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反抗挑戦症(ODD)——「反抗期」では説明できない激しさ。親子の悪循環を断つ方法を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
反抗挑戦症(ODD)——「反抗期」では説明できない激しさ。親子の悪循環を断つ方法を名古屋市千種区の児童精神科・和光医院が詳しく解説
「些細なことで、火がついたように怒り出す」「何を言っても、まず反発が返ってくる」「わざと親を怒らせるようなことをする」「自分が悪くても、絶対に認めない」「毎日、朝から晩まで衝突している」「怒鳴りたくないのに、気づけば怒鳴っている」「私の育て方が間違っていたのだろうか」——お子さまとの日々が、消耗戦になっているご家庭は少なくありません。
そして、周囲からはこう言われます。
「反抗期でしょう」「うちもそうだった」「厳しくしすぎたのでは」「甘やかしたのでは」
しかし、通常の反抗期では説明できない激しさがあります。
**反抗挑戦症(ODD)**は、怒りっぽさ、大人への反抗、執念深さが、年齢の水準を超えて持続し、生活に支障をきたしている状態です。
そして、この記事で最もお伝えしたいことがあります。
これは、親子どちらかが「悪い」から起きているのではありません。
「悪循環という構造」が、両者を巻き込んでいるのです。
そして、その構造は断つことができます。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が、反抗挑戦症の特徴、背景にあるもの、そして具体的な関わり方まで、詳しく解説します。
目次
- 反抗挑戦症(ODD)とは
- 主な症状——3つの領域【比較表】
- 「どのくらいなら普通か」の目安
- 【重要】通常の反抗期との違い【比較表】
- どのくらいの子どもにみられるのか
- 【最重要】親子の悪循環——何が起きているのか
- なぜ、この循環が強化されるのか
- 【重要】「親の育て方が原因」ではありません
- 背景にあることが多い状態【比較表】
- 【重要】ADHDとの関係
- 学習の困難が背景にあることも
- 見落としてはいけない他の可能性【比較表】
- 放置するとどうなるか
- 治療の中心はペアレント・トレーニングです
- 【最重要】まず「褒める」を増やします
- 【重要】指示の出し方を変える
- 「してはいけないこと」への対応
- 薬物療法について
- 学校との連携
- 保護者の方自身のケア
- よくある心配事Q&A
- 和光医院での診療について
1. 反抗挑戦症(ODD)とは
**反抗挑戦症(反抗挑発症)**は、神経発達症や行動の問題を扱う枠組みの中で位置づけられている状態です。
中核となるもの
- 怒りっぽく、いらいらしやすい気分
- 大人に対する、口論的・挑発的な行動
- 執念深さ、意地悪さ
診断において重視される点
- 6か月以上続いている
- 同年代の子どもと比べて、明らかに頻度と程度が強い
- 家庭、学校など、生活に支障が出ている
- きょうだい以外の相手(親、教師など)との関係でみられる
「性格が悪い」ではありません
この状態にあるお子さまは、好きで怒っているわけではありません。
多くの場合、本人も苦しんでいます。
- 感情のコントロールが難しい
- 後で「言い過ぎた」と思っている
- でも、次も同じことになる
- 自分でもどうしていいか分からない
2. 主な症状——3つの領域【比較表】
| 領域 | 具体的な様子 |
|---|---|
| 怒りっぽさ・いらいら | しばしばかんしゃくを起こす、神経過敏でいらいらしやすい、しばしば怒り、腹を立てる |
| 反抗・挑発的な行動 | 大人と口論する、要求や規則に従うことを拒否する、わざと人をいらだたせる、自分の失敗を人のせいにする |
| 執念深さ | 意地悪で、根に持つ(過去半年に複数回) |
「わざと怒らせる」ように見える行動
保護者の方が最もつらいと感じる部分です。
- 言われた直後に、あえて逆をする
