名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.08.28ブログ

子どもが寝つけない・夜中に何度も起きる——睡眠の問題は「しつけ」ではありません。原因の見分け方と治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

子どもが寝つけない・夜中に何度も起きる——睡眠の問題は「しつけ」ではありません。原因の見分け方と治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「布団に入ってから2時間以上、寝つけない」「夜中に何度も起きて、そのたびに親も起こされる」「寝入ってすぐに叫び出し、話しかけても通じない」「朝どうしても起きられず、遅刻が続いている」「寝る前になると『足がむずむずする』と言って動き回る」「発達障害があると眠りにくいと聞いたが、本当なのか」——お子さまの睡眠について悩まれているご家庭は、非常に多くいらっしゃいます。

睡眠の問題は、**「早く寝かせればいい」「生活習慣の乱れ」「親のしつけの問題」**と受け取られがちです。しかし実際には、背景に医学的な原因があることが少なくありません。

そして重要なのは、子どもの睡眠不足は、大人のように「眠そうにする」形では現れないという点です。多くの場合、多動・イライラ・不注意として表面化します。その結果、発達障害と誤って評価されてしまうことすらあります。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、年齢別の必要睡眠時間、見落とされやすい原因、夜驚症と悪夢の違い、発達障害との関係、そして治療法まで、詳しく解説します。


目次

  1. 子どもに必要な睡眠時間【比較表】
  2. 【重要】子どもの睡眠不足は「多動」として現れます
  3. 子どもの睡眠の問題——種類ごとの整理【比較表】
  4. 見落とされやすい原因——鑑別すべき状態【比較表】
  5. 【要注意】いびきをかいていませんか——小児の睡眠時無呼吸
  6. 【要注意】「足がむずむずする」——鉄不足のサインかもしれません
  7. 夜驚症と悪夢の違い【比較表】
  8. 発達障害(ASD・ADHD)と睡眠の関係
  9. 不登校・起立性調節障害との関係
  10. 治療①:睡眠衛生——まず整えるべき環境
  11. 治療②:行動的なアプローチ
  12. 治療③:薬物療法【比較表】
  13. 【重要】市販の睡眠改善薬は使わないでください
  14. 睡眠不足が及ぼす影響
  15. よくある心配事Q&A
  16. 和光医院での診療について

1. 子どもに必要な睡眠時間【比較表】

まず、年齢ごとの目安を確認しておきましょう。

年齢 推奨される睡眠時間(1日あたり)
1〜2歳 11〜14時間(昼寝を含む)
3〜5歳 10〜13時間(昼寝を含む)
6〜12歳(小学生) 9〜12時間
13〜18歳(中高生) 8〜10時間

日本の子どもは、世界的に見て睡眠時間が短い

各国の調査で、日本の子どもの睡眠時間は世界的に短い部類に入ることが繰り返し指摘されています。

塾、部活動、宿題、スマートフォン——現代の生活は、子どもの睡眠を削る方向に働きます。

「小学生で夜11時就寝」は、決して珍しくありませんが、決して十分でもありません。

ただし、個人差もあります

上記はあくまで目安です。朝すっきり起きられ、日中に強い眠気がなく、機嫌よく過ごせているなら、多少短くても問題ないこともあります。

時間の数字より、日中の状態を見てください。


2. 【重要】子どもの睡眠不足は「多動」として現れます

これは、この記事で最もお伝えしたい内容のひとつです。

大人は睡眠が足りないと、あくびをして、ぼんやりし、動きが鈍くなります。

しかし子どもは逆です。

子どもの睡眠不足のサイン

  • 落ち着きがなくなる、動き回る
  • イライラしやすい、かんしゃくが増える
  • 集中力が続かない、ミスが増える
  • 感情のコントロールが難しくなる
  • ぼーっとしている時間が増える
  • 朝、機嫌が極端に悪い
  • 些細なことで泣く

なぜ「多動」になるのか

眠気に抗おうとして、脳が覚醒を保とうと過剰に働くためと考えられています。眠気を振り払うために動く——これが多動として見えるのです。

だから、ADHDと間違われることがあります

不注意・多動・衝動性——これらはADHDの中核症状と同じです。

そのため、睡眠の問題が背景にあるのに、ADHDとして評価されてしまうケースが実際に存在します。

当院では、不注意や多動のご相談に対して、必ず睡眠に関する問診を行います。 睡眠時間、就寝・起床時刻、いびきの有無、寝つきまでの時間、夜間の目覚め——これらを確認せずに発達特性の評価を進めることはありません。


