2024.07.16ブログ

小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について

小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について



今回は、小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について解説します。


統合失調症は通常は好発年齢は思春期とされています。
ですがまれにそれよりも前の年齢で発症するケースもあります。

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小児統合失調症は、成人に見られる統合失調症と同様の症状を、13歳未満の子どもたちに見られる状態です。これは比較的稀であり、子どもたちにおける精神疾患の中でも特に診断が難しいものの一つです。小児期に統合失調症を発症する場合、その症状はしばしば成人発症型とは異なる特徴を持ち、子どもの発達段階によって影響を受けるため、診断と治療には特に注意が必要です。

<特徴>
思考の障害: 子どもたちは支離滅裂な思考や話し方を示すことがあります。物事の脈絡を失ったり、一貫性のない言動が見られることがあります。

幻覚: 特に聴覚幻覚が一般的ですが、視覚幻覚やその他の感覚に関する幻覚を経験することもあります。これらの幻覚は非常にリアルであり、子どもにとって恐怖を感じる原因となることもあります。

妄想: 誰かに追われている、特別な力を持っている、あるいは他人が自分の考えを読んでいるといった、根拠のない強い信念を持つことがあります。

社会的撤退: 友達を作ることや社会的な活動に参加することに対する興味が低下します。自分の世界に閉じこもりがちになることもあります。

感情の鈍化: 感情の表出が乏しくなることがあり、顔に表情が出にくくなったり、感情の起伏が少なくなったりします。

学習と集中の問題: 学校の成績が急激に低下することがあり、集中力や注意力にも問題が生じることがあります。

<診断と治療>
小児統合失調症の診断は、包括的な医療評価、家族の医療歴のレビュー、行動の観察などに基づいて行われます。治療は、薬物療法、心理社会的介入、教育的サポートなど、多面的なアプローチが必要です。特に、子どもの年齢や発達段階に合わせた個別の治療計画の作成が重要です。

小児統合失調症は、子どもとその家族にとって大きな影響を及ぼす可能性があります。そのため、早期の診断と適切な治療・サポートが非常に重要です。
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幻覚、妄想を訴えることはかなり少ないです。

やはり統合失調症の中核症状である自我漏洩症状からスタートします。
まわりの世界や、他人と自分を分ける壁を自我ということにしましょう。

その自我障壁が崩れていくのが、自我漏洩症状です。

他人の思考や感情が自分の中にはいってきたり、逆に自分の思考、感情が外にもれていく感覚を覚えます。

これまでの感覚とはまったく異なるため、恐怖感をいだくようになることが多いです。

そうすると、常に不安、緊張があり、学校のような人がたくさん集まっている場所にはいけなくなります。

不登校の子どもの中に、少なからず統合失調症の前駆症状がでている子はこれまでもいました。

強迫症状が前駆症状となることも多いので、強迫の場合は注意が必要です。

内服も大人と違い、いきなりはじめるかどうかも慎重に考える必要があります。

基本は、自我漏洩症状がでたタイミングが内服開始でいいと思っています。

それまで強迫、不安、とかであれば、それに対する内服で粘ればいいです。
そのまま統合失調症は結果的に発症しないケースもかなりあるからです。



まとめ
今回は、小児統合失調症の成人と比べた時の特徴について解説しました。

小児の場合、大人とは経過も治療も変わってきますので、注意が必要です。
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