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発達が遅れている?児童精神科を受診するタイミングと相談の流れを専門医が解説 名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院
発達が遅れている?児童精神科を受診するタイミングと相談の流れを専門医が解説
名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック 和光医院
はじめに
「言葉の発達が遅い気がする」「同じ年齢の子と比べて何かが違う」「保育園の先生に発達のことを指摘された」「もしかして発達障害があるのでは?」——
お子さんの発達について不安を感じている保護者の方からのご相談は、年々増えています。
しかし、多くの保護者の方が「どのタイミングで」「どこに」相談すればよいかわからず、「もう少し様子を見よう」と決断を先送りにしてしまうことも少なくありません。
「早く相談しすぎ?」「大げさかな?」「まだ小さいから待った方がいい?」——そんな迷いから、相談のタイミングを逃してしまうケースもあります。
しかし、発達に関する支援において、早期発見・早期介入が非常に重要であることは数多くの研究で示されています。「様子を見よう」と待ちすぎることで、支援の機会を逃してしまうことがあります。
今回は、発達の遅れが気になる場合の受診・相談のタイミング・受診先の選び方・受診の流れについて、名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック・和光医院が詳しく解説します。
発達の遅れとは?
発達の遅れが気になる主な領域
発達の遅れは、以下の領域に分けて考えると整理しやすいです。
① 言語・コミュニケーションの発達
- 言葉の遅れ(話し始めが遅い・語彙が少ない)
- 会話のキャッチボールが難しい
- 指さし・身振りなどの非言語コミュニケーションの遅れ
② 社会性・対人関係の発達
- 目が合いにくい
- 他の子どもへの関心が薄い
- 集団遊びに参加しにくい
- 感情のやり取りが難しい
③ 認知・学習の発達
- 理解力・記憶力の遅れ
- 文字・数の習得が著しく遅い
- 学習についていけない
④ 運動・身体の発達
- 歩き始めが遅い
- 手先の不器用さ
- バランス感覚の問題
⑤ 行動・情緒の発達
- 強いこだわり・変化への抵抗
- 感覚過敏(特定の音・触感への強い反応)
- 著しいかんしゃく・感情調節の困難
- 多動・衝動性が強い
発達の遅れが気になる年齢別サイン
乳幼児期(0〜1歳)
以下のサインがある場合は早めに小児科・発達外来への相談を検討してください。
✔ 生後6ヶ月を過ぎても笑顔(社会的微笑)が少ない
✔ 生後9ヶ月を過ぎても名前に反応しない
✔ 生後9ヶ月を過ぎても指さしをしない・身振りがない
✔ 生後12ヶ月を過ぎても「マンマ」「バーバ」などの言葉がない
✔ 生後12ヶ月を過ぎても身振り手振り(バイバイ・拍手)をしない
✔ 目が合いにくい・親への後追いが極めて少ない
1〜2歳
✔ 1歳6ヶ月を過ぎても意味のある言葉がひとつもない
✔ 1歳6ヶ月健診で「言葉の遅れ」を指摘された
✔ 2歳を過ぎても2語文(「ママ、きて」など)が出ない
✔ 名前を呼んでも振り向かないことが多い
✔ 他の子どもへの関心がほとんどない
✔ 特定のこと(回るもの・特定の玩具)への強いこだわり
✔ 感覚過敏(特定の音・触感への強い反応)が目立つ
2〜3歳
✔ 3歳を過ぎても言葉でのコミュニケーションが難しい
✔ 3歳健診で発達の遅れを指摘された
✔ 一方的に話す・会話のキャッチボールができない
✔ 同年代の友達との遊びに参加できない
✔ 着替え・食事・トイレなどの生活習慣の獲得が著しく遅い
✔ かんしゃくが非常に激しい・切り替えができない
幼稚園・保育園年齢(3〜6歳)
✔ 先生から「発達のことを一度相談してほしい」と言われた
✔ 集団活動への参加が著しく難しい
