名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.08.29ブログ

不登校——「甘え」でも「親のせい」でもありません。背景にある医学的な原因と、段階に応じた正しい対応を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

不登校——「甘え」でも「親のせい」でもありません。背景にある医学的な原因と、段階に応じた正しい対応を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「朝になると頭痛や腹痛を訴えるが、病院では異常なしと言われた」「昼夜逆転して、一日中ゲームばかりしている」「無理に行かせるべきか、休ませるべきか分からない」「このまま将来どうなってしまうのか不安でたまらない」「私の育て方が悪かったのだろうか」「学校に相談したが、話が噛み合わない」——お子さまが学校に行けなくなったとき、ご家族は深い不安と孤独の中に置かれます。

不登校は、いま決して珍しいことではありません。文部科学省の調査によると、小・中学校における不登校児童生徒数は353,970人で過去最多となり、12年連続で増加しています。内訳は小学校で約13万7千人、中学校で約21万6千人です。

そして、児童精神科の立場から最初にお伝えしたいことがあります。

不登校は「状態」であって「病名」ではありません。 そして、その背景には、治療可能な医学的原因が隠れていることが少なくありません。

起立性調節障害、睡眠障害、発達特性、不安症、うつ状態——これらが背景にある場合、「気持ちの問題」として励ましたり叱ったりしても、決して解決しません。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、不登校の背景にある医学的原因、経過の段階と段階ごとの正しい対応、学校との連携、そして進路の選択肢まで、詳しく解説します。


目次

  1. 不登校の定義と現状——いま何が起きているのか
  2. 【最重要】不登校は「病名」ではありません
  3. 背景にある医学的な原因【比較表】
  4. 「行きたくない」ではなく「行けない」
  5. 不登校の経過——4つの段階【比較表】
  6. 【最重要】段階を間違えた対応が、長引かせます
  7. 前駆期のサイン——早く気づくために
  8. やってはいけない対応・効果的な対応【比較表】
  9. まず何をすればよいか——最初の3つのステップ
  10. 昼夜逆転だけは、早めに手を打ちます
  11. ゲーム・スマートフォンをどう扱うか
  12. 学校との連携——出席の扱いと配慮
  13. 学校以外の学びの場【比較表】
  14. 進路の選択肢——中学卒業後の道
  15. きょうだいへの影響
  16. 保護者の方自身のケア
  17. よくある心配事Q&A
  18. 和光医院での診療について

1. 不登校の定義と現状——いま何が起きているのか

文部科学省の定義

不登校とは、**「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」**とされています。

現状の数字

  • 小・中学校の不登校児童生徒数:353,970人(過去最多、12年連続増加)
  • 小学校:約13万7千人
  • 中学校:約21万6千人
  • 高等学校:67,782人(前年度から減少)

一方で、新規に不登校となった児童生徒数は153,828人と、9年ぶりに減少しています。

増加の背景

文部科学省は、増加の要因として次の点を挙げています。

  • 児童生徒の休養の必要性を明示した法律(教育機会確保法)の趣旨の浸透
  • コロナ禍以降の保護者・児童生徒の登校に対する意識の変化
  • 特別な配慮を必要とする児童生徒への支援、生活リズムの不調を抱える児童生徒への指導・支援における課題

「問題行動ではない」という国の姿勢

重要な点として、文部科学省は不登校を「問題行動」と判断してはならないという立場を明確にしています。

学校に行けないことは、お子さま自身やご家庭に問題があるということではありません。 これは国の公式な見解です。


2. 【最重要】不登校は「病名」ではありません

この章が、この記事の出発点です。

「不登校」という言葉は、学校に行っていないという状態を指す言葉であって、診断名ではありません。

発熱が「風邪」「インフルエンザ」「肺炎」など、さまざまな原因で起こるのと同じように、不登校という状態の背景には、まったく異なる複数の原因があり得ます。

だから、まず「何が起きているのか」を確かめます

児童精神科が最初に行うのは、「学校に行かせる方法」を考えることではありません。

**「この子は、なぜ行けなくなっているのか」**を明らかにすることです。

  • 朝、起きられないのか
  • 起きられるが、身体がつらいのか
  • 学校の特定の場面が怖いのか
  • 集団の中で消耗しているのか
  • 気持ちが落ち込んで、何もできないのか

