2024.02.27ブログ

小児のパニック障害の診断と治療、注意点について

小児のパニック障害の診断と治療、注意点について





今回は、小児のパニック障害の診断と治療、注意点について解説します。

子どものパニック障害は大人のように本人が自覚できていないことが多いです。

息苦しい、動悸がする、めまいがする、ふらつく、頭痛がする、お腹が痛い、手がしびれる、自律神経発作は色んな形ででますが、それをなんらかの症状だと認識しにくいと思います。

あと、もともと不安が強い子どもが多いので、心配させるといけないからと、養育者にいうのを我慢している子もかなりいます。

それがよくないこと、悪いこと、だと思っている場合もあります。

ですので、いつもと様子が違う、学校や外出をしたがらない、なんとなく調子が悪そう、みたいなことがあれば、周りの大人の方から聞いてあげないと、これらの症状を言ってこないかもしれません。


ここで、一般的な知識を整理しておきましょう。

子どものパニック障害の診断と治療は、成人と同様に慎重なアプローチが必要ですが、子ども特有の発達段階や環境要因も考慮する必要があります。

診断

パニック障害の診断は、以下の手順に基づいて行われます。

    医療的評価:
        他の身体的な健康問題が症状の原因でないかを確認するために、身体検査や血液検査が行われることがあります。

    心理的評価:
        子どもの感情、思考、行動のパターンを評価します。これには、親や教師からの情報も含まれる場合があります。

    診断基準:
        一般的には、DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)の基準に基づいて診断されます。この基準には、突然の恐怖や不安の発作が含まれ、これらが繰り返し発生し、日常生活に影響を与えることが指摘されています。

治療

パニック障害の治療は、心理療法、薬物療法、またはその組み合わせで行われます。

    心理療法:
        認知行動療法(CBT): 不安を引き起こす思考パターンを認識し、変更する方法を子どもに教えます。また、発作が起こった時の対処方法も学びます。
        家族療法: 家族が子どもをサポートし、不安を管理する方法を学びます。

    薬物療法:
        選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などの抗不安薬が処方されることがあります。
        薬物療法は、症状が重度で他の方法が効果を示さない場合に考慮されます。

    ライフスタイルと家庭での戦略:
        定期的な運動、健康的な食事、十分な睡眠など、日常生活でストレスを管理する方法が奨励されます。


子どもであっても大人同様、予期不安があるのが特徴です。

一度パニック発作がおきると、また起きるかもしれないと、特定の場所や状況を避けるようになります。
予期不安に対して回避行動をし続けていると、不安発作が強くなっていく、というものです。

暴露反応妨害法のように、ある程度不安に暴露していく必要がありますが、それは治療が進んでからやることになります。

子どもであっても日常生活に支障がでていたら、不安発作をコントロールし、認知行動療法的なアプローチにもっていくには、内服をうまく使う必要がある時もあります。

気合だけではなんともならない、ということです。

比較的小児に対して安全に使用できる内服はありますので、それらを使いこなしながら、不安耐性をつけていくことになります。

またもともと不安が強い子であれば、不安の出し方が苦手な子もいます。外側に不安の感情をうまくだしたり、自分でキープする力をつけたり、そのあたりはトレーニングしてあげる必要があります。



まとめ
今回は、小児のパニック障害の診断と治療、注意点について解説しました。
自律神経発作の出やすさは体質もありますし、弱い部分にでる、ことが多いです。
ですので、大人になっても、同じような症状が疲れたり、ストレスがたまったりすると、出現する可能性はあります。
だから子どものうちからコントロールの仕方をマスターしておけば、予期不安が強くなってしまうこともないでしょう。
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