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子どもの睡眠障害・不眠——「眠れない・夜遅くまで起きている・朝起きられない」の原因と治療(メラトベル・光療法)を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説
子どもの睡眠障害・不眠——「眠れない・夜遅くまで起きている・朝起きられない」の原因と治療(メラトベル・光療法)を和光医院(名古屋市千種区・児童精神科)が詳しく解説
「何時間も布団に入っているのに眠れない」「夜中の2時・3時まで眠れない子ども」「朝どうしても起きられない・学校に遅刻・欠席が続く」「ADHDやASDがあって昔から寝つきがとても悪い」「睡眠薬を使わず子どもの睡眠を改善したい」——子どもの睡眠の問題は、単なる「夜更かしの習慣」「夜型のクセ」ではなく、<cite index=”14-1″>「夜型」という生活スタイルの問題ではなく、脳の神経生物学的な特性</cite>であることがあります。特に発達特性(ASD・ADHD)のある子どもは睡眠障害を合併することが非常に多く、<cite index=”9-1″>神経発達症は睡眠障害を合併する場合が多く、生じる睡眠障害も不眠障害、睡眠時随伴症群、概日リズム睡眠覚醒障害群など多様です。</cite>2020年には小児の神経発達症に伴う睡眠障害への国内初のメラトニン製剤「メラトベル」が承認され、治療の選択肢が広がっています。名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、子どもの睡眠障害の種類・原因・光療法・メラトベル・保護者の正しい関わり方まで、わかりやすく詳しく解説します。
目次
- 子どもの睡眠障害——「夜型のクセ」とは根本的に違う
- 睡眠障害の種類——不眠障害・概日リズム睡眠障害・過眠症
- 【最多】概日リズム睡眠覚醒障害(睡眠相後退型)——なぜ夜眠れないのか
- ASD・ADHDと睡眠障害——なぜ発達特性のある子どもに多いのか
- ADHDの治療薬(コンサータ等)と不眠の関係
- 子どもの不眠のサイン——保護者が気づくポイント
- 睡眠障害が不登校・うつ・起立性調節障害につながる経路
- 【治療①】睡眠衛生指導——正しい睡眠習慣の基本
- 【治療②】光療法——体内時計をリセットする
- 【治療③】メラトベル(メラトニン製剤)——国内承認の小児用睡眠薬
- 【治療④】認知行動療法(CBT-I)——睡眠への誤った思い込みを正す
- 【治療⑤】その他の薬物療法
- 保護者の正しい関わり方——焦らない・責めない
- よくある質問(FAQ)
- 和光医院での診療について
1. 子どもの睡眠障害——「夜型のクセ」とは根本的に違う
定義
**子どもの睡眠障害(Sleep Disorder in Children)**は、睡眠の開始・維持・質・タイミング・量に問題が生じ、日中の機能(学業・行動・感情・身体)に著しい支障をきたす状態です。
「習慣の問題」と「睡眠障害」の違い
- 習慣の問題: スマートフォン・ゲームの使い過ぎ等による夜更かし→生活習慣を整えると改善できる
- 睡眠障害: 生活習慣を整えても「眠れない・眠れても浅い・体内時計がずれている」状態が続く→医療的な介入が必要
2. 睡眠障害の種類——不眠障害・概日リズム睡眠障害・過眠症
<cite index=”15-1″>睡眠・覚醒障害とは、睡眠に関連するさまざまな病気の総称で、不眠症や過眠症、睡眠リズム障害などが含まれます。</cite>
| 種類 | 特徴 | 子どもでの多さ |
|---|---|---|
| 不眠障害 | 寝つきが悪い・夜中に目が覚める・早朝覚醒 | 中等度 |
| 概日リズム睡眠覚醒障害(睡眠相後退型) | 夜遅くまで眠れない・朝起きられない | 非常に多い |
| 過眠症(ナルコレプシー等) | 十分眠っているのに日中に強い眠気 | 既存ブログあり |
