名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 名古屋市千種区 児童精神科のカウンセリング・精神科・心療内科 和光医院

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2026.09.06ブログ

発達性協調運動症(DCD)——「ただの不器用」ではありません。縄跳び・箸・字が書けない背景と支援を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

発達性協調運動症(DCD)——「ただの不器用」ではありません。縄跳び・箸・字が書けない背景と支援を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説

「何年練習しても、縄跳びが跳べない」「自転車に乗れるようになるまで、周りの何倍もかかった」「箸がうまく使えず、こぼしてばかり」「靴紐が結べない」「字がマス目からはみ出し、何度書き直しても整わない」「体育の時間を極端に嫌がる」「ボールが顔に当たる」「よく転び、物にぶつかる」——こうした様子は、しばしば**「不器用な子」「運動が苦手な子」**として片づけられます。

しかし、これは発達特性のひとつかもしれません。

**発達性協調運動症(DCD)**は、知的な発達に遅れがないにもかかわらず、身体を協調して動かすことが著しく困難な状態です。

**学齢期の子どものおよそ5〜6%**にみられるとされ、35人学級であれば1〜2人という計算になります。

そして、この記事で最もお伝えしたいことがあります。

「練習すればできるようになる」——この前提が、当てはまりません。

人一倍練習しても、思うようにできない。 そして、「努力が足りない」と評価される。

さらに、もうひとつ重要な点があります。

「大人になれば治る」わけではありません。

適切な支援がないまま成人期を迎える方が、実際に多くいらっしゃいます。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、DCDの特徴、ADHDとの関係、そして具体的な支援方法まで、詳しく解説します。


目次

  1. 発達性協調運動症(DCD)とは
  2. 【最重要】「ただの不器用」ではありません
  3. 3つの領域での困りごと【比較表】
  4. 年齢別に気づきたいサイン【比較表】
  5. どのくらいの子どもにみられるのか
  6. 原因——脳の「運動プログラム」の問題です
  7. 【最重要】「練習すればできる」ではありません
  8. 併存しやすい状態【比較表】
  9. 【重要】ADHDとの関係
  10. 鑑別すべきこと【比較表】
  11. 【最重要】大人になっても続きます
  12. 二次的な問題——最も避けたいこと
  13. 診断・評価の進め方
  14. 支援①:課題を絞って、方略を教える
  15. 支援②:道具の工夫【比較表】
  16. 支援③:学校での配慮【比較表】
  17. 【重要】体育の授業をどうするか
  18. ご家庭での関わり方【比較表】
  19. よくある心配事Q&A
  20. 和光医院での診療について

1. 発達性協調運動症(DCD)とは

**DCD(Developmental Coordination Disorder)**は、現行の診断基準DSM-5-TRにおいて、神経発達症群のひとつに位置づけられています。

定義の要点

  • 協調運動技能の獲得と遂行が、年齢に比べて明らかに劣る
  • 日常生活や学業に、持続的に支障をきたしている
  • 発達の早期から認められる
  • 知的発達症や、他の神経疾患(脳性麻痺など)では説明できない

「協調運動」とは

複数の身体の部位を、同時に、順序よく動かすことです。

たとえば——

  • 縄跳び:手で縄を回しながら、タイミングを合わせて跳ぶ
  • :指を別々に動かしながら、力加減を調整する
  • 字を書く:紙を押さえながら、筆圧を調整し、形を整える
  • 自転車:バランスをとりながら、ペダルをこぎ、ハンドルを操作する

