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「発達障害かもしれない」と思ったら——受診から診断までの流れ・心理検査・受けられる支援を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
「発達障害かもしれない」と思ったら——受診から診断までの流れ・心理検査・受けられる支援を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
「園や学校から、一度相談してみてはと言われた」「集団行動が苦手で、いつも一人でいる」「忘れ物が多く、毎日のように叱られている」「こだわりが強く、予定が変わるとパニックになる」「発達障害を疑っているが、診断がついたら将来に影響しないか心配」「受診したら、何をされるのか分からなくて不安」——お子さまの発達について気になりながら、受診に踏み切れずにいる保護者の方は、非常に多くいらっしゃいます。
文部科学省の調査では、**通常の学級に在籍する児童生徒のうち、学習面または行動面で著しい困難を示す子どもは約8.8%**にのぼると報告されています。35人学級であれば、3人程度という計算になります。
一方で、受診をためらう理由もはっきりしています。
「レッテルを貼ることにならないか」「診断がついたら、もう普通の道を歩めないのではないか」「相談したら『様子を見ましょう』と言われて終わった」
この記事では、そうした不安に正面からお答えします。
診断は、レッテルではありません。支援を受けるための「入口の鍵」です。 そして、診断がつかなくても、支援は受けられます。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、受診の目安、初診から診断までの具体的な流れ、心理検査で分かること、診断後に利用できる支援制度、そして本人への伝え方まで、詳しく解説します。
目次
- 発達障害(神経発達症)とは
- ASD(自閉スペクトラム症)の特徴【比較表】
- ADHD(注意欠如多動症)の特徴【比較表】
- LD(限局性学習症)とDCD(発達性協調運動症)
- 併存が多いという事実【比較表】
- 【重要】受診をためらう5つの理由と、それへの回答
- 受診を考える目安
- 初診から診断までの流れ【比較表】
- 受診時に持参していただきたいもの
- 心理検査について——WISCで何が分かるのか
- 診断がついたら、何が変わるのか【比較表】
- 【重要】「診断がつかない」場合もあります
- 支援と治療【比較表】
- 薬物療法について
- 本人への伝え方——告知をどう考えるか
- 保護者の方の気持ちについて
- よくある心配事Q&A
- 和光医院での診療について
1. 発達障害(神経発達症)とは
発達障害とは、生まれ持った脳機能の特性により、認知・行動・コミュニケーションなどの発達に偏りが生じている状態を指します。
現行の診断基準DSM-5-TRでは、**「神経発達症群」**という枠組みで整理されています。
主な分類
| 名称 | 略称 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 自閉スペクトラム症 | ASD | 対人コミュニケーションの困難、こだわり、感覚の特性 |
| 注意欠如多動症 | ADHD | 不注意、多動性、衝動性 |
| 限局性学習症 | SLD/LD | 読み・書き・計算など特定領域の著しい困難 |
| 発達性協調運動症 | DCD | 極端な不器用さ、運動の苦手さ |
| 知的発達症 | — | 知的機能と適応行動の困難 |
| コミュニケーション症群 | — | 吃音、言語の困難など |
| チック症群 | — | 突発的・反復的な運動や発声 |
大切な前提
育て方が原因ではありません。
発達障害は、生まれ持った脳の特性です。しつけや愛情の不足で生じるものではありません。
そして「治す」ものでもありません。 目指すのは、特性を理解し、環境を整え、その子が力を発揮できる状態をつくることです。
2. ASD(自閉スペクトラム症)の特徴【比較表】
ASDは、①対人コミュニケーションの持続的な困難と、②限定的で反復的な行動・興味・感覚の特性の2つを中核とします。
年齢による現れ方の違い