| 睡眠時随伴症(夜驚・夢遊) | 睡眠中の異常行動・叫び声 | 幼児〜学童に多い |
| 睡眠関連運動障害(むずむず脚症候群) | 寝るときに足がムズムズして眠れない | 発達特性のある子どもに多い |
3. 【最多】概日リズム睡眠覚醒障害(睡眠相後退型)——なぜ夜眠れないのか
睡眠相後退型とは
体内時計(概日リズム)が後退し、眠くなる時刻・目が覚める時刻が社会的なスケジュールより2〜6時間以上遅れてしまう状態です。
典型的なパターン:
- 夜中の1〜3時でないと眠れない
- 一度眠れば7〜9時間は眠れる(睡眠の質・量は正常)
- 朝7時に起こしても全く起きられない・起こしても機能しない
- 週末・休日は昼まで眠る
なぜ起きるのか
<cite index=”14-1″>ADHDの方は、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌開始が通常より遅れる「概日リズム睡眠障害(睡眠相後退型)」を併存しやすいとされています。これは「夜型」という生活スタイルの問題ではなく、脳の神経生物学的な特性です。眠くなる時刻が生理的に遅くなるため、社会的なスケジュールと体の睡眠リズムがずれ続ける——この構造的なズレが、「夜眠れない・朝起きられない」の根本にある場合があります。</cite>
4. ASD・ADHDと睡眠障害——なぜ発達特性のある子どもに多いのか
<cite index=”15-1″>発達特性に伴う生活リズムの乱れと、睡眠と覚醒を調整する脳の中枢神経における機能不全が相まって、発達障害と睡眠・覚醒障害が併存しやすいのではないかと考えられています。</cite>
ASDと睡眠障害
- 感覚過敏による入眠困難: 光・音・寝具の感触への過敏さで眠れない
- 不安・反芻思考: 布団に入ると心配ごとが頭を占領する
- メラトニン分泌の異常: ASDではメラトニンの産生・分泌のリズムが乱れやすい
- 睡眠時随伴症の合併: 夢遊・夜驚の合併が多い
ADHDと睡眠障害
<cite index=”9-1″>神経発達症の睡眠障害の原因の1つとして、夜間における松果体からのメラトニン分泌の低下が挙げられます。</cite>
- 過覚醒による入眠困難: 夜になっても脳が「オフ」にならない
- <cite index=”14-1″>ADHDの脳では覚醒状態の調整がうまくいかないことがあり、夜に過度に覚醒してしまって寝つけない、または昼間に必要な覚醒レベルを維持できずに眠気に勝てない、という両方のパターンが起きやすくなります。</cite>
- 概日リズムの後退: メラトニン分泌開始が遅い
- ドーパミン系の異常: 覚醒・睡眠の切り替えに影響
5. ADHDの治療薬(コンサータ等)と不眠の関係
<cite index=”14-1″>ADHDの治療薬が睡眠に影響する場合があることも知られています。中枢刺激薬(メチルフェニデートなど)は覚醒作用があるため、服薬時刻によっては入眠困難を悪化させることがあります。主治医と服薬タイミングを相談することで改善するケースもあります。</cite>
対応方法
- 服薬時刻を早める: コンサータは朝早めに服用する(夕方以降の服用は避ける)
- 用量の見直し: 睡眠への影響が強い場合は用量の調整
- 非刺激薬(ストラテラ・インチュニブ)への変更検討: 睡眠への影響が少ない
- 睡眠補助薬の追加: メラトベル等との組み合わせ
6. 子どもの不眠のサイン——保護者が気づくポイント
就寝・入眠に関するサイン:
- 「眠くない」と言って布団に入ろうとしない
- 布団に入っても30分〜1時間以上眠れない
- 眠れないことへの強い不安・恐怖
夜間のサイン:
- 夜中に何度も目が覚める・起き出してくる
- 叫ぶ・泣く・起き上がる(夜驚・夢遊)
- 足のむずむず感を訴える(むずむず脚症候群)
朝・日中のサイン:
- 朝どうしても起きられない(強く起こしても反応しない)
- 起床時に頭痛・腹痛・吐き気を訴える(起立性調節障害との合併も多い)
- 日中の眠気・集中力の低下・気分の不安定