背景が違えば、必要な対応はまったく異なります。

「異常なし」は、原因がないという意味ではありません

「朝の頭痛や腹痛で小児科を受診したが、検査で異常なしと言われた」——これは非常によくある経過です。

しかし、一般的な血液検査や画像検査で分かる病気ばかりではありません。 起立性調節障害は専用の検査をしなければ分かりませんし、発達特性や不安症は血液検査では見つかりません。

「異常なし」で止まらず、次の評価に進むことが大切です。


3. 背景にある医学的な原因【比較表】

不登校の背景に見つかることの多い状態を整理します。

状態 気づくポイント
起立性調節障害(OD) 朝起きられない、立ちくらみ、午前中に不調、夕方は元気
睡眠相後退・昼夜逆転 夜眠れず朝起きられない。休日は昼まで寝る
過眠症(ナルコレプシー等) 起きられるが、日中の眠気が強い。短い仮眠ですっきりする
睡眠時無呼吸 いびき、口呼吸。日中の眠気・イライラ
ASD(自閉スペクトラム症) 集団が苦痛、感覚過敏、変化に弱い、対人関係の困難
ADHD 忘れ物・叱責の蓄積、学業不振、自己肯定感の低下
限局性学習症(LD) 読み書き・計算の特異的な困難。「怠けている」と誤解される
不安症・社交不安症 人前が怖い、発表ができない、注目されるのがつらい
分離不安症 保護者から離れられない。低学年に多い
場面緘黙 家では話せるが学校では声が出ない
強迫症(OCD) 手洗いや確認に時間がかかり、朝の支度が終わらない
うつ状態 意欲低下、楽しめない、早朝覚醒、自己否定
パニック症 発作への恐怖から教室や電車を避ける
チック症 症状を隠すことによる消耗、からかい
慢性の頭痛・腹痛 片頭痛、過敏性腸症候群など
貧血・甲状腺機能異常 倦怠感、集中困難。血液検査で確認できる

複数が重なっていることも多くあります

たとえば——

ASDの特性で集団生活に消耗不安が高まり眠れない起立性調節障害を併発朝起きられず欠席成績低下で自己肯定感が下がる抑うつ状態

このように、いくつもの要素が絡み合っていることが実際には一般的です。

だからこそ、一つひとつ丁寧にほどいていく作業が必要になります。

各テーマについては、当院ブログの「子どもの起立性調節障害(OD)」「子どもが寝つけない・夜中に何度も起きる」「場面緘黙症(選択性緘黙)」「子どもの強迫症(OCD)」「子どものゲーム依存」も、あわせてご覧ください。


4. 「行きたくない」ではなく「行けない」

保護者の方から、よくこう言われます。

「本人は『行きたくない』と言うだけで、理由を説明しません」

理由を言えないのには、理由があります

  • 本人にも分からない(漠然としたつらさで、言語化できない)
  • 言っても分かってもらえないと思っている
  • 説明すると、そこを「解決」されて登校を迫られると感じている
  • 発達特性から、自分の内面を言葉にすることが苦手

「理由を言わないから怠けている」ではありません。

問い詰めないでください

「どうして行けないの?」「何が嫌なの?」と繰り返し尋ねることは、お子さまを追い詰めます。

答えられない自分に、さらに自信をなくしてしまいます。

理由が分からなくても、支援は始められます。 まずは身体の評価と、休める環境の確保からです。


5. 不登校の経過——4つの段階【比較表】

不登校には、おおまかな経過の段階があります。この段階を把握することが、対応を決める鍵になります。

段階 状態 適した対応
① 前駆期 頭痛・腹痛・吐き気などの身体症状。遅刻・早退が増える。まだ登校している 身体の評価。休養を認める。無理をさせない
② 混乱期 欠席が続く。激しい抵抗、暴言、昼夜逆転。本人も家族も不安定 登校刺激を控える。安全と休養の確保が最優先
③ 安定期(慢性期) 落ち着いてくる。家庭では穏やかに過ごせる。まだ外出は少ない 生活リズムを整える。少しずつ活動を広げる
④ 回復期 外出できる、勉強に関心が戻る、進路を口にし始める 本人のペースを尊重しつつ、選択肢を一緒に考える

