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パニック症(パニック障害)——「このまま死ぬのでは」という発作は、命に関わるものではありません。発作時の正しい対処・治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
パニック症(パニック障害)——「このまま死ぬのでは」という発作は、命に関わるものではありません。発作時の正しい対処・治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
「突然、心臓が激しく打ち、息ができなくなった」「このまま死ぬのではないかと思った」「救急車で運ばれたが、検査では異常なしと言われた」「また同じ発作が起きるのではと怖くて、電車に乗れなくなった」「子どもが学校で過呼吸を起こし、それ以来行けなくなった」「発作が怖くて、外出できる範囲がどんどん狭くなっている」——パニック症は、本人にとっては生命の危機に感じられるほど強烈でありながら、周囲には理解されにくい疾患です。
まず、最も重要なことをお伝えします。
パニック発作そのものによって、命を落とすことはありません。 心臓が止まることも、呼吸が止まることも、気が狂うこともありません。
そして、パニック症は治療によって改善する疾患です。
ただし、対応を誤ると行動範囲が狭まり、不登校や退職につながることがあります。そして、多くの方が知らないまま行っている「ある対処法」は、現在では推奨されていません。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、パニック発作の症状、子どもに特有の現れ方、発作時の正しい対処、そして治療まで、詳しく解説します。
目次
- パニック症とは——3つの要素で理解する
- パニック発作の症状【比較表】
- 【重要】発作は10分程度でピークを迎えます
- 悪循環の構造——3つの段階【比較表】
- なぜ救急外来で「異常なし」と言われるのか
- 鑑別すべき身体の病気【比較表】
- 【重要】子ども・思春期に特有の現れ方
- 不登校との関係
- 原因——「気の持ちよう」ではありません
- 【最重要】発作時の正しい対処法【比較表】
- 【重要】紙袋を使う呼吸法は、現在は推奨されていません
- 周囲の人ができること
- 治療①:心理教育——これだけで軽くなる方がいます
- 治療②:認知行動療法・曝露療法
- 治療③:薬物療法【比較表】
- 【重要】抗不安薬に頼りすぎない理由
- 学校・職場との連携
- よくある心配事Q&A
- 和光医院での診療について
1. パニック症とは——3つの要素で理解する
パニック症(パニック障害)は、次の3つの要素から成り立っています。
① パニック発作
突然、激しい動悸・息苦しさ・めまいなどが起こり、強い恐怖に襲われる発作です。
「予期しない」形で、何の前触れもなく起こるのが特徴です。
② 予期不安
「また発作が起きるのではないか」という不安が持続します。
発作そのものより、この予期不安のほうが日常生活を制限することが多くあります。
③ 広場恐怖
発作が起きたときに逃げられない・助けを求められない状況を避けるようになる状態です。
- 電車、バス、飛行機などの公共交通機関
- エレベーター、映画館、美容院
- 人混み、行列
- 高速道路、渋滞
- 一人での外出
避ける場所が増えるにつれて、生活範囲が狭くなっていきます。
2. パニック発作の症状【比較表】
パニック発作では、次のような症状が突然現れます。
| 分類 | 症状 |
|---|---|
| 循環器系 | 動悸、心拍数の増加、胸の痛み・不快感 |
| 呼吸器系 | 息切れ、息苦しさ、窒息しそうな感じ |
| 自律神経系 | 発汗、身震い、震え、寒気またはほてり |
| 消化器系 | 吐き気、腹部の不快感 |