これらは、「複数の動きを同時にまとめる」作業です。

DCDでは、この「まとめる」ことが困難になります。


2. 【最重要】「ただの不器用」ではありません

この章が、この記事で最も重要な部分です。

日本での認知度が、まだ低い

ASD(自閉スペクトラム症)やADHDは広く知られるようになりました。

しかし、DCDは「発達障害のひとつ」として認識されていないことが多いのが実情です。

だから、こう言われます

  • 「不器用な子だね」
  • 「運動音痴だから」
  • 「練習が足りない」
  • 「もっと丁寧にやりなさい」
  • 「やる気がないだけ」

本人は、努力しています

DCDのお子さまの多くは、実際には人一倍練習しています。

縄跳びを何百回も練習し、字を何度も書き直し、それでも思うようにできない。

そして、その努力は誰にも見えません。

見えるのは「できていない結果」だけです。

「見えない障害」です

知的な遅れはありません。

話す内容は年齢相応、むしろ豊かなことも多くあります。

だからこそ、「できないのは努力不足」と結論づけられてしまいます。


3. 3つの領域での困りごと【比較表】

領域 内容 具体例
粗大運動 全身を使う動き 走る、跳ぶ、投げる、捕る、縄跳び、鉄棒、跳び箱、水泳、自転車、球技、バランス
微細運動 手先の細かい動き 箸、はさみ、ボタン、ファスナー、靴紐、折り紙、定規、コンパス、リコーダー、裁縫
書字 文字を書く動作 筆圧の調整、字形、マス目に収める、板書の速さ、消しゴムで消す

「日常生活動作」にも影響します

  • 着替えに時間がかかる
  • 食事でこぼす
  • 顔や身体を洗うのが苦手
  • よく転ぶ、物にぶつかる
  • 階段の上り下り
  • 姿勢が保てない、椅子からずり落ちる

「学校のあらゆる場面」に関わります

体育、図工、家庭科、書写、理科の実験、給食、掃除、着替え——

学校生活の多くの場面で、困難が生じます。

そして、そのたびに「できない自分」を突きつけられます。


4. 年齢別に気づきたいサイン【比較表】

時期 気づきたいサイン
乳幼児期 首すわり・歩行がやや遅い、転びやすい、階段を怖がる、スプーンが使えない、ボタンができない
就学前 三輪車・自転車が乗れない、はさみが使えない、折り紙が苦手、お絵かきを嫌がる、着替えに時間がかかる
小学校低学年 縄跳びが跳べない、鉄棒ができない、箸がうまく使えない、字が整わない、マス目からはみ出す
小学校中〜高学年 球技が極端に苦手、跳び箱・マット運動、リコーダーの穴が塞げない、板書が写せない、定規・コンパスが使えない
中学生以降 体育を避ける、実技教科の成績、自転車通学の不安、部活の選択に制限、「運動嫌い」として定着

「一つだけ苦手」ではありません

特定の種目だけが苦手なのではなく、複数の領域にわたって困難がある——これがDCDの特徴です。

「縄跳びだけできない」ではなく、「縄跳びも、箸も、字も」というパターンです。

「不器用」と言われ続けてきたか

保護者の方が、「そういえば昔から不器用だった」と振り返られることがよくあります。

幼児期からの経過を確認することが、評価において重要です。


5. どのくらいの子どもにみられるのか

  • 学齢期の子どもの、およそ5〜6%
  • 男児に多いとされています
  • 35人学級であれば、1〜2人

決して珍しくありません

ASDやADHDと同程度、あるいはそれ以上の頻度でみられます。

にもかかわらず、診断されている子どもは、ごく一部です。

「診断されない発達障害」

DCDは、最も見過ごされている発達特性のひとつと言えます。


6. 原因——脳の「運動プログラム」の問題です

筋力の問題ではありません

DCDのお子さまは、筋力が弱いわけではありません。

「動きの設計図」がうまく作れない

身体を動かすとき、脳は無意識のうちに、

  1. どの筋肉を
  2. どの順番で
  3. どのくらいの強さで

——動かすかという「プログラム」を作っています。

DCDでは、このプログラムを作り、実行し、修正することが困難と考えられています。

練習しても自動化されにくい

通常、運動は繰り返すうちに「考えなくてもできる」ようになります(自動化)。

DCDでは、この自動化が進みにくいのです。

そのため、

  • 毎回、意識して行わなければならない
  • 他のことと同時にできない(歩きながら話す、書きながら聞く)
  • 非常に疲れる

だから「疲れやすい」

同じ動作をするのに、他の子よりはるかに多くの労力を使っています。

「体育の後、ぐったりしている」——これは、その表れです。


7. 【最重要】「練習すればできる」ではありません

この誤解が、最も子どもを苦しめます。

量を増やしても、比例して伸びません

「毎日100回跳べば、できるようになる」

——DCDのお子さまには、この前提が当てはまりません。

そして、量を増やす指導には副作用があります

  • 運動そのものへの強い拒否感
  • 「自分はダメだ」という確信
  • 親子関係の悪化
  • 学習性無力感(どうせやっても無駄)