3. 子どもの睡眠の問題——種類ごとの整理【比較表】

「眠れない」とひとことで言っても、内容はさまざまです。どのタイプかによって、対応が変わります。

種類 内容 主に考えられる背景
入眠困難 布団に入ってから寝つくまでに30分以上かかる 不安、発達特性、メラトニン分泌の問題、スクリーン、就床時刻が早すぎる
中途覚醒 夜中に何度も目が覚める 睡眠時無呼吸、不安、環境要因
早朝覚醒 極端に早く目覚めてしまう 抑うつ、就床時刻が早すぎる
睡眠相後退 夜眠れず、朝起きられない。休日は昼まで寝る 体内時計のずれ。思春期に多い
睡眠時無呼吸 いびき、呼吸が止まる、口呼吸 扁桃・アデノイド肥大、肥満
睡眠時随伴症 夜驚症、寝ぼけ(睡眠時遊行症)、寝言 多くは発達段階のもの。睡眠不足で増える
むずむず脚症候群 脚の不快感でじっとしていられない 鉄欠乏、遺伝的素因
過眠 十分寝ても日中の眠気が強い ナルコレプシー等の過眠症

「何が起きているか」を正確に把握することが出発点です

保護者の方には、2週間程度の睡眠日誌をつけていただくことがあります。

  • 何時に布団に入ったか
  • 実際に寝ついたのは何時頃か
  • 夜中に起きたか、何回か
  • 何時に起きたか
  • 日中の様子

この記録だけで、原因が見えてくることが少なくありません。


4. 見落とされやすい原因——鑑別すべき状態【比較表】

「寝つきが悪い」の背景には、次のような状態が隠れていることがあります。

状態 気づくポイント
睡眠時無呼吸症候群 いびき、口呼吸、寝相が極端に悪い、寝汗、朝の頭痛
むずむず脚症候群 「足がむずむずする」「気持ち悪い」、夕方〜夜に悪化、動かすと楽になる
鉄欠乏 上記に加え、疲れやすい、顔色が悪い
不安症・分離不安 一人で寝られない、暗いのが怖い、親から離れられない
抑うつ状態 早朝に目覚める、意欲低下、楽しめない
ASD・ADHD 感覚過敏、切り替えの困難、頭が働き続ける
起立性調節障害 朝起きられないが、夜は眠れないわけではない
甲状腺機能亢進症 動悸、汗、体重減少
薬剤性 服用中の薬(一部の喘息薬、ステロイドなど)
カフェイン エナジードリンク、お茶、コーラ、チョコレート

カフェインは見落とされがちです

エナジードリンクを常用している中高生は少なくありません。 また、麦茶以外のお茶類、コーラ、ココア、チョコレートにもカフェインは含まれます。

カフェインの効果は、摂取から数時間持続します。 夕方以降の摂取は、寝つきを確実に悪化させます。


5. 【要注意】いびきをかいていませんか——小児の睡眠時無呼吸

これは、見逃されると影響が大きい状態です。

子どもの睡眠時無呼吸の主な原因

大人と異なり、子どもでは扁桃肥大・アデノイド(咽頭扁桃)肥大が最も多い原因です。肥満のある子どもだけの問題ではありません。

気づくサイン

  • 習慣的にいびきをかく
  • 呼吸が止まる、苦しそうな呼吸
  • 口を開けて寝ている(口呼吸)
  • 寝相が極端に悪い、寝返りが多い
  • 寝汗をかく
  • 首を反らせるような姿勢で寝る
  • 朝、機嫌が悪い、起きにくい
  • 日中の多動・不注意・イライラ

なぜ重要か

小児の睡眠時無呼吸は、日中の多動・不注意・学習の困難を引き起こします。そして、ADHDと誤って評価されることがあります。

さらに、成長ホルモンの分泌や、顎・顔面の発育にも影響し得ます。

「いびきをかく子ども」は、一度評価を受けることをおすすめします。 治療(多くは耳鼻科での対応)によって、日中の様子が劇的に改善することがあります。

当院では、疑わしい場合に耳鼻咽喉科へのご紹介を行います。


6. 【要注意】「足がむずむずする」——鉄不足のサインかもしれません

むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)