- 反応を見ながら、挑発する
- こちらが怒るまでやめない
「試されている」と感じる——多くの方がそうおっしゃいます。
「自分は悪くない」と言い張る
明らかに本人の非があっても、認めません。
「〇〇がやったから」「先に△△が言ったから」
この点が、周囲の怒りをさらに引き出します。
3. 「どのくらいなら普通か」の目安
子どもは、誰でも反抗します。だからこそ、線引きが難しいのです。
頻度の目安
| 年齢 | 目安 |
|---|---|
| 5歳未満 | ほとんど毎日みられる |
| 5歳以上 | 週1回以上 |
この頻度が、6か月以上続いている場合、評価の対象になります。
ただし、頻度だけでは決まりません
判断の軸は、
- 同年代と比べて、明らかに強いか
- 生活に支障が出ているか
- 本人や家族が苦しんでいるか
「困っている」——これが最も重要な基準です。
4. 【重要】通常の反抗期との違い【比較表】
| 観点 | 通常の反抗期 | 反抗挑戦症 |
|---|---|---|
| 時期 | 2〜3歳、思春期に一時的 | 長期間(6か月以上)持続 |
| 対象 | 主に親に反抗 | 教師など、大人全般 |
| 場面 | 家庭が中心 | 家庭も学校も |
| 激しさ | 口答え、不機嫌 | 激しいかんしゃく、暴言 |
| 切り替え | しばらくすると戻る | 長く引きずる、根に持つ |
| 本人の状態 | 比較的落ち着いている | 常にいらいらしている |
| 友人関係 | 保たれている | トラブルが多い |
| 家族の状態 | 疲れるが、対処できる | 消耗し、家庭が機能しにくい |
決め手は「学校でも起きているか」
思春期の反抗期は、多くの場合、家庭に限定されます。
学校では普通に過ごし、先生の指示にも従います。
一方、反抗挑戦症では、教師や他の大人に対しても同じパターンが出ます。
そして「持続時間」
反抗期の怒りは、しばらくすれば収まります。
反抗挑戦症では、常にいらいらしており、また根に持ち続けます。
5. どのくらいの子どもにみられるのか
- 児童・思春期の数%程度にみられるとされています
- 学童期に多く、就学前から始まることもあります
- 男児にやや多い傾向がありますが、女児にもみられます
珍しくはありません
「うちだけがおかしい」——そう感じているご家庭が多いのですが、そうではありません。
ただ、この問題は外から見えにくく、また相談しにくいため、孤立しやすいのです。
6. 【最重要】親子の悪循環——何が起きているのか
この章が、この記事で最も重要な部分です。
典型的な流れ
① 親が指示を出す 「宿題やりなさい」
② 子どもが従わない、反発する 「うるさい」「後でやる」
③ 親が声を強める、繰り返す 「何回言えば分かるの!」
④ 子どもがさらに激しく反発する 暴言、物に当たる、部屋にこもる
⑤ 親が疲れて引き下がる 「もういい、勝手にしなさい」
⑥ そして——
双方が「学習」してしまいます
子どもは学びます。
「激しく反抗すれば、要求は引っ込む」
親も学びます。
「強く言えば、一時的には止まる(こともある)」
この循環は、回るほど強くなります
次はもっと激しく反抗しないと、要求は引っ込みません。
次はもっと強く言わないと、止まりません。
——エスカレートしていきます。
つまり
「誰が悪いか」ではなく、「この循環そのもの」が問題なのです。
そして、循環は断つことができます。
7. なぜ、この循環が強化されるのか
「注目」が報酬になります
子どもにとって、大人の注目は強い報酬です。
そして——
叱られること、怒鳴られることも、「注目」の一種です。
良い行動には、注目が向きにくい
静かに宿題をしているとき、大人は声をかけません。
「やっと静かになった」と、その隙に別のことをします。
悪い行動には、必ず注目が向きます
騒げば、すぐに反応が返ってきます。
結果として
「悪い行動をしたときだけ、自分を見てもらえる」
——という構造ができあがります。
本人は、意図してそうしているわけではありません。
しかし、行動の原理としては、そうなってしまうのです。
