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子どものうつ——「悲しい」とは言いません。イライラや身体症状として現れます。サインの見分け方と治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
子どものうつ——「悲しい」とは言いません。イライラや身体症状として現れます。サインの見分け方と治療を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
「以前は明るかったのに、最近ずっと不機嫌でイライラしている」「好きだったゲームや部活に、まったく興味を示さなくなった」「頭痛や腹痛を繰り返し訴えるが、小児科では異常なしと言われた」「朝起きられず、学校を休みがちになっている」「『疲れた』『どうせ自分なんて』と口にするようになった」「思春期だから仕方ないと思ってきたが、様子がおかしい」——お子さまの変化に気づきながら、それが何なのか分からずにいる保護者の方は少なくありません。
子どものうつは、大人のうつとはまったく違う形で現れます。
大人のうつであれば、「気分が落ち込む」「悲しい」と本人が訴えます。
しかし子どもは、「悲しい」とは言いません。
代わりに現れるのは、イライラ、反抗的な態度、頭痛や腹痛といった身体症状です。
そのため、「反抗期」「なまけ」「思春期だから」と受け取られ、見過ごされてしまいます。 そして本人は、理解されないまま自分を責め続けることになります。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、子どものうつの見分け方、年齢による違い、鑑別すべき状態、そして治療まで、詳しく解説します。
目次
- 子どものうつとは——見えにくい病気です
- 【最重要】子どもは「悲しい」とは言いません
- 大人のうつとの違い【比較表】
- 年齢別の現れ方【比較表】
- 気づきたいサイン【比較表】
- なぜ見過ごされるのか——「反抗期」との違い
- どのくらいの子どもにみられるのか
- 原因——一つではありません
- 鑑別・併存を確認すべき状態【比較表】
- 【重要】「消えたい」と言われたら
- 受診の目安
- 診断の進め方
- 治療①:休養と環境調整——まず取り組むこと
- 治療②:心理療法
- 治療③:薬物療法について【比較表】
- ご家庭での関わり方【比較表】
- 学校との連携
- 保護者の方自身のケア
- よくある心配事Q&A
- 和光医院での診療について
1. 子どものうつとは——見えにくい病気です
うつ病は大人の病気だと思われがちですが、子どもにも起こります。
かつては「子どもはうつにならない」と考えられていた時代もありましたが、現在では、児童期・思春期にもうつ病が生じることが明確に認められています。
「気分の落ち込み」だけではありません
うつは、気分だけの問題ではありません。
- 意欲、興味、喜びの喪失
- 思考力、集中力の低下
- 睡眠、食欲の変化
- 身体の不調
- 自己評価の低下
これらが2週間以上続き、生活に支障が出ているとき、うつ状態として評価します。
2. 【最重要】子どもは「悲しい」とは言いません
この章が、この記事の核心です。
大人であれば、「気分が沈む」「何をしても楽しくない」と言葉で表現できます。
しかし子どもは、自分の内面を言語化することが困難です。
代わりに現れるもの
| 大人での現れ方 | 子どもでの現れ方 |
|---|---|
| 抑うつ気分、悲しさ | イライラ、易怒性、不機嫌 |
| 意欲の低下 | 「だるい」「めんどくさい」 |
| 気分の落ち込み | 頭痛、腹痛、吐き気 |
| 自責感 | 「どうせ自分なんて」 |
| 焦燥感 | 落ち着きのなさ、暴言 |
特に「イライラ」が重要です
診断基準においても、子どもの場合は「抑うつ気分」の代わりに「易怒的な気分(イライラ)」でよいとされています。