✔ 指示が通りにくい・集中が続かない
✔ 友達関係でのトラブルが多い
✔ 文字・数への興味が著しく低い・習得が遅い
✔ 感覚過敏(給食の食感・体育の音・制服の素材)でパニックになる
✔ 多動・衝動性が強く、じっとしていられない
小学校年齢(6〜12歳)
✔ 授業についていけない・板書が写せない
✔ 文字の読み書きに著しい困難がある(ディスレクシアの疑い)
✔ 友人関係でのトラブルが繰り返される
✔ 忘れ物・提出物の未提出が非常に多い
✔ 衝動的な行動でクラスで問題になっている
✔ 不登校・登校しぶりが始まった
✔ 二次障害(うつ・不安・自傷)のサインが出ている
「様子を見よう」が危険なケース
以下のような状況では、「様子を見よう」という判断が適切でない場合があります。
言葉の退行(いったん出た言葉が消えた)
いったん出ていた言葉・スキルが退行(なくなる・減る)した場合は、早急な評価が必要です。ASDの診断において、言語退行は重要なサインのひとつです。
自傷行為
頭を壁に打ちつける・自分を噛む・引っ掻くなどの自傷行為がある場合は、早急に専門機関への相談が必要です。
著しく激しいかんしゃく・他害
自分や他者を傷つけるリスクがある激しいかんしゃく・他害行動が繰り返される場合は、早めに相談してください。
不登校・ひきこもりへの移行
発達の問題が背景にある不登校・ひきこもりは、早期に発達評価・支援を開始することで、回復の可能性が高まります。
「消えたい」「死にたい」という発言
発達特性を持つお子さんに二次障害(うつ・不安)が生じた場合、希死念慮が現れることがあります。この場合は緊急の対応が必要です。
受診・相談の選択肢
発達の遅れが気になる場合、受診・相談先はいくつかあります。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて選択することが大切です。
① かかりつけの小児科
適している場合
- まず「発達が心配」という段階での最初の相談
- 身体的な問題(難聴・視力・甲状腺など)の除外
- 専門機関への紹介状の作成
特徴
- 最もアクセスしやすい
- 身体的評価と発達スクリーニングを同時に行える
- 専門的な発達評価・診断には限界がある場合がある
② 市区町村の健診・発達相談
適している場合
- 1歳6ヶ月健診・3歳健診での相談
- 「まず様子を見て」という段階
- 地域の療育機関につないでもらいたい場合
特徴
- 費用がかからない(公費)
- 地域の療育・支援機関へのつなぎ役になる
- 待機時間が長いことが多い
③ 発達支援センター・発達外来
適している場合
- 発達障害(ASD・ADHD)の診断・評価を受けたい
- 詳しい発達検査(WISC・新版K式)を受けたい
- 療育を開始したい
特徴
- 専門的な発達評価が可能
- 公的機関は待機時間が非常に長いことが多い(数ヶ月〜1年以上)
④ 児童精神科・小児神経科
最も適している場合
- 発達障害(ASD・ADHD)の診断・評価を希望する
- 二次障害(うつ・不安・不登校・かんしゃく)が出ている
- 薬物療法の検討が必要
- 複数の問題が絡み合っている複雑なケース
- 早めに専門的な評価・診断を受けたい
特徴
- 発達障害の診断・評価・薬物療法・心理療法を総合的に提供できる
- 二次障害への対応も可能
- 民間クリニックは比較的早く受診できることが多い
児童精神科を受診するタイミング
ずばり「気になったら早めに」が正解
結論から言えば、**「気になったら早めに相談する」**のが最も正しいタイミングです。
「まだ小さいから」「もう少し様子を見よう」「大げさかもしれない」という理由で先送りにすることで、支援の開始が遅れてしまうことの方が問題です。
早期相談・早期支援が有効な理由は以下の通りです。
① 脳の可塑性(神経の柔軟性) 子どもの脳は、年齢が低いほど環境・支援・療育による変化が起きやすい状態にあります。早期に適切な支援を受けることで、発達の可能性を最大限に引き出せます。
