2024.03.15ブログ
今回は、成人のADHD(注意欠如多動性障害)の治療における注意点について解説します。
今回は、成人のADHD(注意欠如多動性障害)の治療における注意点について解説します。 ADHDという疾患自体は、昔に比べるとだいぶ一般的に広がったとは思います。 特にADHDに対して日本で保険適応となった薬が発売になった時に、製薬企業のプロモーションのおかげもあり、疾患認知があがったと思います。 ですが、その時からしばらくたち、一時期ほどのブームではなくなっています。 疾患がうもれてくれば、自分の困っている症状がADHDかもしれない、と思いつく頻度もやや減ります。 特にADHDの不注意症状は子どもの時から自分自身の感覚とぴったりくっついているため、それが症状だと気が付きにくいものです。 また学生の時はそれほどこまらないことも多い。 仕事をはじめてからなんかうまくいかないこと、怒られることが増えたとしても、やはりそれがADHD症状のせいでそうなっているとは分からないものです。 自分の努力不足、頑張りがたりない、仕事がむいていない、と思ってしまうのではないでしょうか。 そして体調を崩してからメンタルクリニックを受診したら、ADHD症状はみつけられず、適応障害、うつ病、などの診断名がついてしまうこともあります。 しかしそれでは根本的な解決にはつながりません。 不注意があると、同時処理、並行作業、が苦手になります。これが苦手だと、仕事では結構こまります。 会議していても、視覚刺激と聴覚刺激を同時に処理できなければ、話についていけないかもしれません。 仕事とはマルチタスクが求められることが多いからです。うっかりミスも、学生では大丈夫でも、仕事となると続けば信用を失ってしまいます。 急にぼーとする、集中力がなくなる、ということもあるでしょう。気合がたりないと思われるかもしれません。 ADHD症状はそれを見つけるつもりで診なければ発見できません。 大人になったとしても、このような悩みがあれば、児童精神科専門クリニックを受診してください。 まとめ 今回は、成人のADHD(注意欠如多動性障害)の治療における注意点について解説しました。 ADHDは頻度の高い疾患ですが、多動、衝動性と比べ不注意症状はうもれてしまうことが本当に多いです。 不注意症状は一時的とは言え、内服でかなり改善します。 仕事の時間だけでも改善すれば、もしかしたら人生が変わるくらいの変化をもたらすかもしれませんし、そういう方を多く見てきました。 少しでも気になることがあれば、受診して早い段階ではっきりさせた方がいいでしょう。