段階は行き来します

一直線に進むわけではありません。 回復期に見えても、混乱期に戻ることがあります。

これは失敗ではなく、通常の経過です。 一喜一憂しすぎないことが、長期的には家族を守ります。


6. 【最重要】段階を間違えた対応が、長引かせます

この章が、この記事で最もお伝えしたい内容です。

同じ対応でも、時期が違えば効果は正反対になります。

混乱期に登校刺激をすると、どうなるか

混乱期のお子さまは、エネルギーが底をついた状態です。

この時期に、

  • 「明日は行けそう?」と毎日聞く
  • 「今日は行ける日だよ」と促す
  • 先生が家庭訪問に来る
  • 友達が迎えに来る

——こうした働きかけを行うと、

強い抵抗、暴言、自室への引きこもり、家族への不信を招き、回復がかえって遅れます。

逆に、回復期に働きかけないと

安定期・回復期に入っても、腫れ物に触るように何も提案しないままだと、動き出すきっかけを失います。

この時期には、選択肢を一緒に考えることが必要です。

つまり

「登校を促すべきか、待つべきか」に、唯一の正解はありません。 今、どの段階にいるかによって、答えが変わります。

この見極めこそが、専門家に相談する意義のひとつです。ご家族だけで判断するのは難しく、また判断を誤りやすい部分です。


7. 前駆期のサイン——早く気づくために

最も対応しやすいのは、前駆期です。 完全に行けなくなる前に気づけると、その後の経過が変わります。

気づきたいサイン

  • 朝になると頭痛・腹痛・吐き気を訴える(休日は元気)
  • 遅刻・早退が増える
  • 保健室に行く回数が増える
  • 「学校がだるい」「疲れた」と言うようになった
  • 好きだったことに興味を示さなくなった
  • 表情が乏しくなった、口数が減った
  • 寝つきが悪い、朝起きられない
  • 食欲の変化、体重の変化
  • 日曜の夜に不機嫌になる
  • 友達の話をしなくなった

「月曜だけ休む」も重要なサインです

週明けの欠席が続くのは、典型的な前駆期のパターンです。

この段階での対応

  • 身体症状の評価(起立性調節障害、貧血、甲状腺など)
  • 無理をさせず、休養を認める
  • 「頑張って行きなさい」ではなく「つらいんだね」と受け止める
  • 学校での様子を確認する(いじめ、対人関係、学業)

「ここで無理をさせないこと」が、長期化を防ぎます。


8. やってはいけない対応・効果的な対応【比較表】

避けたい対応 なぜ問題か 代わりにできること
毎朝「今日は行ける?」と聞く プレッシャーになり、朝が苦痛の時間になる 聞かない。本人から言うのを待つ
「甘えだ」「怠けだ」と叱る 自己否定を強め、話せなくなる 医学的な背景の可能性を考える
理由を問い詰める 答えられない自分を責めることになる 理由が分からなくても支援を始める
無理やり連れて行く 恐怖と不信を生み、長期化する 段階に応じて判断する
家族が生活を犠牲にする 家庭が持ちこたえられなくなる 家族の日常も守る
将来の不安を本人にぶつける 追い詰めるだけで動けなくなる 保護者は別の場で不安を扱う
何も言わず腫れ物扱いする 回復期に動き出せない 段階を見て選択肢を示す
昼夜逆転を放置する 復帰のハードルが大きく上がる ここだけは早めに手を打つ

9. まず何をすればよいか——最初の3つのステップ

ステップ①:身体の評価を受ける

まず、身体の病気がないかを確認します。

  • 起立性調節障害の評価(新起立試験)
  • 貧血・甲状腺機能などの血液検査
  • 睡眠の状態の確認(いびき、寝つき、日中の眠気)

