2024.03.08ブログ

今回は、小児の解離症状について解説します。

今回は、小児の解離症状について解説します。


まずは一般的に解離症状とは何か、についてですが、


①精神症状としての、解離症状とは何か、その原因、治療は?


解離症状は、精神的な症状の一つで、個人の意識、記憶、アイデンティティ、感覚統合、環境認識に影響を与えるものです。解離は、通常、心的外傷やストレスに対する防衛機制として現れます。この状態では、個人は現実との接続を失ったり、自己の感覚や経験との連続性が途切れたりすることがあります。

解離症状の特徴

    記憶の喪失(解離性健忘):特定の期間や特定の出来事に関する記憶が失われる。
    二重のアイデンティティ(解離性同一性障害):別のアイデンティティや人格が現れることがある。
    現実感の喪失:自分自身や周囲の環境が非現実的、遠ざかっている、または夢のように感じられる。
    身体的感覚の変化:痛みや身体的感覚に対する鈍感さ。

原因

解離症状の原因は多岐にわたりますが、以下のような要因が関連していると考えられています:

    心的外傷:虐待、事故、災害、戦争体験などの重大な心的外傷。
    慢性的なストレス:持続的なストレスや感情的圧迫。
    心理的な防衛機制:不快な感情や記憶から自己を守るための無意識の試み。

治療

解離症状の治療は多面的で、以下のような方法が取り入れられます:

    心理療法:認知行動療法や精神分析的療法など、心理療法は解離症状の根本的な原因に取り組むのに役立ちます。

    外傷焦点治療:外傷体験に焦点を当て、それを処理し、解決することを目指します。

    薬物療法:抗うつ薬や抗不安薬などが、関連する精神症状の管理に使用されることがあります。

    支持的治療:患者が自己の感情や体験を理解し、それらに対処する能力を高めることを目指します。

    家族療法:患者の家族を巻き込んで、サポートシステムを強化します。


子どもでも解離症状はおきます。

ですが、自分でそれが解離症状、なんらかの症状だと気が付きにくいことも多いです。

子どもにおける解離症状の一般的な特徴

    日中の夢見がちな行動:現実からの逃避として、日常生活中にしばしば夢見るような状態になる。

    記憶の隙間:特定の出来事や期間に関する記憶の欠如。

    自己同一性の問題:自分自身や自分の役割について混乱を感じること。

    非現実感:自分自身や周囲の環境が非現実的、または遠ざかっていると感じる。

    学校や家庭での機能の低下:学業や家庭内の活動において集中力や機能が低下する。

    感情の麻痺:感情を感じることができない、または感情が鈍い状態。


なんかボーっとするみたいな、普通にもありそうなことも結構多いです。
記憶障害とかは、そのことに気が付かないこともあります。
睡眠発作みたいに出る子もいます。
自分が自分でない感じ、とかもそういう感覚を言葉で表現しにくいかもしれません。

学校にいけないくらいになって初めてクリニックにつれてこられる、ことが多いです。

しかし子どもの場合、原因が分かったり、養育者との関係が修復されたり、家族の保護機能がしっかりしていたりすると、大人と比べると早く回復して、何もなかったくらいになります。

養育者との間の問題が原因だったりすると、長引くこともありますが、早くアプローチできれば大人にまで持ち越すことがなくなります。


まとめ
今回は、小児の解離症状について解説しました。
子どもの場合、調子の悪さが、解離症状からきていることに気が付くのに時間がかかります。
なんだか様子がおかしいけど、小児科では異常なし、という状態でしたら、一度児童精神科に相談してください。
何もないならないで、ゆっくり様子を見ていけばいい、となりまから安心です。
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