| 時期 | 気づかれやすいこと |
|---|---|
| 幼児期 | 目が合いにくい、指さしをしない、名前を呼んでも振り向かない、言葉の遅れ、一人遊びが多い、極端な偏食、抱っこを嫌がる |
| 就学前 | ごっこ遊びが苦手、順番が待てない、予定変更でパニック、特定の物への強い興味、集団行動が苦手 |
| 小学校低学年 | 友達関係が築きにくい、暗黙のルールが分からない、一方的に話す、こだわりが強い、音や光への過敏さ |
| 小学校高学年〜中学 | 集団から浮く、いじめの対象になりやすい、冗談や皮肉が通じない、疲れやすい、二次的な不安・抑うつ |
| 思春期以降 | 対人関係の消耗、進路の悩み、周囲に合わせようとする疲弊 |
感覚の特性
見落とされやすいが、生活への影響が大きい部分です。
- 音への過敏(掃除機、運動会のピストル、教室のざわめき)
- 光への過敏(蛍光灯、日光)
- 触覚(服のタグ、特定の生地、散髪、爪切り)
- 味・においへの過敏(偏食の背景)
- 痛みや暑さ寒さへの鈍感さ
「わがまま」ではなく、実際に感じ方が違います。
3. ADHD(注意欠如多動症)の特徴【比較表】
ADHDは、不注意と多動性・衝動性を中核とし、12歳以前から症状があり、2つ以上の場面(家庭・学校など)で困難が生じていることが診断の要件です。
3つのタイプ
| タイプ | 特徴 | 気づかれやすさ |
|---|---|---|
| 不注意優勢型 | 忘れ物、なくし物、集中が続かない、話を聞いていない、段取りが苦手 | 見落とされやすい。特に女児 |
| 多動・衝動性優勢型 | 席を立つ、しゃべり続ける、順番が待てない、思いつきで行動 | 気づかれやすい |
| 混合型 | 両方の特徴がある | 最も多い |
不注意優勢型は見過ごされます
騒がないため「おとなしい子」として扱われ、支援につながりません。
「ぼーっとしている」「マイペース」と評価されながら、実際には話が頭に入らず、提出物が出せず、毎日叱られている——こうしたお子さまが、思春期になって初めて評価されることは珍しくありません。
年齢による変化
多動は成長とともに目立たなくなることが多い一方、不注意や段取りの困難は残りやすい傾向があります。
中学以降、課題の量が増え、自己管理が求められるようになった時点で困難が表面化するケースが多くみられます。
4. LD(限局性学習症)とDCD(発達性協調運動症)
LD(限局性学習症)
全体的な知的能力に問題がないのに、特定の学習領域だけが著しく困難な状態です。
- 読字の困難:文字を追えない、飛ばし読み、音読が極端に遅い
- 書字の困難:鏡文字、書き写しに時間がかかる、字形が整わない
- 算数の困難:数の概念、計算、文章題
最大の問題は、「努力不足」と誤解されることです。
本人は人一倍努力しているのに結果が出ず、自己肯定感が深く傷つきます。
DCD(発達性協調運動症)
極端な不器用さが特徴です。
- 縄跳び、自転車、球技が極端に苦手
- 箸やはさみが使いにくい
- 字が書きにくい
- 靴紐が結べない
- よく転ぶ、物にぶつかる
体育の時間や給食の準備など、日常のあらゆる場面で「できない自分」を突きつけられるため、心理的な影響が大きい特性です。
「不器用なだけ」と見過ごされがちですが、支援の対象です。
5. 併存が多いという事実【比較表】
発達障害は、単独で存在することのほうが少ないと言えます。
| 組み合わせ | 頻度・特徴 |
|---|---|
| ASD+ADHD | 非常に多い。2013年のDSM-5から併記が可能に |
| ASD/ADHD+LD | 学習の困難が重なる |
| ASD/ADHD+DCD | 不器用さの併存 |
| ADHD+チック症 | 一定の頻度で併存 |
| 発達障害+不安症 | 二次的に生じやすい |
| 発達障害+強迫症 | ASDのこだわりとの区別が必要 |
| 発達障害+睡眠の問題 | ASDでは5〜8割にみられるとの報告 |
| 発達障害+起立性調節障害 | 思春期に併発しやすい |
| 発達障害+不登校 | 集団生活での消耗が背景に |
だから「全体を診る」ことが必要です
「ADHDだけ」「ASDだけ」と切り取ると、実際に生活を困難にしている要素を見落とします。