| 神経系 | めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ、しびれ、うずき |
| 精神症状 | 現実感がなくなる、自分が自分でない感じ |
| 恐怖 | 「このまま死ぬのではないか」 |
| 恐怖 | 「気が狂ってしまうのではないか」「自分をコントロールできなくなる」 |
これらのうち4つ以上が、突然出現し、数分以内にピークに達する——これがパニック発作の定義です。
特に「死の恐怖」が特徴的です
「このまま死ぬのではないか」という強烈な恐怖は、パニック発作の中核をなす症状です。
この感覚は本物であり、本人にとっては生命の危機そのものです。
「大げさだ」「気のせいだ」という言葉が、どれほど本人を傷つけるか——周囲の方にはぜひ知っていただきたい点です。
3. 【重要】発作は10分程度でピークを迎えます
これは、知っているだけで発作が軽くなる情報です。
パニック発作には、はっきりした特徴があります。
- 数分以内(多くは10分程度)にピークに達する
- その後、自然に軽減していく
- 通常、20〜30分以内には収まる
- 発作によって死ぬことはない
- 心臓が止まることも、呼吸が止まることもない
- 気が狂うことも、意識を失って倒れることも、通常はない
なぜこれが重要なのか
パニック発作の苦しさは、「この状態が永遠に続くのではないか」「悪化して死ぬのではないか」という恐怖によって増幅されます。
「必ず終わる」「命に関わらない」と知っていることで、恐怖が減り、結果として発作そのものが軽くなります。
これは気休めではなく、治療の第一歩として、医学的に確立された考え方です。
4. 悪循環の構造——3つの段階【比較表】
パニック症は、次のように進行していきます。
| 段階 | 何が起きるか |
|---|---|
| ① 発作 | 予期しないパニック発作が起こる |
| ② 予期不安 | 「また起きるのでは」という不安が続く。身体の変化に過敏になる |
| ③ 回避(広場恐怖) | 発作が起きた場所・逃げられない場所を避けるようになる |
| ④ 生活範囲の縮小 | 電車に乗れない、外出できない、学校・職場に行けない |
| ⑤ 二次的な問題 | 抑うつ、不登校、休職、自己否定 |
「回避」が症状を維持します
避けることで、一時的に不安は下がります。
しかし、避けるたびに「あの場所は危険だ」という学習が強まり、避ける対象がどんどん広がっていきます。
電車 → バス → 車 → 人混み → 外出全般
このように範囲が拡大するのが、パニック症の典型的な経過です。
だから、早い段階での治療が重要になります。
5. なぜ救急外来で「異常なし」と言われるのか
初回の発作で救急搬送される方は少なくありません。そして、心電図も血液検査も正常と言われます。
検査が正常なのは当然です
パニック発作は、心臓や肺そのものの異常ではなく、脳の警報システムの誤作動によって生じます。
そのため、心電図や血液検査には異常が出ません。
「異常なし」は「問題なし」ではありません
ここで多くの方が、
- 「気のせいだったのか」
- 「大げさに騒いでしまった」
- 「精神的なものだから、我慢するしかない」
と考えてしまいます。
しかし、パニック症は治療の対象となる疾患です。
身体の検査で異常がないことは、治療が不要という意味ではありません。 むしろ、身体疾患が除外された今こそ、次の一歩に進むタイミングです。
6. 鑑別すべき身体の病気【比較表】
一方で、身体の病気を見落とさないことも重要です。
| 疾患 | 見分けるポイント |
|---|---|
| 甲状腺機能亢進症 | 動悸、発汗、体重減少、手の震え。血液検査で判明 |
| 不整脈 | 脈の乱れ。心電図・ホルター心電図で確認 |
| 狭心症・心疾患 | 労作時の胸痛。危険因子(高血圧、脂質異常、喫煙) |
| 低血糖 | 食事との関連、冷汗、意識の変化 |
| 貧血 | 動悸、息切れ、倦怠感 |
| 喘息 | 呼吸音の異常、夜間・早朝の悪化 |