必要なのは「やり方」です

闇雲な反復ではなく、

  • 動きを分解して、順番に教える
  • 言葉で手順を言いながら行う
  • 一度に一つの課題に絞る
  • 道具を工夫する

——こうした方略を用いた練習が有効とされています。

「量」ではなく「方法」を変える。 これが、DCD支援の基本です。


8. 併存しやすい状態【比較表】

DCDは、単独で存在することのほうが少ないと言えます。

併存状態 関係
ADHD 約半数に併存するという報告があります。最も多い組み合わせ
限局性学習症(LD) 書字の困難が重なる
ASD 運動の不器用さは、ASDでもよくみられます
吃音・言語の困難 併存することがあります
不安症 二次的に生じやすい
抑うつ状態 失敗体験の蓄積から

ADHDとの併存が最も多くみられます

「落ち着きがなく、しかも不器用」——この組み合わせは非常によくあります。

書字の困難は、LDとの区別が必要です

「字が汚い、書けない」の背景には、

  • 書く動作そのものの困難(DCD)
  • 文字の形を覚えられない(LD)

——という2つの可能性があります。

両方が重なっていることもあります。

限局性学習症については、当院ブログ「限局性学習症(LD・ディスレクシア)」もご覧ください。


9. 【重要】ADHDとの関係

症状が重なって見えます

見え方 ADHDでは DCDでは
よく物を落とす 不注意 手先の操作の困難
転ぶ、ぶつかる 衝動的に動く 身体の制御の困難
書字が乱れる 急いで書く、注意が続かない 書く動作そのものの困難
作業が遅い 集中が続かない 動作に時間がかかる
体育が苦手 ルールを守れない 動きそのものが難しい

「どちらか」ではなく「両方」のことが多い

約半数で併存するとされており、それぞれに応じた支援が必要です。

ADHDの治療だけでは足りません

ADHDの治療で不注意が改善しても、協調運動の困難は残ります。

「薬を飲んでいるのに、字がきれいにならない」——これは、DCDが背景にある可能性を示します。

発達特性全般については、当院ブログ「『発達障害かもしれない』と思ったら」もご覧ください。


10. 鑑別すべきこと【比較表】

「不器用さ」の背景に、他の原因があることもあります。

確認すべきこと 内容
視力・視機能 見えていなければ、動きも整いません。 両眼の使い方の問題も
聴力 指示が聞き取れていない可能性
知的発達症 全般的な発達の遅れがある場合は、分けて考えます
神経疾患 脳性麻痺、筋疾患など。筋力低下や左右差があれば要注意
関節の柔らかさ 過度に柔らかい場合、姿勢の保持が困難になることがあります
ADHDの不注意 動作はできるが、注意が向いていない
経験の不足 機会がなかっただけの場合

