2026.06.27ブログ

子どもが「見える」「聞こえる」と言ったら?幻覚・妄想で疑うべき病気と受診の目安

子どもが「見える」「聞こえる」と言ったら?幻覚・妄想で疑うべき病気と受診の目安

神奈川県厚木市の児童精神科専門クリニック きもとメンタルクリニック

「誰もいないのに人が見えると言う」

「誰かに悪口を言われていると言い出した」

「部屋に知らない人がいると怖がる」

「学校で『みんなに監視されている』と言うようになった」

このような症状が突然現れると、ご家族はとても不安になるでしょう。

子どもが「見える」「聞こえる」と訴えたからといって、必ずしも統合失調症とは限りません。

子どもの幻覚や妄想には、発達段階によるものから精神疾患、身体疾患までさまざまな原因があります。

今回は、子どもの幻覚・妄想で考えられる病気や受診の目安について、児童精神科専門医の立場から詳しく解説します。


幻覚と妄想とは?

幻覚とは

実際には存在しないものを見たり、聞いたり、感じたりすることです。

代表的には

  • 人の声が聞こえる(幻聴)
  • 誰もいないのに人が見える(幻視)
  • 虫が這っているように感じる(幻触)

などがあります。


妄想とは

事実ではないことを強く信じ込み、周囲が説明しても考えを修正できない状態です。

例えば、

  • 「誰かに狙われている」
  • 「学校のみんなが悪口を言っている」
  • 「家族が別人に入れ替わった」

などがあります。


小さな子どもでは正常なこともある

幼児では、

  • 空想上の友達(イマジナリーフレンド)
  • ごっこ遊び
  • 想像と現実が混ざる

ことがあります。

これらは発達過程でみられることがあり、病気ではありません。

年齢や状況、生活への影響を含めて判断することが重要です。


幻覚・妄想で疑うべき病気

① 統合失調症

小児ではまれですが、思春期以降に発症することがあります。

特徴

  • 幻聴
  • 被害妄想
  • 独り言が増える
  • 表情が乏しくなる
  • 学校生活に支障が出る

早期診断・早期治療が大切です。


② 強い不安やストレス

強いストレスが続くと、

  • 誰かに見られている感じ
  • 呼ばれた気がする
  • 人の声が聞こえた気がする

など、一時的な知覚の異常が起こることがあります。

学校でのいじめや友人関係、家庭環境の変化などが背景となる場合があります。


③ PTSD(心的外傷後ストレス障害)

事故や災害、虐待などの強い体験後に、

  • 当時の映像が繰り返し浮かぶ
  • 声が聞こえるように感じる
  • 悪夢

などがみられることがあります。


④ うつ病

小児うつ病では、

重症になると

  • 「誰かが責めてくる」
  • 「自分には価値がない」

などの妄想を伴うことがあります。


⑤ 双極症(双極性障害)

躁状態では、

  • 自分は特別な存在だ
  • 何でもできる

という誇大的な妄想が現れることがあります。


⑥ ASD(自閉スペクトラム症)

ASDそのものが幻覚を起こすわけではありません。

しかし、

  • 感覚過敏
  • 想像力の特性
  • 強い不安

によって誤解されることがあります。

ASDに他の精神疾患が合併することもあります。


⑦ ADHD

ADHDでは幻覚は典型的な症状ではありません。

ただし、

  • 睡眠不足
  • 強いストレス
  • 不安

が加わると、一時的に知覚の異常を訴えることがあります。

また、ADHD治療薬の使用中に幻覚が疑われる症状が出現した場合は、速やかに主治医へ相談する必要があります。


⑧ 睡眠障害

入眠時や目覚める直前には、

  • 人影が見える
  • 声が聞こえる

ことがあります。

これは「入眠時幻覚」「覚醒時幻覚」と呼ばれ、必ずしも精神疾患ではありません。


⑨ 身体の病気

身体疾患が原因となることもあります。

例えば、

  • 高熱
  • てんかん
  • 脳炎
  • 髄膜炎
  • 甲状腺疾患
  • 低血糖
  • 薬剤の影響

などです。

急な発症や意識障害、けいれんを伴う場合は、速やかな医療機関の受診が必要です。


受診を急いだ方がよい症状

以下のような場合は早めの受診をおすすめします。

  • 幻覚や妄想が数日以上続く
  • 学校生活に支障がある
  • 「死にたい」と話す
  • 興奮や攻撃性が強い
  • 食事や睡眠が極端に乱れている
  • 自傷行為がある
  • 高熱や意識障害を伴う

家庭での対応

まずは否定せず、お子さんの話を落ち着いて聞くことが大切です。

「そんなことあるわけない」

「気のせい」

と強く否定すると、不安が増すことがあります。

一方で、幻覚や妄想の内容をそのまま事実として肯定することも避けましょう。

「そう感じていて、とても怖かったんだね」

と、お子さんの気持ちに寄り添いながら安心できる環境を整えることが重要です。


きもとメンタルクリニックで行っている診療

神奈川県厚木市の児童精神科専門クリニック きもとメンタルクリニックでは、

  • 幻覚・妄想の評価
  • 不安症
  • ASD(自閉スペクトラム症)
  • ADHD
  • 小児うつ病
  • PTSD
  • 不登校
  • 思春期のこころの問題

など、お子さん一人ひとりの状態を丁寧に診察しています。

必要に応じて心理検査や医療機関との連携も行い、適切な診断・治療につなげています。


まとめ

子どもの幻覚や妄想は、

  • 発達段階による一時的な現象
  • 強いストレスや不安
  • ASDやADHDに伴う困りごと
  • 睡眠障害
  • 精神疾患
  • 身体疾患

など、さまざまな原因で起こります。

「様子を見れば大丈夫」と自己判断せず、症状が続く場合や学校生活・家庭生活に影響が出ている場合は、早めに児童精神科へ相談することが大切です。

神奈川県厚木市の児童精神科専門クリニック きもとメンタルクリニックでは、お子さんの心と発達の問題について専門的な診療を行っています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

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