7. 睡眠障害が不登校・うつ・起立性調節障害につながる経路
睡眠障害を放置すると以下の深刻な二次障害に発展します。
不登校: 「朝起きられない」という睡眠障害が不登校の直接のきっかけになることが非常に多いです。「怠けている・学校に行きたくないだけ」という誤解が本人を傷つけます。
うつ病・抑うつ: 慢性的な睡眠不足・昼夜逆転は感情調節を著しく悪化させ、うつ病の発症・悪化につながります。
起立性調節障害(OD)との合併: 起立性調節障害(ODブログ参照)と概日リズム睡眠障害はしばしば合併し、互いに悪化させます。ODによる午前中の体調不良→昼休み→夜眠れない→朝起きられない、という悪循環が形成されます。
8. 【治療①】睡眠衛生指導——正しい睡眠習慣の基本
すべての睡眠障害治療の基盤です。
就寝前の環境調整
- スクリーンタイム: 就寝1〜2時間前にスマートフォン・タブレット・ゲームをやめる(ブルーライトがメラトニン分泌を抑制)
- 照明: 就寝1〜2時間前から部屋を暗く・暖色系の照明に
- 入浴: 就寝1〜1.5時間前の入浴で深部体温の低下→眠気を誘導
起床の固定
どんなに眠れなくても毎朝同じ時刻に起きる(休日も含む)ことが体内時計の安定化に最重要です。
カフェインの回避
コーヒー・紅茶・コーラ・エナジードリンクのカフェインは入眠を妨げます。午後2時以降は避けることが望ましいです。
9. 【治療②】光療法——体内時計をリセットする
<cite index=”10-1″>朝に強い光を浴びることで体内時計がリセットされる仕組みを使い、朝、身体の中心部の体温が上昇し始める時間に、人工的につくった明るい光を浴びる治療法です。</cite>
光療法の方法
- 起床直後に2,500〜10,000ルクスの強い光を20〜30分浴びる
- 日光が理想(晴れた屋外で15〜30分)
- 曇天・室内では不十分なことが多い→光療法ライトの使用も有効
夜間の光回避
夜間の明るい光(スマートフォン・テレビ・LED照明)はメラトニン分泌を抑制するため、就寝前は避けることが光療法と並行して重要です。
10. 【治療③】メラトベル(メラトニン製剤)——国内承認の小児用睡眠薬
<cite index=”12-1″>生体内で作られる内因性ホルモンのメラトニンは、眠気を引き起こす催眠作用と睡眠・覚醒のリズムを調節する概日リズム調節作用があります。メラトベルは内因性ホルモンと同一のメラトニンを成分としているため、自然な眠りを得ることができます。主な副作用は傾眠で重篤なものはありません。</cite>
メラトベルとは
メラトベル顆粒0.2%(メラトニン製剤)は、2020年に神経発達症(ASD・ADHD等)に伴う睡眠障害への国内初の承認メラトニン製剤として承認されました。
適応:
- 6〜15歳の神経発達症(ASD・ADHDを含む)に伴う睡眠障害
用法:
- 就寝30分前に服用
- 用量:体重・年齢に応じて医師が調整
メリット:
- 内因性ホルモンと同じ成分→自然な眠りに近い
- 依存性・翌日への持ち越し効果が少ない
- 重篤な副作用が少ない(主な副作用は傾眠・頭痛)
注意:
- <cite index=”9-1″>神経発達症に伴う睡眠障害が適応であり、神経発達症がない子どもの不眠には適応外となります。</cite>
11. 【治療④】認知行動療法(CBT-I)——睡眠への誤った思い込みを正す
**不眠に対する認知行動療法(CBT-I:Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia)**は、睡眠に関する誤った信念や習慣を修正する心理療法です。
CBT-Iの主な技法
刺激制御法: 「ベッドは眠るためだけに使う」——ベッドでスマートフォン・勉強・テレビを見ることで「ベッド=覚醒の場所」という条件付けが形成されるのを防ぎます。
睡眠制限法: 床にいる時間を実際の睡眠時間に制限することで睡眠圧(眠気の蓄積)を高め、入眠しやすくする方法。
認知再構成: 「眠れないと明日ダメになる」「〇時間眠れなければ最悪」という破局的な思い込みを修正します。