| てんかん | 意識の変化、けいれん、常同的な症状 |
| 褐色細胞腫 | まれ。高血圧発作を伴う |
| カフェイン・薬剤 | エナジードリンク、一部の薬、市販薬 |
| アルコール離脱 | 飲酒歴 |
当院での対応
必要に応じて血液検査などを行い、身体疾患の除外を確認したうえで診断します。 すでに他院で検査を受けている場合は、その結果をお持ちください。
「精神的なもの」と決めつける前に、確認すべきことは確認する——これが基本方針です。
7. 【重要】子ども・思春期に特有の現れ方
大人と子どもでは、訴え方が異なります。
子どもは「不安」とは言いません
大人が「不安で息苦しい」と表現するところを、子どもは次のように訴えます。
- 「お腹が痛い」
- 「気持ち悪い」「吐きそう」
- 「頭が痛い」
- 「胸が苦しい」
- 「なんか変な感じがする」
- 「もう無理」
身体症状として表現されるため、内科や小児科を何度も受診しても原因が分からない——このパターンが非常に多くみられます。
発達段階による違い
| 年齢 | 特徴 |
|---|---|
| 小学生 | 身体症状の訴えが中心。「死ぬのでは」という恐怖は言語化されにくい。分離不安を伴うことも |
| 中学生 | 発作の自覚が出てくる。学校・電車・人前での発作が多い |
| 高校生以降 | 大人と同様の症状。受験、通学、アルバイトの場面で表面化 |
発症のきっかけになりやすい場面
- 教室、体育館、朝礼(動けない・抜けられない状況)
- 満員電車・バスでの通学
- テスト、発表
- 部活動
- 修学旅行、宿泊行事
「逃げられない」と感じる状況が、発作の引き金になります。
8. 不登校との関係
学校での発作は、不登校の直接的な引き金になります。
よくある経過
- 授業中や朝礼で、突然の発作
- 保健室に運ばれる、早退する
- **「また学校で発作が起きたらどうしよう」**という予期不安
- 「あんな姿を見られたくない」という羞恥心
- 登校をしぶるようになる
- 欠席が続く
ここで重要なこと
「学校が嫌で行かない」のではありません。 **「発作が怖くて行けない」**のです。
この違いを周囲が理解しているかどうかで、対応はまったく変わります。
治療で改善します
パニック症は、適切な治療によって改善が期待できる疾患です。
そして、発作への不安が減れば、登校できるようになるケースは少なくありません。
不登校の背景にパニック症があるなら、まずそこを治療することが最短の道です。
不登校全般については、当院ブログ「不登校——『甘え』でも『親のせい』でもありません」もあわせてご覧ください。
9. 原因——「気の持ちよう」ではありません
脳の警報システムの誤作動
パニック発作は、危険を察知する脳の部位(扁桃体など)が、危険がないのに強く反応してしまうことで起こると考えられています。
いわば、火災報知器が誤作動している状態です。
本人の性格が弱いからでも、気の持ちようでもありません。
関与する要因
- 遺伝的な素因(家族に不安症のある方がいることも)
- 神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリンなど)の働き
- 強いストレス、環境の変化
- 過労、睡眠不足
- カフェイン、アルコール
- 身体疾患や薬剤の影響
発達特性がある場合
ASD(自閉スペクトラム症)やADHDのある方は、不安症を併発しやすいことが知られています。
- 感覚過敏によって、環境そのものが負荷になっている
- 予測できない状況への強い不安
- 集団生活での慢性的な消耗
背景に発達特性がある場合、その理解と環境調整が、パニック症の治療にも直結します。
発達特性については、当院ブログ「『発達障害かもしれない』と思ったら」もご覧ください。
10. 【最重要】発作時の正しい対処法【比較表】
発作が起きたときにどうするか。これを知っているだけで、状況は変わります。
| 対処 | 具体的な方法 |
|---|---|