② 二次障害の予防 発達特性が理解されない環境で過ごし続けることで、うつ病・不安症・自傷・不登校などの二次障害が生じるリスクが高まります。早期に支援を開始することで二次障害を予防できます。
③ 家族へのサポート 早期に専門家とつながることで、保護者が子どもへの適切な関わり方・環境の整え方を学べます。
④ 療育・支援機関の利用 放課後等デイサービス・言語療法・作業療法などの支援機関を早めに利用するためには、早期の受診・診断が必要なことが多いです。
「受診するには早すぎる」はほとんどない
「1歳6ヶ月健診で言葉の遅れを指摘されたが、2歳まで様子を見ようと言われた」というケースは珍しくありません。
しかし、心配な点があるなら、その段階で児童精神科・発達外来に相談することは決して早すぎません。
受診の結果「今は問題ない・様子を見て大丈夫」と言われることもあります。それはそれで重要な情報です。「心配だったが、専門家に見てもらって安心できた」という経験は、保護者にとって大きな支えになります。
こういう場合は「今すぐ」相談してください
以下の場合は、「今すぐ」専門機関への相談が必要です。
✔ いったん出ていた言葉・スキルが退行した(ASDの重要サイン)
✔ 自傷行為が繰り返されている
✔ 「消えたい」「死にたい」という発言がある
✔ 他者への激しい攻撃行動が繰り返される
✔ 不登校が始まり、精神的に不安定な状態が続いている
初めて受診する前に準備しておくと良いこと
① 気になる行動・症状の記録
- いつから・どんな場面で・どんな様子か
- 頻度・強度はどのくらいか
- 動画・写真での記録(特に自宅での様子・問題行動)
② 発達歴のまとめ
- 言葉が出た時期(喃語・初語・2語文)
- 歩き始めの時期
- 指さし・バイバイなどのジェスチャーの有無・時期
- 保育園・幼稚園・学校での様子
③ 母子手帳の持参
健診の記録・予防接種歴・成長曲線などの情報が役立ちます。
④ 保育園・学校からの情報
連絡帳のコピー・担任からのコメント・個別支援計画(ある場合)などの書類があると、受診時の情報共有に役立ちます。
⑤ 保護者の不安・疑問のリスト
「聞きたいこと」「不安に思っていること」をあらかじめメモしておくと、限られた診察時間を有効に使えます。
受診したらどんなことをするの?
初診での主な流れ
① 問診・生育歴の聴取(保護者から)
- お子さんの発達の経過
- 気になっている具体的な行動・症状
- 家庭・保育園・学校での様子
- 家族歴(発達特性・精神疾患)
- これまでに相談・受診した機関と結果
② 行動観察 診察場面でのお子さんの様子(対人行動・コミュニケーション・遊び方・興味・感覚の様子)を丁寧に観察します。
③ 発達検査・心理検査(必要に応じて)
- 新版K式発達検査:乳幼児〜就学前の総合的な発達評価
- WISC-Ⅴ(ウェクスラー児童知能検査):学齢期の知的能力・認知プロファイルの評価
- ADOS-2:ASDの直接観察による標準化評価
- Conners・CAARS:ADHDの評価
④ 診断・評価のフィードバック 検査結果・診察での所見をもとに、診断・評価・今後の方針についてご説明します。
⑤ 治療・支援の提案
- 療育・放課後等デイサービスへのつなぎ
- 薬物療法(必要に応じて)
- 学校・保育園への配慮依頼・連携
- 保護者へのアドバイス
「本人を連れて行けない」場合はどうする?
発達の心配がある場合でも、以下の理由でお子さんを連れて受診できないことがあります。
- 本人が拒否している
- 本人にまだ受診のことを伝えていない
- どんな雰囲気のクリニックかを事前に確認したい
和光医院では、保護者の方だけでの相談から始めることも可能です。
保護者からの情報提供・具体的な対応方法のアドバイス・本人が受診しやすい環境づくりのサポートから始められます。「まず親だけで話を聞いてもらいたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。
よくある質問(FAQ)
