2025.03.12ブログ
20歳未満のADHDとTMS|研究の限界・安全性と相談の目安
2026年10月28日更新:本記事はADHDとTMSの研究・安全性を説明するものです。子どものADHDに対するTMSの治療募集や、有効性・安全性が確立した治療としての推奨は行っていません。
「20歳未満」を一括りにしないことが大切です
経頭蓋磁気刺激(TMS)は磁場を用いて脳を刺激する方法です。成人のうつ病に対する適応のある治療と、ADHDに対する研究段階の使用は分けて考える必要があります。18歳未満の子どもと18~19歳でも、判断に必要な情報は同じではありません。成人であることだけを理由に、ADHDへの有効性が確立しているとはいえません。
子どもに対する学会声明
日本児童青年精神医学会は2024年4月2日の声明で、18歳未満の子どもの神経発達症や精神疾患に対するrTMSの有効性・安全性について証拠が不十分であり、保険外診療として実施することは適切ではないとの見解を示しています。将来の可能性と、現在の診療で勧められることを混同しないことが大切です。
小規模な研究や脳の働きに関する仮説だけで、ADHDへの効果、効果の持続期間、薬物療法より優れていることを断定することはできません。本記事では出典を特定できない改善率や、一律の施術回数による効果は提示しません。
主なリスク・副作用
rTMSは副作用のない方法ではありません。頭皮痛・刺激痛、頭痛、顔面の不快感、首の痛み等が生じることがあり、まれにけいれん発作などの重篤な有害事象もあります。発達期の子どもの長期的な安全性も慎重に検討する必要があります。成人でも、既往歴や体内の医療機器・金属、服用薬などを含めた適応の確認が必要です。
ADHDで困っているときの相談
まずは症状が学校・家庭・仕事などの生活に与える影響、睡眠、併存する困りごと、これまでの支援・治療を整理します。診断や年齢、本人の希望に応じて、環境調整、家族・学校への支援、心理社会的な支援、適応のある薬物療法等を主治医と検討します。服薬への不安がある場合も、自己判断で中止したり、研究段階の方法へ置き換えたりせず相談してください。
自由診療を別途検討する場合には、具体的な治療内容、費用総額・回数、主なリスクと副作用、医療機器の承認状況と適応外使用の有無等の説明を確認してください。本記事ではADHDへのTMS施術・モニターの募集や料金案内は行っていません。
参考資料
日本児童青年精神医学会「子どもに対する反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法に関する声明」(2024年4月2日、PMDA掲載)
TMS for ADHD in people under 20: evidence and safety
TMS research for ADHD must be distinguished from established indications for adult depression. The 2024 statement from the Japanese Society for Child and Adolescent Psychiatry found insufficient evidence of efficacy and safety in children under 18 and advised against providing it as private clinical care for children’s neurodevelopmental or psychiatric conditions. Being 18 or 19 does not itself establish an ADHD indication.
TMS is not free of adverse effects. Scalp pain, headache and other discomfort can occur, and rare serious events include seizures. This article does not recruit ADHD patients for TMS or guarantee benefits. Discuss established assessment and support options with a qualified clinician.