当院では、発達特性の評価と同時に、睡眠・身体症状・不安・抑うつ・学習の状況をあわせて確認しています。
各テーマについては、当院ブログの「子どもの起立性調節障害(OD)」「子どもが寝つけない・夜中に何度も起きる」「子どもの強迫症(OCD)」「子どものチック症・トゥレット症」「不登校」もあわせてご覧ください。
6. 【重要】受診をためらう5つの理由と、それへの回答
この章が、この記事で最もお伝えしたい内容です。
理由①「レッテルを貼ることにならないか」
診断は、レッテルではありません。
診断がなくても、その子の困りごとは既にそこにあります。診断は、その困りごとに名前をつけ、適切な対応と支援につなげるための道具です。
むしろ、診断がないまま「怠けている」「やる気がない」「わがまま」と評価され続けることのほうが、はるかに強いレッテルになります。
理由②「診断がつくと将来に影響しないか」
医療機関の診断は、学校や就職先に自動的に伝わることはありません。
診断名を誰に伝えるかは、保護者とご本人が決めることです。
一方で、診断があることで初めて受けられる支援や配慮があります(第11章参照)。使うかどうかを選べる状態にしておくことに、意味があります。
理由③「様子を見ましょうと言われた」
これは非常によく聞くお話です。
「様子を見る」ことが適切な時期もあります。 しかし、何を、いつまで、どうなったら次に進むのかが決まっていない「様子見」は、時間を失うだけになりかねません。
セカンドオピニオンを求めることは、まったく失礼なことではありません。
理由④「まだ小さいから、成長すれば変わるのでは」
変わる部分は確かにあります。しかし、早期に環境を整えることの効果は、多くの研究で示されています。
そして重要なのは、診断がつかなくても、受診したことは無駄にならないという点です。特性の傾向が分かるだけで、家庭や学校での関わり方は変えられます。
理由⑤「本人が嫌がる」
ご家族だけでのご相談が可能です。
実際、保護者の方のみの来院から始まるケースは多くあります。関わり方が変わることで本人の状態が変化し、後から本人が来院に至ることも少なくありません。
7. 受診を考える目安
以下に複数当てはまる場合、一度ご相談ください。
園・学校から言われたこと
- 集団行動が難しいと指摘された
- 一度相談してみては、と勧められた
- 個別の支援が必要かもしれないと言われた
家庭で気になること
- 忘れ物・なくし物が極端に多い
- 指示が通らない、話が頭に入らない
- こだわりが強く、予定変更でパニックになる
- 感覚の過敏さがある(音、光、肌触り、におい)
- 友達関係が続かない
- 特定の教科だけ極端にできない
- 極端に不器用
- かんしゃくが激しい、切り替えができない
- 寝つきが極端に悪い
二次的なサイン
- 自己肯定感が低い(「どうせ自分なんて」と言う)
- 登校をしぶる
- 身体症状(頭痛・腹痛)が続く
- イライラや落ち込みが目立つ
特に、二次的なサインが出ている場合は、早めのご相談をおすすめします。
8. 初診から診断までの流れ【比較表】
「受診したら何をされるのか分からない」——この不安を解消するために、流れを具体的にお示しします。
| 段階 | 内容 | 所要の目安 |
|---|---|---|
| ① 初診(問診) | 現在の困りごと、生育歴、家庭・学校での様子を詳しく伺う | 時間をかけて行います |
| ② 情報収集 | 母子手帳、通知表、連絡帳、学校からの情報を確認 | 初診時〜 |
| ③ 診察・行動観察 | 本人との対話、遊びや課題の中での様子を観察 | 複数回にわたることも |
| ④ 心理検査 | 知能検査、発達検査、行動評価尺度など | 後日、予約制 |
| ⑤ 結果説明・診断 | 検査結果を踏まえた総合的な判断と、今後の方針の共有 | じっくり説明します |
| ⑥ 支援の開始 | 環境調整、療育、学校連携、必要に応じた治療 | 継続 |
一度の診察で決まるものではありません
発達障害の診断は、血液検査や画像検査で「陽性・陰性」が出るものではありません。
- 生育歴(いつから、どのような特徴があったか)
- 現在の困りごと
- 複数の場面での様子(家庭・学校)
- 心理検査の結果
- 他の疾患の除外(睡眠障害、聴覚の問題、不安症など)
これらを総合して判断します。 そのため、数回の通院が必要になることが一般的です。