医学的な評価を行います

当院では、まず「他の原因がないか」を確認します。

筋力の左右差、反射、姿勢——これらに異常があれば、小児神経科などへご紹介します。

「発達特性」と決めつける前に、確認すべきことを確認する——これが安全な進め方です。


11. 【最重要】大人になっても続きます

この点は、正確にお伝えする必要があります。

「そのうち治る」ではありません

かつては「成長すれば自然に改善する」と考えられていました。

しかし現在では、

相当の割合で、青年期・成人期以降も困難が持続する

——ということが分かっています。

成人期の困りごと

  • 車の運転
  • 書類の記入
  • 職場での実技的な作業
  • 料理、家事
  • スポーツや余暇活動からの疎外
  • 「不器用な人」という評価

だからこそ、早期の支援に意味があります

「治す」ことは難しくても、

  • 道具や環境の工夫を身につける
  • 自分の特性を理解する
  • 得意な分野を伸ばす
  • 二次的な自己否定を防ぐ

——これらは、早いほど効果があります。

「大人になれば大丈夫」と待つのではなく、今できることを始めることが大切です。


12. 二次的な問題——最も避けたいこと

DCDの支援において、運動能力の向上と同じか、それ以上に重要です。

起こりうること

  • 自己肯定感の著しい低下
  • 運動嫌い(そして運動不足、肥満)
  • 体育・図工・音楽への強い拒否
  • 「どうせできない」という学習性無力感
  • からかい、いじめの対象になる
  • 友人関係からの疎外(球技、遊び)
  • 不安症、抑うつ状態
  • 不登校

体育の時間が、毎週の苦痛になります

「できない自分」を、クラス全員の前で晒される時間——それが、体育の授業です。

週に何回も、それが訪れます。

運動嫌いは、生涯の健康に影響します

幼少期に「運動=つらいもの」と学習すると、生涯にわたって運動を避けるようになります。

その結果、肥満や生活習慣病のリスクが高まることも指摘されています。

だから、早期の理解が重要です

「あなたのせいではない」 「やり方を変えればできる」 「他に得意なことがある」

——これを伝えることが、支援の中心です。


13. 診断・評価の進め方

① 問診

現在の困りごと、生育歴(いつ歩いたか、自転車、箸など)、学校での様子を伺います。

「昔から不器用だった」というエピソードが、重要な情報になります。

② 情報の収集

あると評価の精度が上がるもの

  • 母子健康手帳(発達の記録)
  • ノート、作品、テストの答案(書字が分かるもの)
  • 通知表(体育・図工・書写の評価
  • 動画(縄跳び、字を書く様子など。無理のない範囲で)

③ 知能検査

知的発達に遅れがないことを確認します。

あわせて、能力のバランス(凸凹)を評価します。

④ 協調運動に関する評価

質問紙や、実際の動作の観察によって評価します。

⑤ 他の要因の確認

視力、聴力、筋力、神経学的な所見を確認し、必要に応じて他科へご紹介します。

⑥ 併存する特性の評価

ADHD、ASD、LDの評価をあわせて行います。


14. 支援①:課題を絞って、方略を教える

DCDの支援において、有効性が示されているアプローチです。

「全体的な運動能力を上げる」ではありません

闇雲に体力トレーニングをしても、目的の動作ができるようにはなりにくいとされています。

「その課題」を、直接練習します

本人が「できるようになりたい」と思う具体的な課題を選びます。

  • 自転車に乗る
  • 縄跳びを跳ぶ
  • 靴紐を結ぶ
  • 字をマス目に収める

方略(やり方)を言葉にします

動作を分解し、手順を言葉で確認しながら行います。

例:縄跳び

  1. 縄を後ろに置く
  2. 「回す」と言いながら、手首を回す
  3. 縄が足元に来たら
  4. 「跳ぶ」と言いながら、両足で跳ぶ

「考えながら」やることで、身につきやすくなります。

一度に一つだけ

複数の課題を同時に練習しません。

一つできるようになってから、次へ進みます。

作業療法(OT)

専門的な支援として、作業療法が有効な場合があります。

当院では、必要に応じて実施可能な機関へのご紹介を行います。


15. 支援②:道具の工夫【比較表】

「できるようにする」だけでなく、「できる道具を使う」ことも重要な支援です。

困りごと 工夫の例
箸が使えない 補助箸、握りやすいスプーン・フォーク、滑り止めマット、縁のある食器
ボタン・ファスナー 大きめのボタン、マジックテープ、かぶりタイプの服
靴紐が結べない マジックテープの靴、ゴム紐(結ばなくてよい紐)
鉛筆が持てない 太い鉛筆、三角鉛筆、鉛筆グリップ
マス目に収まらない 大きめのマス、罫線の工夫
紙がずれる 滑り止めシート、クリップボード
定規がずれる 滑り止め付き定規、押さえやすい形状
板書が写せない タブレットで撮影、プリント配布
書字全般 タイピング、音声入力
リコーダー 穴を塞ぎやすい補助シール

