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2026.06.27ブログ

チックの学校での適切な対応について 名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院

チックの学校での適切な対応について

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院

「授業中に咳払いをしてしまう」
「まばたきや首振りが目立つ」
「声が出てしまい、友達にからかわれる」
「先生に注意されるほど悪化してしまう」

このような症状は、チック症の可能性があります。

チックは、本人がわざと行っているものではありません。
特に学校生活では、緊張、疲労、不安、注目されることによって症状が強くなることがあります。

そのため、チックのある子どもに対しては、家庭だけでなく学校での理解と対応がとても重要です。

この記事では、チック症とは何か、学校で避けるべき対応、先生や保護者ができる適切な支援について、名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック和光医院がわかりやすく解説します。


チック症とは?

チック症とは、自分の意思とは関係なく、急に体が動いたり声が出たりする症状です。

チックには大きく分けて2種類あります。

運動チック

体の一部が急に動くチックです。

例として、

・まばたき
・顔をしかめる
・首を振る
・肩をすくめる
・口を曲げる
・体をピクッと動かす
・ジャンプする
・物に触る

などがあります。

音声チック

声や音が出るチックです。

例として、

・咳払い
・鼻を鳴らす
・「んっ」と声を出す
・短い言葉を発する
・同じ言葉を繰り返す

などがあります。

咳払いや鼻すすりは、風邪やアレルギーと間違われることもあります。


チックは「わざと」ではありません

チックで最も大切な理解は、本人がわざとやっているわけではないということです。

「やめなさい」
「静かにしなさい」
「ふざけないで」

と注意されると、子どもは強い緊張や不安を感じます。

その結果、チックがさらに悪化することがあります。

チックは、意識すれば一時的に我慢できることもあります。
しかし、我慢し続けることは子どもにとって大きな負担です。

学校で長時間チックを抑えている子どもは、帰宅後に症状が強く出ることもあります。


チックが学校で悪化しやすい理由

学校は子どもにとって刺激が多い環境です。

チックは以下のような場面で悪化しやすくなります。

・発表の前
・テストの前
・先生に注意された後
・友達に見られていると感じる時
・静かな授業中
・疲れている時
・睡眠不足の時
・新学期やクラス替えの時期
・友人関係のストレスがある時

特に「静かにしなければならない場面」では、音声チックが目立ちやすくなります。

本人も「また出たらどうしよう」と不安になり、その不安がさらにチックを強めてしまうことがあります。


学校で避けたい対応

1. チックを注意する

チックに対して直接注意することは避けましょう。

「やめなさい」
「うるさい」
「我慢しなさい」

という言葉は、本人を追い詰めてしまいます。

2. みんなの前で指摘する

クラス全体の前でチックを指摘すると、本人は強い恥ずかしさを感じます。

それが不登校や自己肯定感の低下につながることもあります。

3. 罰を与える

チックによる動きや声に対して、叱責やペナルティを与えることは不適切です。

本人の努力不足ではないため、罰を与えても改善にはつながりません。

4. 無理に我慢させる

一時的に我慢できても、強い疲労やストレスが残ります。

「授業中は絶対に出さないように」と求めることは、子どもに大きな負担となります。


学校での適切な対応

1. まずは先生がチックを理解する

学校対応で最も大切なのは、先生がチックを正しく理解することです。

チックは、

・わざとではない
・注意で改善するものではない
・緊張やストレスで悪化しやすい
・波があり、良い時期と悪い時期がある

という特徴があります。

先生が理解しているだけで、子どもの安心感は大きく変わります。


2. できるだけ自然に接する

チックが出ても、過度に反応しないことが大切です。

先生が自然に対応することで、周囲の子どもたちも過剰に反応しにくくなります。

「気にしすぎない環境」を作ることが、チックの悪化予防につながります。


3. 座席を工夫する

チックが目立ちにくい座席を検討することも有効です。

例えば、

・後方の席
・端の席
・出入りしやすい席
・本人が安心できる席

などです。

ただし、本人の希望を確認せずに席を変えると、かえって「特別扱いされた」と感じることがあります。

必ず本人や保護者と相談しながら決めましょう。


4. クールダウンできる場所を用意する

チックが強くなった時に、一時的に落ち着ける場所があると安心です。

例えば、

・保健室
・相談室
・空き教室
・廊下で少し深呼吸する
・トイレに行く

などです。

「つらくなったら少し離れてもよい」という選択肢があるだけで、子どもの不安は軽くなります。


5. テストや発表の配慮

チックが強い時期には、テストや発表で配慮が必要な場合があります。

例として、

・別室受験
・座席の配慮
・発表順の調整
・無理に大勢の前で発表させない
・筆記中に体の動きが出る場合は時間延長を検討する

などがあります。

「できないから免除」ではなく、「力を発揮しやすい環境を整える」という視点が大切です。


友達への説明はどうする?