「1回で診断してほしい」というご希望はよく分かりますが、慎重に見極めることが、その子のためになります。
9. 受診時に持参していただきたいもの
あるとないとで、評価の精度が大きく変わります。
ぜひお持ちください
- 母子健康手帳(乳幼児健診の記録、発達の経過)
- 通知表・あゆみ(できれば複数学年分)
- 連絡帳(学校とのやりとり)
- 学校・園からの書面(気になる点を書いてもらえると理想的です)
- 検査結果があれば(他機関での心理検査など)
- 作文・絵・ノート(書字の様子が分かるもの)
- お薬手帳
メモしておいていただきたいこと
- いつから気になり始めたか
- 具体的なエピソード(「先週、こんなことがあった」)
- 一日の生活の流れ(起床・就寝時刻、宿題、ゲーム時間)
- 家族から見た「困っていること」トップ3
「うまく説明できるか不安」という方も多いのですが、メモがあれば十分です。 診察の中で、こちらから順に伺っていきます。
10. 心理検査について——WISCで何が分かるのか
よく用いられる検査
| 検査名 | 対象・内容 |
|---|---|
| WISC-V(ウィスク5) | 5〜16歳の知能検査。最も広く用いられます |
| WPPSI-IV | 幼児向けの知能検査 |
| 田中ビネー知能検査V | 幼児〜成人。全体的な知的水準の把握 |
| Vineland-II 適応行動尺度 | 日常生活のスキルを評価 |
| PARS-TR | ASDの特性を評価する面接尺度 |
| ADOS-2 | ASDの行動観察による評価 |
| ADHD-RS、Conners 3 | ADHDの症状評価 |
| 読み書きの検査 | LDが疑われる場合 |
WISCは「IQを測る検査」ではありません
これは、非常に大きな誤解です。
WISCで重要なのは、全体のIQの数値ではなく、**能力の「バランス(凸凹)」**です。
- 言語理解
- 視空間認知
- 流動性推理
- ワーキングメモリー
- 処理速度
これらの間に大きな差があると、本人の中で「できること」と「できないこと」のギャップが生まれ、それが困難の正体であることが多いのです。
検査結果は「支援の設計図」です
たとえば——
- ワーキングメモリーが低い → 口頭での複数指示が入らない → 視覚的に、一つずつ提示する
- 処理速度が低い → 板書が間に合わない → 時間延長、写真撮影、プリント配布
- 言語理解が高く処理速度が低い → 理解しているのにアウトプットが追いつかない → 口頭での回答を認める
「診断名」より、この情報のほうが日々の支援に直結します。
検査結果は、学校に伝える際の具体的な根拠にもなります。
11. 診断がついたら、何が変わるのか【比較表】
診断は、支援制度を利用するための入口になります。
| 支援・制度 | 内容 |
|---|---|
| 児童発達支援 | 未就学児向けの療育。受給者証が必要 |
| 放課後等デイサービス | 就学児向け。放課後や長期休暇に利用。受給者証が必要 |
| 通級指導教室 | 通常学級に在籍しながら、一部の時間に個別指導を受ける |
| 特別支援学級 | 少人数で個別性の高い指導を受ける |
| 合理的配慮 | 座席、時間延長、別室受験、タブレット使用など。2024年4月から民間事業者も提供が義務化 |
| 自立支援医療(精神通院医療) | 通院医療費の自己負担が原則1割に |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 各種割引、税制上の控除など |
| 療育手帳 | 知的発達症がある場合。愛知県・名古屋市では「愛護手帳」と呼ばれます |
| 特別児童扶養手当 | 一定の要件を満たす場合の手当 |
使うかどうかは、選べます
制度を知っていて使わないのと、知らずに使えないのは、まったく違います。
診断は、選択肢を持つための手続きとお考えください。
当院では、お子さまの状況に応じて、利用できる制度についてもご説明しています。
12. 【重要】「診断がつかない」場合もあります
受診したからといって、必ず診断がつくわけではありません。
- 特性はあるが、診断基準を満たさない(いわゆる「グレーゾーン」)
- 別の原因が見つかった(睡眠障害、聴覚の問題、不安症、環境要因など)