Q. 1歳6ヶ月健診で「様子を見ましょう」と言われましたが、受診してもいいですか?
A. はい、受診していただけます。「様子を見ましょう」という言葉は、「問題ない」という意味ではなく「現時点では診断がつかない・もう少し経過を見る」という意味です。心配があれば、健診の結果にかかわらず、専門機関への相談をためらわないでください。
Q. 「発達障害かどうか」がわからないと受診できませんか?
A. 診断名がわからなくても受診できます。「発達が心配」「気になることがある」という段階でのご相談を歓迎しています。診断がつくかどうかよりも、お子さんの困りごとを解消するための支援につなげることが目的です。
Q. 何歳から児童精神科を受診できますか?
A. 当院では乳幼児期(1〜2歳ごろ)からご相談を受け付けています。年齢によって評価方法・支援の内容は異なりますが、「早すぎる」ということはありません。
Q. 発達検査は何をするのですか?怖くないですか?
A. 発達検査は、積み木・絵カード・パズルなどを使って遊びながら行うものが多く、お子さんへの負担は少ないです。年齢・お子さんの状態に応じて適切な検査を選択します。
Q. 診断がついたらどうなりますか?
A. 診断がついた後は、①学校・保育園への配慮依頼、②療育・放課後等デイサービスの利用、③必要に応じた薬物療法、④保護者へのサポートなどの支援につながりやすくなります。診断は「レッテルを貼られること」ではなく「適切な支援への入り口」です。
Q. 発達の遅れは治りますか?
A. 「治る」というより、「発達の可能性を最大限に引き出す」という考え方が適切です。早期に適切な支援・療育を受けることで、本人の強みを伸ばし、困りごとを軽減することができます。特性そのものはなくならなくても、適切な環境・支援のもとで、充実した生活を送ることは十分可能です。
和光医院での診療
和光医院は、名古屋市千種区の児童精神科専門クリニックです。
発達の遅れ・発達障害(ASD・ADHD)について、以下の対応を行っています。
診断・評価
- ASD(自閉スペクトラム症)の診断・評価
- ADHD(注意欠如多動症)の診断・評価
- 発達検査(新版K式発達検査・WISC-Ⅴ)
- 知能検査・認知プロファイルの評価
治療・支援
- 薬物療法(エビリファイ・リスパダール・コンサータ・ストラテラ・インチュニブ・メラトニンなど)
- 心理療法(認知行動療法・遊戯療法)
- 保護者へのペアレントトレーニング・具体的な関わり方のアドバイス
- 二次障害(うつ病・不安症・不登校)への対応
- 学校・保育園・療育機関との連携
- 放課後等デイサービス・療育利用のための診断書・意見書の作成
保護者の方だけの相談も受け付けています。
「うちの子の発達、心配だけど大げさかな?」と思っても、ぜひ早めにご相談ください。
まとめ
発達が気になる場合の受診タイミングについては、
- 「気になったら早めに相談する」が最も正しい
- 「早すぎる」「大げさ」ということはほとんどない
- 年齢別の気になるサインを参考に、複数当てはまる場合は早めの相談を
- 言葉の退行・自傷・希死念慮・激しい他害は「今すぐ」相談が必要
- 受診先は状況に応じて:小児科→発達相談→児童精神科と段階を踏む、または直接児童精神科でもOK
- 本人を連れて行けない場合は保護者だけでの相談から始められる
- 早期支援が脳の可塑性・二次障害予防・家族支援の面で非常に重要
「いつ相談すればいいかわからない」という場合は、その「わからない」というタイミングが、相談するタイミングです。
和光医院では、発達障害・ASD・ADHD・発達の遅れに関するご相談を幅広くお受けしています。名古屋市千種区でお子さまの発達についてお悩みの方は、お気軽にご連絡ください。
和光医院|名古屋市千種区の児童精神科専門クリニック
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患者様へのご案内
- 明細書について:当院では、療養費規則に基づき明細書の発行を無料で行っています。
- 一般名による処方について:後発医薬品が存在する場合は、商品名ではなく一般名(有効成分名)で処方することがあります。
- 医療情報の活用について:当院では、安心な医療を提供する為、オンライン資格確認や電子処方箋データ等の情報を活用して診療を行っています。