これを飛ばして「心の問題」と決めつけないでください。

ステップ②:休養を保証する

「休んでいい」と明確に伝えることが、回復の出発点です。

「休んでいいけど、勉強はしなさい」は休養になりません。 まずは、何もしなくてよい時間を保証してください。

罪悪感を抱えたままの休みは、心身を回復させません。

ステップ③:本人が安心できる関係を保つ

学校の話をしない時間をつくり、登校とは無関係の会話を増やしてください。

食事を一緒にとる、好きなテレビを一緒に見る、買い物に付き合う——**「学校に行かなくても、あなたは大切だ」**というメッセージが、最も重要な支えになります。


10. 昼夜逆転だけは、早めに手を打ちます

「何もかも本人のペースで」という原則の、唯一の例外がこれです。

なぜ重要か

昼夜逆転が固定すると、

  • 復帰しようと思ったときに、身体がついていかない
  • 日中の活動時間が消え、家族との接点が減る
  • 抑うつ気分が悪化しやすい
  • 朝の光を浴びないことで、体内時計のずれがさらに固定する

「学校に行けるようになってから生活を整える」のではなく、「生活を整えることが、復帰の準備になる」——この順序です。

現実的な進め方

いきなり「6時起き」を求めても、必ず失敗します。

  • まず起床時刻を一定にする(就寝ではなく起床から整えます)
  • 起きたらカーテンを開けて光を浴びる
  • 15〜30分ずつ、段階的に前倒しする
  • 就寝前のスマートフォンを控える
  • 寝室に端末を持ち込まないルールから始める

厳しい制限より、続けられる小さなルールのほうが効果的です。

背景に起立性調節障害や睡眠障害がある場合、生活指導だけでは改善しません。その場合は治療が必要です。


11. ゲーム・スマートフォンをどう扱うか

不登校のご家庭で、最も対立が起きやすいのがこの問題です。

まず、順序を確認してください

「ゲームばかりしているから学校に行かない」——多くの場合、順序は逆です。

学校がつらくなって家にいる時間が増え、その時間を埋めるものがゲームしかない——これが実際の経過です。

取り上げても登校しません。 空いた時間に何もなくなり、状態が悪化するだけです。

ただし、放置もしません

  • 寝室に持ち込まない(睡眠の確保が最優先)
  • 課金は決済手段の管理で構造的に制限する
  • 家族と過ごす時間を、少しずつ確保する

予告なく取り上げない

強制的な没収や回線遮断は、激しい反発や家庭内暴力の引き金になります。

本人と話し合い、段階的に調整する——これが原則です。

詳しくは、当院ブログ「子どものゲーム依存(ゲーム障害)」もご覧ください。


12. 学校との連携——出席の扱いと配慮

相談できる相手

  • 担任
  • 養護教諭(保健室の先生)
  • スクールカウンセラー
  • スクールソーシャルワーカー
  • 教育委員会の相談窓口

担任と合わない場合、他の窓口があります。 一人の先生との関係だけで諦めないでください。

段階的な登校の形

いきなり教室に戻る必要はありません。

  • 保健室登校・別室登校
  • 放課後に登校して先生と話す
  • 短時間だけの登校
  • 給食だけ、行事だけの参加
  • オンラインでの参加

出席の扱いについて

文部科学省は、自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合に、一定の要件のもとで出席扱いとする方針を示しています。

また、教育支援センターやフリースクール等での学習も、校長の判断で出席扱いとなり得ます。

この制度を知らずに「欠席日数」だけを心配されているご家庭が多くあります。 学校に確認してみてください。

国の方針(COCOLOプラン)

文部科学省は、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策として、教育支援センターの機能強化、ICTを活用した学びの場の整備、スクールカウンセラー等の配置拡充を進める方針を示しています。