だから、治療では「良い行動に注目する」ことから始めます。(第15章)
8. 【重要】「親の育て方が原因」ではありません
保護者の方が、最も自分を責める点です。
一方的な原因ではありません
反抗挑戦症の背景には、
- 生まれ持った気質(怒りっぽさ、感情の制御の難しさ)
- 発達特性(ADHDなど)
- 環境要因
- そして、悪循環の積み重ね
——これらが複合しています。
「悪循環に巻き込まれた」のであって「原因を作った」のではありません
怒鳴りたくて怒鳴っている保護者は、一人もいません。
繰り返される反抗に、疲弊し、追い詰められた結果です。
それは、当然の反応です。
ただし、変えられるのは「対応」です
原因を作ったわけではないが、循環を断つ鍵は持っている。
これは「責任」ではなく「可能性」の話です。
そして、そのやり方は、学ぶことができます。
9. 背景にあることが多い状態【比較表】
反抗挑戦症は、単独で存在することのほうが少ないと言えます。
| 状態 | 関係 |
|---|---|
| ADHD | 最も多い併存。半数以上との報告も |
| 限局性学習症(LD) | 学業の失敗と叱責の蓄積 |
| ASD | こだわり、変化への抵抗が反抗に見えることも |
| 不安症 | 不安が怒りとして表れる |
| 抑うつ状態 | 子どもではイライラとして現れます |
| 発達性協調運動症 | できない体験の蓄積 |
| 睡眠の問題 | 睡眠不足はイライラを確実に増やします |
| 環境要因 | 家庭内の緊張、いじめ、生活の変化 |
「反抗」の裏に、別の困難があります
多くの場合、
もともと何かが「うまくいっていない」
→ 叱責される
→ 自信を失う
→ 反抗という形で表れる
——という経過をたどっています。
だから、「反抗」だけを見ていても解決しません。
10. 【重要】ADHDとの関係
最も重要な併存関係です。
なぜ重なるのか
ADHDのあるお子さまは、
- 忘れ物をする
- 指示を最後まで聞けない
- 順番が待てない
- 衝動的に反応してしまう
——これらによって、
毎日、何度も注意され、叱られます。
叱責の蓄積が、反抗を育てます
「またあなたなの」 「何回言えば分かるの」 「どうしていつもそうなの」
この積み重ねが、
「どうせ自分はダメだ」 「何をやっても怒られる」 「じゃあ、反抗してやる」
——という方向に向かわせます。
ADHDの治療が、反抗を減らすことがあります
不注意や衝動性が軽減すれば、
- 叱られる回数が減る
- 成功体験が増える
- 自己評価が上がる
——結果として、反抗も減っていくことがあります。
「反抗そのもの」ではなく「背景」に手をつけることが、有効な場合があるのです。
ADHDについては、当院ブログ「『発達障害かもしれない』と思ったら」もご覧ください。
11. 学習の困難が背景にあることも
見落とされやすい背景です。
「宿題をやらない」の裏側
「宿題をやりなさい」→「やらない」→ 衝突
これが毎日繰り返されているご家庭は多いと思います。
しかし、
「やりたくない」のではなく「できない」のかもしれません。
- 読むこと自体が困難
- 書くことに極端に時間がかかる
- 計算の概念がつかめていない
- 何をすればいいか分からない
「できない」を隠すために反抗する
「分からない」と言えない子は、
「やりたくない」「うるさい」と反発することで、その場を回避します。
これは、自尊心を守るための行動でもあります。
学習の困難については、当院ブログ「限局性学習症(LD・ディスレクシア)」もご覧ください。
12. 見落としてはいけない他の可能性【比較表】
| 可能性 | 確認のポイント |
|---|---|
| 睡眠不足・睡眠障害 | 子どもの睡眠不足は、多動やイライラとして現れます |
| 抑うつ状態 | 子どものうつは、悲しさではなくイライラとして出ます |
| 不安症 | 不安が高まると、攻撃的になることがあります |
| いじめ・学校でのストレス | 家庭でのみ荒れている場合、学校での状況を必ず確認 |
