2024.04.28ブログ

ロールモデルについて

ロールモデルという言葉、聞いたことあるでしょうか。
心理学で使われていましたが、最近ではビジネス場面でも聞くことが増えたように思います。


教科書的にはこんな感じでしょうか
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①ロールモデルとは

ロールモデルとは、個人が模範とみなし、模倣したいと思う人物やキャラクターを指します。これらの人物は、行動、倫理観、成功、能力、態度などの特定の資質を通じて、他者に影響を与え、インスピレーションを提供します。ロールモデルは、個人の価値観の形成、自己認識の発展、社会的スキルの向上、キャリアや教育の目標設定に重要な役割を果たすことがあります。

ロールモデルは、家族の中の親や兄弟姉妹、教育者、コーチ、同僚、公共の人物、歴史上の人物、さらにはフィクションのキャラクターまで、様々な形態で存在します。重要なのは、ロールモデルがポジティブな影響を与え、個人が自分自身の潜在能力を最大限に引き出すための動機付けとなることです。

ロールモデルは、特に若年層において、自尊心の向上、困難な状況への対処方法の学習、将来の職業や人生の道を探求する上でのガイダンスの提供など、肯定的な影響をもたらすことが示されています。ロールモデルは、目標達成のための具体的な手段や方法を示すことにより、現実的な期待を設定し、その達成に向けた努力を促すことができます。


②子どもから見た時の、ロールモデルとは(児童精神科領域において)

子どもから見た「ロールモデル」とは、子どもが模倣しようとする、あるいは自分自身のアイデンティティを形成する上で影響を受ける人物を指します。この概念は、子どもが社会的、倫理的、職業的な行動や価値観を学ぶ過程で、特定の人物を模範として見る心理的メカニズムに関連しています。

精神分析学の創始者であるフロイトは、子どもの発達において家族、特に親が果たす役割に重点を置きました。子どもは親や他の親密な大人(例えば、教師や親戚)の行動を観察し、それらを模倣することで自己の性格や行動の基礎を築きます。このプロセスは、特にエディプスコンプレックスやスーパーエゴの発達といった概念を通じて、精神分析学において詳細に説明されています。

ロールモデルは、子どもが性別の役割、社会的関係、対人関係のスキル、職業的志向などについて学ぶ上で重要な役割を果たします。子どもはロールモデルを通じて、自己のアイデンティティを探求し、自己価値感や目標を形成します。また、精神分析学は、子どもがロールモデルを内面化し、その後の人生での自己認識や行動のパターンに影響を与える過程にも注目しています。

このように、精神分析学におけるロールモデルの概念は、子どもの心理的発達において中心的な役割を担い、子どもが周囲の世界とどのように関わり、それを理解し、自分自身を位置づけていくかに深い影響を及ぼします。
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ロールモデル、自分とは何か、自我同一性を形成するのに、必要な要素だと思います。

大人モデル、とでもいいかえることもできると思います。

こういう大人になりたい、一つの指標となるような人、に合ったことがあるというのは自己を形成するのに重要なのです。
それが複数人いてもいいと思います。

逆に思春期あたりで、ロールモデルといえるような人に出会えないと、取り込む相手がいないので、こうありたい、こういう人になりたい、自分らしさとはこうである、みたいなものが育ちにくいとも言えます。

幼少期からロールモデル、通常は親がそのポジションですが、なりえる人がいなかったりすると、かなり自我形成に問題がでてきます。

指標がないと、人は不安定になるものです。何か比較したり、ものさしとなる対象があった方が、自我は安定します。

児童精神科医は、そういう人があまりにいなければ、自分がロールモデル的な役割をとることもあっていいと思います。
これは私の個人的な意見です。

何か困っていることがあってきた子どもに対し、そういうアプローチの仕方があってもいいでしょう。

もちろんそれは担当医である必要もありません。
関わるスタッフの誰かがそういうモデルとなっても、もちろんいいと思います。


まとめ
今回は、ロールモデルとは何かについて解説しました。

大人モデルは、やはり多少なりとも必要です。

価値観、理想、コンプレックス、など、0から作るものではなく、他人から取り込みながら作りあげていくものだからです。

親でも、となりに住んでいる人でも、親戚でも、学校の先生でも、塾や習い事の先生でも、誰でもいいのですが、ロールモデルがないのはよくないです。
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