| ①「必ず終わる」と思い出す | 発作は10分程度でピークを迎え、必ず収まります。死にません |
| ② 呼吸を「ゆっくり長く吐く」 | 吸うことより、吐くことに集中。4秒吸って、6〜8秒かけて吐く |
| ③ 安全な場所に移動する | 座る、しゃがむ。無理に立っていない |
| ④ 楽な姿勢をとる | 締めつける衣類をゆるめる |
| ⑤ 意識を外に向ける | 見えるものを5つ数える、足の裏の感覚に注意を向ける |
| ⑥ その場から逃げ出さない(可能なら) | 逃げると回避が強化されます。 治療が進んだ段階での目標 |
呼吸は「吐く」が鍵です
発作時は、**息を吸いすぎている(過換気)**状態になっていることが多くあります。
「もっと吸わなければ」と焦ると、かえって悪化します。
吸うことより、ゆっくり長く吐くことに集中してください。
「逃げない」は、段階的に
とはいえ、発症初期にいきなり「逃げるな」と求めるのは現実的ではありません。
まずは発作をやり過ごせるようになり、治療が進んだ段階で、回避を減らしていくことを目標にします。
焦らず、順序を踏むことが大切です。
11. 【重要】紙袋を使う呼吸法は、現在は推奨されていません
これは、多くの方が誤解している点です。
映画やドラマの影響で、**「過呼吸には紙袋を口に当てる」**という方法が広く知られています。
しかし、現在この方法は推奨されていません
理由は明確です。
- 酸素が不足する危険があります
- 過換気だと思っていたものが、実は喘息や心疾患だった場合、致命的になり得ます
- 実際に、この方法による重篤な事故が報告されています
正しい対応
紙袋は使わず、ゆっくりとした呼吸を促してください。
- 息を吐くことに集中させる
- 「ゆっくり吐いて」と声をかける
- 一緒にゆっくり呼吸する
- 安心できる場所で座らせる
もし学校や職場で「過呼吸には紙袋」と教えられている場合、この情報を共有していただければと思います。
12. 周囲の人ができること
発作を目撃したとき、周囲の対応が経過を左右します。
◎ してほしいこと
- 落ち着いた態度で、そばにいる
- 「大丈夫、必ず収まるよ」と静かに伝える
- ゆっくり吐く呼吸を一緒にする
- 座れる場所へ誘導する
- 人だかりを作らない、静かな場所へ
- 収まった後、過度に大騒ぎしない
× 避けてほしいこと
- 慌てる、パニックになる(不安が伝染します)
- 「落ち着いて!」と強く言う
- 「大げさだ」「気のせいだ」と否定する
- 紙袋を口に当てる
- 「深呼吸して!」と強く促す(吸いすぎを助長します)
- 大勢で取り囲む
- 後から「またあんなことになったら困る」と責める
家族の方へ
過保護になりすぎないことも大切です。
心配のあまり、
- 常に付き添う
- 外出させない
- 苦手な場所をすべて避けさせる
——これらは回避を強化し、症状を維持させます。
治療の中で、どこまで守り、どこから背中を押すかを一緒に決めていきましょう。
13. 治療①:心理教育——これだけで軽くなる方がいます
パニック症の治療は、正しい知識を持つことから始まります。
共有すべき内容
- パニック発作は脳の警報システムの誤作動であること
- 発作で死ぬことはないこと
- 必ず10分程度でピークを迎え、収まること
- 身体の検査が正常なのは当然であること
- 回避が症状を維持していること
- 治療によって改善する疾患であること
なぜこれが効くのか
パニック症の苦しさの多くは、「この症状が何なのか分からない」「死ぬかもしれない」という恐怖から生まれています。
正体が分かり、命に関わらないと理解できるだけで、恐怖の総量が減ります。
そして恐怖が減れば、発作そのものが軽くなり、頻度も減っていきます。
「知ること」は、この疾患において実質的な治療効果を持ちます。
14. 治療②:認知行動療法・曝露療法
認知行動療法
発作時に浮かぶ考え(「死ぬかもしれない」)を、現実的な認識に置き換えていく方法です。