| 家庭内の変化 | 転居、離婚、死別、きょうだいの誕生 |
| 虐待・不適切な養育を受けている環境 | 慎重な評価が必要です |
| 甲状腺機能異常など | まれですが、身体疾患の確認 |
「家庭でだけ荒れる」場合
学校では問題なく、家庭でのみ激しい——この場合、
学校で我慢し続けている反動である可能性があります。
その場合、学校での状況(発達特性による負荷、対人関係、いじめ)を確認する必要があります。
「家庭が安全な場所だから、そこで出せている」——そういう見方もできます。
13. 放置するとどうなるか
正直にお伝えします。
一部は、より重い行動の問題へ進みます
反抗挑戦症の一部は、
規則違反、攻撃性、他者の権利を侵害する行動——といった、より重い状態に進展することがあります。
そして、二次的な問題も
- 学業の不振、退学
- 友人関係の破綻
- 抑うつ、不安
- 家族関係の崩壊
- 本人の自己評価の著しい低下
しかし、多くは改善します
適切な対応によって、多くのお子さまは改善します。
そして、思春期以降に自然に軽快していく方も多くいます。
だから、早期の対応に意味があります
「そのうち落ち着く」と待つ間に、循環が固定してしまうことがあります。
早いほど、断ちやすいのです。
14. 治療の中心はペアレント・トレーニングです
この状態に対して、最も有効性が確立している方法です。
「親が悪いから訓練を受ける」ではありません
まず、この誤解を解きたいと思います。
ペアレント・トレーニングは、
「反抗的な行動に対して、どう関わると悪循環を断てるか」を、具体的に学ぶ方法です。
保護者を責めるためのものでは、まったくありません。
学ぶ内容
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 良い行動への注目 | これが土台。最も重要 |
| 指示の出し方 | 伝わる形に変える |
| 無視の使い方 | 反応してよい行動、してはいけない行動 |
| 一貫性 | ぶれない対応 |
| 結果の設定 | 分かりやすいルール |
なぜ効くのか
悪循環は、双方の行動が互いを強化することで成り立っています。
片方(大人側)の反応が変われば、循環そのものが変わります。
子どもを変えようとするのではなく、循環を変える。
これが、この方法の考え方です。
15. 【最重要】まず「褒める」を増やします
意外に思われるかもしれませんが、これが最初の一歩です。
なぜ「叱るのをやめる」ではなく「褒めるを増やす」なのか
第7章で説明したとおり、
現状では、「悪い行動をしたときにだけ注目が向く」構造になっています。
この構造を逆転させます。
具体的にすること
当たり前にできていることに、声をかける
- 「起きてこられたね」
- 「靴をそろえたね」
- 「今、我慢したね」
- 「言われる前に始めたね」
- 「怒らずに言えたね」
「褒めるところがない」と言われます
多くの保護者が、そうおっしゃいます。
しかし、それは「良い行動が見えなくなっている」だけです。
一日中、衝突が続いていると、大人の注意は問題行動にしか向かなくなります。
だから、意識して探します。
コツ
- すぐに(行動の直後に)
- 具体的に(「えらいね」より「片づけたね」)
- さらっと(大げさすぎるとプレッシャーになります)
- できて当たり前のことでも
効果が出るまで
すぐには変わりません。
数週間〜数か月かけて、少しずつ関係が変わっていきます。
「褒めても反応がない」——最初はそうです。それでも続けてください。
16. 【重要】指示の出し方を変える
同じことを伝えるのでも、伝え方で反応が変わります。
避けたい出し方
| 避けたい | 例 |
|---|---|
| 遠くから叫ぶ | 別の部屋から「宿題は!?」 |
| 一度に複数 | 「片づけて、宿題やって、風呂入って」 |
| 疑問形 | 「宿題やったの?」(詰問に聞こえます) |
| 曖昧 | 「ちゃんとしなさい」 |
| 過去を持ち出す | 「この前も、その前も…」 |
| 感情的に | 大声、ため息 |