つまり、怒りっぽくなることが、うつの中核症状になり得るのです。
だから、誤解されます
- 「反抗期だ」
- 「わがままになった」
- 「態度が悪い」
- 「なまけている」
そして、叱られます。
本人は、自分でもなぜこんなに苦しいのか分からないまま、責められ続けることになります。
3. 大人のうつとの違い【比較表】
| 観点 | 大人のうつ | 子どものうつ |
|---|---|---|
| 中心となる気分 | 抑うつ気分、悲しさ | イライラ、易怒性 |
| 訴え方 | 言葉で表現できる | 身体症状として訴える |
| 表情 | 乏しくなる | 一見、普通に見えることも |
| 日内変動 | 朝が悪く、夕方に改善 | 明確でないことが多い |
| 食欲 | 低下することが多い | 増加することもある |
| 睡眠 | 早朝覚醒が特徴的 | 寝つけない、寝すぎる |
| 楽しめること | すべて楽しめない | 好きなことは楽しめる場合も |
| 気づかれ方 | 本人が自覚し受診 | 周囲が気づかないと受診に至らない |
「好きなことは楽しそうにしている」
これが、判断を難しくします。
「ゲームは楽しそうにやっているから、うつではないだろう」——そう考えてしまいがちです。
しかし子どものうつでは、特定の場面では反応が保たれることがあります。 一方で、学校、勉強、友人関係といった負荷のかかる場面では、まったく動けなくなります。
「楽しめることがある=うつではない」とは言えません。
4. 年齢別の現れ方【比較表】
| 年齢 | 特徴的な現れ方 |
|---|---|
| 幼児〜小学校低学年 | 腹痛・頭痛などの身体症状、分離不安の増強、退行(赤ちゃん返り)、かんしゃく、表情の乏しさ |
| 小学校高学年 | イライラ、身体症状、登校しぶり、集中力低下、「自分はダメだ」という発言 |
| 中学生 | 易怒性、暴言、成績低下、不登校、睡眠リズムの乱れ、過食または食欲低下 |
| 高校生以降 | 大人に近い症状(抑うつ気分、意欲低下、自責感)が出てくる。進路の悩みと重なる |
年齢が低いほど、身体症状が中心になります
小さいお子さまほど、「お腹が痛い」「頭が痛い」という形で現れます。
小児科を何度も受診し、検査で異常が見つからない——このパターンが典型的です。
5. 気づきたいサイン【比較表】
| 領域 | サイン |
|---|---|
| 気分・態度 | イライラが続く、怒りっぽい、笑わなくなった、表情が乏しい、涙もろい |
| 興味・意欲 | 好きだったことをしなくなった、友達と遊ばなくなった、部活をやめたがる |
| 身体 | 頭痛、腹痛、吐き気、倦怠感、めまい(検査で異常なし) |
| 睡眠 | 寝つけない、夜中に目が覚める、朝起きられない、逆に寝すぎる |
| 食事 | 食欲がない、または過食、体重の変化 |
| 学校 | 成績の低下、遅刻・欠席、忘れ物の増加、提出物が出せない |
| 思考 | 集中できない、決められない、些細なことで悩む |
| 自己評価 | 「どうせ自分なんて」「自分はダメだ」「迷惑をかけている」 |
| 行動 | 部屋にこもる、会話が減る、身なりに構わなくなる |
「変化」が手がかりです
大切なのは、絶対的な状態ではなく「その子にとっての変化」です。
- 以前と比べて、明らかに違う
- 2週間以上続いている
- 生活に支障が出ている
「もともと大人しい子だから」ではなく、「以前と比べてどうか」で見てください。
6. なぜ見過ごされるのか——「反抗期」との違い
最も多い誤解が、「反抗期だから」です。
| 観点 | 思春期の反抗期 | うつ状態 |
|---|---|---|
| 対象 | 主に親、特定の相手に反抗的 | 誰に対しても不機嫌 |
| 友人関係 | 保たれている | 疎遠になる、避ける |
| 楽しみ | 友達との時間は楽しんでいる | 興味・関心が全般に減る |