- 身体の変化を破局的に解釈する癖に気づく
- 「動悸=心臓発作」ではないと確認する
- 発作の記録をつけ、実際には何も起きていないことを確かめる
曝露療法(段階的な挑戦)
避けている場所や状況に、少しずつ慣れていく方法です。
- 不安の程度を点数化し、低いものから順に並べたリストを作る
- 「これならできそう」と思えるものから始める
- 成功体験を積みながら、段階的に進める
例: 駅まで行く → ホームに立つ → 一駅だけ乗る → 二駅乗る → 混雑時に乗る
本人が納得して選ぶことが必須です。 押しつけられた課題は続きません。
焦って一気に進めると、失敗体験になり後退します。 順序と速度が重要です。
15. 治療③:薬物療法【比較表】
| 分類 | 主な薬剤 | 位置づけ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SSRI | パロキセチン、セルトラリンなど | 第一選択。 継続することで発作の頻度・強度を減らす | 効果まで2〜4週間。開始初期に不安が一時的に増すことがあるため少量から |
| 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系) | — | 即効性があるが、短期間・限定的に使用 | 依存性・耐性。眠気、ふらつき。漫然と続けない |
| 漢方薬 | 半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯など | 補助的に | 体質に合わない場合は胃腸症状 |
SSRIについて知っておいていただきたいこと
① すぐには効きません
効果の実感まで2〜4週間かかります。「1週間飲んだが効かない」という理由での中止は、最も多い失敗です。
② 開始初期に不安が強まることがあります
飲み始めに、一時的に不安や落ち着かなさが増すことがあります。そのため少量から開始し、経過を丁寧に確認します。
特にお子さまでは、開始後2週間程度の様子の変化を注意して見ていただきます。
③ 中止は段階的に
改善しても、一定期間は継続します。中止は医師の管理のもとで段階的に減量します。急な中止は症状の再燃につながります。
16. 【重要】抗不安薬に頼りすぎない理由
抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)は、発作をすぐに抑えてくれる薬です。
そのため、多くの方が「お守り」として持ち歩きます。
それ自体は有効です
「持っている」という安心感が予期不安を減らし、結果として発作が起きにくくなる——これは実際にある効果です。
しかし、注意も必要です
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 依存・耐性 | 続けるうちに効きにくくなり、量が増えていく |
| 中止時の症状 | 急にやめると、かえって不安が強まる |
| 回避の強化 | 「薬がないと外出できない」状態になる |
| 根本的な改善にならない | 発作を抑えるだけで、脳の誤作動そのものは変わらない |
| 副作用 | 眠気、ふらつき、集中力低下、転倒(高齢者) |
当院の考え方
急性期には、抗不安薬の頓用が有効です。 これを否定するものではありません。
ただし、
- SSRIと認知行動療法を並行して進める
- 頓用の回数を記録し、徐々に減らしていく
- 「薬なしでも大丈夫だった」という経験を積む
——この流れを意識して治療を組み立てます。
目標は「薬で発作を抑え続けること」ではなく、「薬がなくても大丈夫な状態に戻ること」です。
17. 学校・職場との連携
学校にお願いしたい配慮
- 発作時に退室できることを、事前に取り決めておく
- 保健室など、落ち着ける場所を確保する
- 紙袋を使わない対応方法を共有する
- 「またか」という態度をとらない
- 朝礼・体育館など、苦手な場面での配慮
- 電車通学が困難な時期の対応(時差通学など)