- 現時点では判断が難しく、経過を見る
診断がつかなくても、支援は始められます
これは非常に重要な点です。
「診断名がつかなかったので、何も得られなかった」——そんなことはありません。
- 心理検査で、本人の得意・不得意が明らかになる
- 家庭での関わり方を具体的に変えられる
- 学校に依頼すべき配慮が分かる
- 二次的な不安や抑うつへの対応ができる
診断名は、支援の「入口の一つ」であって、支援そのものではありません。
「グレーゾーン」という言葉について
診断基準を満たさなくても、困っていることは事実です。
「基準に届かないから支援は不要」ではありません。困りごとがあるなら、対応します。 これが当院の考え方です。
13. 支援と治療【比較表】
| アプローチ | 内容 |
|---|---|
| 環境調整 | 最も基本。 座席、指示の出し方、視覚的支援、感覚刺激の軽減、予定の予告 |
| ペアレント・トレーニング | 保護者が関わり方を学ぶ。効果が確立された方法です |
| SST(ソーシャルスキルトレーニング) | 対人スキルを具体的に学ぶ |
| 療育(児童発達支援・放課後等デイ) | 専門機関での継続的な支援 |
| 学校との連携 | 個別の教育支援計画、合理的配慮の調整 |
| 薬物療法 | 主にADHDの症状、ASDの強い易刺激性に対して(第14章) |
| 二次障害への治療 | 不安症、抑うつ、睡眠障害への対応 |
順序が大切です
「まず環境を整える。それでも困難が大きい場合に、薬を検討する」——この順序が原則です。
薬から始めることはありません。
ペアレント・トレーニングについて
「親が変わらなければならないのか」と受け取られることがありますが、そうではありません。
発達特性のあるお子さまには、一般的な子育ての方法が効きにくい——それだけのことです。
特性に合った関わり方を知ることで、家庭の負担そのものが軽くなります。 保護者を責めるための方法ではなく、保護者を楽にするための方法です。
14. 薬物療法について
ADHDに対して
日本では、メチルフェニデート徐放製剤、リスデキサンフェタミン、アトモキセチン、グアンファシンの4剤が承認されています。
- 効果の出方、持続時間、副作用がそれぞれ異なります
- 中枢刺激薬(一部)は、流通が厳格に管理されており、登録された医療機関・医師・薬局でのみ取り扱われます
- 少量から開始し、効果と副作用を見ながら調整します
当院での処方については、診察の中でご相談ください。
ASDに対して
ASDの中核特性そのものを改善する薬はありません。
ただし、**強い易刺激性(かんしゃく、自傷、攻撃性)**に対しては、保険適用のある薬剤があります。中核特性ではなく、周辺の激しい症状を和らげる目的で使用します。
併存する状態に対して
不安症、抑うつ、睡眠障害、チック症などに対して、それぞれ必要な治療を行います。
実際には、併存する状態への対応のほうが、生活の改善に直結することが少なくありません。
15. 本人への伝え方——告知をどう考えるか
「本人に診断を伝えるべきか」——多くのご家族が悩まれる点です。
伝えることの意味
適切に伝えられた場合、
- 「自分が悪いわけではなかった」という安心
- 自分の得意・不得意を理解できる
- 対処法を自分で選べるようになる
- 支援を受けることへの抵抗が減る
特に、繰り返し叱られてきたお子さまにとっては、自己否定から抜け出すきっかけになります。
伝え方のポイント
- 診断名だけを伝えない。 「あなたはこういうことが得意で、こういうことは苦手」という具体的な内容とセットで
- 年齢と理解力に応じた言葉で
- 「治す」ではなく「工夫する」という枠組みで
- 一度で終わらせず、成長に応じて繰り返し話す
- 本人が「なぜ自分はうまくいかないのか」と悩み始めた時期は、伝えるタイミングとして適していることが多い
伝えないという選択もあります
年齢や状況によっては、まだ伝えない判断も妥当です。
「いつ、どう伝えるか」は、診察の中で一緒に考えていきましょう。 保護者の方だけで抱える必要はありません。
16. 保護者の方の気持ちについて
この章を、あえて設けます。
お子さまの発達について相談に来られる保護者の方は、たいてい長い時間、一人で考えてこられています。
- 「私の育て方が悪かったのでは」という自責
- 周囲や親族からの心ない言葉
- 園や学校から指摘されたときのショック
- 診断を受け入れられない気持ち
- 配偶者との意見の食い違い
- 将来への不安
- きょうだいへの影響
これらは、すべて自然な反応です
受け入れられない気持ちを、否定する必要はありません。
「診断を受け入れなければならない」と急ぐ必要もありません。時間をかけて整理していけば十分です。
保護者の方の負担も、診察でお話しください
支える人が消耗してしまえば、支援は続きません。
当院では、お子さまの診察と並行して、保護者の方のお気持ちについても伺っています。
17. よくある心配事Q&A
Q. 何歳から受診できますか?
A. 年齢制限はありません。言葉の遅れや集団行動の困難が気になり始めた1〜2歳の段階でのご相談も歓迎しています。 早い時期ほど、環境調整の効果が得られやすくなります。
Q. 診断は1回の受診でつきますか?
A. つきません。生育歴、複数場面での様子、心理検査、他疾患の除外を総合して判断するため、数回の通院が必要です。慎重に見極めることが、結果としてその子のためになります。