| 自己評価 | むしろ強気、自信がある | 「自分はダメだ」と繰り返す |
| 身体症状 | 通常なし | 頭痛・腹痛・倦怠感 |
| 睡眠・食欲 | 大きな変化なし | 明らかな変化 |
| エネルギー | ある(反発する力がある) | ない(動けない、寝てばかり) |
決め手は「楽しめているか」と「自己評価」
反抗期の子どもは、親には反抗しますが、友達とは楽しく過ごしています。 そして、自分に自信を持っています。
うつ状態の子どもは、全般的に楽しめず、自分を責めています。
「なまけ」との違い
「なまけている」と見える行動の背景に、エネルギーの枯渇があります。
- 起きられない
- 宿題ができない
- 支度に時間がかかる
- 何度言っても動かない
これらは意志の問題ではなく、症状です。
7. どのくらいの子どもにみられるのか
- 児童期(小学生):1〜2%程度
- 思春期:数%〜1割程度
年齢が上がるにつれて増加し、思春期以降は女子に多くなる傾向があります。
決して珍しくありません
「子どもがうつになるなんて」と思われるかもしれませんが、実際には一定の割合で存在します。
そして、大人のうつ病の多くが、思春期に始まっていることも知られています。
早期に気づき、適切に対応することの意義は、非常に大きいのです。
8. 原因——一つではありません
生物学的な要因
- 脳内の神経伝達物質の働き
- 遺伝的な素因(家族歴があることも)
- ホルモンの変化(思春期)
環境的な要因
- いじめ、対人関係のトラブル
- 学業のプレッシャー、成績の低下
- 部活動での挫折
- 家庭内の変化(転居、離婚、死別、経済的困難)
- 保護者の不調
- 過度な期待や叱責
発達特性が背景にあることも
ASD・ADHDのあるお子さまは、うつ状態を併発しやすいことが知られています。
- 集団生活での慢性的な消耗
- 繰り返される叱責による自己肯定感の低下
- 対人関係の困難
- 感覚過敏による負荷
「発達特性への支援が不十分だったために、二次的にうつ状態に至る」——これは、児童精神科で非常によく経験する経過です。
育て方が原因ではありません
保護者の方が最も自分を責める点ですが、うつは育て方だけで生じるものではありません。
複数の要因が重なって生じるものであり、ご自身を責める必要はありません。
9. 鑑別・併存を確認すべき状態【比較表】
「うつ状態」に見えるものが、別の原因によることがあります。
| 状態 | 見分けるポイント |
|---|---|
| 起立性調節障害 | 朝起きられないが、夕方は元気。立ちくらみ |
| 睡眠障害・睡眠相後退 | 眠れないことが中心。休日に寝れば回復する |
| 睡眠時無呼吸症候群 | いびき、日中の眠気 |
| 甲状腺機能低下症 | 倦怠感、体重増加、寒がり。血液検査で判明 |
| 貧血(鉄欠乏) | 倦怠感、集中力低下、めまい |
| ASD・ADHD | 幼少期からの特性。併存も多い |
| 不安症・社交不安症 | 不安が中心。回避行動 |
| 強迫症 | 儀式的行為に時間を取られている |
| 適応障害 | 明確なストレス要因があり、それが除かれると改善 |
| 双極性障害 | 気分が高揚する時期がある。家族歴 |
| 薬剤性 | 服用中の薬の影響 |
身体の評価を飛ばしません
当院では、うつ状態のご相談に対して、身体面の確認も行います。
貧血や甲状腺機能の異常は、血液検査で分かり、治療できます。 これを見逃したまま「心の問題」として扱うことは避けなければなりません。
起立性調節障害・睡眠については、当院ブログの「子どもの起立性調節障害(OD)」「子どもが寝つけない・夜中に何度も起きる」もご覧ください。
10. 【重要】「消えたい」と言われたら
保護者の方が最も動揺し、そして最も対応に迷う場面です。
まず、否定しないでください
- 「そんなこと言わないで」
