2023.05.04ブログ
自我境界、って何
自我境界、って何 精神科界隈のなかで、自我境界、という単語があります 自分と、他人を分かつ、心の境界、壁みたいなもの、と考えてします。 エヴァンゲリオンでいう、ATフィールドみたいな感じです。見えないけど、そこにある、みたいな。 自分が自分であり、他人と自分は明確に異なった存在である、となんとなく思えるのも、この自我境界によって、自分の自我が守られているから、といった感じです。 風船みたいに、自分のまわりを全周でかこっていると、イメージしていただいた方が分かりやすいかもしれません。 この自我境界は、大人になるにつれて完成していきますが、一度完成したとしても、何かのきっかけで、境界がくずれそうになることがあります。 例えば自我境界に穴があいてしまったらどうなるでしょう 風船みたいなものと考えていただくと、自我境界がゴムの部分、自我が空気だとします。 風船に穴があいてしまうと、自我が外に漏れ出てしまいます。 自分の思考、考え、気持ち、が外にもれていってしまっている、他人に伝わってしまっている、という感覚をこの場合は感じるのです。 それを精神科の専門用語で、自我漏洩症状、といいます。 うまい漢字使いますよね、先人たちは。さすがなんです。 統合失調症の早期症状であり、中核症状とも考えられている症状です。 もちろん統合失調症以外の病気でも病態が非常に悪くなると、このような症状を出すことがあります。 また自我というエネルギーが外にでていくので、風船はしぼんでしまいます。 そうすると、なんとなく元気がない、理由はないけど調子わるい、という感覚がでてくるはずです。 自我に穴があくと、そんな感じになるのです。 穴から他人の思考が入ってくる感じ、人の考えが自分に伝わってくる、ということもおきるのです。 自我境界、ATフィールドと同じくらい重要なフィールドであると思っていただけたでしょうか 加藤晃司