「足がむずむずする」「虫が這うような感じ」「気持ち悪くてじっとしていられない」——子どもがこう訴えることがあります。

特徴

  • 夕方から夜にかけて悪化する
  • じっとしていると強くなる
  • 動かすと楽になる
  • そのため寝つけない、布団の中で脚をバタバタさせる

子どもは正確に表現できません

「足が痛い」「気持ち悪い」「変な感じ」——成長痛と間違われることがよくあります。

鉄との関係

むずむず脚症候群は、体内の鉄が不足していると起こりやすいことが知られています。

ここで重要なのは、一般的な貧血の検査(ヘモグロビン)が正常でも、貯蔵鉄(フェリチン)が不足していることがあるという点です。

血液検査で貯蔵鉄を確認し、不足していれば補充することで、症状が改善することがあります。

ADHDとの関連

むずむず脚症候群は、ADHDと合併しやすいことが報告されています。「落ち着きがない」の一因が、実は脚の不快感であることもあるのです。

「寝る前に脚を気にする」というお子さまは、ぜひお伝えください。


7. 夜驚症と悪夢の違い【比較表】

保護者の方が最も混同されやすいのが、この2つです。 対応がまったく異なります。

観点 夜驚症(睡眠時驚愕症) 悪夢
起こる時間帯 入眠後1〜3時間(睡眠の前半) 睡眠の後半、明け方
睡眠段階 ノンレム睡眠(深い眠り) レム睡眠
様子 突然叫ぶ、泣く、暴れる。目は開いていることも 泣いて目を覚ます
呼びかけへの反応 通じない。抱きしめても暴れる 通じる。慰められる
本人の記憶 翌朝、覚えていない 内容を覚えている
好発年齢 3〜8歳 どの年齢でも
対応 無理に起こさない。安全確保のみ 安心させる、話を聞く

夜驚症への正しい対応

無理に起こそうとしないでください。

夜驚症の最中は、脳の一部だけが覚醒した状態です。呼びかけても通じず、無理に起こすとかえって混乱が強まり、長引きます。

対応は、

  • 周囲の安全を確保する(ぶつかる物をどける)
  • 落ち着くまで静かに見守る
  • 数分〜十数分で自然に収まります
  • 翌朝、本人に確認しない(覚えていませんし、不安にさせます)

多くは自然に軽快します

夜驚症は発達の過程で見られる現象であり、多くは成長とともに自然に消失します。

ただし、睡眠不足や疲労で頻度が増えるため、睡眠時間の確保は有効です。頻度が非常に多い場合や、けがの危険がある場合はご相談ください。


8. 発達障害(ASD・ADHD)と睡眠の関係

発達特性のあるお子さまでは、睡眠の問題が非常に高い頻度でみられます。

ASD(自閉スペクトラム症)の場合

報告によって幅がありますが、5割から8割程度に何らかの睡眠の問題があるとされます。

背景として、

  • メラトニンの分泌リズムの異常が指摘されています
  • 感覚過敏(音、光、寝具の肌触り、パジャマのタグ)
  • 切り替えの困難(活動を終えて寝る態勢に移れない)
  • 予定の変化への不安
  • 頭の中で考えが止まらない

ADHDの場合

  • 入眠困難が特に多い
  • 過活動が夜まで続く
  • 頭が働き続けて止まらない
  • むずむず脚症候群の合併
  • 治療薬の影響(服用時間の調整で対応可能な場合があります)

重要な視点:どちらが原因か

睡眠不足が発達特性の症状を悪化させ、発達特性が睡眠を妨げる——双方向の関係があります。

そのため、睡眠を改善すると、日中の落ち着きのなさや不注意が軽減することがしばしば経験されます。

発達特性への支援を考えるとき、睡眠は最初に手をつけるべき領域のひとつです。


9. 不登校・起立性調節障害との関係

「朝起きられない」の背景を切り分けます

朝起きられないお子さまは非常に多いのですが、背景は一つではありません。

状態 特徴
睡眠不足 単純に就寝が遅い。休日に寝ればすっきりする
睡眠相後退 体内時計がずれている。休日は昼まで寝て、夜眠れない
起立性調節障害 起きようとすると立ちくらみ・倦怠感。午後は改善
過眠症 十分寝ても日中の眠気が強い。仮眠ですっきりする
抑うつ状態 早朝覚醒、意欲低下、何をしても楽しめない

