2023.06.07ブログ
子どもがえり、って何か
子どもがえり、って何か 子どもがえり、って、どの年代の方にもおこる現象です。 子どもが子どもがえりするのが分かりやすいですが、急にお母さんにべったりになったり、おねしょをするようになったり、おしゃぶりのようにペンや鉛筆をかんだり、する、行為です。 子どもにおこることが多いですが、大人になっても、子どもがえりはおこります。 大人の子どもがえりは、分かりにくいものも多いですが、しばらく付き合っていると、「あれ、これは子どもがえりの症状かな、」と思うことあります。 大人ですが、日中の眠気、寝ても寝てもねむい、なかなか起きてこれない、発熱、体がだるい、腹痛、頭痛、このあたりが多いように思います。 こうやって、文章で書くと、よくあるようなこと、ですので、症状だけみていても、子どもがえりだとは分かりません。 なんらかのストレスがかかった時の、防衛反応、ディフェンスの一つとして、子どもがえりが起きているということです。 子どもがえりが起こるのは、悪い防衛反応ではありません。むしろ症状という形で、自分の外に発散しているわけですから、気が付いてもらうという意味でも、いい防衛反応なのです。 しかし子どもがえりを発動するには、一つ条件があります。 それは、子どものときに、養育者(主に母親)との関係のなかで、いい思い出があることです。いい思い出が多くなければいけません。 子どものときに幸せだったという記憶、感覚が無意識にあるから、その幸せだったときに、戻りたい、という感覚がでるわけです。 また、子どものときに、何か自分だけで対処できない困ったことがあったときに、なんらかのサインを出したら、養育者に解決してもらった、やさしくしてもらった、愛情をあたえてもらった、という成功体験がなければ、子どもがえりはしません。 なので、子どもがえりをしている方をみると、愛されて育っており、そういう意味での生育歴は問題がないのだろうな、とは思います。もちろん愛されているから、すべてOKというわけではないのですが、そうでない場合よりは、病態は悪くない、というわけです。 もちろん、ストレスへの防御反応として、子どもがえり一辺倒では、ちょっとディフェンス力は低いな、とは思うところもあります。 成熟している大人たちは、ストレスへの防衛の仕方は、自然と複数みについていることが多いです。 というわけで、子どもがえりは、子どもだけでなく、大人にもでますし、大人だと分かりにくいです。 大人の場合、これが子どもがえりかもしれない、と気がつくだけで、いったんその症状は落ち着くこともあります。 子どもの場合は、しばらく心身ともにみっちゃくした状態にしてあげれば、さっと落ち着くことがおおいです。 医療法人永朋会 理事長 加藤晃司