「道具に頼るのは甘え」ではありません

眼鏡をかけることが甘えではないのと同じです。

大切なのは、

  • その活動に参加できること
  • 本来の能力を発揮できること
  • 「できた」という経験を積めること

手先の器用さが、その子の将来を決めるわけではありません。


16. 支援③:学校での配慮【比較表】

場面 配慮の例
体育 できない種目の代替、部分参加、個人での取り組み、記録の伸びで評価
書字 時間延長、板書の撮影、プリント配布、タブレット使用、マス目の拡大
図工・家庭科 補助具の使用、支援員の配置、作業手順の視覚化
給食 補助具の使用、こぼしても責めない、時間の確保
着替え 時間の確保、急かさない
テスト 時間延長、解答欄の拡大
移動・掃除 安全への配慮
評価 他者との比較ではなく、本人の伸びで評価

「みんなと同じ」を求めないこと

同じ方法で、同じ速さで、同じ出来を求めることが、この子たちを追い詰めます。

診断書・意見書

医師の意見書があることで、学校が配慮の根拠を持てます。

当院では、具体的な配慮内容を記載した書類を作成しています。


17. 【重要】体育の授業をどうするか

保護者の方から、最もご相談の多い点です。

「見学」を続けることの問題

確かに、つらい時間を避けられます。

しかし、

  • 「自分は参加できない人」という認識が強まる
  • 運動の機会がさらに減る
  • クラスから疎外される

——という問題があります。

「参加できる形」を探します

工夫 内容
部分参加 できる部分だけ参加する
役割の工夫 審判、記録、準備係
課題の調整 ボールを大きく・柔らかく、距離を短く、ハードルを低く
個人種目を選ぶ 球技より、走る・泳ぐ・鉄棒など、他者と競わない種目
評価の変更 他者との比較ではなく、前回の自分と比べる
事前練習 授業の前に、個別に練習しておく

「できない場面を、人前で晒さない」

これが、最も重要な配慮です。

順番に一人ずつ跳ぶ、全員が見ている前で発表する——こうした場面が、最もつらいのです。

同時に行う、少人数で行う、といった工夫が有効です。

本人の意向を最優先に

「参加させるべき」と一律に決めることも、適切ではありません。

本人がどうしたいのか、どこまでなら耐えられるのか——必ず確認してください。


18. ご家庭での関わり方【比較表】

避けたい対応 なぜ問題か 代わりにできること
「もっと練習しなさい」 量では改善しません やり方を分解して教える
「集中していないから」 事実と異なります 特性であると理解する
できない場面を人前で話す 自尊心を傷つけます 本人の同意なく話さない
きょうだいと比べる 自己否定を強めます その子の中での変化を見る
急かす 焦るとさらにできなくなります 時間に余裕を持つ
代わりに全部やってあげる できる機会を奪います 一部は本人に任せる
苦手なことばかり練習させる 生活が「苦行」になります 得意なことの時間を確保