チックが目立つ場合、クラスメイトから質問されたり、からかわれたりすることがあります。

その場合、本人と保護者の同意を得たうえで、簡単に説明することがあります。

説明の例としては、

「本人がわざとやっているわけではありません」
「体や声が自然に出てしまう症状です」
「からかったり真似したりしないようにしましょう」

という内容で十分です。

ただし、本人が説明を望まない場合は、無理にクラス全体へ伝える必要はありません。

本人の気持ちを最優先にしましょう。


保護者が学校に伝えるとよいこと

保護者の方は、学校に以下の点を伝えておくと対応がスムーズです。

・チックの症状の内容
・出やすい場面
・悪化しやすい時期
・本人が困っていること
・避けてほしい対応
・安心できる対応
・主治医からの助言

「注意しないでください」だけではなく、具体的にどのような配慮が必要かを共有することが大切です。

必要に応じて、医師の意見書を学校へ提出することもあります。


チックとADHD・ASD・不安症の関係

チック症の子どもでは、ADHD、ASD、不安症、強迫症状などを伴うことがあります。

特に、

・落ち着きがない
・忘れ物が多い
・集中が続きにくい
・こだわりが強い
・不安が強い
・確認行動が多い
・学校に行き渋る

といった様子がある場合には、チックだけでなく併存する発達特性や心の状態も評価することが大切です。

チックだけを見て対応するのではなく、子ども全体を理解することが重要です。


家庭でできる対応

家庭でも、基本は「指摘しすぎないこと」です。

生活リズムを整える

睡眠不足や疲労はチックを悪化させることがあります。

早寝早起き、十分な睡眠、規則正しい生活を心がけましょう。

安心できる時間を作る

学校で頑張ってチックを我慢している子どもは、家で症状が強く出ることがあります。

家庭では、無理に止めさせず、安心して過ごせる時間を作ることが大切です。

ストレスを確認する

チックが急に悪化した時は、学校や友人関係でストレスがないか確認しましょう。

ただし、問い詰めるのではなく、自然に話せる雰囲気を作ることが大切です。


受診を検討した方がよい場合

以下のような場合には、児童精神科への相談をおすすめします。

・チックが長期間続いている
・学校生活に支障が出ている
・友達にからかわれている
・本人が強く気にしている
・音声チックが目立つ
・複数のチックがある
・ADHDやASDが疑われる
・不安や強迫症状がある
・不登校傾向がある
・家族だけでは対応が難しい

早めに相談することで、学校との連携や生活面の調整がしやすくなります。


チック症の治療について

チック症の治療では、まず環境調整と心理教育が大切です。

症状が軽い場合には、周囲の理解と対応だけで落ち着くこともあります。

症状が強く、本人の苦痛や生活への支障が大きい場合には、

・心理的支援
・行動療法
・学校との連携
・薬物療法

などを検討します。

治療の目的は、チックを完全になくすことだけではありません。

子どもが安心して学校生活を送り、自信を失わずに過ごせるようにすることが大切です。


まとめ

チックは、本人がわざと行っているものではありません。

学校での不適切な注意や叱責は、症状を悪化させることがあります。

大切なのは、

・注意しすぎない
・からかわれない環境を作る
・先生が正しく理解する
・必要に応じて座席や別室対応を検討する
・本人の気持ちを尊重する
・学校と家庭と医療機関が連携する

ことです。

チックのある子どもが安心して学校生活を送るためには、周囲の理解が何より重要です。


名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院

和光医院では、チック症、トゥレット症、ADHD、ASD、不安症、強迫症状、不登校など、子どものこころと発達に関する診療を行っています。

「学校でチックを注意されてしまう」
「友達にからかわれている」
「チックと発達特性の関係が心配」
「学校にどのように伝えたらよいかわからない」

このようなお悩みがありましたら、名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック和光医院へご相談ください。

 

 

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