Q. 診断がつくと、学校に伝わりますか?
A. 自動的に伝わることはありません。 誰に伝えるかは、保護者とご本人が決めることです。ただし、学校の配慮を求める場合は、診断書などで伝えることが有効です。
Q. 診断がつかなかったら、無駄足になりますか?
A. なりません。心理検査で得意・不得意が分かるだけでも、家庭と学校での関わり方は変えられます。 診断名は支援の入口の一つであり、すべてではありません。
Q. 学校から「発達障害では」と言われました。決めつけられているようで納得できません。
A. お気持ちはよく分かります。ただ、学校は集団の中での様子を見ているという、家庭とは異なる視点を持っています。両方の情報を持ち寄って評価するのが医療機関の役割です。否定するためにも、確かめる価値はあります。
Q. 薬を飲ませたくありません。
A. 薬から始めることはありません。 まず環境調整と関わり方の工夫を行います。薬は、それでも困難が大きく、本人が苦しんでいる場合の選択肢の一つです。使わない選択も尊重されます。
Q. 本人が受診を嫌がります。
A. ご家族だけでのご相談が可能です。 「病院に行く」ではなく「困っていることを相談しに行く」という枠組みにすると、来院しやすくなることもあります。
Q. 大人になってからでも診断できますか?
A. できます。学生時代は周囲の支えや構造化された環境で何とかなっていた方が、就職や育児をきっかけに困難が顕在化することは珍しくありません。当院は成人の方の診療にも対応しています。
Q. きょうだいにも遺伝しますか?
A. 遺伝的な要素はありますが、必ず現れるわけではありません。きょうだいに特性がある場合も、早めに気づけるという利点があります。
18. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、発達障害の診断・支援に対応しています。
当院での対応内容
- 発達特性に関する詳細な問診と生育歴の聴取
- ASD・ADHD・限局性学習症・発達性協調運動症の評価
- 行動観察による評価
- 心理検査の実施と、結果に基づく具体的な支援方針の提案
- 睡眠障害・起立性調節障害・聴覚の問題など、他要因との鑑別
- 併存する不安症・強迫症・チック症・抑うつ状態の評価と治療
- 環境調整・関わり方の具体的な指導
- ペアレント・トレーニング的アプローチ
- 必要に応じた薬物療法
- 学校提出用の診断書・意見書の作成、合理的配慮の依頼内容の具体化
- 学校・スクールカウンセラーとの連携
- 療育機関・放課後等デイサービスに関する情報提供
- 利用できる支援制度のご案内
- 本人への伝え方(告知)に関するご相談
- 保護者の方の心理的サポート
- ご家族のみでのご相談
こんな方はぜひご相談ください
- 園や学校から、一度相談するよう勧められた
- 集団行動が苦手で、浮いてしまっている
- 忘れ物・なくし物が極端に多い
- こだわりが強く、予定変更でパニックになる
- 感覚の過敏さがある
- 特定の教科だけ、極端にできない
- 極端に不器用で、本人がつらそう
- 他院で「様子を見ましょう」と言われたが、納得できていない
- 心理検査を受けて、支援の方向性を知りたい
- 診断がついた後、どんな支援があるのか知りたい
- 本人にどう伝えればよいか悩んでいる
- 本人が受診を拒否しており、家族だけで相談したい
- 大人になってから、発達特性が気になっている
「発達障害の相談で、私たちが最も大切にしているのは『診断名をつけること』ではありません。この子は何が得意で、何につまずいていて、どうすれば力を発揮できるのか——それを一緒に明らかにすることです。診断がつくこともあれば、つかないこともあります。けれど、どちらの場合でも、明日からの関わり方は必ず変えられます。そして多くのご家族が、長いあいだ一人で悩んでこられています。その時間を、ここで終わりにしましょう。まずはお話を聞かせてください。」
当院ホームページはこちら ご予約はホームページまたは公式LINEより受け付けております。 【公式LINE 友だち追加はこちら】 【Instagramはこちら】
子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院
診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。
受診される方へ
初めて受診される方
当院は予約制をとっておりますが、初診の場合は若干のお時間をいただくこととなり、お待ちいただくことがあります。スムーズにご案内する為に、WEB問診のご利用をおすすめいたします。
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再診される方
お電話もしくは予約システム(チェック・オン)から予約を取ることもできます。予約の変更や取り消しをご希望の場合には、診療時間内に受付にお電話いただくか、予約システムから変更・取り消しを行ってください。
パソコン・携帯から簡単にご予約できます。
和光医院 診療時間のご案内
【診療時間】
午前 9:00〜13:00
午後 15:00〜18:00
土曜 9:00〜14:00
【休診日】 日・祝日
患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。