効果的な出し方
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 近づく | 別の部屋から叫ばない |
| 注意を向けてから | 名前を呼び、こちらを見てから |
| 落ち着いた声で | 静かに、短く |
| 一度に一つ | 「まず、これをやろう」 |
| 具体的に | 「ちゃんと」ではなく「教科書をカバンに入れて」 |
| 予告する | 「あと5分でやめようね」 |
| 選択肢を与える | 「今やる? ご飯の後にする?」 |
「選択肢を与える」は有効です
反抗挑戦症のお子さまは、
「命令される」ことに強く反発します。
しかし、「自分で選んだ」形にすると、受け入れやすくなります。
どちらを選んでも、こちらの目的は達成されます。
17. 「してはいけないこと」への対応
すべてに反応しない
すべての反抗に対応しようとすると、一日中衝突することになります。
そして、大人が消耗します。
優先順位をつけます
| 分類 | 対応 |
|---|---|
| 絶対に止めること | 人を傷つける、物を壊す、危険な行為 → 必ず止める |
| できれば直したいこと | 口答え、ぶつぶつ言う → 反応しない(計画的無視) |
| 気にしないこと | 態度が悪い、ため息 → 流す |
「計画的無視」
軽度の挑発的な行動には、反応しないという方法があります。
反応が返ってこなければ、その行動は減っていきます。
ただし、
- 危険な行動には使いません
- 最初は、かえって激しくなることがあります(消去バースト)
- その後、収まっていきます
この「一時的に悪化する」段階で諦めてしまうと、逆効果になります。
そのため、自己流で始めず、方法を確認したうえで行うことをおすすめします。
暴力には、明確な線を引きます
人を叩く、物を壊す——これには、はっきりと対応します。
ただし、怒鳴り返すのではなく、落ち着いて止めます。
大人が感情的になると、循環が回ります。
18. 薬物療法について
反抗挑戦症そのものへの薬はありません
この状態に対して、直接的に承認された薬剤はありません。
治療の中心は、関わり方の調整です
ペアレント・トレーニングと環境調整が、第一選択です。
併存する状態への治療は有効です
| 併存 | 対応 |
|---|---|
| ADHD | ADHDの治療により、反抗が軽減することがあります |
| 強い易刺激性 | 状況に応じて、薬物療法を検討することがあります |
| 不安症・抑うつ | それぞれへの治療 |
| 睡眠の問題 | 睡眠の改善は、イライラを減らします |
「薬で反抗を抑える」ではありません
背景にある困難を軽減することで、結果として反抗が減る——という考え方です。
19. 学校との連携
学校でも同様の困難がある場合
- 教師との関係を、担任一人に任せない
- 一貫した対応の共有
- 良い行動への注目を、学校でも
- 叱責の場面を減らす工夫
- 学習面の困難があれば、その支援
- クールダウンできる場所の確保
家庭でのみ荒れている場合
学校での様子を、必ず確認してください。
学校で過剰に我慢していないか、負荷がかかっていないか——この確認が重要です。
当院では、必要に応じて学校向けの意見書を作成しています。
20. 保護者の方自身のケア
この章を、あえて設けます。
消耗の度合いが、非常に大きい状態です
- 毎日、朝から晩まで衝突する
- 怒鳴りたくないのに、怒鳴ってしまう
- 自分を責める
- 夫婦で方針が合わない
- きょうだいへの影響
- 周囲から「しつけの問題」と言われる
- 誰にも相談できない
まず、お伝えしたいこと
あなたは、失敗していません。
これだけ大変な状況で、毎日向き合っておられること自体が、簡単なことではありません。
保護者が持ちこたえられることが、前提です
関わり方を変えるには、心の余裕が必要です。
疲れ切った状態では、穏やかな対応はできません。
- 一人になる時間を確保する
- 家族で役割を分担する
- 夫婦で方針を共有する(違っていても、子どもの前で対立しない)