時間の余裕をつくってください

朝の着替え、食事、支度——

急かされると、余計にできなくなります。

「10分早く起きる」だけで、朝の衝突が減ることがあります。

得意なことを守ってください

DCDのお子さまにも、必ず得意な領域があります。

話すこと、考えること、記憶すること、絵の発想、生き物、機械、パソコン——

そこを伸ばす時間を、苦手の練習で潰さないでください。

「自分にはこれがある」という感覚が、二次的な問題を防ぎます。


19. よくある心配事Q&A

Q. ただの不器用ではないのですか?

A. 複数の領域(運動、手先、書字)にわたって困難があり、日常生活や学業に支障が出ている場合、発達性協調運動症の可能性があります。 学齢期の5〜6%にみられる、決して珍しくない特性です。

Q. 練習すれば、できるようになりますか?

A. 量を増やすだけでは、思うようには伸びません。 動きを分解し、手順を言葉にしながら、一つの課題に絞って取り組む——このやり方の工夫が有効とされています。

Q. 大人になれば治りますか?

A. 相当の割合で、成人期以降も困難が続くことが分かっています。 「そのうち治る」と待つのではなく、道具の工夫や特性の理解を、早いうちから身につけることが大切です。

Q. 体育を見学させたほうがよいですか?

A. 見学が続くと、「自分は参加できない人」という認識が強まります。 できる部分だけ参加する、役割を持つ、課題を調整する——「参加できる形」を探すことをおすすめします。 ただし、本人の意向を最優先にしてください。

Q. ADHDと診断されていますが、不器用さも気になります。

A. 約半数で併存するとされています。 ADHDの治療で不注意が改善しても、協調運動の困難は残ります。「薬を飲んでいるのに字がきれいにならない」場合、DCDが背景にある可能性があります。

Q. 補助具を使わせるのは、甘やかしですか?

A. 甘やかしではありません。 眼鏡と同じで、活動に参加し、力を発揮するための道具です。大切なのは、手先の器用さではなく、「できた」という経験を積むことです。

Q. 何歳から相談できますか?

A. 年齢制限はありません。 就学前でも、「三輪車に乗れない」「はさみが使えない」といったご相談は可能です。早いほど、環境調整の効果が得られやすくなります。

Q. 診断がつくと、将来に不利になりませんか?

A. 医療機関の診断が、自動的に学校や就職先に伝わることはありません。 一方で、診断があることで学校の配慮を受けられます。 使うかどうかは選べます。

Q. 運動を嫌がるので、無理にさせないほうがよいですか?

A. 無理強いは逆効果です。 ただし、運動をまったくやめてしまうと、運動不足や肥満につながります。競争を伴わない、本人が楽しめる運動(散歩、水泳、トランポリン、ダンスなど)を探すことをおすすめします。


20. 和光医院での診療について

名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、発達性協調運動症(DCD)のご相談に対応しています。

当院での対応内容

  • 協調運動の困難に関する詳細な問診と生育歴の聴取
  • 知能検査による、知的発達と能力バランスの評価
  • 協調運動に関する評価
  • 視力・聴力・神経学的な所見の確認、必要に応じた他科へのご紹介
  • ADHD・ASD・限局性学習症など、併存する特性の評価
  • 不安症・抑うつ状態など二次障害の評価と治療
  • 具体的な支援方法のご提案(課題の絞り込み、方略の指導)
  • 道具・環境の工夫に関する助言
  • 学校提出用の診断書・意見書の作成(体育・書字の配慮を含む)
  • 学校・特別支援教育コーディネーターとの連携
  • 作業療法などが受けられる機関に関する情報提供
  • 本人への伝え方に関するご相談
  • 保護者の方の心理的サポート

こんな方はぜひご相談ください

  • 何年練習しても、縄跳びが跳べない
  • 自転車に乗れるまで、非常に時間がかかった
  • 箸がうまく使えず、こぼしてばかり
  • 靴紐が結べない、ボタンが留められない
  • 字がマス目からはみ出し、何度書いても整わない
  • 板書が写せない
  • 体育の時間を極端に嫌がる
  • よく転ぶ、物にぶつかる
  • 着替えや支度に、とても時間がかかる
  • 「不器用」「練習不足」と言われ続けてきた
  • ADHDの治療をしているが、不器用さは変わらない
  • 「どうせできない」と言うようになった

「DCDは、日本ではまだあまり知られていない発達特性です。ASDやADHDは広く認識されるようになりましたが、『不器用』は今も性格や努力の問題として扱われがちです。けれど、この子たちは人一倍練習しています。縄跳びを何百回も跳び、字を何度も書き直し、それでもできない。そして『努力が足りない』と言われる。学力の遅れよりも早く、自尊心が削られていきます。私たちがまずお伝えしたいのは、『あなたのせいではない』ということ。そして、やり方を変えれば、道具を工夫すれば、できることは増えるということです。『不器用な子』で終わらせないために、一度ご相談ください。」


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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院

診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科

発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。

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  • 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
  • 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
  • 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。