2024.02.29ブログ

今回は小児のADHD(注意欠如多動性障害)に合併しやすい疾患について解説します。

今回は小児のADHD(注意欠如多動性障害)に合併しやすい疾患について解説します。


まずは一般的に言われていることですが、

小児期の注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、しばしば他の疾患や障害と合併することが知られています。これらの合併疾患はADHDの診断や治療に影響を与える可能性があります。以下に、小児のADHDに合併しやすい疾患について説明します。
学習障害

    読字障害(ディスレクシア): 読むことや書くことに困難が伴います。
    算数障害(ディスカリキュリア): 数学的なスキルや概念の理解に問題があります。

情緒障害

    不安障害: 社交不安障害、汎発性不安障害、特定恐怖症などが含まれます。
    気分障害: うつ病や双極性障害など、気分の変動が特徴です。

行動障害

    反抗挑戦性障害(ODD): 権威に反抗し、攻撃的な行動を示すことがあります。
    行動障害: 社会的なルールや他人の権利を無視する行動が目立ちます。

発達障害

    自閉スペクトラム障害(ASD): 社会的な相互作用やコミュニケーションに困難が伴います。

神経発達障害

    チック障害: 突然の、繰り返しの、非リズミカルな身体的動作や音声発現が特徴です。

その他

    言語障害: 言語の発達に遅れや問題があります。
    睡眠障害: 睡眠の質やパターンに問題が生じることがあります。

これらの合併疾患は、ADHDの症状を複雑化させたり、治療のアプローチを変える必要がある場合があります。ADHDのある子供は、これらの合併疾患についても評価されることが重要です。適切な診断と治療計画は、子供の全体的な発達と福祉にとって不可欠です。


といった感じです。

しかし実際の臨床をしていると、就学前から通院している子の場合、チックなどの器質的な症状以外は、それほど合併しやすいとは思いません。

ADHD単独疾患であればということです。

もし学習障害、自閉性スペクトラム障害などの合併があるのならば、最初に診断する時に生育歴を整理し、各種心理検査をやるので分かります。

反抗性障害や、気分障害などは環境因子のプラスがあって成立していくことが多いです。

ですので、ADHDを子どもの時からフォローしていれば、その他疾患の合併はかなり防ぐことができます。

ADHDの症状を、本人の努力不足、養育者の子育ての仕方、などに原因をもっていったりすると、こじれて、違う疾患を合併してしまうことがあります。
だから、ADHD症状に対してその時は治療しなかったとしても、いつでも相談できる、たまには定期的にフォローしておく、クリニックを作っておくことは重要だと思います。

養育者の方だけで基本的には相談しているケースもかなりあります。


まとめ
小児のADHD(注意欠如多動性障害)に合併しやすい疾患について解説しました。
合併症は生来のものから、途中から発生するものまでさまざまです。
特に途中から合併してくる疾患に関しては、しっかりとフォローすることで防ぐことができます。
なんだかよくわからないけどうまくいかない、という状況が母子ともに、どちらにとっても良くないので、早めに相談するようにしましょう。
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