していることがあります。

今回は、おねしょが再発する原因と家庭でできる対応、受診の目安について詳しく解説します。


おねしょ(夜尿症)とは?

夜尿症とは、5歳を過ぎても夜間の睡眠中に無意識に排尿してしまう状態を指します。

夜尿症には大きく分けて2つのタイプがあります。

一次性夜尿症

乳幼児期から継続しておねしょが続いている状態です。

二次性夜尿症

一度おねしょが改善し、数か月以上おねしょのない期間があったにもかかわらず、再びおねしょが始まる状態です。

大きくなってから再発したおねしょは、この「二次性夜尿症」に該当することが多くなります。


なぜおねしょが再発するの?

① ストレスや環境の変化

二次性夜尿症で最もよくみられる原因の一つがストレスです。

子どもにとっては、大人が思っている以上に環境の変化が大きな負担になることがあります。

例えば、

  • クラス替え
  • 担任の変更
  • 転校
  • 受験
  • 習い事の負担増加
  • 友人関係のトラブル
  • いじめ
  • 家族関係の変化
  • 引っ越し
  • 兄弟姉妹の誕生

などがきっかけになることがあります。

子ども自身がストレスを自覚していない場合でも、身体症状としておねしょが現れることがあります。


② 不安症や心の不調

不安が強い子どもでは、自律神経のバランスが乱れやすくなります。

特に、

  • 分離不安症
  • 全般不安症
  • 社会不安症
  • 学校への不安

などが背景にある場合があります。

「学校に行きたがらない」
「朝になるとお腹が痛い」
「失敗を極端に恐れる」

といった症状がみられる場合には、不安症の可能性も考えられます。


③ ADHDやASDなどの発達特性

ADHDやASDの子どもでは、夜尿症がみられることがあります。

背景として、

  • 睡眠リズムの乱れ
  • 感覚特性
  • 不安の強さ
  • 自律神経の調整の難しさ

などが関係していると考えられています。

発達特性のある子どもでは、ストレスが身体症状として現れやすいこともあります。


④ 睡眠の問題

夜尿症の子どもでは睡眠に問題を抱えていることも少なくありません。

例えば、

  • 寝つきが悪い
  • 夜更かしが多い
  • 朝起きられない
  • 非常に眠りが深い
  • 夜間のいびきが強い

といった特徴がみられることがあります。

睡眠の質の低下は夜尿症の再発につながることがあります。


⑤ 便秘

見落とされやすい原因の一つです。

便秘によって直腸に便がたまると、膀胱が圧迫されて尿を十分にためられなくなります。

その結果、

  • 頻尿
  • 尿もれ
  • おねしょ

が起こりやすくなります。


⑥ 身体の病気

頻度は高くありませんが、

  • 尿路感染症
  • 糖尿病
  • 腎臓の病気
  • 膀胱機能の異常
  • 睡眠時無呼吸症候群

などが原因になることもあります。

急におねしょが始まった場合や、昼間のお漏らしも伴う場合には注意が必要です。


おねしょが再発した時にやってはいけないこと

叱る

「もう○年生なのに!」

「また失敗したの?」

という言葉は逆効果です。

おねしょは本人の努力不足ではありません。

叱られることで、

  • 自己肯定感の低下
  • 不安の増加
  • ストレスの悪化

につながり、かえって症状が長引くことがあります。


兄弟と比較する

「弟はできているのに」

「お兄ちゃんの時はこんなことなかった」

といった比較も避けましょう。

子どもは強いプレッシャーを感じます。


恥をかかせる

家族や親戚の前でおねしょの話題を出したり、からかったりすることは避けましょう。

夜尿症の子どもはすでに強い恥ずかしさを感じています。


無理に夜中に起こし続ける

毎晩何度も起こしてトイレへ行かせる方法は、睡眠を妨げてしまうことがあります。

根本的な改善につながらない場合も少なくありません。


家庭でできる対応

安心させる

最も大切なのは、

「大丈夫だよ」

「怒らないからね」

という安心感を与えることです。

安心できる環境は回復を助けます。


規則正しい生活

  • 早寝早起き
  • 十分な睡眠
  • 朝食をしっかり食べる

生活リズムを整えることは非常に重要です。


寝る前のトイレ

就寝直前に排尿する習慣をつけましょう。


日中の水分摂取を十分に

日中にしっかり水分をとり、寝る直前の大量飲水を避けることが大切です。


便秘の改善

便秘がある場合は積極的に治療しましょう。

便秘の改善だけで夜尿症が良くなることもあります。


ストレスのサインを探す

おねしょが再発した時には、

  • 学校で困っていることはないか
  • 友達関係はどうか
  • 勉強の負担はないか
  • 家庭内で心配事はないか

などを確認してみましょう。


こんな時は医療機関へ相談しましょう

以下のような場合には受診をおすすめします。

  • 半年以上おねしょがなかったのに再発した
  • 小学校高学年以上になっても続いている
  • 昼間のお漏らしもある
  • 頻尿や排尿痛がある
  • 強い便秘がある
  • 睡眠の問題がある
  • 学校生活に支障が出ている
  • ADHDやASDが疑われる
  • 不安やストレスが強そうである

児童精神科で相談できること

おねしょの再発は、子どもの心からのサインであることがあります。

児童精神科では、

  • ストレスの評価
  • 不安症の評価
  • ADHDやASDなど発達特性の評価
  • 睡眠の評価
  • 学校生活での困りごとの整理

を行い、夜尿症の背景にある原因を総合的に検討します。

単におねしょを止めるだけではなく、子どもが安心して生活できる環境を整えることが大切です。


まとめ

大きくなってから再発したおねしょは、決して「甘え」や「怠け」ではありません。

ストレスや不安、発達特性、睡眠の問題、便秘、身体疾患などさまざまな原因が関係している可能性があります。

保護者の方に最も大切にしていただきたいことは、

「叱らないこと」

です。

まずはお子さんの気持ちに寄り添い、安心できる環境を整えてあげましょう。

おねしょの再発が続く場合や、学校生活や日常生活に影響が出ている場合には、一人で悩まず専門医へ相談することをおすすめします。


名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院

和光医院では、夜尿症(おねしょ)、不安症、ADHD、ASD、睡眠の問題など、子どものこころと発達に関する診療を行っています。

「一度治ったおねしょが再発した」
「ストレスや発達特性が関係しているかもしれない」
「学校生活との関連が心配」

このようなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

 

 

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