「学校に戻ること」だけがゴールではないという方向に、国の政策も動いています。

診断書の役割

医師の診断書があることで、

  • 学校が配慮の根拠を持てる
  • 「怠け」という誤解が解ける
  • 具体的な配慮(別室、時間帯、評価方法)を依頼しやすくなる

当院では、必要に応じて学校提出用の診断書・意見書を作成しています。


13. 学校以外の学びの場【比較表】

選択肢 特徴
教育支援センター(適応指導教室) 教育委員会が設置。公的機関で費用負担が少ない。出席扱いになることが多い
フリースクール 民間。多様な運営方針。校長の判断で出席扱いになる場合がある
オンライン学習・ICT教材 自宅で学べる。要件を満たせば出席扱いの対象になり得る
家庭教師・個別指導塾 学習面の補完。対人が少ない環境を選べる
放課後等デイサービス 発達特性がある場合の選択肢。受給者証が必要
医療機関 背景疾患の治療、家族支援

「学校か、家か」の二択ではありません。 選択肢は想像以上に広がっています。


14. 進路の選択肢——中学卒業後の道

保護者の方が最も不安に思われるのが、進路です。

高校進学の選択肢

  • 全日制高校(出席日数を考慮する学校もあります)
  • 定時制高校(昼間部・夜間部)
  • 通信制高校(登校日数を選べる。近年は選択肢が非常に多い)
  • サポート校(通信制と併用)
  • 高等専修学校

その他

  • 高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)
  • 就労
  • しばらく休養してから考える

伝えたいこと

中学校で不登校だった生徒の多くが、その後、高校に進学しています。

そして、環境が変わることで通えるようになるケースは非常に多くあります。人間関係がリセットされる、少人数である、通学日数を選べる——こうした条件が合えば、状況は変わります。

「今行けない」ことは、「一生行けない」ことではありません。

進路の相談も、診察の中でお受けしています。


15. きょうだいへの影響

見落とされやすい問題です。

  • 保護者の関心が不登校の子に集中する
  • 「私は我慢しなければ」と感じる
  • 学校で「お兄ちゃん(お姉ちゃん)どうしたの」と聞かれる
  • 家庭内の緊張を敏感に察知する
  • 自分も不調をきたす

対応

  • きょうだいと過ごす時間を意識的につくる
  • 年齢に応じた説明をする(「病気で休んでいる」など)
  • きょうだいの行事や予定を犠牲にしすぎない
  • きょうだい自身の不安も聞く

きょうだいのケアも、診察の中でご相談いただけます。


16. 保護者の方自身のケア

これは、支援において最も軽視されがちな部分です。

不登校のお子さまを支えるご家族は、

  • 将来への強い不安
  • 「自分の育て方が悪かったのでは」という自責
  • 周囲や親族からの心ない言葉
  • 仕事との両立の困難
  • 夫婦間での方針の食い違い
  • 相談できる相手がいない孤立

——こうした負担を、長期にわたって抱えます。

保護者が持ちこたえられることが、前提条件です

支える人が倒れてしまえば、支援は続きません。

  • 保護者自身の休息時間を確保する
  • 夫婦で方針を共有する(違っていても、対立を子どもに見せない)
  • 同じ立場の人とつながる(親の会など)
  • 必要なら、保護者自身が医療機関に相談する