- 「馬鹿なこと言うんじゃない」
- 「みんな頑張っているんだから」
これらの言葉は、本人が心を閉ざすきっかけになります。
「もう二度と話さない」と決めてしまうと、その後の危険を察知できなくなります。
伝えていただきたいこと
- 「そんなふうに感じるくらい、つらいんだね」——まず、その苦しさを受け止める
- 「話してくれてありがとう」——言葉にできたこと自体を認める
- 「一緒に何とかしよう」——一人ではないと伝える
そして、専門機関へ
「消えたい」「いなくなりたい」「死にたい」といった言葉が出た場合、それは重要なサインです。
軽く受け流さず、早めに専門機関にご相談ください。
- 当院のような児童精神科・精神科
- 学校のスクールカウンセラー
- 地域の相談窓口
「大げさかもしれない」と思われるかもしれませんが、その判断は専門家に委ねてください。
緊急性が高いと感じたら
具体的な計画を口にしている、行動に移そうとしている——そうした場合は、ためらわず、すぐに医療機関や相談窓口に連絡してください。
夜間・休日であっても、相談できる窓口があります。一人で抱え込まないことが、最も重要です。
11. 受診の目安
以下に当てはまる場合、ご相談ください。
- 2週間以上、イライラや不機嫌が続いている
- 好きだったことに興味を示さなくなった
- 頭痛・腹痛が続くが、検査では異常がない
- 朝起きられず、学校を休みがちになっている
- 「どうせ自分なんて」と繰り返す
- 成績が急に下がった
- 食事・睡眠のパターンが明らかに変わった
- 友達と関わらなくなった
- 「消えたい」と口にした
- 保護者から見て「明らかに以前と違う」
迷ったら、早めに
「大げさかもしれない」——多くの保護者の方がそうおっしゃいます。
しかし、早い段階で相談されたケースのほうが、回復も早くなります。
「何もなければ、それでよかった」で構いません。
12. 診断の進め方
① 問診
現在の様子、いつからか、きっかけと思われること、家庭・学校での状況、生育歴、家族歴を伺います。
保護者の方から見た変化と、本人の言葉の両方を大切にします。
② 本人との対話
年齢に応じた方法で、本人の状態を確認します。無理に話させることはありません。
③ 身体面の評価
血液検査(貧血、甲状腺機能など)、必要に応じて起立性調節障害の評価を行います。
④ 発達特性・併存状態の評価
背景にASD・ADHDなどがないか、不安症や強迫症を併発していないかを確認します。
⑤ 総合的な判断
一度の診察で決めることはありません。 経過を見ながら、丁寧に評価していきます。
13. 治療①:休養と環境調整——まず取り組むこと
子どものうつの治療は、休養と環境調整が土台です。
休養を保証する
エネルギーが枯渇している状態では、何を求めても動けません。
- 「休んでいい」と明確に伝える
- 学校を休むことを認める
- 宿題や課題の免除を学校に依頼する
- 罪悪感を持たせない
「休んでいいけど、勉強はしなさい」は休養になりません。
ストレス要因を取り除く
- いじめがあれば、学校と連携して対応する
- 過度な期待やプレッシャーを見直す
- 習い事や部活の負担を減らす
- 家庭内の緊張を下げる
生活リズムを整える
ただし、いきなり厳しく求めないでください。
まずは起床時刻を一定にすることから。朝の光を浴びることが、回復を助けます。
発達特性が背景にある場合
その特性に応じた環境調整が、そのままうつの治療になります。
- 感覚刺激の軽減
- 見通しの提示
- 学習面の配慮
14. 治療②:心理療法
心理教育
本人・ご家族が、**「これは病気であり、意志の問題ではない」**と理解することから始まります。
この理解だけで、本人の自責が軽くなり、家族の対応が変わります。
認知行動療法的アプローチ
- 「どうせ自分なんて」という考え方の癖に気づく
- 小さな達成体験を積み重ねる
- 行動を少しずつ増やしていく(行動活性化)