- テスト時の別室受験
「いつでも抜けられる」という保証が効きます
逆説的ですが、「つらくなったら出ていい」と決まっているだけで、発作が起きにくくなります。
「逃げられない」という感覚こそが、発作の引き金だからです。
当院では、必要に応じて学校・職場向けの診断書・意見書を作成しています。
18. よくある心配事Q&A
Q. パニック発作で死ぬことはありますか?
A. ありません。 心臓が止まることも、呼吸が止まることもありません。発作は数分〜数十分で必ず収まります。この事実を知ることが、治療の第一歩です。
Q. 検査では異常なしと言われました。気のせいでしょうか?
A. 気のせいではありません。パニック発作は脳の警報システムの誤作動によるもので、心電図や血液検査には異常が出ないのが当然です。身体疾患が除外されたなら、次は治療に進む段階です。
Q. 過呼吸のとき、紙袋を使ったほうがよいですか?
A. 使わないでください。 現在は推奨されていません。酸素が不足する危険があり、また実は別の疾患だった場合に致命的になり得ます。ゆっくり息を吐くことを促してください。
Q. 子どもが「お腹が痛い」と言うだけで、不安とは言いません。
A. 子どもは不安を身体症状として表現します。 腹痛、吐き気、頭痛が中心になることが多く、内科を何度受診しても原因が分からないケースがよくあります。発作的に起こる、特定の場面で起こるという特徴があれば、ご相談ください。
Q. 薬を飲まないと治りませんか?
A. 軽症であれば、心理教育と認知行動療法だけで改善することがあります。「まず薬」ではありません。 症状の程度と生活への支障を見て判断します。
Q. 抗不安薬を持っているだけで安心します。それでもよいですか?
A. その効果は実際にあります。 ただし、長期的には依存や「薬がないと動けない」状態を招くことがあります。SSRIと段階的な挑戦を並行しながら、頓用を減らしていく方向で進めることをおすすめします。
Q. 一度治っても、再発しますか?
A. 再発することはあります。ただし、一度治療を経験していれば、対処法を知っている分、回復が早くなります。 ストレスが強い時期には、早めにご相談ください。
Q. 学校(職場)に伝えるべきでしょうか?
A. 伝えることをおすすめします。 特に「つらくなったら退室してよい」という取り決めがあるだけで、発作が起きにくくなります。伝え方や診断書についても、ご相談いただけます。
Q. カフェインやお酒は控えたほうがよいですか?
A. 控えることをおすすめします。 カフェインは動悸を誘発し、発作の引き金になります。エナジードリンクは特に注意が必要です。アルコールも、酔いが覚める時期に不安が強まることがあります。
19. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、パニック症の診断と治療に対応しています。お子さまから成人の方まで、幅広く診療しています。
当院での対応内容
- パニック発作・パニック症の診断
- 身体疾患の鑑別(甲状腺機能、貧血、不整脈などの確認)
- 広場恐怖・予期不安の評価
- 子どもの身体症状として現れるケースの見極め
- 併存する不安症・うつ状態・発達特性の評価
- 本人・ご家族への心理教育
- 認知行動療法的アプローチ、段階的な曝露の計画
- 発作時の具体的な対処法の指導
- SSRI等による薬物療法と用量調整
- 抗不安薬の適切な使用と、減量に向けた計画
- 漢方薬による治療
- 学校・職場提出用の診断書・意見書の作成
- 学校・スクールカウンセラーとの連携
- 不登校を伴うケースへの対応
- ご家族のみでのご相談
こんな方はぜひご相談ください
- 突然の動悸・息苦しさで、死ぬかと思う発作を経験した
- 救急を受診したが「異常なし」と言われた
- また発作が起きるのではと不安で、外出が減っている
- 電車やバスに乗れなくなった
- 子どもが学校で過呼吸を起こした
- 子どもが繰り返し「お腹が痛い」「気持ち悪い」と訴える
- 発作が怖くて学校・職場に行けない
- 抗不安薬が手放せなくなっている
- 発達特性があり、不安が強い
- 家族としてどう対応すればよいか分からない
「パニック発作を初めて経験された方は、ほぼ全員が『死ぬかと思った』とおっしゃいます。そして救急で『異常なし』と言われ、行き場を失ったような気持ちで来院されます。けれど、この疾患には明確な仕組みがあり、確立された治療法があります。まずお伝えしたいのは、その発作では死なないということ。そして必ず終わるということです。それを本当に理解できたとき、発作は驚くほど軽くなります。お子さまの場合は『お腹が痛い』としか言えないことも多く、周囲が気づきにくい疾患です。気になる様子があれば、どうぞご相談ください。」
当院ホームページはこちら ご予約はホームページまたは公式LINEより受け付けております。 【公式LINE 友だち追加はこちら】 【Instagramはこちら】
子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院
診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。
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午後 15:00〜18:00
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【休診日】 日・祝日
患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。