この切り分けが、対応の出発点になります。

起立性調節障害については、別記事「子どもの起立性調節障害(OD)」もあわせてご覧ください。

昼夜逆転は早めに手を打ちます

不登校に伴って昼夜逆転が進むと、復帰のハードルが大きく上がります。

「学校に行けるようになってから生活を整える」のではなく、まず生活リズムを整えることが、復帰の準備になります。

ゲームやスマートフォンとの関係については、別記事「子どものゲーム依存(ゲーム障害)」もご覧ください。


10. 治療①:睡眠衛生——まず整えるべき環境

薬の前に、必ず行うべきことです。 これだけで改善するお子さまも少なくありません。

朝——ここが最も重要です

体内時計は、朝の光でリセットされます。

  • 起床後、できるだけ早く自然光を浴びる(カーテンを開ける、外に出る)
  • 休日も、平日との差を2時間以内に抑える
  • 朝食をとる

「夜早く寝かせる」より「朝の光」のほうが、体内時計には効果的です。 これは意外と知られていません。

日中

  • 適度な運動をする
  • 昼寝は短く(15〜20分、遅い時間は避ける)
  • カフェインは夕方以降は避ける

  • 就寝1〜2時間前からスクリーンを避ける(ブルーライトがメラトニン分泌を抑制します)
  • 部屋を暗く、静かに、涼しく
  • 入浴は就寝1〜2時間前(体温が下がるタイミングで眠気が来ます)
  • 激しい遊び・興奮する活動を避ける

就寝前のルーティンを固定する

毎晩同じ順番で同じことを行うと、脳が「これから寝る」と学習します。

例:入浴 → 歯磨き → パジャマ → 絵本 → 消灯

特にASDのお子さまでは、この「決まった手順」が非常に有効です。 見通しが立つことで、切り替えがしやすくなります。

布団は「眠る場所」にする

布団の中でスマートフォンを見る、ゲームをする、勉強する——これを続けると、脳が「布団=起きている場所」と学習してしまいます。

布団は眠るときだけ使う。 これも重要な原則です。


11. 治療②:行動的なアプローチ

就床時刻が早すぎませんか

意外に多いのが、眠くないのに早く布団に入らせているケースです。

布団の中で1時間以上眠れずにいると、「布団=眠れない場所」という結びつきが強化されます。

対応:いったん実際に寝つける時刻に就床時刻を合わせ、そこから15〜30分ずつ、段階的に早めていきます。

一人で寝られない場合

分離不安が背景にある場合、急に一人にするのは逆効果です。

  • 最初は部屋にいる
  • 次はドアの近く
  • 次は廊下
  • 声だけかける

——というように、段階的に距離を広げていきます。

「泣いても放置する」という方法は、お子さまの状態や年齢によっては適切でないことがあります。 一律に勧められる方法ではありませんので、ご相談ください。


12. 治療③:薬物療法【比較表】

睡眠衛生と行動的アプローチで十分でない場合、薬物療法を検討します。

薬剤 位置づけ 注意点
メラトニン顆粒(メラトベル®) 日本で「小児期の神経発達症に伴う入眠困難」に適応がある唯一の薬剤。 6歳以上16歳未満が対象 神経発達症の診断があることが前提。 就寝前に服用。翌朝の眠気に注意
ラメルテオン 体内時計に働きかける。小児への使用は適応外であり、慎重な判断が必要
漢方薬 抑肝散、甘麦大棗湯、柴胡加竜骨牡蛎湯など。興奮・不安が強い場合に 体質に合わない場合は胃腸症状
抗ヒスタミン薬 睡眠導入目的での使用は推奨されません 耐性、日中の眠気、まれに逆に興奮する(奇異反応)
ベンゾジアゼピン系 小児では原則使用しません 脱抑制、依存、認知機能への影響

メラトニン顆粒について

日本で小児の睡眠に対して正式に承認されている薬剤は、現時点でこれのみです。

ただし、適応は**「小児期の神経発達症(発達障害)に伴う入眠困難」**に限られます。発達特性のないお子さまの不眠には使用できません。

また、「飲めば眠くなる薬」というより、体内時計を整える薬です。そのため、睡眠衛生の改善と併用してこそ効果を発揮します。

薬物療法の原則

  • 睡眠衛生が土台。薬は補助
  • 少量から開始し、経過を見て調整
  • 漫然と続けない。 改善したら減量・中止を検討
  • 翌朝の眠気が出ていないか確認する

13. 【重要】市販の睡眠改善薬は使わないでください

薬局には、睡眠改善をうたう市販薬があります。しかし、これらをお子さまに使用しないでください。

理由

  • 主成分は抗ヒスタミン薬であり、小児の睡眠障害の治療薬ではありません
  • 耐性ができ、効かなくなります
  • 日中の眠気が残り、学業に影響します
  • **まれに、逆に興奮する(奇異反応)**ことがあります
  • 背景にある原因が見過ごされます——これが最大の問題です

いびきによる睡眠時無呼吸、鉄欠乏によるむずむず脚、不安症——市販薬でごまかしている間に、治療できる原因が見逃されてしまいます。

「眠れない」は、原因を確かめるべきサインです。


14. 睡眠不足が及ぼす影響

子どもの睡眠不足は、次のような影響と関連することが報告されています。

  • 情緒面:イライラ、かんしゃく、不安、抑うつ
  • 行動面:多動、衝動性、攻撃的な行動
  • 認知面:注意力・記憶・学習能力の低下
  • 身体面:成長への影響、肥満、免疫機能の低下
  • 事故:不注意による怪我のリスク