年齢と状態に応じて、無理のない範囲で行います。
家族への支援
子どもの治療において、家族への支援は治療そのものの一部です。
関わり方、声のかけ方、どこまで求めてよいか——具体的に一緒に考えていきます。
15. 治療③:薬物療法について【比較表】
子どものうつに対する薬物療法は、慎重に判断します。
| 段階 | 考え方 |
|---|---|
| 第一に | 休養・環境調整・心理療法 |
| 軽症 | 薬を使わずに経過を見ることが多い |
| 中等症以上、または改善が乏しい場合 | 薬物療法を検討 |
知っておいていただきたいこと
① 日本では、小児のうつ病に保険適用のある抗うつ薬はありません
そのため、使用する場合は慎重な判断のもとでの投与となります。必要性を十分に検討し、ご家族に説明したうえで判断します。
② 開始初期の注意深い観察が必要です
抗うつ薬の開始初期には、一時的に不安・焦燥・落ち着かなさが強まることがあります。
また、24歳以下では、開始初期に自殺に関連する言動が増加する可能性が指摘されています。
そのため、少量から開始し、開始後は特に注意深く経過を確認します。 ご家族にも、様子の変化を見ていただくようお願いしています。
この情報は、薬を避けるためではなく、安全に使うために共有しています。
③ 効果が出るまでに時間がかかります
2〜4週間程度かかります。すぐに効かないからといって、自己判断で中止しないでください。
④ 中止も段階的に
改善しても一定期間継続し、医師の管理のもとで段階的に減量します。
併存する状態への治療
不安症、強迫症、ADHDなどを併存している場合、そちらへの治療が有効なことがあります。
「うつだから抗うつ薬」と単純に決めることはありません。
16. ご家庭での関わり方【比較表】
| 避けたい対応 | なぜ問題か | 代わりにできること |
|---|---|---|
| 「頑張れ」と励ます | すでに限界まで頑張っています | 「休んでいいよ」と伝える |
| 「なまけている」と叱る | 自責を強め、話さなくなる | 症状であると理解する |
| 理由を問い詰める | 本人にも分からないことが多い | 分からなくても支援を始める |
| 「みんなも大変」と比較する | 自分の苦しさが否定される | その子の苦しさを認める |
| 将来の不安をぶつける | 追い詰めるだけ | 保護者は別の場で扱う |
| 「消えたい」を否定する | 心を閉ざす | 受け止め、専門機関へ |
| 過度に気を遣い、腫れ物扱い | 孤立感を強める | 普段どおりの関わりも大切に |
「何もしない時間」を認めてください
回復期には、何もせずぼんやりしている時間が必要です。
それは怠けではなく、エネルギーを回復させている時間です。
小さな変化を見つけて伝える
「今日は少し早く起きられたね」「ご飯を食べられたね」——小さな回復を言葉にすることが、本人の支えになります。
ただし、大げさに褒めすぎるとプレッシャーになります。 さりげなく、が大切です。
17. 学校との連携
お願いしたい配慮
- 欠席・遅刻を責めない
- 課題・宿題の量を調整する
- 保健室や別室の利用を認める
- 成績評価についての配慮
- 部活動の休止・軽減
- 本人が話したくないことを無理に聞かない
- いじめがある場合、確実に対応する
診断書の役割
医師の診断書があることで、学校も配慮の根拠を持つことができます。
「怠けている」という誤解を解くうえでも有効です。
当院では、必要に応じて学校提出用の診断書・意見書を作成しています。
不登校を伴う場合については、当院ブログ「不登校——『甘え』でも『親のせい』でもありません」もご覧ください。
18. 保護者の方自身のケア
この章を、あえて設けます。
お子さまがうつ状態にあるとき、ご家族は次のような負担を抱えます。
- 「自分の育て方が悪かったのでは」という自責
- 将来への強い不安
- 「消えたい」と言われたときの恐怖
- 周囲や親族からの心ない言葉
- 仕事との両立
- 夫婦間での方針の違い
- 相談できる相手がいない孤立
支える人が倒れてしまえば、支援は続きません
- ご自身の休息を確保する
- 夫婦で方針を共有する
- 必要なら、保護者自身が相談する
当院では、お子さまの診察と並行して、保護者の方のお気持ちについても伺っています。
ご家族だけでのご相談も承っています。
19. よくある心配事Q&A
Q. ただの反抗期ではないでしょうか?
A. 見分けるポイントは、**「友達とは楽しく過ごせているか」と「自己評価」**です。反抗期の子どもは親に反抗しますが、友人とは楽しみ、自分に自信を持っています。全般的に楽しめず、「自分はダメだ」と繰り返す場合は、うつ状態を考えます。
Q. 好きなゲームは楽しそうにしています。うつではないのでは?
A. 子どものうつでは、特定の場面では反応が保たれることがあります。 一方で、学校や勉強など負荷のかかる場面ではまったく動けなくなります。「楽しめることがある=うつではない」とは言えません。
