2026.10.09ブログ

厚木市で修学旅行・宿泊行事が不安なお子さまへ|児童精神科に相談する目安と事前準備

修学旅行のしおりを見ながら宿泊行事への不安について保護者と話す子どものイメージ

秋は修学旅行、自然教室、林間学校、宿泊を伴う校外学習などを予定している学校も多い時期です。楽しみにしているように見えても、出発が近づくにつれて「行きたくない」「眠れない」「おなかが痛い」と訴えるお子さまもいます。

宿泊行事への不安は、甘えや気合いの問題と決めつけられるものではありません。慣れない場所で過ごすこと、集団行動、入浴や就寝、持ち物の管理、友人との距離感など、複数の負担が重なっている場合があります。ここでは、厚木市でお子さまの宿泊行事に関する不安が気になる保護者の方へ、相談を考える目安と準備の考え方をお伝えします。

宿泊行事の前に不安が強くなる背景

「修学旅行が嫌」という言葉の背景は、お子さまによって異なります。本人が理由をうまく説明できないことも珍しくありません。例えば、次のような負担が関係していることがあります。

  • 家族と離れて寝ることや、夜間に不安になることが心配
  • 大浴場、着替え、就寝中の音や光など、普段と異なる感覚環境が苦手
  • 班行動で置いていかれないか、友人関係で気を遣いすぎないか心配
  • 時間どおりに準備することや、荷物・服薬・貴重品の管理に自信がない
  • 乗り物酔い、トイレ、食事、体調不良への心配が大きい
  • 以前の宿泊行事や学校生活でつらい経験があった

発達特性があるお子さまでは、予定変更への苦手さ、感覚の敏感さ、見通しの持ちにくさ、対人場面での疲れやすさが、宿泊行事で目立つことがあります。一方で、特性があるから必ず参加が難しいわけではありません。何が負担なのかを具体的に整理し、必要な工夫を検討することが大切です。

「行きたくない」を急いで説得しないために

保護者としては、せっかくの行事だから参加してほしい、欠席すると後悔するのではないか、と感じることもあるでしょう。ただ、「みんな行くから大丈夫」「考えすぎないで」と急いで励ますと、お子さまが不安を話しにくくなる場合があります。

まずは、参加・不参加をすぐに結論づけず、「何が一番心配?」「朝、昼、夜のどの場面がつらそう?」と、場面を分けて聞いてみてください。言葉にすることが難しい場合は、旅程表やしおりを一緒に見ながら確認する方法も役立ちます。

「行けるか、行けないか」の二択ではなく、「日帰り部分だけ参加できるか」「保健室や別室で休めるか」「就寝時に配慮をお願いできるか」といった選択肢を学校と相談できることもあります。学校側の運用や安全面の判断はそれぞれ異なるため、早めに担任や養護教諭へ状況を伝えることが重要です。

児童精神科への相談を考える目安

行事前に緊張すること自体は自然な反応です。しかし、不安によって日常生活や学校生活への影響が大きくなっている場合は、早めに相談する意味があります。

相談を検討したいサイン

  • 行事の話題になると泣く、怒る、固まるなど反応が強い
  • 腹痛、頭痛、吐き気、動悸などが繰り返され、登校にも影響している
  • 不眠や悪夢が続き、日中の集中力や気分に影響が出ている
  • 欠席したい気持ちが強く、本人も家族も対応に困っている
  • 家庭で工夫し学校にも相談したものの、負担の理由が整理できない
  • 不安だけでなく、気分の落ち込み、自分を強く責める言葉、自傷をほのめかす発言がある

診察では、行事だけを切り取るのではなく、普段の学校生活、睡眠、友人関係、これまでの困りごとなどを確認しながら、状態を整理します。受診したからといって、参加の可否が一律に決まるわけではありません。お子さまと家族が状況を理解し、必要に応じて学校と共有するための材料を考える場の一つです。

受診前に整理しておくとよいこと

初診で完璧に説明する必要はありませんが、以下をメモしておくと相談しやすくなります。

  • 行事のいつ頃から不安が強くなったか
  • 本人が話している心配ごと、または保護者が気づいた変化
  • 睡眠、食事、登校、家庭での様子の変化
  • 学校にすでに相談した内容と、学校から示された対応
  • これまでの宿泊、校外学習、集団活動で困ったこと・うまくいったこと

出発直前に症状が急に強くなった、食事や水分が取れない、強い希死念慮や自傷のおそれがあるなど、緊急性が心配される場合は、通常の予約を待たず、地域の救急相談窓口や救急医療機関への相談を検討してください。

FAQ

Q. 修学旅行に行きたくないと言うだけで受診してもよいですか?

A. 受診の必要性は言葉だけで決まるものではありませんが、不安の強さや生活への影響、背景を整理したいときには相談をご検討いただけます。早めに状況を整理することで、家庭や学校で取りうる対応を考えやすくなることがあります。

Q. 学校にどこまで伝えればよいですか?

A. 診断名を伝えることが常に必要とは限りません。困っている場面、本人が安心しやすい対応、避けたい状況など、行事に必要な範囲で共有する方法を検討します。

Q. 発達特性があると、宿泊行事は参加しない方がよいですか?

A. 一律には決められません。本人の負担、行事内容、学校で可能な配慮、本人の希望を踏まえて考えることが大切です。参加の形を調整できる場合もあるため、早めの情報共有が役立ちます。

宿泊行事への不安は、本人にとって切実な困りごとであることがあります。「なぜできないのか」ではなく、「どの場面で何が負担になっているのか」を一緒に確かめることから始めてみてください。

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