ご家族だけでのご相談を承っています

本人が受診を拒否している場合でも、ご家族だけでご相談いただけます。

実際、ご家族の関わり方が変わることで本人の状態が変化し、後から本人が来院に至るケースは少なくありません。

「連れて行けないから相談できない」ということはありません。


17. よくある心配事Q&A

Q. 無理にでも行かせたほうがよいのでしょうか?

A. 段階によります。 混乱期に登校刺激を行うと、強い抵抗を招き回復が遅れます。一方、安定期・回復期には選択肢を示すことが必要です。今どの段階かの見極めが重要で、これはご家族だけで判断するのが難しい部分です。

Q. 私の育て方が悪かったのでしょうか?

A. 違います。不登校の背景には、起立性調節障害、発達特性、不安症など医学的な要因があることが多く、育て方の問題ではありません。文部科学省も、不登校を問題行動と判断してはならないという立場を示しています。ご自身を責めないでください。

Q. 何科を受診すればよいですか?

A. 児童精神科または小児科が入り口になります。朝の頭痛・腹痛・立ちくらみが目立つ場合は起立性調節障害の評価を、集団生活での困難が目立つ場合は発達特性の評価を行います。当院では全体を評価し、必要に応じて適切な科へおつなぎします。

Q. 学校に行かないと、勉強が遅れて将来が心配です。

A. お気持ちはよく分かります。ただし、エネルギーが枯渇している時期に勉強を求めても、身につきません。 まず回復が先です。学習は、通信制高校、高卒認定、オンライン教材など、後から取り戻す方法がいくつもあります。

Q. 本人が受診を嫌がります。

A. ご家族だけでのご相談が可能です。 また、「病院に行く」ではなく「体のつらさを診てもらう」「相談に行く」という枠組みにすると、来院しやすくなることがあります。

Q. 昼夜逆転がひどいのですが、放っておいてよいですか?

A. ここだけは早めに手を打つことをおすすめします。 固定すると復帰のハードルが大きく上がります。ただし、いきなり厳しい生活を求めるのではなく、起床時刻から段階的に整えていきます。背景に睡眠障害や起立性調節障害がある場合は、治療が必要です。

Q. 学校を休んでいる間、出席日数はどうなりますか?

A. 自宅でのICT等を活用した学習や、教育支援センター・フリースクールでの学習が、一定の要件のもとで出席扱いとなる制度があります。学校に確認してみてください。制度を知らずに諦めているご家庭が少なくありません。

Q. どのくらいで学校に戻れますか?

A. お子さまによって大きく異なり、数か月の方もいれば、年単位の方もいます。そして「学校に戻ること」だけがゴールではありません。 その子が安心して過ごせて、次の段階へ進める道筋を一緒に探していきます。


18. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、不登校に関するご相談に対応しています。

当院での対応内容

  • 背景にある医学的原因の評価
    • 起立性調節障害(新起立試験)
    • 睡眠障害・睡眠相後退・過眠症
    • 発達特性(ASD・ADHD・限局性学習症)
    • 不安症・社交不安症・分離不安症・場面緘黙
    • 強迫症・パニック症・チック症
    • うつ状態
    • 貧血・甲状腺機能異常など(血液検査)
  • 経過の段階の見極めと、段階に応じた対応の提案
  • 薬物療法(必要な場合)
  • 生活リズム・昼夜逆転への対応
  • ご家族への心理教育と関わり方の指導
  • ご家族のみでのご相談
  • きょうだいへの影響に関するご相談
  • 学校提出用の診断書・意見書の作成
  • 学校・スクールカウンセラーとの連携
  • 教育支援センター・フリースクール等に関する情報提供
  • 進路に関するご相談
  • 保護者の方の心理的サポート
  • 必要に応じた専門医療機関へのご紹介

こんな方はぜひご相談ください

  • 朝になると頭痛や腹痛を訴えるが、検査では異常がないと言われた
  • 遅刻・早退が増えてきた(この段階でのご相談を歓迎します
  • 学校を休みがちになっている
  • 昼夜逆転してしまっている
  • 無理に行かせるべきか、休ませるべきか判断できない
  • 集団生活でのつらさが強いようで、発達特性が気になる
  • 気持ちの落ち込みが強く、心配している
  • 学校にどう伝え、何を依頼すればよいか分からない
  • 進路について相談したい
  • 本人が受診を拒否しており、家族だけで相談したい
  • 保護者自身が疲れ果てている

「不登校のご相談では、まず『なぜ行けないのか』を身体の面から確かめます。朝起きられないのか、起きられるが行けないのか、行けるが教室が怖いのか——ここが違えば、必要なことはまったく変わるからです。そして、多くのご家族が『自分の育て方のせいだ』と抱え込んで来院されます。けれど背景に治療できる原因が見つかることは、決して少なくありません。段階を見極めながら、焦らず、けれど手をこまねかずに。ご本人が来られなくても構いません。まずはご家族だけでも、お話を聞かせてください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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午前 9:00〜13:00
 午後 15:00〜18:00 
土曜 9:00〜14:00

【休診日】 日・祝日

患者様へのご案内

  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。