- 必要なら、保護者自身が相談する
ご家族だけでのご相談を承っています
本人が受診を拒否している場合でも、ご家族だけでご相談いただけます。
むしろ、この状態では、
保護者の方への支援が、そのまま治療になります。
21. よくある心配事Q&A
Q. ただの反抗期ではないのですか?
A. 見分けのポイントは、「学校でも起きているか」「6か月以上続いているか」「常にいらいらしているか」です。 反抗期は主に家庭に限定され、しばらくすれば収まります。生活が回らないほどであれば、ご相談ください。
Q. 私の育て方が悪かったのでしょうか?
A. 一方的な原因ではありません。 生まれ持った気質、発達特性、そして悪循環の積み重ねが複合しています。怒鳴りたくて怒鳴っている保護者はいません。 疲弊した結果です。ご自身を責めないでください。
Q. 厳しくすべきですか、それとも受け入れるべきですか?
A. どちらでもありません。 厳しくすれば循環が回り、すべて受け入れれば「反抗すれば通る」と学習します。必要なのは、一貫した、感情的でない対応です。具体的な方法をお伝えします。
Q. 褒めるところが見つかりません。
A. よくおっしゃられます。 衝突が続くと、大人の注意は問題行動にしか向かなくなります。「起きてこられた」「靴をそろえた」——できて当たり前のことで構いません。 意識して探すところから始めます。
Q. ADHDと言われていますが、関係ありますか?
A. 強く関係します。 ADHDのあるお子さまは、日常的に叱責される機会が多く、その蓄積が反抗を育てます。ADHDの治療によって、反抗が軽減することがあります。
Q. 学校では問題ないと言われます。
A. 学校で我慢し続けている反動である可能性があります。 その場合、学校での負荷(発達特性、対人関係、学習の困難)を確認する必要があります。「家庭が安全な場所だから出せている」という見方もできます。
Q. 本人が受診を嫌がります。
A. ご家族だけでのご相談が可能です。 この状態では、保護者の方への支援がそのまま治療になります。「連れて行けないから相談できない」ということはありません。
Q. きょうだいへの影響が心配です。
A. 重要な視点です。 家庭内の緊張は、きょうだいにも影響します。きょうだいと過ごす時間の確保、年齢に応じた説明も、支援計画に含めます。
Q. このまま非行に走らないか心配です。
A. 一部はより重い行動の問題に進むことがありますが、多くは改善します。 そして、早く対応するほど、循環を断ちやすくなります。 心配されている今が、動くタイミングです。
22. 和光医院での診療について
名古屋市千種区にある**和光医院(児童精神科・精神科・心療内科)**では、反抗挑戦症に関するご相談に対応しています。
当院での対応内容
- 反抗挑戦症の評価(通常の反抗期との区別)
- 背景にあるADHD・ASD・学習の困難の評価
- 不安症・抑うつ状態など、併存状態の確認
- 睡眠の問題の評価
- 学校での状況の確認(いじめ・負荷の有無)
- 本人・ご家族への心理教育
- ペアレント・トレーニング的アプローチ(関わり方の具体的な指導)
- 指示の出し方、対応の優先順位づけの指導
- 併存する状態への治療(必要な場合の薬物療法を含む)
- 学校向けの意見書の作成、連携
- きょうだいへの影響を含めた家族全体への支援
- 保護者の方の心理的サポート
- ご家族のみでのご相談
こんな方はぜひご相談ください
- 些細なことで、火がついたように怒り出す
- 何を言っても、まず反発が返ってくる
- わざと怒らせるようなことをする
- 自分が悪くても、絶対に認めない
- 毎日、朝から晩まで衝突している
- 怒鳴りたくないのに、怒鳴ってしまう
- 学校でも、先生と衝突している
- ADHDと言われているが、反抗が激しい
- 宿題を巡って、毎晩けんかになる
- 家庭が、機能しなくなってきている
- 保護者自身が、限界を感じている
「反抗のご相談では、ほぼすべての保護者の方が『自分の育て方が悪かったのでは』とおっしゃいます。けれど、怒鳴りたくて怒鳴っている親御さんに、私は会ったことがありません。繰り返される反抗に疲弊した結果です。そして、ここで起きているのは『どちらが悪いか』ではなく、双方を巻き込む悪循環です。子どもは『激しく反抗すれば要求が引っ込む』と学び、大人は『強く言えば止まる』と学ぶ。回るほど、エスカレートします。この循環は、断てます。ただし、子どもを変えようとするのではなく、関わり方から変えていきます。そして最初にお願いするのは、叱るのをやめることではなく、褒めることを増やすことです。ご家族だけでも構いません。まずはご相談ください。」
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子どものためのメンタルクリニック|医療法人永朋会 和光医院
診療科目: 児童精神科・精神科・心療内科
発達障害(ASD・ADHD)、不登校、起立性調節障害、不安症、パニック症、チック症、強迫症、うつ症状など、お子さまから成人の方まで幅広く診療しております。
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院では、お子さまのこころの健康を専門スタッフが丁寧にサポートします。受診のご相談・ご予約はホームページまたは公式LINEより承っております。
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【診療時間】
午前 9:00〜13:00
午後 15:00〜18:00
土曜 9:00〜14:00
【休診日】 日・祝日
患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。