12. 【治療⑤】その他の薬物療法
ラメルテオン(ロゼレム®): 成人の不眠症に承認されたメラトニン受容体作動薬。小児への適応外使用として、メラトベル登場前から一部で使用されていました。
スボレキサント(ベルソムラ®)・レンボレキサント(デエビゴ®): オレキシン受容体拮抗薬。成人向けですが、難治例では小児への使用が検討されることがあります。
ヒドロキシジン(アタラックス-P®): 抗ヒスタミン薬の鎮静作用を利用。短期的な補助として使用されることがあります。
13. 保護者の正しい関わり方——焦らない・責めない
✅ 大切にしてほしいこと
- 「怠けている・サボっている」という見方をやめる(睡眠障害は意志の問題ではない)
- 毎朝同じ時刻に起こす試みは続ける——ただし激しく責めない
- 朝の光を浴びさせる(起こしたらカーテンを開ける)
- 就寝前のルーティンを一緒に作る(入浴→照明を暗くする→スマートフォンをしまう)
- 学校との連携(睡眠障害による遅刻・欠席を診断書で説明できる場合がある)
❌ やってはいけないこと
- 「早く寝なさい」という叱責(自然な眠気がない状態では努力で眠れない)
- 休日に「遅くまで寝かせる」——体内時計のずれがさらに拡大する
- 昼寝を長くさせる——夜の睡眠圧が下がり入眠がさらに困難になる
14. よくある質問(FAQ)
Q. 子どもの睡眠障害に睡眠薬を使っても大丈夫ですか?
A. メラトベルは神経発達症のある子ども(6〜15歳)に承認されており、依存性がなく重篤な副作用が少ない安全性の高い薬です。「睡眠薬=危険」というイメージは主に成人のベンゾジアゼピン系薬剤から来ており、メラトベルはそれとは全く異なります。医師と相談の上で使用を検討してください。
Q. 発達特性(ASD・ADHD)がなくても睡眠障害は起きますか?
A. はい。思春期(12〜18歳)は体内時計が生理的に後退する時期であり、発達特性がない子どもにも概日リズム睡眠障害は多く見られます。ただし神経発達症のある子どもでは特に頻度が高くなります。
15. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある和光医院は、児童精神科を専門とするクリニックです。子どもの睡眠障害の評価・光療法指導・メラトベル処方・発達特性との包括的な管理に対応しています。
当院での対応内容
- 睡眠障害の種類・重症度の評価(問診・睡眠日誌・発達評価)
- ASD・ADHD等の発達特性との合併評価
- 睡眠衛生指導・光療法の具体的な指導
- メラトベル(メラトニン製剤)の処方・管理
- 不登校・起立性調節障害・うつ病等の合併治療
- 学校への診断書・意見書の作成
- ADHDの治療薬と睡眠の関係の調整(服薬タイミングの見直し等)
こんな方はぜひご相談ください
- 夜中の1〜3時まで眠れない・眠れても浅い
- 朝どうしても起きられず学校に行けない日が続いている
- ASD・ADHDがあって昔から寝つきがとても悪い
- コンサータ等の服用後から眠れなくなった
- 睡眠薬を使わずに子どもの睡眠を改善したい
- 睡眠障害と不登校・起立性調節障害の両方で悩んでいる
「夜眠れないのは意志の問題でも怠けでもありません。正しい診断と治療で必ず改善できます。まずご相談ください。」
当院ホームページはこちら ご予約はホームページまたは公式LINEより受け付けております。 【公式LINE 友だち追加はこちら】 【Instagramはこちら】
子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院
診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。
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患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。