Q. 私の育て方が悪かったのでしょうか?
A. うつは、生物学的な要因、環境、発達特性など複数が重なって生じます。育て方だけで生じるものではありません。 ご自身を責めないでください。
Q. 「消えたい」と言われました。どうすればよいですか?
A. 否定せず、まず受け止めてください。 「そんなふうに感じるくらいつらいんだね」「話してくれてありがとう」と伝えたうえで、早めに専門機関にご相談ください。 判断は専門家に委ねていただいて構いません。
Q. 学校は休ませたほうがよいですか?
A. エネルギーが枯渇している時期は、休養が必要です。 「休んでいい」と明確に伝えることが、回復の出発点になります。ただし、昼夜逆転が固定しないよう、起床時刻だけは整えることをおすすめします。
Q. 薬を飲ませたくありません。
A. 薬から始めることはありません。 まず休養と環境調整、心理療法を行います。薬は、それでも改善が乏しく、生活への支障が大きい場合の選択肢です。使わない選択も尊重されます。
Q. 本人が受診を嫌がります。
A. ご家族だけでのご相談が可能です。 また、「病院」ではなく「体のつらさを診てもらう」という枠組みにすると、来院しやすくなることがあります。頭痛や腹痛の相談として来られるお子さまも多くいらっしゃいます。
Q. どのくらいで良くなりますか?
A. お子さまによって異なりますが、適切な休養と支援によって、多くのお子さまが回復します。 一直線には進まず、波がありますが、長期的には改善に向かうことが一般的です。
Q. 再発しますか?
A. 再発することはあります。ただし、一度治療を経験していれば、早い段階で気づき対応できます。 ストレスが強まる時期には、早めにご相談ください。
20. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、お子さまのうつ状態のご相談に対応しています。
当院での対応内容
- うつ状態の評価と重症度の判断
- 身体疾患の確認(貧血、甲状腺機能などの血液検査)
- 起立性調節障害・睡眠障害との鑑別
- 発達特性(ASD・ADHD)の評価——二次的なうつ状態の背景として
- 不安症・強迫症など併存状態の評価
- 本人・ご家族への心理教育
- 認知行動療法的アプローチ
- 環境調整と休養に関する具体的な助言
- 必要な場合の薬物療法(慎重な適応判断と注意深い経過観察)
- 学校提出用の診断書・意見書の作成
- 学校・スクールカウンセラーとの連携
- 不登校を伴う場合の対応
- 保護者の方の心理的サポート
- ご家族のみでのご相談
- 必要に応じた入院可能施設等へのご紹介
こんな方はぜひご相談ください
- 以前と比べて、明らかに様子が違う
- イライラや不機嫌が2週間以上続いている
- 好きだったことをしなくなった
- 頭痛・腹痛が続くが、検査では異常なし
- 朝起きられず、学校を休みがちになっている
- 「どうせ自分なんて」と繰り返す
- 成績が急に下がった
- 友達と関わらなくなった
- 発達特性があり、二次的な落ち込みが心配
- 「消えたい」と口にした
- 本人が受診を拒否しており、家族だけで相談したい
- 保護者自身が疲れ果てている
「子どものうつは、悲しそうな顔をしていません。イライラして、反抗的で、『だるい』としか言わない。だから多くのご家庭で、叱責が積み重なってから来院されます。そして本人は、自分でもなぜこんなに苦しいのか分からないまま、責められ続けてきています。まずお伝えしたいのは、これは意志の問題ではなく、症状だということです。休むことを許され、理解されるだけで、表情が変わるお子さまがいます。もし『消えたい』という言葉を聞かれたなら、その判断はどうか私たちに委ねてください。ご家族だけでも構いません。まずはご相談ください。」
当院ホームページはこちら ご予約はホームページまたは公式LINEより受け付けております。 【公式LINE 友だち追加はこちら】 【Instagramはこちら】
子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院
診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。
受診される方へ
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当院は予約制をとっておりますが、初診の場合は若干のお時間をいただくこととなり、お待ちいただくことがあります。スムーズにご案内する為に、WEB問診のご利用をおすすめいたします。
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【診療時間】
午前 9:00〜13:00
午後 15:00〜18:00
土曜 9:00〜14:00
【休診日】 日・祝日
患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。