学習障害（LD）にADHD・ASDは合併しやすい？
― 子どもの「学びにくさ」を正しく理解するために ―

「読み書きが極端に苦手」
「計算になると急に分からなくなる」
「集中できない」「集団が苦手」

このような相談の中でよく聞かれるのが、
学習障害（LD）とADHD、ASDは一緒に起こりやすいのか？という疑問です。

名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院の立場から、
できるだけ分かりやすく解説します。

学習障害（LD）とは？

学習障害（LD：Learning Disorder）とは、
知的発達に遅れはないにもかかわらず、特定の学習分野だけが著しく苦手な状態を指します。

代表的なタイプには以下があります。

読むことが苦手（読字障害／ディスレクシア）

書くことが苦手（書字表出障害）

計算が苦手（算数障害）

「努力不足」や「怠け」ではなく、
脳の情報処理の特性によるものです。

ADHD・ASDとは？
ADHD（注意欠如・多動症）

不注意（集中が続かない、忘れ物が多い）

多動性（落ち着きがない）

衝動性（思いつきで行動してしまう）

ASD（自閉スペクトラム症）

対人関係やコミュニケーションの独特さ

こだわりの強さ

感覚過敏・感覚鈍麻

これらも発達特性の一つであり、育て方の問題ではありません。

LDとADHD・ASDは合併しやすい？
結論：合併は珍しくありません

実際の臨床では、
LDのあるお子さんの多くが、ADHDやASDの特性を併せ持つことが知られています。

目安としては、

LD × ADHD：比較的よくみられる

LD × ASD：一定数みられる

LD × ADHD × ASD：三者が重なるケースもあり得る

という印象です。

なぜ合併しやすいの？

理由として、以下が考えられています。

① 脳の働く領域が重なっている

注意・記憶・情報処理・実行機能
これらは学習・行動・社会性すべてに関係しています。

② 困りごとが表面化しやすい

「集中できない」→ 学習が進まない

「指示理解が苦手」→ 勉強についていけない

結果として、
学習障害のように見える／逆にADHDだけが目立つこともあります。

見分けが難しいケースも

例えば、

読み飛ばしが多い
→ 読字障害？ 不注意？

問題文が理解できない
→ 学習障害？ ASDの理解特性？

このように、
1つの診断だけで説明できないことが多いのが実際です。

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合併があると何が大切？
① 正確な評価

知能検査

学習面の評価

発達特性の評価
を総合的に行うことが重要です。

② 困りごとに合わせた支援

学習障害 → 学び方の工夫、環境調整

ADHD → 注意・行動面への支援、必要に応じて薬物療法

ASD → 対人理解や見通しを助ける支援

**診断名より「何に困っているか」**を重視します。

「診断が増える＝悪いこと」ではありません

合併が分かることで、

周囲の理解が進む

無理な指導を減らせる

適切な支援につながる

といったメリットがあります。

「なぜできないのか」が分かることは、
お子さんの自己肯定感を守ることにもつながります。

和光医院で大切にしていること

当院では、

学習面・行動面・対人面を総合的に評価

お子さん一人ひとりの特性に合った支援を重視

ご家族・学校と連携しながらサポート

を行っています。

まとめ

学習障害（LD）にADHDやASDが合併することは珍しくない

複数の特性が重なっていることも多い

大切なのは診断名より具体的な困りごと

早めの評価と適切な支援で、学びやすさは大きく変わる

お子さんの学習や発達で気になることがあれば、
名古屋市千種区・児童精神科専門クリニック 和光医院までご相談ください。

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