2025.09.25ブログ
子どもの強迫性障害に対する認知行動療法(CBT)について
子どもの強迫性障害に対する認知行動療法(CBT)について
— 神奈川県厚木市 児童精神科専門クリニック|きもとメンタルクリニックブログ
子どもの強迫性障害(OCD)とは?
強迫性障害(OCD)は、
頭の中に繰り返し浮かんでしまう考え(強迫観念)
その不安を打ち消すために繰り返してしまう行動(強迫行為)
が特徴の病気です。
子どもに多く見られる例は、
何度も手を洗わずにはいられない
ドアのカギを何度も確認する
勉強や遊びの途中で、特定の順序や数字にこだわってしまう
といったものです。
強い不安と行動の繰り返しにより、勉強や友人関係、家族生活に大きな影響を与えることがあります。
認知行動療法(CBT)とは?
認知行動療法は、薬物療法と並んで強迫性障害に効果があることが科学的に証明された治療法です。
子どもに対しても有効であり、安心して行える方法として世界的に推奨されています。
その中心的な技法が、**曝露反応妨害法(ERP: Exposure and Response Prevention)**です。
CBTの進め方(子どもの場合)
① 問題を一緒に整理する
まずはお子さんがどのような場面で不安になり、どんな行動を繰り返しているのかを一緒に確認します。
「困っていることを見える化」することが、治療の第一歩です。
② 曝露反応妨害法(ERP)
あえて不安を感じる状況に近づく(曝露)
その後に強迫行為をせずに我慢する(反応妨害)
という練習を繰り返します。
例)「汚れが気になる → すぐに手を洗いたい」という場合、あえて手を洗わずに数分我慢することから始めます。
時間を重ねることで、不安が自然と弱まる体験を繰り返し、「行動をしなくても大丈夫」と学習していきます。
③ 認知の修正
「やらなければ不安で大変なことになる」という思い込みを少しずつ修正し、柔軟な考え方を身につけます。
家族のサポートが重要
子どものCBTでは、ご家族の関わり方がとても大切です。
強迫行為に付き合いすぎない
少しずつ我慢できた時にしっかりほめる
焦らず、段階的に取り組む
といった支援が、お子さんの改善を後押しします。
まとめ
強迫性障害は「不安」と「行為」の悪循環が続く病気
認知行動療法(CBT)、特に曝露反応妨害法(ERP)は有効な治療法
子どもに対しては家族の協力が改善の鍵になる