「学習のために睡眠を削る」は逆効果です

受験期などに睡眠時間を削って勉強するご家庭がありますが、記憶の定着は睡眠中に行われます。

睡眠を削った学習は、効率を大きく下げます。 睡眠は、学習の敵ではなく前提条件です。


15. よくある心配事Q&A

Q. 早く寝かせようとしても、寝てくれません。

A. 就床時刻が早すぎる可能性があります。 眠くない状態で布団に入ると、「布団=眠れない場所」という結びつきが強まります。実際に寝つける時刻に合わせてから、少しずつ早めていく方法をおすすめします。

Q. しつけの問題でしょうか?

A. 違います。睡眠の問題には、体内時計、感覚特性、鉄不足、扁桃肥大など、医学的な背景があることが少なくありません。 ご自身を責める必要はまったくありません。

Q. 寝る前にスマートフォンを見せないと、暴れます。

A. よくあるお悩みです。急に取り上げると強い反発を招きます。「寝室に持ち込まない」というルールから始めるのが現実的です。時間制限より、場所のルールのほうが定着しやすいことが多いです。

Q. 夜中に叫んで暴れます。起こしたほうがよいですか?

A. 夜驚症の可能性があります。無理に起こさないでください。 呼びかけても通じず、無理に起こすと混乱が強まります。安全を確保して静かに見守れば、数分で収まります。翌朝に確認する必要もありません。

Q. 発達障害があると、やはり眠れないのでしょうか?

A. ASDでは5〜8割程度に睡眠の問題がみられるとされ、ADHDでも入眠困難が多くみられます。ただし、対応可能です。 そして、睡眠が改善すると日中の落ち着きのなさが軽くなることがしばしばあります。

Q. 市販の睡眠改善薬を使ってもいいですか?

A. おすすめできません。 小児の睡眠障害の治療薬ではなく、耐性や日中の眠気の問題があります。何より、治療できる原因が見逃されるリスクがあります。

Q. 何科に相談すればよいですか?

A. 児童精神科または小児科が入り口になります。いびきが目立つ場合は耳鼻科的な評価も必要です。当院では、まず全体を評価し、必要に応じて適切な科へおつなぎします。

Q. 睡眠日誌は必ず必要ですか?

A. 必須ではありませんが、あると診断の精度が大きく上がります。 「何時に布団に入り、実際に何時に寝ついたか」だけでも構いません。可能な範囲で結構です。


16. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、お子さまの睡眠に関するご相談に対応しています。

当院での対応内容

  • 睡眠の問題の詳細な評価(睡眠日誌を用いた分析)
  • 入眠困難・中途覚醒・睡眠相後退などのタイプ分類
  • 睡眠時無呼吸が疑われる場合の耳鼻咽喉科へのご紹介
  • むずむず脚症候群を疑う場合の血液検査(貯蔵鉄の評価)
  • 夜驚症・睡眠時遊行症の評価と対応の指導
  • ASD・ADHDなど発達特性の評価(睡眠不足との区別を含む)
  • 不安症・抑うつ状態の評価と治療
  • 起立性調節障害・過眠症との鑑別
  • 睡眠衛生指導、行動的アプローチの提案
  • メラトニン顆粒・漢方薬による薬物療法
  • 学校提出用の診断書・意見書の作成
  • 保護者の方のみでのご相談

こんな方はぜひご相談ください

  • 布団に入っても、なかなか寝つけない
  • 夜中に何度も起きる
  • 朝どうしても起きられず、遅刻が続いている
  • いびきをかく、口を開けて寝ている
  • 「足がむずむずする」と訴える
  • 寝入ってすぐに叫び出し、話しかけても通じない
  • 昼夜逆転してしまっている
  • 発達障害があり、寝つきの悪さに困っている
  • 落ち着きのなさや不注意があり、睡眠との関係が気になる
  • 市販薬に頼るしかないと感じている

「睡眠の相談で来院されるご家族の多くが、『しつけの問題では』とご自身を責めておられます。しかし実際には、いびきによる無呼吸、鉄の不足、体内時計のずれ、感覚の過敏さ——手当てのできる原因が見つかることが少なくありません。そして子どもの睡眠不足は、眠そうな姿ではなく、多動やイライラとして現れます。『落ち着きがない』の背景に睡眠があることは、私たちが日々確認していることです。まずは眠りの様子を、一緒に整理させてください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。