2025.10.23ブログ
依存の少ない睡眠導入剤について— 神奈川県厚木市 児童精神科専門クリニック|きもとメンタルブログ
依存の少ない睡眠導入剤について
— 神奈川県厚木市 児童精神科専門クリニック|きもとメンタルブログ
睡眠導入剤とは?
睡眠導入剤は、「寝つきが悪い」「夜中に何度も目が覚める」などの不眠症状を改善する薬です。
しかし一方で、「薬に依存してしまうのでは?」という不安を持つ方も多いでしょう。
実際、睡眠薬の中には依存性(飲まないと眠れなくなる)のリスクが高いタイプもありますが、
最近では依存が少なく、自然な眠りをサポートする新しい薬が登場しています。
睡眠薬の種類と依存性の違い
① ベンゾジアゼピン系
古くから使われている睡眠薬で、「レンドルミン」「サイレース」「ハルシオン」などが代表的です。
脳の興奮を抑えて眠りを誘導しますが、長期間の使用で依存・耐性が生じやすいため、
現在では短期間の使用に限定されることが多くなっています。
② 非ベンゾジアゼピン系(Z系)
「アモバン」「マイスリー」「ルネスタ」などが該当します。
作用機序はベンゾジアゼピン系と似ていますが、
・翌朝のだるさが少ない
・副作用が軽い
といったメリットがあります。
ただし依存のリスクはゼロではないため、医師の指導のもとでの使用が必要です。
③ メラトニン受容体作動薬(依存が非常に少ない)
「ロゼレム(ラメルテオン)」が代表です。
体内時計を整えるホルモン“メラトニン”と同じ働きをする薬で、
自然な眠気を促すタイプの睡眠導入剤です。
習慣性・依存性がほとんどない
長期使用でも安全性が高い
睡眠リズムの乱れ(夜型生活・時差ぼけ)にも有効
といった特徴があり、最も依存の少ない睡眠薬のひとつです。
④ オレキシン受容体拮抗薬(新しいタイプ)
「ベルソムラ」「デエビゴ」などがこれにあたります。
脳の覚醒を維持する物質“オレキシン”の働きを抑えることで、
自然な眠りを誘導します。
入眠だけでなく「中途覚醒」にも効果
翌朝の眠気が少ない
依存性が非常に低い
特にデエビゴは依存・耐性・離脱症状が極めて少ないことが臨床的に確認されており、
近年の「依存の少ない睡眠薬」の代表格となっています。
依存を防ぐためのポイント
薬の種類だけでなく、使い方も大切です。
毎日同じ時間に服用し、生活リズムを整える
「飲まないと眠れない」と思い込まない
眠れるようになったら、徐々に減らす計画を立てる
就寝前のスマホ・カフェインを控える
医師と相談しながら、薬に頼りすぎない睡眠習慣をつくる
まとめ
薬のタイプ 代表薬 依存性 特徴
ベンゾジアゼピン系 ハルシオン・レンドルミン 高い 速効性あり、依存リスクあり
非ベンゾジアゼピン系 マイスリー・ルネスタ 中程度 翌朝のだるさが少ない
メラトニン受容体作動薬 ロゼレム 非常に低い 体内時計を整える
オレキシン受容体拮抗薬 ベルソムラ・デエビゴ 非常に低い 自然な眠気を促す
🌙 きもとメンタルクリニックでは
依存の少ない睡眠導入剤(ロゼレム・デエビゴなど)を中心に、
お一人おひとりの睡眠リズムや生活習慣に合わせた治療を行っています。
「眠れない」「寝つきが悪い」「薬を減らしたい」という方も、
薬だけに頼らない安心できる睡眠治療をご提案いたします。



