2024.08.11ブログ

ADHD治療薬について解説

現在日本でADHDに対して保険適応が通っている薬は4剤あります。

コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセ、です。

国内でのADHDに対する臨床試験を経て採用になっているので、どの薬ももちろんADHDの症状に効果はあります。

そのメカニズムや、副作用、から使い分けていく感じになります。


①ADHD治療薬、コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセ、それぞれの特徴、メカニズム、効果、副作用、使い分け、について

(1)コンサータ(メチルフェニデート)
メカニズム: ドーパミンとノルアドレナリンの再取り込み阻害作用により、これらの神経伝達物質の活動を増強します。
効果: 注意力の向上、衝動性の減少、集中力の改善が見られます。
副作用: 不眠、食欲不振、体重減少、心拍数の増加、時に感情的な副作用(不安感、イライラ)などが見られることがあります。
使い分け: 日中の数時間効果が持続するため、学校や職場での集中力を必要とする場合に用いられます。


(2)ストラテラ(アトモキセチン)
メカニズム: ノルアドレナリン再取り込み阻害薬で、主にノルアドレナリンのシナプス間隙における濃度を高めることで作用します。
効果: 注意力の向上と衝動性の低減が主な効果ですが、その作用は徐々に現れます。
副作用: 吐き気、食欲不振、疲労感、気分の変動が報告されています。
使い分け: スティムラント(刺激薬)を用いた治療が適さない場合、または副作用に敏感な患者に選択されることがあります。


(3)インチュニブ(グアンファシン)
メカニズム: α2アドレナリン受容体作動薬で、前頭前野の神経細胞の活動を調節してADHDの症状を改善します。
効果: 衝動性の減少と注意力の改善が見られますが、これも徐々に現れる効果です。
副作用: 眠気、頭痛、疲労感、低血圧、心拍数の減少など。
使い分け: スティムラントに対する耐性がある場合や、スティムラントの副作用を避けたい場合に用いられます。


(4)ビバンセ(リスデキサンフェタミン)
メカニズム: アンフェタミンのプロドラッグとして、ドーパミンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害し、その放出を促進します。
効果: 集中力の向上、注意力の持続、活動過多の抑制が期待されます。
副作用: 不眠、食欲不振、体重減少、心拍数の増加などのスティムラント特有の副作用があります。
使い分け: 長時間作用するため、一日一回の服用で全日の症状管理が可能です。効果が速やかに現れるため、即効性を求める場合に適しています。

②ADHD治療薬、コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセ、の用法、用量、どの薬がどの症状に適しているか

ADHD(注意欠如・多動性障害)の治療薬であるコンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセは、それぞれ特定の症状や患者のニーズに応じて使い分けられます。以下に各薬剤の用法、用量、およびどの症状に特に適しているかについて説明します。

(1)コンサータ(メチルフェニデート)
用法・用量: 成人および小児で朝一回の投与が基本です。用量は患者の症状や反応に応じて調整されます。通常は18 mgから開始し、効果の観察に基づき最大54 mgまで増量可能です。18才以上は72mgが上限。
適用症状: 衝動性が高い、集中力が続かない、活動過多の子供や大人に適しています。即効性が求められる場合や、学校や職場での長時間の注意が必要な場合に有効です。


(2)ストラテラ(アトモキセチン)
用法・用量: 一日一回または二回の服用で、食事の影響を受けずに服用可能です。初期用量は体重に基づいて計算され、成人では1日40mgより開始し、その後1日80mgまで増量した後、1日80〜120mgで維持する。
適用症状: スティムラント薬に対する副作用が懸念される場合や、スティムラント薬の使用が適切でない患者(薬物乱用の歴史があるなど)に適しています。また、全日持続する効果が求められる場合にも有効です。


(3)インチュニブ(グアンファシン)
用法・用量: 一日一回、1日2mgより投与を開始し、1週間以上の間隔をあけて1mgずつ、1日4〜6mgの維持用量まで増量する。小児では体重に応じて少量から開始します。
適用症状: スティムラント薬の副作用に敏感な患者や、スティムラント薬との併用で不足する効果を補完するために使用されます。特に、過活動や衝動性を抑制する効果があります。


(4)ビバンセ(リスデキサンフェタミン)
用法・用量: 成人および小児で一日一回、朝の服用が推奨されます。初期用量は30 mgで、必要に応じて最大70 mgまで増量可能です。
適用症状: 注意力の欠如が顕著で、日中長時間にわたる効果が必要な場合に適しています。また、ビバンセは食欲抑制効果もあるため、食事や体重管理が関連する問題がある場合にも選ばれることがあります。


まとめ
今回はADHD薬について解説しました。

どの薬も、副作用は使っていくうちに慣れていくものが多いです。

症状が残っていて、副作用もそれほど気にならない、本人が希望しているのに中途半端な量で使い続ける、もしくは医師側の都合で自分は中枢刺激薬は使いたくない、リスクをとりたくないから使わない、みたいなことがたまにありますので、そのあたり注意が必要です。
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